社外取締役の転職・求人動向

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公開日:2023/01/12 / 最終更新日: 2024/07/16

近年、社外取締役の採用が活発化しています。社外取締役の求人件数の伸び率については、2022年は昨年比110~120%にとどまりましたが、採用決定実績は前年比2倍以上に高まりました。2024年もこの傾向は続くと見込まれます。

また「社外取締役」の採用ニーズが高まっているだけでなく、以前と比較して、求められる人材像が変化しています。
ここでは、近年の社外取締役の採用ニーズの背景、転職市場動向について、JAC Recruitment(以下、JAC)でエグゼクティブクラスの転職サポートを手がけるコンサルタントが解説します。

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社外取締役の採用ニーズ・転職市場動向


社外取締役の採用が活発化した背景には、2022年4月に実施された、東京証券取引所による市場区分の変更があります。東証一部に代わる位置付けの「プライム市場」に残るために、企業は新市場の基準を満たす必要があるのです。
その指標となるのが、「コーポレートガバナンス・コード」。上場企業の企業統治(コーポレートガバナンス)において、ガイドラインとなる原則・指針を示すものです。
日本では2015年の策定以降、2018年に改訂、直近では2021年6月に改訂されました。

最新の改訂で、ポイントの一つに挙げられたのが「取締役会の機能発揮」です。
プライム市場の上場企業では、取締役会構成の独立性がより高いレベルで求められ、「独立社外取締役を少なくとも3分の1以上、必要と考える場合には過半数を選任」という内容が示されました。
さらには、「スキルマトリックス」を公表して取締役会の多様性とバランスを示すこと、他社で経営経験を持つ独立社外取締役を含めることなどが求められています。

機関投資家からの視線が厳しくなるなか、こうした指標を満たすために、社外取締役の採用ニーズが高まっているのです。

社外取締役に期待される4つの役割と業務内容


社外取締役に期待される役割・業務内容について解説します。

・取締役会への参加
・コーポレートガバナンスの強化
・経営陣と株主の橋渡し
・経営助言

それぞれについて詳しくみていきましょう。

社外取締役の役割1:取締役会への参加

取締役会への参加は、社外取締役にとって重要な責務です。この会議では、会社の将来の方向性や戦略が決定されるため、単なる出席者であるだけではなく、積極的な意見提供者としての役割が期待されます。
効果的な貢献のためには、会議の議事録を事前に徹底的に精読し、疑問点や提案を明確に準備することが不可欠です。特に、自身の専門分野に関連する事項には、深い洞察と有益な意見の提供によって、より質の高い議論を促進できます。
このように、社外取締役は、会社の経営に新しい視点をもたらし、重要な決断を実施する場において、多角的な知見と独立した判断力の発揮が求められています。

社外取締役の役割2:コーポレートガバナンスの強化

社外取締役の役割のなかでも特に重要なのが、コーポレートガバナンスの強化です。社内取締役だけでは、業績向上のプレッシャーによって不正行為に走るリスクがゼロではありません。
こうした状況において、社外取締役は第三者の立場から経営を監視し、不正行為を未然に防ぐ役割を担います。この役割により、企業内の健全な意思決定プロセスを確保し、問題が発生した場合にも迅速かつ効果的な対応が可能になります。
社外取締役は、公正かつ透明性のある企業運営を支援し、組織の信頼性と持続可能性を高めるために、重要な役割を果たさなければなりません。

社外取締役の役割3:経営陣と株主の橋渡し

社外取締役は、株主と経営陣の間の重要な橋渡しの役割を果たします。株主は、会社の経営に直接介入できないものの、その意見は経営戦略に影響を与える可能性があります。
特に、少数株主の意見は経営層に届きにくいことが多いため、社外取締役がこれらの声を代弁し、経営の意思決定に反映させることが重要です。このようにして、社外取締役は、株主の利益と企業の長期的な成功のバランスを取り、双方の利益が最大化されるよう努める必要があります。

社外取締役の役割4:経営助言

社外取締役は、経営陣に客観的に助言する重要な役割も担っています。特に、経営陣が過度にリスクの高い戦略を採用しようとする場合、社外取締役は冷静かつ客観的な視点から反対意見を述べなくてはなりません。
一方で、新しい挑戦に対して消極的な経営陣に対しては、時代の変化に対応するための積極的な姿勢を促すアドバイスが求められます。このように、社外取締役は企業の革新性と安定性のバランスを保ちながら、健全な経営を支える重要な役割を担います。

社外取締役の転職で求められるスキル・経験とは?


社外取締役に求められるスキル・経験は、企業によって異なります。
採用要件のベースになるのが、先ほども触れた「スキルマトリックス」です。
これは取締役それぞれの専門性・スキルを可視化し、一覧表にしたもので、縦軸に取締役名、横軸に企業が必要とする経験・スキルの項目を記載し、各自が有する経験・スキルに●を付ける形で作成されます。

経験・スキルの項目選定は企業側の判断に委ねられますが、たとえば次のようなものが挙げられます。

  • ●企業経営
  • ●マーケティング・営業
  • ●財務・会計
  • ●IT・デジタル
  • ●人材・労務
  • ●法務・ガバナンス
  • ●グローバル経験
  • ●SDGs・ESG・サステナビリティ
  • ●DX(デジタルトランスフォーメーション)

社外取締役のスキルマトリックス例

取締役企業経営マーケティング
・営業
財務・
会計
IT・
デジタル
人材・
労務
法務・
ガバナンス
グローバル経験SDGs・
ESG関連
 DX 
A氏
B氏
C氏
D氏社外
E氏社外
F氏社外

取締役メンバーの専門性やスキルが偏らず、相互補完できるように取締役会を構成することが重要ですので、各社、既存の取締役にはないスキルを持つ社外取締役を採用することになります。
また、利益相反とならないよう、異業界から採用するケースが多く見られます。

経験・スキルの要件を満たすほか、面接では「カルチャーフィット」の観点も注目されます。その企業が掲げる「理念」「パーパス(企業の存在意義)」などに共感できるかどうかも重視されています。

社外取締役における女性の採用ニーズが高騰中


女性の社外取締役イメージ

現在、社外取締役の採用においては「女性」へのニーズが非常に高い状況です。
冒頭でコーポレートガバナンス・コードに触れましたが、2022年6月の改訂のポイントの一つに「企業の中核人材における多様性(ダイバーシティ)の確保」があります。取締役会のダイバーシティ推進も求められているため、男女比率を考慮し、女性採用を進める企業が多いのです。

実際、2022年にJACの紹介で採用決定した社外取締役のうち、4割が女性でした。しかも、すでに他社の社外取締役を務めている人は75%にも達しました。その理由として、女性社外取締役も男性同様、「経営経験」を求められるものの、絶対数として少ないため、1人の方にオファーが集中し、兼務となる実態があるからです。

また、社外取締役として迎えられる女性は、公認会計士・弁護士など士業の方が4分の3を占めています。
4分の1は士業以外で、企業経営の経験者です。
現在、下記のような経験を持つ女性は、社外取締役に就くチャンスが豊富です。

  • ・日系上場企業での執行役員経験
  • ・大手外資系企業での執行役員またはそれに準ずる経験

企業は女性社外取締役の採用を目指しながらも、なかなか獲得できていない状況ですので、2024年も積極採用が続くと見込まれます。

女性役員・幹部候補の転職市場動向

男性は、すべて「上場企業の役員以上」の経験者

社外取締役として採用された男性は、全員、上場企業で役員以上の経験を持つ方でした。そのうち約半数は社長経験者、もしくは社長に次ぐNo.2のポジションの経験者です。その他では、CFOや監査役を経験した方などです。
これらの経験がないと、社外取締役への採用は難しいのが実情です。

社外取締役のキャリアのその先は?


社外取締役を経験すると、他業界の成長戦略やSDGs・ガバナンスなどへの取り組みに対する理解が深まります。他社の社外取締役の兼務や就任、あるいは自身で起業するなど、次のステップへつながります。
レアケースではありますが、社外取締役としての活躍が評価され、常勤役員に登用された女性の事例もあります。
女性の社外取締役はここ数年で増加しているため、これからもさまざまな登用、転身の事例が出てくることが予想されます。

社外取締役への転職成功事例2選


事業会社の執行役員から社外取締役に転職された方の事例をご紹介します。

転職成功事例1:中堅企業から大手企業の社外取締役へ

中堅上場メーカーの執行役員経験があるAさん(50代後半/女性)は、
人事領域での高い専門性を評価され、働き方改革を推進する大手プライム上場企業の社外取締役として採用されました。Aさん自身、前職より規模の大きな会社でインパクトを与えられる役割にやりがいを感じ、転職を決意されました。

転職成功事例2:大手外資から日系上場企業の社外取締役へ

大手外資系企業の執行役員経験があるBさん(50代後半/女性)は、
広報の高い専門性のほか、ダイバーシティ推進プロジェクトの責任者としての実績が評価され、日系プライム上場企業の社外取締役として採用されました。スキルマトリックスで欠けていた「ダイバーシティ」を補完したいという採用企業のニーズにマッチした転職事例です。

社外取締役への転職は、JACにご相談を


社外取締役への転職を検討されるなら、JACにご相談ください。

エグゼクティブポジションに特化したサービス「JAC Executive」を提供しており、経営幹部クラスの転職支援実績が豊富です。

社外取締役の募集は、コーポレートサイトやWeb媒体などに公開されることはまずありません。人事担当者も関知しないところで、役員クラスが採用活動に直接動くケースがほとんどです。
JACでは首都圏だけでも30名以上のエグゼクティブ専門コンサルタントが、上場企業の役員クラスの皆様と日々対話し、内々に幹部紹介依頼のご相談をお受けしています。
そのようにして得たコンフィデンシャルな求人案件をご紹介することが可能です。

「自分は社外取締役に転職できる可能性はあるのだろうか」「どのような企業が自分の知見を必要としているのだろうか」と考えている方はぜひJAC Executiveのコンサルタントにご相談ください。

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JAC Recruitmentでは中長期的なキャリアプランに対する意識が高いビジネスパーソンが多く、
転職を検討していない時期でもコンサルタントに業界動向や市場価値について情報交換することが珍しくありません。
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この記事を監修した転職コンサルタント

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稲岡 英治

Executiveディビジョン 部長

龍谷大学卒業 信販会社を経て、2005年に株式会社ジェイ エイ シー リクルートメントに入社。 
当初は大阪支店のEMC領域を担当。大阪・名古屋・福岡・東京にてEMCに加えて、コンシュマー・サービス領域まで幅広く経験。
Executive領域は2015年より担当、現在は経営幹部ポジションに特化した転職支援サービス・JAC Executive の部門長。