CASEやMaaSなどの潮流を背景に業界が変革期を迎えるなか、キャリアアップ先として注目を集めている自動車営業。
「モノを売る」という従来の営業の枠を超え、新しいモビリティ社会の創造に貢献したい、あるいはグローバルな舞台で自らの営業力を試したいと考える方にとって、新たな挑戦機会が広がっています。
本記事では、自動車営業の転職市場動向や最新求人情報に加え、未経験からの転職難易度などを、JAC Recruitment(以下、JAC)が詳しく解説します。
目次/Index
自動車営業の転職市場動向
自動車業界は「CASE(Connected:コネクティッド、Autonomous:自動運転、Shared&Service:シェアとサービス、Electric:電動化)」を軸に大きな変革期を迎えており、その影響は営業職の転職市場にも色濃く表れています。従来の「モノを売る」から「移動サービスの提供」へと概念がシフトするなか、MaaS(Mobility as a Service)関連事業の取り組みも加速し、自動車営業には従来型の販売活動にとどまらず、新しい価値提案を担う役割が期待されています。
なお、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、自動車営業職の有効求人倍率は14.47倍と極めて高い数値を示しており、人手不足が課題視されています。主に自動車ディーラーからの採用需要が目立ちますが、完成車メーカーやグループ企業の販路拡大、自動車部品メーカーの提案型営業の強化といった幅広い採用ニーズの存在も、売り手市場拡大の一因になっていると考えられます。
一方で、JACの求人データは、前年同時期比で0.7倍となっており、特に法人営業の求人数は、約3分の1に縮小しています。求人数の減少は、単なる需要の縮小ではなく、採用基準の高度化と解釈できます。
双方のデータからは、求人動向が二極化している様子を読みとることができ、厚生労働省の14.47倍という有効求人倍率は、販売現場における広範な人手不足を示しています。一方、ハイクラス領域に限定した場合、CASE対応など高度な専門性や管理能力を備えるビジネスパーソンに焦点を当てた採用が増加していると推察できます。実際にJACが取り扱う求人をみると、「新規市場への進出」「海外販路の拡大」「体制強化」など、事業成長を支える営業力の強化を目的とした採用が目立ちます。
今後は、電動化の進展やMaaSの普及により技術的な知識とコンサルティング要素を備えた営業スタイルが好まれるようになると予想されます。一方で、自動車離れや次世代型交通サービスの普及が広がれば、従来の個人顧客向け営業は縮小する可能性があることも理解しておく必要があります。
出典: job tag(厚生労働省職業情報提供サイト)「自動車営業-就業者統計データ-有効求人倍率」(参照:2025年9月13日)
自動車営業が求められる主な転職先候補
本章では、自動車営業が求められる次の4つの転職先候補について解説します。
- 自動車メーカー(法人向け直販営業)
- 自動車部品メーカー
- 自動車総合システムメーカー
- 自動車ディーラー(自動車販売会社)
自動車メーカー(法人向け直販営業)
自動車メーカーにおける法人向け直販営業は、企業や官公庁、リース会社などに対して自社の完成車を直接販売する業務が中心となります。近年は、電動化やコネクティッド技術が進展しており、従来の価格競争やスペック訴求だけではなく、車両のライフサイクル全体を見据えた提案が求められています。
例えば、法人向けのフリート販売では導入後の運行管理やメンテナンスコスト、さらにはカーボンニュートラルに向けた排出削減効果を含めた総合的な価値提案が営業成績に直結します。また、大手メーカーでは海外市場向けの営業を担うケースもあり、語学力や異文化対応力が重視される傾向にあります。
他業界であってもソリューション営業や大口法人対応、海外営業などの経験がある場合、即戦力として評価され、採用に至るケースもあります。
自動車部品メーカー
自動車部品メーカーの営業は、完成車メーカーやTier1企業を中心とした取引先に対して、自社の部品やシステムを提案し、成約に結びつける役割を担います。内外装部品からエンジン関連部品、さらには電子制御システムまで、幅広い製品領域を扱う点が特徴です。また、技術革新が早い分野であるため、顧客への提案には製品知識とともに市場動向への理解も不可欠です。
さらに、自動車部品メーカーにはグローバルに事業を展開している企業も多く、ポジションによっては海外生産拠点や現地法人との調整業務が日常的に発生することもあります。そのため、英語を用いた営業経験をもつ方や、高度な技術知識を備えた方は、特に重宝されます。採用背景としては、新規市場開拓や新製品の導入を見据えた営業体制の強化が中心であり、今後も高い需要が続くと予想されます。
自動車総合システムメーカー
自動車総合システムメーカーは、車両全体の電子制御や安全システム、車載情報システムを提供する企業を指します。営業職は、主に自動ブレーキシステムや先進運転支援システム、車載インフォテインメントといった製品の提案や採用の獲得などを担います。これらの領域は技術革新が急速に進んでいるため、営業担当者には製品知識に加え、将来的な技術ロードマップを理解し、顧客に最適なソリューションを提示する力が求められます。
また、取引相手はグローバルに事業を展開する企業も多いため、採用選考では海外営業経験やビジネスレベルの英語力をもつ場合、優遇されることがあります。キャリアとしては、営業から事業開発や海外拠点の責任者へと広がる可能性があり、挑戦的な環境で成長したい方に適したフィールドといえます。
自動車ディーラー(自動車販売会社)
自動車ディーラーの営業職は、一般消費者や法人顧客に対して自社のブランド車を提案し、販売からアフターサービスまで顧客のカーライフを支える役割を果たします。個人顧客向けの営業では、来店対応や試乗案内を通じて顧客のニーズを把握し、車両の性能や購入プランを提案する業務が中心となります。法人営業では、顧客の事業課題を理解し、リース契約や社用車の導入提案など、最適なソリューションを提示する力が求められます。
また、自動車ディーラーは地域密着型の営業が基本となるため、顧客との信頼関係を長期的に築く姿勢が不可欠です。そのため、接客スキルやコミュニケーション力も評価の対象になります。
キャリアパスとしては、営業から店長やエリアマネージャー、さらにはメーカー本体の営業企画部門に進む道もあり、幅広い成長のチャンスがある環境です
自動車営業の最新転職・求人情報
自動車営業の最新転職・求人情報をみると、自動車メーカーやTier1と呼ばれる大手自動車部品メーカーの法人営業のポジションでは、海外市場に対するアプローチが増えており、ビジネス英語を中心とする語学力を応募条件として掲げる求人が多数みられます。また、販売強化や新規市場開拓を目的とした採用が増加傾向にある昨今においては、「新規商材提案」「自動車部品の知識」など、自動車営業としての実務経験を歓迎要件として明記する求人も少なくありません。
自動車業界の転職市場は全体として売り手市場の様相を呈していますが、求人要件はハイクラス領域を中心に高度化しています。そのため、転職活動では、求人要件と自身の経歴やスキルを照らし合わせ、自分の能力を最も発揮できる分野を選ぶことが大切です。
ここからは、自動車営業の最新求人・転職情報を紹介します。
- 老舗商社:自動車分野での国内外営業
- トピー実業株式会社:自動車部品の法人営業(車両用ホイール)
- 商社×製造機能あり【樹脂成形】:■営業職【主に自動車部品向け】
- 豊田合成株式会社:自動車メーカー(トヨタ及びトヨタ系ボデーメーカー)に対する営業業務_第1営業部
※掲載されている求人の中には、募集が終了している場合がございます。あらかじめご了承ください。(2025年9月現在)
なお、本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。JACが取り扱う求人は、大半が非公開となっています。そのため、非公開求人も含め自動車営業に関する求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。
転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性や希望に沿う求人を紹介いたします。
未経験から自動車営業への転職は難しいのか
未経験から自動車営業に転職することは可能ですが、その難易度は転職先の業種や企業規模によって異なります。
自動車業界は現在、CASEの進展やMaaSの普及など、大きな変革期を迎えているため、営業職にも従来以上に高度な知識や柔軟な対応力が求められる状況にあります。そのため、大手自動車メーカーや部品メーカーの営業職に未経験から挑戦する場合は、即戦力を前提とした採用が多く、門戸は比較的狭いといえるでしょう。一方で、新しい視点の導入を目的に多様なバックグラウンドをもつビジネスパーソンを迎え入れる潮流も高まっています。そのため、新規市場開拓の経験やマーケティング視点など、戦略的営業スキルを備えている場合、応募先企業の採用ニーズを満たせば採用に至ることもあります。
また、国内の新車ディーラーや地域に根差した販売会社では慢性的な人手不足が背景にあり、未経験者を歓迎する求人が多く存在します。このような求人では、育成を前提とした採用を実施している企業もあり、何らかの営業経験があれば、未経験であっても十分に活躍できる環境があります。
自動車営業への転職で求められる経験・スキル・マインド
ここでは、自動車営業への転職で求められる次の3つの要素について解説します。
- 類似度が高い商材の営業経験・マネジメント経験
- セルフマネジメント能力・ビジネス視点
- 臨機応変さ・目標志向の強さ
類似度が高い商材の営業経験・マネジメント経験
自動車営業への転職では、類似度の高い商材を扱った営業経験やチームを率いたマネジメント経験が求められる傾向にあります。例えば、技術的な要素を含む製品を、企業の購買部門や設計部門に対して提案・販売してきた経験は、自動車業界でも直接生かせます。また、「見積作成」「価格交渉」「納期管理」「受発注業務」「新規商材提案」といった実務スキルを習熟している応募者は即戦力として活躍できると期待され、異業界出身者でも採用に至ることがあります。
また、マネジメント経験については、営業チームを率いた経験やプロジェクト推進のリーダーシップが問われ、組織再編や新規事業立ち上げを進める企業ではとりわけ需要が高まっています。
セルフマネジメント能力・ビジネス視点
自動車営業の仕事は、多くの場合、広範な担当エリアや多数の顧客を一人で受けもつことになります。そのため、上司から細かな指示を待つのではなく、自らの判断で訪問計画を立て、効率的に活動を管理するセルフマネジメント能力が不可欠です。
また、MaaSやEVといった市場の変革が加速するにつれて、自動車営業職には従来の枠を超えたビジネス視点が必要になりつつあります。よりコンサルティング型の営業が主流になると考えられるため、「マーケティング視点」「市場分析」「KPI管理」など、提案の質を高めるビジネス視点も必須となります。
臨機応変さ・目標志向の強さ
顧客の要望や市場環境が常に変化する自動車業界では、状況に応じて、最適な対応策を迅速に判断・実行できる臨機応変さが不可欠です。例えば、自動車部品メーカーでは、突発的な納期変更や品質要件への対応が発生することもあり、営業担当者は迅速かつ的確な調整が求められます。
また、自動車営業は目標数字へのコミットメントが強く求められる職種でもあります。JACが取り扱う求人にも、「営業経験3年以上」「海外営業経験者歓迎」といった即戦力となり得る要件を明記しているケースがあります。営業力強化を目的とした採用が増えていることからも、強い目標志向は不可欠といえます。
自動車営業へ転職した場合の年収相場
JACが取り扱う自動車営業求人全体の平均想定年収は、約750万円と、営業職のなかでも比較的高水準にあります。
年代別にみると、20代後半で約570万円、30代前半で約670万円と、早い段階から平均的な営業職を上回る給与が見込めます。さらに、30代後半では約750万円、40代前半で約760万円、40代後半では約850万円に達し、キャリアを重ねるごとに年収が着実に伸びる様子が示されています。50代以上になると平均860万円程度に到達し、管理職や海外営業を担うケースではさらに上振れる可能性が期待できます。

職位別にみると、メンバークラスでは約680万円、管理職クラスでは約920万円と大きな差があり、組織を率いる立場に昇格することで年収面でも、より高い水準が期待できます。また、外資系企業は平均約890万円と、日系企業の平均約710万円を大きく上回っており、成果に応じたインセンティブ制度の有無やインセンティブ比率の違いが年収差を生み出していると考えられます。
| 役職 | 平均年収 |
|---|---|
| メンバークラス | 683.1万円 |
| 管理職 | 921.3万円 |
| 平均年収 | |
|---|---|
| 日系企業 | 704.7万円 |
| 外資系企業 | 886.5万円 |
※当社実績(2023年1月~2025年8月、想定年収)
自動車営業の転職事例
ここでは、JACが提供する転職支援サービスを利用して、自動車営業への転職を成功させた事例を紹介します。
総合商社から自動車メーカーの海外自動車営業へ転職した事例
Eさん(30代後半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 総合商社 | 営業 | 800万円 |
| 転職後 | 自動車メーカー | 海外営業 | 950万円 |
Eさんは、長年にわたり、食料品の輸入販売や新規ビジネスの促進など、多様な商材と市場で営業経験を積んできました。これまでの経験を経て、Eさんは海外とのかかわり続ける環境に身を置きつつ、マネジメントにも挑戦できる機会を求めて、転職活動を開始しました。
JACのコンサルタントは、Eさんの「海外とかかわり続けたい」「新たな環境でリーダーシップを発揮したい」という希望に目を向け、自動車メーカーの海外営業への転身を提案しました。結果としてEさんは、商社出身者の柔軟な発想や幅広い知見が高く評価され、内定を獲得することができました。
転職後のEさんは、引き続き海外とかかわり続けられる環境で、収益の最大化に貢献しています。また、今回の転職でEさんは年収アップも実現することができました。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
自動車営業へ転職後のキャリアパス
本章では、自動車営業への転職後に考えられる4つのキャリアパスについて解説します。
- 管理職・経営層への昇進
- 海外駐在・海外現地法人トップなど海外勤務経験を積む
- マーケティング部門や商品企画部門への転身
- 異業界の法人営業職へ転職
管理職・経営層への昇進
自動車営業としてのキャリアを積んだ後の代表的なキャリアパスとしては、管理職や経営層への昇進が挙げられます。
まずは、一人の担当者として高い営業成績を残した後、数名のチームを率いる営業リーダーや課長へと昇進します。将来的には、支店や営業所全体を統括する支店長や営業部長といった、より大きな組織のマネジメントを担う管理職へとステップアップを目指します。特に複数の拠点を統括するポジションや営業本部の責任者になると、単なる売上管理にとどまらず、マーケティング戦略や販売チャネルの最適化、採用・育成の仕組みづくりまで関与します。
さらに、最終的なキャリアとしては、取締役や事業本部長といった経営層への登用も視野に入ります。
海外駐在・海外現地法人トップなど海外勤務経験を積む
自動車業界はグローバル化が進んでおり、営業経験を積んだ後に海外駐在や現地法人のトップを任されるケースも少なくありません。特にアジアや欧米などの成長市場では、自動車メーカーや部品サプライヤーが積極的に販路拡大を進めており、現地ディーラーとの交渉や新規顧客開拓のために駐在員を配置する動きが加速しています。企業によっては、経営層へのステップアップを見据え、優秀な社員に海外現地法人の経営を任せるケースもあります。語学力や異文化適応力が不可欠となるため、若手のうちから積極的に海外案件にかかわったり、英語力を磨いたりすることが大切です。
マーケティング部門や商品企画部門への転身
営業経験を生かし、マーケティングや商品企画部門へとキャリアをシフトする道もあります。自動車営業はエンドユーザーと直接相対する機会が多いため、消費者のニーズや市場動向に関する知見を蓄積しやすい立場にあります。自動車営業で蓄積された市場の最新情報や顧客ニーズは、商品企画や販売戦略を推進する際に重宝すると考えられます。例えば、新車開発における装備やデザインの方向性を決める際、営業現場で耳にした顧客の声が参考になることも少なくありません。
自動車営業からほかの職種への転身は、自身の市場価値を高める要素にもなり得るほか、将来的なキャリアの可能性を広げる機会にもなるでしょう。
異業界の法人営業職へ転職
自動車営業で培ったスキルは、異業界の法人営業でも高く評価されるため、業界をまたいだ転職は有力なキャリアパスの一つです。特に、製造業やエネルギー業界、ITソリューション分野など、大規模な法人顧客を対象とする業種では、提案型営業や大口顧客のマネジメントの経験が高く評価されることがあります。
異業界に転職する際は、業界特有の製品知識やサービス理解が新たに必要となるものの、営業活動の基盤である顧客対応力や目標達成志向は共通して求められるポータブルスキルです。
また、自動車営業から異業界に挑戦することで、将来的なキャリアの選択肢が広がることもあります。
自動車営業への転職なら、JAC Recruitment
自動車業界はCASEやMaaSといった大きな潮流のなかで転換期を迎えています。このような市場動向を受け、自動車営業に求められる役割も従来の販売中心の活動から、ソリューション提案や海外市場を含めた複雑な営業活動へと広がりを見せています。こうした環境下で自動車営業への転職を成功させるには、最新の採用ニーズに精通し、企業の求める人材像を詳細に把握した転職エージェントからのサポートが不可欠です。
その点JAC は、自動車メーカーや部品サプライヤー、ディーラーなど、業界を幅広くカバーする独自のネットワークをもっており、海外営業や新規事業開発に携わるポジションなど、一般的な転職サイトには公開されない求人にアクセスできる機会があります。
また、JACには、各企業の採用背景や組織課題に精通したコンサルタントが在籍しており、どの経験が企業に響くのかをプロの視点から整理します。さらに、応募書類作成や面接対策においても有益なアドバイスを受けられるため、転職成功の確度を高められるでしょう。
自動車営業への転職を検討している方は、ぜひJACにご相談ください。



