自動車業界は、EV・自動運転・コネクテッドなどの技術革新により、職種によって年収差が大きく広がっている業界です。
本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)の実績データをもとに、自動車業界の年収ランキングTOP30と、高収入を目指せる職種の仕事内容・キャリアパスを解説します。
目次/Index
自動車産業の未来図と年収格差──CASE・MaaS時代に勝ち残る条件とは
自動車業界では構造転換が進み、従来の車を製造して販売するモデルから、移動そのものをサービスとして提供するビジネスモデルへとシフトしつつあります。
自動車業界では、CASE・MaaSの進展により求められるスキルと年収水準が大きく変化しています。ここでは、年収格差が生まれる背景を4つの観点から整理します。
- CASE・MaaSによる産業構造の再編
- 人材需要の偏りと新しいスキルセット
- 自動車業界の年収は全業種平均より高水準
- ハイクラス層に多い転職動機とキャリア戦略
CASE・MaaSによる産業構造の再編
CASEとは、Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric の4領域を指す、自動車産業の技術変革を示す概念です。
CASEがもたらす技術進化は、最終的にMaaSと呼ばれる新しいモビリティ社会の実現につながります。MaaSとは「Mobility as a Service」の略で、多様な交通手段を一つのプラットフォーム上に統合し、移動自体をサービスとして捉えるコンセプトです。
CASEの進化によるMaaSの実現は、自動車メーカーだけでなくIT業界やエネルギー業界など、あらゆる業種の連携を加速させています。その結果、現在は自動車産業の構造再編も進んでいます。
人材需要の偏りと新しいスキルセット
自動車業界では、製造業の枠組みを超え、ITやサービス業とのハイブリッド化が進められています。求人領域も変化しており、ソフトウェア開発、電動化、安全技術、クラウド連携など、CASE領域に精通したエンジニアの需要が拡大しています。
また、部品や材料の供給網の複雑化や地域ごとの需要変動に対応するため、世界規模での調達、生産計画、在庫最適化を担うグローバルサプライチェーンマネジメント(SCM)領域のスペシャリストのニーズも高まっています。
自動車業界の年収は全業種平均より高水準
自動車業界の年収水準は、全業種平均を大きく上回っています。国税庁が公表している「令和6年民間給与実態統計調査」によると、自動車業界が含まれる製造業の平均給与額※は521.3万円です。全業種の平均である401.2万円に比べ、製造業の給与水準は高い位置にあるといえます。
※平均給与額=給与総額÷年間月平均給与所得者数
出典元:国税庁「令和6年民間給与実態統計調査」p39
ハイクラス層の報酬傾向については、JACを介して自動車業界への転職が成功した実績をもとに、次章以降で詳しく解説します。
ハイクラス層に多い転職動機とキャリア戦略
大きな変革期を迎えている自動車業界のハイクラス層のキャリア形成において、CASEやMaaSに関連した領域に注目が高まっています。管理職やスペシャリストなど、ハイクラス層の転職動機としては、以下が多く見られます。
・専門性の高度化と報酬の最適化:専門性をさらに高め、市場評価に基づいた適正な報酬を得たい。
・CASE技術開発の主導:次世代技術であるCASE関連技術開発を主導したい。
・新規事業領域における裁量権の拡大:MaaSなどの新領域において、裁量権をもって新たなビジネスモデルを構築したい。
・グローバルサプライチェーンの統括:複雑化する国際情勢下で国際プロジェクトを率い、次世代のサプライチェーンを再設計したい。
特にMaaS領域は、今後自動車だけでなく、鉄道や航空業界にも広がり、さらに進展すると考えられています。しかしMaaS市場では、明確なビジネスモデルがまだ確立されていません。
MaaS領域の不確実な環境下で得た成功体験は、今後のモビリティ業界に影響を与えるだけでなく、自身の市場価値の向上にもつながります。また、その経験は自動車業界にとどまらず、鉄道や航空業界を含む、より広い領域へ専門性を広げる可能性もあります。
豊富な実績と高いスキルは、自動車業界においても高い評価につながります。自動車業界への転職をご検討の際は、ハイクラス層の転職支援実績が豊富なJACにご相談ください。
業界における市場価値はもちろん、レジュメの効果的な書き方、面接対策、
企業傾向の情報収集など、JACのコンサルタントにご相談ください。
【職種別】自動車業界年収ランキングTOP30と求人情報
JACの転職実績では、自動車業界への転職者の平均年収は799.2万円と高水準です。
以下では、年収1,000万円超の職種を中心にTOP30を紹介します。
TOP30にランクインしている職種は、ハイクラス層では年収1,000万円超が現実的に狙えるポジションです。
■自動車業界年収ランキングと求人情報
下記職種をクリックすると、該当の求人検索結果に遷移します。
1:CMO
2:ライセンス管理
3:CHRO
4:海外子会社管理(経理・財務)
5:CTO・VPoE
6:エンジニアリングマネージャー
7:フォーキャスティング
8:CFO
9:強電・計装設計
10:CEO
11:HRIS
12:施工管理(土木系)
13:管理部門責任者・ファイナンシャルコントローラー
14:HRBP
15:システム監査
16:サーバーエンジニア(設計・構築系)
17:プロダクトマネージャー
18:アドバイザリー
19:PG(プログラマー)
20:プラントエンジニア(機械)
21:プロセスエンジニア(化学)
22:社外取締役
23:アカウントエグゼクティブAE(営業)・アカウントプランナー
24:LSI・IC・メモリ設計
25:渉外(ロビイング)
26:ストアマネージャー・店舗責任者
27:不動産開発
28:営業管理職
29:クリエイティブディレクター・アートディレクター
30:戦略コンサルタント
自動車業界で高年収を目指せる職種の仕事内容
自動車業界で高年収を目指せる職種では、具体的にどのような業務を担うのでしょうか。上に紹介したランキングTOP30の職種の仕事内容について解説します。
1. CMO
CMOは、マーケティング戦略を通じて事業成長に直接責任を負う経営ポジションです。
MaaSや新サービス領域の顧客獲得を主導する役割から、高年収が設定されやすい職種といえます。
2.ライセンス管理
特許や商標などの知的財産の運用や管理、ライセンスの契約交渉、紛争対応などを担います。
法務部門などに属するケースが一般的で、知的財産に関する専門知識や契約法の知識などが必須スキルです。国際取引などに関する知識を深めることで、さらなる年収アップを期待できます。キャリアパスとしては、法務部門や知財戦略に関連する管理職、経営企画へのキャリアチェンジなどが考えられます。
3.CHRO
最高人事責任者であるCHROは、人事の面から経営戦略の実現を支えるポジションです。具体的には経営戦略に基づいた人事戦略の策定・実行、組織開発、人事制度の設計・見直し、採用戦略の統括などを行います。CHROには、組織開発や人事制度、労務などに関連する高度な知識のほか、経営戦略を人事戦略に落とし込む力が求められます。
人事部門から実績を積み、CHROに就任する事例が一般的ですが、自社の事業部門や外部コンサルタントからCHROに就任する事例も増えています。
4.海外子会社管理(経理・財務)
グローバル事業を強化する企業が多いことから、海外子会社の経理や財務業務を統括する職種も高年収が設定されています。経理や財務に関する知識のほか、国際会計基準に関する知見、語学力も必要な職種です。海外勤務経験や海外M&Aの実務経験がある場合、より高い評価につながり、さらなる年収アップが期待できます。
5.CTO・VPoE
最高技術責任者であるCTOは、技術戦略の策定や推進を担う、技術面から経営をリードするポジションです。自動車業界においては、経営戦略に基づいたCASE技術のロードマップ策定や技術の選定などを担当します。また、技術チームの責任者であるVPoEは、技術者の採用や育成、開発プロセスの最適化などを担うポジションです。いずれも、高度な技術知識と組織マネジメント力が問われるポジションであり、VPoEを経てCTOを目指すケースが一般的です。
6.エンジニアリングマネージャー
開発チームのマネジメントや進捗管理などを行うポジションです。技術マネジメントと組織マネジメントに携わり、技術的知見とビジネス理解がともに求められます。エンジニアリングマネージャーとして実績を積むことで、将来的にVPoEやCTOへの昇進を目指すことができます。
7.フォーキャスティング
CASE技術の進展が目覚ましい自動車業界において、需要を予測し、生産計画の最適化を行うフォーキャスティングは、サプライチェーンの最適化にもつながる重要な職種です。フォーキャスティングには、自動車市場への理解や統計知識、データ分析スキルなどが求められます。機械学習など、最新のデータサイエンス手法の習得や生産現場など、関連部門についての業務知識の習得が年収アップのポイントとなります。また、フォーキャスティング業務から経営企画や営業部門を目指すキャリアパスも選択肢に入ります。
8.CFO
最高財務責任者であるCFOは、財務戦略の立案と実行を担い、資金調達や原価管理、M&A戦略、IR活動などを統括します。高度な財務・会計知識のほか、リスク管理力や経営視点が求められます。また、グローバルな事業展開を進める自動車業界の場合、海外企業や海外投資家との関係構築実績がある方は、転職時の評価がより高くなる傾向です。その後は、海外事業部や財務部などを経て、CFOに昇進するケースが一般的です。
9.強電・計装設計
自動車業界では、EVやHEVの普及にともない、電動パワートレインや生産設備の電気・制御システムの設計や開発を行う、強電・計装設計職が担う役割の重要性はかつてないほど大きくなっています。特に、EVやHEV向けのモーター駆動用インバーター、コンバータ、車載充電器、バッテリーパックの開発経験者の市場価値は、非常に高まっています。またこの職種では、社内の各部門やサプライヤーなどと協調し、円滑に業務を進めるコミュニケーション能力も求められます。
将来的には、部門の管理職や専門技術者を目指すキャリアパスが多くなっています。
10.CEO
最高経営責任者であるCEOは、企業全体を牽引するポジションであり、経営戦略の立案・実行を行い、会社全体の業務執行を統括します。高度な経営戦略スキルと自動車業界に関する深い造詣、多角的な視点、強力なリーダーシップが求められます。また、変化への適応力も必要です。転職によってCEOを目指す場合は、CFOやCOOなどの実績も必要になります。
11.HRIS
人事情報システムの企画や導入、運用が主な業務です。HRや人事に関する専門知識のほか、HRISの運用に関するITスキルが求められるほか、システム導入時には部門横断的な調整が必要になるため、課題解決能力やコミュニケーション能力も求められます。
グローバル展開を進める自動車業界において、効率的な人事オペレーションや戦略的な人員配置は喫緊の課題です。そのため、人事とITの両方に精通するHRISの実務経験者は、市場価値が高まっています。
12.施工管理(土木系)
自動車業界では、製造工場の建設や拡張、周辺道路や物流施設の整備などが必要です。また、開発プロジェクトにともなう研究施設やテストコースの設計・施工も必要になることから、土木系の施工管理業務の経験者へのニーズも高まっています。
土木施工管理技士資格の保有やCADスキルに加え、マネジメント経験が年収アップのポイントとなります。
13.管理部門責任者・ファイナンシャルコントローラー
企業の財務や経理を統括し、財務報告や財務計画の策定、予実管理などを担い、管理会計と制度会計の両面から経営陣の意思決定をサポートするポジションです。財務や会計に関する高度な知識のほか、戦略的思考力、高いコミュニケーション能力が求められます。
管理部門責任者やファイナンシャルコントローラーを経て、CFOを目指すことも可能です。
14.HRBP
Human Resource Business Partnerの頭文字を取ったHRBPは、特定の事業部門を担当する事業推進責任者のパートナーとして、事業戦略に基づいた人事施策の実効に取り組むポジションです。人事戦略や組織開発の策定や実行をサポートする立場のため、人事や労務に関する知識のほか、組織が抱える課題を正確に捉えるビジネス理解や課題解決能力、戦略立案能力が求められます。事業部門の成長に貢献し、高い評価を得られた場合、人事部門の管理職などに昇進するケースが見られます。
15.システム監査
情報システムの監査や評価を行い、改善提案を行う業務です。自動車業界では品質マネジメントシステムや情報セキュリティに関する業務が中心となり、IATF16949やISO9001、自動車のサイバーセキュリティ対応の国際標準であるUNR155などの知識が求められます。高く評価されるのは、自動車関連の環境規制や安全基準などに関する知識を備えた実務経験者です。
16.サーバーエンジニア(設計・構築系)
CASE技術の進展にともない、自動車業界では、IoTやビッグデータ基盤、車両制御システムを支えるサーバーエンジニアへの需要が急増しています。走行データの収集・分析基盤の構築、車載システムと連携するサーバーの開発、クラウド環境でのサーバー構築、そして組込みシステムとの連携経験がある方は、より高い年収が期待できます。
17.プロダクトマネージャー
自動車業界におけるプロダクトマネージャーは、市場調査や新技術の開発状況に基づいた製品企画や開発の進行管理、販売戦略の立案などを担います。そのほか、完成車メーカーと部品メーカーの双方のプロダクトマネージャーが連携し、部品調達や開発の調整を行う点も自動車業界の特徴です。技術的知見とビジネス的知見の両方が求められる難易度の高い業務であり、MaaS分野での実績は高い評価につながります。
将来的には、経営層への昇進を目指すキャリアパスのほか、他業界への転身も視野に入れることが可能です。
18.アドバイザリー
課題が山積する自動車業界では、業界特有の専門知識と、IT・データサイエンスの知見を組み合わせて、戦略立案やDX推進、SDGs対応などを支援するアドバイザリー業務への需要が高まっています。アドバイザリー業務においては、自動車業界の構造やトレンド、経営戦略、IT戦略などに関する高度な専門知識、論理的思考力、課題解決能力が求められます。
19.PG(プログラマー)
自動運転やコネクテッドカーの進化にともない、AIやIoT、制御システム、車載ソフトウェア開発などの領域におけるプログラマーの需要も急増しています。自動車がソフトウェアによって価値を生み出す製品に変化しつつある今、プログラマーは自動車業界において高年収が期待できる職種です。特に、AIやIoT、組込みシステム、セキュリティなどの専門知識を備えていると高く評価されます。
プログラマーとして経験を積んだ後は、特定分野のスペシャリストやプロジェクトマネージャーへ進むキャリアパスが一般的です。
20.プラントエンジニア(機械)
自動車業界におけるプラントエンジニアは、自動車メーカーや部品メーカーにおいて製造ラインの設計・施工・保守を担います。機械工学やロボティクス、流体力学、材料力学などの知識が求められ、生産効率の向上や自動化、新技術導入などに貢献する業務です。
プラントエンジニアのキャリアパスは、特定分野における技術者としてスペシャリストを目指す選択肢のほか、幅広い工程に関わり生産技術全般を管理するゼネラリスト、部門管理者を目指すケースが多く見られます。
21.プロセスエンジニア(化学)
車体の安全性や環境性能を向上させる新素材の開発や生産技術の開発、品質管理などが主な業務です。化学工学の専門知識のほか、プロセス設計能力、安全管理、プロジェクト推進力などが求められます。EVの開発が進む中、高性能なリチウムイオン電池の開発が急務となっており、特に電池材料の知見が高く評価されます。
将来的には、プロダクトマネージャーや部門の管理職への昇進などを目指すことも可能です。
22.社外取締役
社外取締役は、外部から独立した視点で企業の経営を監視し、適切な助言を行います。コーポレートガバナンスの強化が求められる中、上場企業には社外取締役の設置義務が課されました。社外取締役には、企業経営の管理や監督、助言のほかに、ステークホルダーの意見を反映させ、株主と経営層をつなぐ役割も担っています。他社での役員経験や弁護士、会計士などの専門知識を備えた方が歓迎される傾向です。
23.アカウントエグゼクティブAE(営業)・アカウントプランナー
アカウントエグゼクティブやアカウントプランナーは、法人営業として、重要顧客や特定顧客と良好な関係性を構築し、自社製品の提案を行います。新規顧客開拓と既存顧客の深耕による売り上げ拡大を目指すため、顧客ニーズを的確に読み取る高い営業力や交渉力が求められます。
大規模案件の受注実績や大口顧客との取引拡大実績がある場合などは、即戦力として期待され高年収の提示を受ける事例が増えています。キャリアパスとしては、営業部門の管理職や海外拠点を統括するグローバル・アカウント・マネージャーなどが考えられます。
24.LSI・IC・メモリ設計
LSIやIC、メモリの設計業務は、自動運転やコネクテッドカー、EVに欠かせない技術です。回路設計経験のほか、半導体の知識、データ分析能力などが求められます。自動車向け半導体市場のニーズは高く、車載向けの設計経験者が特に高い評価を得ています。
CASE技術のさらなる発展が求められ、LSI・IC・メモリ設計は将来性の高い職種といえます。
25.渉外(ロビイング)
環境規制や自動運転関連法規、税制などの情報を収集し、各所と交渉を行い、規制緩和の働きかけなどを行う職種です。政府機関や地方自治体との交渉も行うため、自動車産業の深い知識に加え、政治や行政についての理解も求められます。
国内だけでなく、グローバルな環境下で渉外業務に従事した経験がある場合、さらなる年収アップが期待できます。渉外担当として経験を積んだ後のキャリアパスは、部門管理者を目指すケースが一般的ですが、業界の知識や交渉で培った人脈を生かし、業界団体の役員に就任するケースも見られます。
26.ストアマネージャー・店舗責任者
自動車ディーラーや販売店舗の運営を統括するポジションです。売り上げ目標の達成に向け、販売戦略の立案や実行を行い、スタッフの育成にも携わります。売り上げや人件費、在庫などを管理する能力のほか、スタッフとの信頼関係を構築し、チームを率いるリーダーシップとコミュニケーション能力が求められます。
販売員として経験を積んだ後、ストアマネージャーや店舗責任者へ昇進するケースが多く、さらにその先はエリア統括マネージャーや営業企画部門を目指す道が一般的です。
27.不動産開発
製造工場や販売店舗、商業施設などの開発プロジェクトを推進する業務です。用地選定から事業計画の立案、設計・建設のディレクション、関係者との交渉などを担当します。不動産や建築などに関する知識のほか、市場調査・市場分析スキル、プロジェクトマネジメントスキル、コミュニケーション能力が求められます。開発部門で経験を積んだ後は管理職を目指すキャリアパスが一般的ですが、経験を生かし、不動産デベロッパーへの転職を目指すことも可能です。
28.営業管理職
部門全体の営業成績に責任をもち、営業目標の設定や販売戦略の立案・実行、予算管理、営業スタッフの育成などを行います。
管理職として部門の成績を向上させた経験や後進の育成経験は、マネジメント能力の証明となり、転職時の評価を高めます。営業スタッフとして実績を積み、営業管理職に就任するケースが多く、将来的には営業部門のトップや経営層も目指せます。
29.クリエイティブディレクター・アートディレクター
クリエイティブディレクターやアートディレクターは、広告宣伝業務のクリエイティブ部門の責任者です。ブランドイメージを向上させ、ユーザーの記憶に残る広告デザインやコンセプトを決定し、デザイナーやコピーライターなど、製作チームを指揮・統率する役割を担います。
クリエイティブセンスのほか、デジタルマーケティングに関する知見、チームを統率するマネジメント力が求められます。将来は、広告宣伝部門全体のトップやCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)を目指すキャリアパスなどが想定されます。
30.戦略コンサルタント
戦略コンサルタントは、企業の経営課題を特定し、成長戦略や新規事業、事業ポートフォリオの最適化など、経営の最上流を担う職種です。自動車業界では、CASE・MaaS戦略、サプライチェーン再構築、グローバル展開などのテーマに携わり、業界知識と分析力を用いて経営層を支援します。高度な論理的思考力、データ分析力、仮説構築力、そしてクライアントとの議論をリードするコミュニケーション力が求められます。
キャリアパスとしては、ファーム内での昇進のほか、事業会社の経営企画・新規事業、スタートアップのCxOなど多様な選択肢が広がっています。
業界における市場価値はもちろん、レジュメの効果的な書き方、面接対策、
企業傾向の情報収集など、JACのコンサルタントにご相談ください。
自動車業界のハイクラス転職で年収を伸ばすスキル
自動車業界において、ハイクラス層がより年収を向上させるためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。
- 共通キードライバーに関する知見
- 再現性の高い汎用スキル
- 自動車業界において有効な資格の保有
共通キードライバーに関する知見
自動車業界の新たな潮流となっているCASEの技術向上に向けては、「ソフトウェア化」「グローバルサプライチェーン」「グローバル収益性」「安全・法規」の4つがキードライバーとなっています。近年ではこれらへの対応力が、転職市場での価値に大きく影響しているのです。
自動車の価値がソフトウェアの質によって左右されるようになったことで、自動運転、走行支援、コネクテッド化といった技術や知見は、より高く評価されるようになっています。
さらにEV化の加速にともない、バッテリーや半導体を安定的に調達するグローバルサプライチェーンの構築は急務といえます。また、グローバル展開を進めるうえでは、地域ごとの市場を把握し、収益を確保するとともに、世界基準の安全基準や環境規制への対応が求められるでしょう。
再現性の高い汎用スキル
電動化やソフトウェア化が進む自動車業界においては多数のプロジェクトが推進されており、プロジェクトを統率するPLやPMの経験は高い評価につながります。また、国際規格への準拠が求められる中、厳しい規制に基づいた要件定義の実施能力、海外政府や現地パートナーと交渉する英語力は、グローバルビジネスを強化するうえで欠かせません。
そのほか、コネクテッドカーによって収集したビッグデータを活用した自動運転技術、予防安全技術、コネクテッドサービスの向上も進められています。データサイエンスに関連した実績も、ハイクラス転職を成功させるうえでの一つのポイントとなります。
自動車業界において有効な資格
資格は知識や技術の客観的な証明となります。特に、以下の資格保有者は、高く評価される傾向が見られます。
・ISO26262関連資格(自動車向け機能安全国際規格ISO26262に関する専門知識を証明するもの)
・ASPICE関連資格(自動車業界におけるプロセス改善や品質保証に関する資格)
・AUTOSAR関連資格(車載ソフトウェアの共通化や標準化に関する資格)
・ISTQB資格(国際的なソフトウェアテストの認定資格)
・PMP資格(プロジェクトマネジメントの国際資格)
JACで自動車業界へ転職した方の事例
本章では、JACのサポートによって自動車業界への転職を成功させた方の事例を3つご紹介します。
異業界から自動車メーカーへ。生産企画経験を評価され年収アップ
Nさん(男性/20代後半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 精密機器メーカー | 生産企画 | 500万円 |
| 転職後 | 自動車メーカー | 生産管理 | 750万円 |
Nさんは、精密機器メーカーのグローバル生産企画において、生産性KPIの解析や業務改善、労務体制の立案などに携わってこられた方です。これまでの経験を生かし、更なるキャリアアップを図りたいと転職を決意されたとのこと。
JACでは、自動車メーカーの生産管理職をご紹介。工場の原価や費用管理、資産管理、予算管理など、生産管理全般に携わる業務です。
面接では、NさんのKPI策定能力と生産性向上の貢献の高さが評価につながり、採用が決定しました。
生産技術×データ解析の専門性が評価され、年収950万円→1,400万円へ
Dさん(男性/30代後半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 自動車部品メーカー | 生産技術・製造技術 | 950万円 |
| 転職後 | 自動車部品メーカー | 生産技術・製造技術 | 1,400万円 |
Dさんは、ハイブリッド車や電気自動車の電池生産設備の立ち上げ・改善業務を中心に、ビッグデータ解析、FMEA、PLC制御などに従事されてきました。自動車に関連する幅広い業務の知見と経験を備えた方です。電気自動車の領域において、より専門性を高めたいとの希望から転職を決意されたとのこと。
JACでは、成長意欲の高いDさんの意向を考慮し、次世代電池の商用化に向けたチャレンジを続ける自動車部品メーカーの求人を提案しました。ハイレベルな環境を求めるDさんの意欲と、電気自動車の電池生産設備を立ち上げた豊富な経験が高く評価され、大幅な年収上昇の提示を受け、無事に入社が決定しています。
業界未経験でも評価された。商品企画×データ分析で年収1,500万円へ
Cさん(男性/40代前半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 精密機器メーカー | 商品企画・戦略 | 1,000万円 |
| 転職後 | 自動車メーカー | マーケティング・商品開発 | 1,500万円 |
Cさんは、精密機器メーカーにおける海外代理店営業のマネージャー経験者です。海外を含めた流通データや顧客データを分析し、商品の企画や戦略の立案に携わってこられました。キャリアの中盤に差し掛かり、より自身の関心が強い自動車関連分野に挑戦したいと転職を決意。
JACでは、Cさんのこれまでの経験を存分に発揮できるスポーツカーブランドのマーケティング・商品開発職をご提案しました。業界未経験ではあったものの、前職での商品企画の経験やマネジメント実績が高く評価され、年収500万円アップの提示を受け、採用が決定しています。
業界における市場価値はもちろん、レジュメの効果的な書き方、面接対策、
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外資と日系の報酬設計やキャリア形成における違い
外資系企業と日系企業では、報酬設計やキャリア形成においてさまざまな違いがあります。転職後の行き違いを避けるためには、以下の観点から外資系企業と日系企業の違いを理解しておくことが重要です。
- 年収最大化を目指すなら外資、長期安定を叶えるなら日系
- スペシャリスト志向の外資とゼネラリスト志向の日系
年収最大化を目指すなら外資、長期安定を叶えるなら日系
自動車業界では現在、日系メーカーはもちろん、外資系OEMやTier1も活発な採用活動が進められています。外資系企業と日系企業では、報酬設計の考え方に違いがあります。エンジニア職の場合を例に、両者の違いを解説します。
まず、外資系企業ではジョブ型雇用が前提となっており、「職務範囲」「専門性」「成果」を軸とした評価がなされ、評価に基づいた報酬が支給されます。職務の難易度や責任などに基づく職務グレードが明確に定められており、成果を中心とした評価が行われるため、固定給よりも変動給の比率が高くなります。特に、エンジニアの場合、ADAS、EV/電動化、ソフトウェア・コネクテッドといった先端領域においては、個人のスキルが報酬に直結しやすい状況となっています。また、欧州系の企業には、企業価値の向上と従業員の報酬アップを連動させるRSU(株式報酬)を導入しているケースも増えています。保有するスキルの高さや専門性が報酬に反映されやすい点は、外資系企業の特徴の一つです。
一方、日系企業の場合は、長期育成を前提としたメンバーシップ型のマネジメントスタイルが中心となっています。職能や等級を中心とした評価制度を導入している企業が多く、年齢や経験を重ねるほど職能は向上するという思想に基づき、経験年数の積み上げが給与カーブに影響を与えます。そのほか、成果だけでなく、組織への貢献度や協働姿勢も評価対象となる点も外資系企業との大きな違いです。日系企業では、固定給の比率が高く、賞与も固定給をベースに算出されるケースが多く、安定した収入を得やすい点も日系企業の特徴です。
EV化・ソフトウェア化が加速する自動車業界において、外資系企業と日系企業のどちらであっても、専門性は高い評価につながります。転職にあたっては、組織とともに成長できる安定した環境を選択するか、専門性を武器に報酬の最大化を目指すかが重要な判断軸となるでしょう。自身の価値基準と合わせ、より自らの能力を発揮できる環境を見極めることが、中長期的なキャリア価値につながります。
スペシャリスト志向の外資とゼネラリスト志向の日系
外資系企業と日系企業を選択する際、報酬体系の違いだけでなく、キャリア形成の違いも考慮することが非常に重要です。それぞれ入社後に積み重ねられる経験や会社からの評価が大きく異なり、どちらを選ぶかによって5年後、10年後の姿が大きく変わってくるからです。
キャリア形成における大きな違いは、個人主導であるか、会社主導であるかという点です。
外資系企業では、自分自身でキャリアの方向性を選び、主体的にキャリア形成を進められる傾向があります。構築したいキャリアがある場合には魅力的な環境です。また、外資系企業では職務の専門性や成果の即時性が評価の中心であることから、スペシャリストを目指す場合に向いている環境といえます。
一方で日系企業では、比較的会社主導のキャリア形成が多く見られます。自律的なキャリア形成を支援する企業は増えているものの、ジョブローテーションなどを通じて幅広い業務経験を積ませ、ゼネラリストの育成を目指す組織が多いのが現状です。よって、日系企業は幅広い経験を積み、多角的な視野を養いながら組織に貢献し、着実なステップアップを目指したい方に向いていると考えられます。
どちらを選ぶかによって、キャリア形成の方向も入社後に伸ばせる能力も変わります。年齢を重ねるほど、キャリア軸の違いによって能力の差は大きくなるため、転職の際には長期的な視点に立ち、目指すキャリア像を明確に描いたうえで、必要なステップを逆算することが重要です。
年齢・役職で変わる年収レンジ
自動車業界における年収は、職種によっても変わりますが、年齢や役職でも変わります。JACの実績データから、自動車業界の年代別・役職別の年収目安をご紹介します。
年代別
自動車業界全体の平均年収は799.2万円です。また、年代別の平均年収を見ると、40代後半が最も高く962.4万円となっています。しかし転職事例でもご紹介したように、30代後半や40代前半でも1,000万円を超える年収で転職が決定する事例も珍しくありません。よって、自動車業界は、年齢よりもスキルや実績が評価に反映されやすい業界だと捉えることができます。

役職別
役職別の平均年収を見ると、メンバークラスと管理職では300万円近い開きがあり、自動車業界で年収アップを目指す場合、管理職への就任が一つのポイントといえます。
| 役職 | 平均年収 |
| メンバークラス | 717.9万円 |
| 課長以上 | 1,007.1万円 |
| 部長以上 | 1,122.2万円 |
| 本部長以上 | 1,317.3万円 |
ハイクラス層が年収アップを実現するための転職戦略7ステップ
ハイクラス層の転職において、年収アップを実現するうえでは戦略的に進める必要があります。ここでは、転職にあたってのステップを7つの段階に分けてご説明します。
STEP 1.キャリアの棚卸し
転職にあたって最初にすべきことはキャリアの棚卸しです。担当プロジェクトや売り上げ貢献実績、保有資格、語学力などをリスト化し、自分の強みや実績、スキルを明確に把握します。その際には、定量的なデータで示せる成果を必ず含めるようにしましょう。
STEP 2.職務定義と市場価値の確認
自身のスキルや実績をもとに、現在のポジションにおける転職市場での価値を確認します。同業他社の求人の記載情報や国税庁の統計データ、業界レポートなどを参考に、自身の年収相場を客観的に把握することが大切です。その際、資本別の報酬の差やスキルの希少性なども考慮するようにしましょう。
STEP 3.成果の裏付け資料作り
自身の成果を示す客観的資料の準備も必要です。プレゼン資料や評価レポート、認定資格などから、実績を裏付ける資料を作成します。この際、STEP1のタイミングで抽出した数字によるデータを盛り込むことが望まれます。
STEP 4.相場把握とターゲット設定
年収アップを狙う転職であっても、希望年収額と年収相場が大きく乖離する場合、期待するほど年収が上がらない可能性が高くなります。希望年収を決定する際には、自動車業界の年代別・職種別の年収レンジを確認し、自身のスキルや実績に合った適正な額を見極めることが重要です。
客観的なデータを用いて組織への貢献度を説明することで、希望年収に対する説得力を高められます。根拠のある希望年収提示は、スキルの証明にもつながり、専門性の高さを強力にアピールできるでしょう。
STEP 5.案件選定と優先順位付け
求人案件を選定する際には、年収だけでなく勤務地や裁量権、キャリアパスなども総合的に考慮することが重要です。また、希望条件に優先順位をつけ、複数の案件を比較・検討しながら、より理想に近い求人を選ぶようにしましょう。外資系や日系、報酬制度、昇進スピードの違いなども含めながら、慎重に判断を進めます。
STEP 6.面接準備と交渉戦略
年収交渉を有利に進めるには、入念な面接準備と交渉戦略が不可欠です。作成した資料をもとに数値化した成果、失敗の分析で得た学びなどを踏まえ、入社後に提供できる自身の価値を明確にアピールすることが大切です。
また、基本給だけでなく、賞与や福利厚生、RSUなども含めた総額報酬を比較したうえで、複数のオファーを前提にした交渉が必要になります。
STEP 7.入社後評価の設計
年収アップに向けた転職活動は、内定が出れば終わりというわけではありません。入社後、さらに年収を上げていくには、評価制度や昇給のタイミングの理解が不可欠です。入社時に昇給条件を確認し、早期に成果指標を設定することが重要になります。
自動車業界へ転職するならJAC Recruitment
大きな変革期にある自動車業界で高年収をめざすには、まずCASEやMaaSによる産業構造の変化を正確に理解し、業界が求めるスキルと自身のスキルの接点を明確に言語化することが重要です。そのうえで、これまでの成果を数値で示し、入社後にどの領域でどのように価値を創出できるのかを具体的に提示することが必要になります。
JACでは、自動車業界に精通したコンサルタントが在籍しており、企業ごとの評価制度の特徴や求める人物像なども熟知しています。また、転職希望者に変わり、実績やスキルが正当な評価につながる年収交渉の代行も可能です。
自動車業界で、よりいっそうのキャリアアップや年収アップを目指す際には、ぜひJACにご相談ください。














