化学メーカーでは、EHS(環境/安全)の整備を担うポジションの求人が増えています。背景にあるのは「サステナビリティ」「組織変革」。ニーズの高まりに対して経験者の数が少ないため、関連の経験を持つ方に門戸が開かれています。40代~50代の方が多い一方で、30代を積極採用する事例も見られます。
では、具体的に、どういった方が求められているのか、転職すべきタイミングはいつかといった、最新の転職市場動向について、JAC Recruitment (以下、JAC)のコンサルタントが詳しく解説いたします。
転職成功率を上げたい方は、ぜひご覧ください。
目次/Index
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化学業界EHS職の転職事情 幅広い成功事例
EHSは、「環境(Environment)」「健康・衛生(Health)」「安全(Safety)」をマネジメントする活動を指します。これは日系大手総合化学メーカーによる採用が活発化しているほか、外資系化学メーカーから欠員補充の求人が出てくることもあります。
転職を考えている方が求人票を見る際に注意したいのは、企業によって採用ポジションの呼び方が多様であること。一例を挙げると「安全・環境」「労働安全衛生」「保安防災」「インダストリアル・ハイジニスト」といったワードで募集が行われています。
また、企業の取り組み段階や組織の状態によって求める層が異なっており、経験が浅い30代から、即戦力となる40代、マネジメント経験を持つ50代前半まで、幅広く転職成功事例があります。
首都圏での本社勤務が多く、リモートワークの導入率が高いのが特徴。ワークライフバランスを整える目的で転職する方も多く見られます。
EHS領域の採用が活発化している背景は「サステナビリティ」と「組織変革」
グローバルで「サステナビリティ」への意識が高まり、各社では「SDGs」「ESG」関連の取り組みが加速しています。その中の施策の一環として、EHSの活動を強化しています。
また、組織変革も急務となっています。40代後半~50代の方々が研究開発職や生産技術職などを経てEHS職に就くキャリアパスが従来は一般的であったため、EHS部門の組織は高齢化の傾向が見られました。
しかし、化学メーカーは現在、事業の変革期を迎えており、新しい事業領域への進出も活発です。事業変革+サステナビリティへの取り組みにともない、EHS組織の変革も課題となっています。そこで、EHSの専門職としての経験がなくても、何らかの職種の業務の一環でEHSに関わった経験を持つ方が求められています。
ニーズに対して経験者が少ない「今」が転職のチャンス
「サステナビリティ」への取り組みが本格化したのは、ここ数年のこと。EHSの人材ニーズが一気に高まりましたが、転職市場には経験者が少ないため、経験者にとっては転職によって年収アップやキャリアアップ、あるいは理想の労働環境を手に入れるチャンスが訪れているといえます。
中堅メーカーでEHSの経験を積んだ方が大手メーカーに転職し、年収アップを果たしている事例もあります。
また、化学業界の経験がなくても、製造業でのプラント管理や生産技術などの職種で安全・環境に配慮した仕事を経験してきた方も、大手化学メーカーのEHSポジションに迎えられています。
このように、EHSに専門特化した経験がなくても転職できる可能性があるのは、需要に対して供給が少ない今だからこそのチャンスといえるでしょう。
各社で組織体制が整い、専門人材が増えていけば、次第に未経験者への門戸は閉じられていきます。
現在のニーズは、2~3年程度は続くと予想されますが、EHSのスペシャリストとしてキャリアを積んでいきたい方は、なるべく早く行動を起こすことをおすすめします。
化学のEHS職の採用で評価される知識や経験
化学メーカーのEHS関連職の採用選考では、どのようなポイントが評価されるのでしょうか。採用ポジションによって各社異なりますが、次の要素が重視される傾向が見られます。
即戦力採用の場合、5年以上の経験や資格など
即戦力となる経験者の採用においては、多くの場合、5年以上の経験が求められ、製造業のEHS関連部門での「労働安全や保安防災に関する企画」「社内への浸透の推進」「法令対応」といった経験が重視されます。
また、製造業のいずれかの部門で環境・安全に関わった経験も評価されます。
たとえば、生産設備を管理するような部門で環境安全に取り組んだ経験、プラントの運転管理業務の中で安全面の管理も担った経験などです。
資格は「必須」とはされませんが、下記の資格を保有しているとプラス評価を得られます。
●危険物取扱者
●高圧ガス製造保安責任者
●公害防止管理者
●衛生管理者
このほか、採用ポジションによっては、「ISO14001に基づく監査経験」「労働衛生」の経験者が優遇されることもあります。
日系企業でも英語力は重要
日系大手化学メーカーのコーポレート部門で、海外工場のEHSのマネジメントも担うポジションでは、英語力が求められます。
現時点では国内工場のEHSの整備に注力する段階の企業が多いのですが、その次のステップでは海外拠点の整備も進めていくでしょう。今後は英語力を要件とする求人は増えていくと見込まれます。
現時点では、一部、英文の読み書き+日常会話ができるレベルの英語力を求める求人があります。
社内の人々とのコミュニケーション力/巻き込み力
EHSの活動では、さまざまな部門に対して環境・安全などの啓もうを行い、遵守するように働きかけていきます。方針やルールをただ伝達するだけではなかなか浸透しないため、現場の人たちの立場や状況を理解してコミュニケーションをとり、取り組みに巻き込んでいく力が必要とされます。
そのため、採用選考においても、これまでの経験のなかで、社内のさまざまな人々といかにコミュニケーションをとり、連携してきたかが注目されます。
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自身の魅力を伝えるために面接対策などは必須
一口に「化学メーカーのEHS職」といっても、企業によって求める経験や人物像はさまざまです。
たとえば、「技術者としての現場経験」を必須とする企業もあれば、「コーポレート側から事業部を支援した経験」を重視する企業、「海外駐在/海外事業」の経験を求める企業もあります。「化学物質のばく露測定」などニッチな経験を要件とする企業もあります。
自身の経験にマッチする求人を選ぶためにも、選考で自身の強みを適切にアピールするためにも、転職エージェントの活用をおすすめします。
転職エージェントJACでは、化学業界に専門特化したチームを設けています。専門コンサルタントは、業界・職種について深い知識を持ち、マーケットのトレンドを常に把握しています。採用企業側とも密にコミュニケーションをとっているため、各社の採用背景、求める人物像もつかんでおり、その情報をもとに適切なマッチングが可能です。
各社、面接で注目しているポイントが異なりますので、「この企業の面接では、このような質問をされる」といった情報もご提供します。
転職成功率を高めるために、JACのコンサルタントが持つ情報とノウハウをご活用ください。
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ESH職へ求められること
これまで日本企業におけるEHS職は、ISO14001とISO45001に基づいたマネジメントシステムとされてきました。しかし、本来EHSにおいて重要なのはGRC (ガバナンス・リスク・コンプライアンス)の管理です。
・ガバナンス
これまで労働安全衛生に関しては、労働安全衛生法に基づき事業所単位で管理が行われてきました。しかし現在、全体方針を固めるうえでも事業所へ丸投げするのではなく、企業としてのガバナンスを重視することが求められています。
・リスクマネジメント
ここでのリスクマネジメントは、企業活動を行ううえで潜む潜在的な悪影響を回避・低減することです。これと併せて、社会課題を解決する価値創造が求められていきます。
・コンプライアンス
ESHSの根幹にあるのは、コンプライアンス(法令等の遵守)です。すべての企業及び業界においても、CSRの基準はコンプライアンスの上に成り立っています。そのため、EHSを適切にマネジメントできなければ、企業は市場から評価されないばかりでなく、大きな代償を払うおそれがあります。
EHS&S(環境・衛生・安全と持続可能性)について
気候変動リスクが高まるとともに、持続可能性についてもEHSに組み込むことが求められるようになりました。
それはEHS職においても同様です。EHSの柱に持続可能性を組み込んでいる企業もあります。 これは、EHS管理が世論の反応に合わせた考え方から、真に先を見越し、長期的な見通しに移行したことを示していると考えられます。 これにより対外的なブランディング・マーケティング効果も期待できますので、広報・マーケティング部と連動したPRにもつながります。
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EHS職のこれから
現在の市場動向から考えると、今後EHS職を取り巻く環境はより複雑化していくことが予想されています。
ビジネスが成長し、世界のあらゆる国・地域で事業展開することにより、EHS規制は倍増する可能性もあります。
そのため、より多くの言語やチャネルを利用して安全情報を提供しなければなりません。
また気候変動リスクが高まるとともに、企業はこれらの問題へ緊急かつ優先的に対処することが求められています。
EHS職の役割は以下の2点が挙げられます。
・自社が特に関わる環境リスクへの理解を深めながら適切に管理する
・消費者を始めとしたステークホルダーへ進捗状況を報告する
EHS職は、企業の効率や生産性向上とインシデントを削減することによって見込まれる収益の改善及び成長の推進力として注目されていくでしょう。
つまり、EHS職が企業戦略の中心的な位置付けとして重視されるようになり、企業レベルの意思決定を推進していることと同じ意味があります。
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