アドバイザリーは、企業の経営課題や財務、M&Aなどの専門的な領域に対し、最適な戦略提案や実務サポートを行う専門職です。近年、経営環境の変化やグローバル化にともない、企業からのニーズが拡大しています。高度な専門知識や実務経験が求められ、多様なキャリアパスが広がる職種です。
ここでは、JAC Recruitment(以下、JAC)がアドバイザリーの年収相場や求められるスキル・経験を解説します。
目次/Index
アドバイザリーの転職動向
本章では、アドバイサリー職の転職市場動向について、下記2点から解説します。
- コンプライアンス・ESG領域の拡大によりアドバイザリー職の採用が急増
- 専門性と高年収ポジションへのニーズが拡大
コンプライアンス・ESG領域の拡大によりアドバイザリー職の採用が急増
アドバイザリーの転職市場は、2025年に入り一段と活況を呈しています。当社実績では、アドバイザリー分野の求人数は前年比1.4倍以上に増加しており、特に法律事務所・会計事務所での募集が3倍以上の伸び率を示しています。
こうした背景には、グローバルなコンプライアンス強化やガバナンス重視の流れを受けた案件の増加に加え、ESG・サステナビリティ関連の新規プロジェクトが活性化していることが挙げられます。実際に、募集背景では「ビジネス拡大」や「新規プロジェクトの立ち上げ」による増員が多数を占めており、大手ファームから独立系の専門事務所まで幅広い採用ニーズがみられます。
専門性と高年収ポジションへのニーズが拡大
仕事内容の傾向としては、プロジェクトマネジメントや戦略的アドバイス、サステナブル経営支援、業務プロセスの変革、リスク管理体制の構築など、多岐にわたる領域で活躍が求められています。中でも、低炭素エネルギーやDX関連の支援など、新たな分野での専門性が高く評価される傾向です。
当社実績においても、法律・会計事務所を中心とした高年収帯での採用が目立ち、部長職以上のポジションや、年収1,500万円を超える決定も複数みられます。今後も社会的要請に応える形で、アドバイザリーの専門性と柔軟性がより一層重視されると予想されるでしょう。
アドバイザリーで求められるスキル・経験・マインド
アドバイザリーの転職時に求められるスキル・経験・マインドは、以下のとおりです。
- コンサルティング業務の実務経験
- プロジェクトマネジメント力と関係者調整力
- 公共・医療・金融など特定分野での実務経験
- 英語を用いた業務経験・グローバル対応力
- データ分析・IT・DXに関する知見
ここから、それぞれの内容を解説します。
コンサルティング業務の実務経験
アドバイザリーは経営戦略立案や業務改善、M&A支援などに携わったコンサルティングファームでの実務経験が重視されます。特に3年以上のプロジェクト経験があると、即戦力として見なされやすくなる傾向です。クライアントの課題を特定し、現場を巻き込みながら実行支援まで行える力が求められ、業界を問わず多様な経験を有するスペシャリストが高く評価されます。
プロジェクトマネジメント力と関係者調整力
アドバイザリー業務では、複数の関係者と連携しながらプロジェクトを主導する力が不可欠です。プロジェクト計画の策定から進行管理、課題抽出、改善提案、最終的な成果の提示までを一貫して担うマネジメント力が求められます。また、社内外の利害関係者と円滑に調整できるコミュニケーション力やファシリテーション力も重要なスキルです。
公共・医療・金融など特定分野での実務経験
業界特化型アドバイザリーの需要が高まる中、公共政策、医療、金融、不動産などの領域での実務経験がある方は特に歓迎される傾向です。例えば、官公庁での政策立案支援、医療機関での経営分析、証券・銀行での法人営業など、特定分野の業界知見と課題感を持っていることが差別化要因となり、専門性を活かしたコンサルティングに結びつきます。
英語を用いた業務経験・グローバル対応力
グローバル企業との連携や外資系クライアントとの案件が増える中、英語での資料作成、会議運営、ディスカッションが可能な方は高く評価されます。TOEIC800点以上のスコアが目安とされることもあり、海外拠点とのプロジェクトやクロスボーダーM&A、グローバルリスク対応などへの関与が可能です。実務での英語使用経験が強みとなります。
データ分析・IT・DXに関する知見
デジタル領域への対応力もアドバイザリーには求められます。具体的には、IT戦略立案やシステム導入支援、RPAやBIツールを活用した業務効率化、データドリブンな経営支援の経験などです。特にDXやIT統合、ITデューデリジェンスといったテーマでの実務経験は即戦力として評価されます。財務・業務データの分析を通じて、定量的なコンサル支援ができることが望ましいでしょう。
アドバイザリーの想定平均年収は837.3万円
JACの実績※では、アドバイザリーの平均年収は約800.2万円です。年収のボリュームゾーンは700万円~900万円となっています。下記の表は年代別の平均年収ですが、企業規模や担当する領域、これまでのご経験によって、20代でも年収が1,000万円を超えるケースや30代・40代で年収1,700万円以上のケースもあります。

| 役職 | 平均年収 |
|---|---|
| メンバークラス | 764.5万円 |
| 管理職 | 1,038.8万円 |
| 平均年収 | |
|---|---|
| 日系企業 | 827.7万円 |
| 外資系企業 | 947.1万円 |
※当社実績(2023年1月~2025年7月、想定年収)より
アドバイザリー最新求人情報
本章では、アドバイザリーの最新転職・求人情報を紹介します。
- 独立系コンサルティング会社:経営コンサルタント(事業再生・M&Aアドバイザリー)大阪勤務
- Big4 FAS:M&Aアドバイザリー
- 大手証券会社:M&Aアドバイザリー業務
- 株式会社広島銀行:アドバイザリー業務(ファンド/M&A/企業成長等)
- 日系大手シンクタンク:財務アドバイザリーコンサルタント
- 大手監査法人系アドバイザリーファーム:各種アドバイザリーポジション
JACでは、ハイクラス求人を中心に、非公開求人も多数取り扱っています。本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。非公開求人も含め自身の適性やキャリアビジョンに合う求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性やご希望に沿う求人をご紹介いたします。
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年8月最新)
アドバイザリーへの転職で有利となる資格
アドバイザリーへ転職を目指す場合、以下の資格を取得しておくと有利です。
- 公認会計士
- 税理士
- 弁護士
- 証券アナリスト(CMA)
- 中小企業診断士
ここから、各資格について解説します。
公認会計士
公認会計士は会計・監査・税務の専門資格で、アドバイザリー業務におけるM&A、事業再生、財務DDなどに広く活用されます。特に、四大監査法人や会計事務所出身者は、即戦力として評価されやすい傾向です。試験の難易度は非常に高く、合格まで平均2〜3年の学習期間が必要とされます。
税理士
税理士は、法人税・所得税・消費税などの税務に関する国家資格です。国際税務や組織再編、税務DDなどアドバイザリー領域で活躍の場が広がっています。5科目合格が必要で、科目合格制のため時間をかけて取得するケースが多く、働きながらの学習者も多数。Big4系税理士法人出身者は特に評価されます。
参考:国税庁「税理士試験」
弁護士
弁護士は企業法務・M&Aスキーム構築・契約審査・リスク管理などに強みを発揮し、アドバイザリー業務で高く評価されます。企業法務や渉外案件に精通している場合、クロスボーダー案件などで重宝される傾向です。司法試験の難易度は高く、法科大学院修了後も数年にわたる学習が必要な難関資格です。
参考:法務省「司法試験」
証券アナリスト(CMA)
証券アナリストは、企業の財務分析やバリュエーションに関する専門資格で、企業価値評価や事業戦略の支援を行うアドバイザリー業務において有効です。金融業界を中心に評価され、一次・二次の筆記試験に合格すれば取得できます。学習期間の目安は1〜2年程度で、実務経験があればさらに有利です。
中小企業診断士
中小企業診断士は、経営戦略・財務・法務などを幅広く学ぶ国家資格で、経営改善や補助金支援など中堅・中小企業向けアドバイザリーに活用されます。一次・二次試験、実務補習を経て登録されるため、取得には2〜3年の準備が必要です。特に、官公庁・自治体案件や地域支援業務との親和性が高い点も特徴です。
アドバイザリーのキャリアパス
アドバイザリーは、ファーム内での昇進だけでなく、事業会社や金融業界、さらには独立開業まで、多彩なキャリアパスが描ける職種です。自身の志向やスキルを活かしながら、専門性を深めたり、新たな領域に挑戦したりするなど、将来の選択肢が広がります。ここでは代表的な5つのキャリアパスを紹介します。
アドバイザリーファーム内での昇進
アドバイザリーファームで、アナリストやアソシエイトからスタートし、マネージャー、ディレクター、パートナーへと段階を踏んで昇格していくことは、代表的なキャリアパスです。自ら手を挙げて業務領域を広げたい方や、マネジメント志向が強い方に向いています。専門知識の習得と実績を積み重ね、案件リーダーとして組織運営や人材育成に取り組むことで、着実なステップアップが可能です。
事業会社への転身(インハウスM&A責任者など)
アドバイザリーで培った専門性や交渉力を武器に、事業会社のM&A部門や経営企画、財務部門へキャリアを移す道もあります。自社成長や経営に直接関わりたい方、自分のスキルを事業運営に活かしたい主体的な志向の方に最適です。アドバイザリーファームでプロジェクトマネジメントや実務経験を積み、ポジション募集時に積極的にチャレンジすることが近道でしょう。
ファンドや投資銀行への転職
財務やM&A実務で高度な専門性を活かせるファンドや投資銀行への転職も、アドバイザリー出身者に人気のキャリアです。金融リテラシーと分析力に自信があり、ダイナミックな資本市場のプレーヤーとして活躍したい方に向いています。案件推進や金融資格の取得を重ねておくことで、ハードルの高い業界でも道が拓けるでしょう。
専門領域の確立・スペシャリスト化
リスク管理やサステナビリティ、データ分析など、特定の分野で専門知識を深めたスペシャリストとしてキャリアを築くパスです。職人肌で一つの道を極めたい方や、最新トレンドに敏感な探求心のある方がフィットします。自身の強みや課題意識を掘り下げ、社内外の研修や実務経験を通じて専門性を磨くのが成功の鍵となります。
独立してアドバイザリーを開業
十分な実務経験と幅広いネットワークを得た後で、独立して自身のアドバイザリーを立ち上げる道もあります。自分の裁量で事業を運営したい方や、顧客と密な信頼関係を築いて社会的な影響力を発揮したい起業志向の方に向いています。多様な案件経験や人脈の獲得、営業力の養成が不可欠で、独立までに地道な下積みが必要です。
アドバイザリーの転職を成功させる5つのポイント
アドバイザリー分野での転職を成功に導くためには、以下5つの観点を意識するとよいでしょう。
- 経験の「汎用化力」を磨く
- 数値事例と「成果志向」を明確に示す
- 「多面的課題対応力」をアピールする
- 転職理由と今後のビジョンを「説得力ある物語」として伝える
- 転職エージェントを活用する
各ポイントでは他業界での評価につながるスキルや姿勢、書類・面接での訴求方法、そして転職エージェント活用の有用性もあわせて解説します。
1.経験の「汎用化力」を磨く
アドバイザリー業務は多様な業界・プロジェクトでの課題解決が求められます。これまでの職務経験を「どのように他業界や新たなテーマに応用できるか」を意識して棚卸しし、応募先企業の求める能力へブリッジする視点が大切です。例えば、顧客対応経験を「利害関係者調整力」、データ分析経験を「課題発見力」などに言い換え、幅広い業種でも通用するスキルとしてアピールしましょう。
2.事例と「成果志向」を明確に示す
アドバイザリーは、成果にコミットする姿勢やプロセス設計力が重視されます。過去携わった案件での実績や成果を、必ず数値や客観的なデータで示しましょう。例えば「売り上げ10%増に貢献」「複数部門の調整を通じて新規PJを3件立ち上げ」など、具体性と再現性を意識したエピソードの提示が効果的です。
3.「多面的課題対応力」をアピールする
アドバイザリーは、単一分野の知見だけでなく複数分野(ファイナンス、戦略、業務改革等)を横断しながら課題抽出・解決に当たる力が求められます。これまでの仕事で「部門横断型プロジェクト」や「複数ステークホルダーの利害調整」に関与した経験があれば、それをストーリーとして伝えることで、柔軟な思考力や解決力を印象付けることが可能です。
4.転職理由と今後のビジョンを「説得力ある物語」として伝える
志望動機や転職理由は、その職種を選ぶ納得感と未来志向をバランス良く盛り込むことが大切です。「さらなる専門性獲得への挑戦」「より大きな影響力をもつ仕事をしたい」といった前向きな成長ストーリーに加え、「なぜアドバイザリーなのか」「自分が貢献できる独自価値は何か」を、自己分析によって深堀りしましょう。
5. 転職エージェントを活用する
アドバイザリーは業界ごとに募集要件や選考プロセスが異なるうえ、非公開求人も多い分野です。業界動向や応募企業のリアルな評価基準を知るためにも、JACのような転職エージェントを活用しましょう。書類添削や面接対策、年収アップの相談など、キャリアアドバイスの全てを積極的に活用することが、転職を成功させる鍵です。希望条件の優先順位は事前に明確化し、忖度せず本音で相談・交渉することでより満足度の高い転職が可能になるでしょう。
アドバイザリーの転職事例
ここからは、JACを活用してアドバイザリーへ転職した事例をご紹介します。
Sさん(男性/40代前半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | インフラ系事業会社 | 経営企画 | 1,000万円 |
| 転職後 | 金融系コンサル企業 | アドバイザリー | 1,400万円 |
Sさんは長年、大手インフラ企業で経営企画や事業再編などの中枢業務に携わってこられました。市場調査や官公庁対応に加え、損害賠償体制の構築や組織再編、M&A関連業務まで幅広く経験を積み、前職ではコーポレートガバナンス全般を統括するポジションに就かれていました。
しかし、将来的な成長分野への投資が難しいという経営判断に触れたことを機に、より外部環境との接点が多く、専門性を生かせるフィールドへの転職を模索。JACにご相談いただきました。
JACのコンサルタントは、Sさんの経営戦略に関する深い知見と、対外折衝力・情報発信力に着目し、ガバナンス分野に強みをもつコンサルティングポジションをご提案。結果として年収は大きく向上し、企業の取締役会運営支援やコーポレート法務領域でのアドバイザリーとして新たなキャリアを歩まれています。
アドバイザリーへの転職なら、JAC Recruitmentへ
JACはアドバイザリー業界をはじめ、ハイレベルな専門職や管理職のキャリア支援に豊富な実績をもつ転職エージェントです。各業界の知見に長けた専任コンサルタントが多数在籍し、業界ごとのトレンドや企業の組織風土を深く理解している点が強みです。経験や強みを踏まえ、最適なキャリアプランをご提案します。
また、経営幹部層や経営企画、コンサルティングファームへの転職支援に強いほか、単なる求人紹介にとどまらず、書類添削や面接対策、条件交渉まで一貫して高品質なサポートを提供します。さらにJACでは、一人のコンサルタントが転職者と企業の双方を担当するため、表面的な条件だけに依存しない、きめ細かな情報提供と満足度の高いご提案が可能です。 アドバイザリーやハイキャリア層を目指す方には、JACの専門性と伴走型支援が大きな強みとなります。転職をご検討の方は、ぜひJACにご相談ください。





