外資系人事の転職事情｜年収相場や求められるスキル経験を解説

人事職の転職を希望する人の中には、外資系企業を検討している方もいらっしゃるでしょう。外資系企業の場合、転職時に求められるスキルや経験は日系企業と異なるのでしょうか。

今回は、外資系人事に必要なスキルや経験、年収相場など、外資系企業における人事職の転職に役立つ情報をJAC Recruitment（以下、JAC）が解説いたします。

外資系人事の転職動向

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JACが取り扱っている求人を見ると、2024年の外資系人事の新規求人数は前年の1.01倍となっており、ほぼ横ばいの状態です。人事職を募集している外資系企業の詳細を確認するとEMC（電気・機械・化学）業界、メディカル・バイオ業界での募集が多くなっています。EMC業界の中では、電気・電機メーカーと機械・装置メーカー、メディカル・バイオ業界では医薬品業界での求人が目立ちます。

募集背景をみると、前任者の退職や異動に伴うリプレイス募集がほとんどですが、一部、事業拡大による増員を背景とした募集も見られます。求人数も横ばいであることから、外資系企業においては人事職の増強を進めているケースは少なく、現状の体制を維持する方針が多いと考えられるでしょう。

外資系人事で求められるスキル・経験・マインド

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JACが取り扱う外資系人事の求人を見ると、次のようなスキルや経験を求められる傾向にあります。

人事分野における実務経験

外資系人事の求人を見ると、ほとんどが人事分野における業務経験を必須としています。1年以上の経験があれば応募できる求人もありますが、5年以上の経験を必須としているものもあり、ジョブ型雇用を基本とする外資系企業の特徴が明確に現れていると考えられます。

採用と人事制度の企画運用の経験

人事業務の中でも特に、採用の経験がある方、人事制度の企画運用経験をもつ方を求める求人が多くなっています。また、コンサルタンティング会社においては、人事コンサルタントとして就業した経験や、人材紹介会社でキャリアコンサルタントとして就業した経験も優遇される傾向にあります。

英語力やグローバル環境下での業務経験

外資系人事求人のほとんどが、英語力を必須または歓迎条件に掲げています。さらに、外資系企業での就業経験やグローバル環境下での業務経験を歓迎している求人が多いのも特徴です。外資系企業では英語でのコミュニケーションが必要になるだけでなく、異なる文化や価値観を受け入れられる素養が求められます。

外資系人事の想定平均年収は906.0万円

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2023年1月～2025年6月の間にJACが転職をサポートした実績を見ると、外資系人事関連職の平均年収は、906.0万円です。また、ボリュームゾーンは800万円～1,300万円程度となっています。

メンバー職の平均年収も700万円を超えており、外資系人事はほかの職種に比べても、高い年収を期待できる職種だといえます。30代に入ると年収が1,000万円を超えるケースも多く見られ、50代を超えるとほとんどの方が1,000万円超の年収となります。

役職	平均年収
メンバークラス	712.0万円
管理職	1109.6万円

※当社実績（2023年1月～2025年6月、想定年収）より

外資系企業は、日系企業に比べ高い年収を期待できます。外資系企業の平均年収は800万円程度になるといわれています。外資系企業といってもさまざまな業界があり、業界によっても企業によっても年収の提示は変わるものの、全般的に日系企業と比較して外資系企業の方が年収は高くなります。人事業務においても同様であり、外資系人事の方が日系企業の人事部門よりも年収は高くなるでしょう。

外資系人事の最新求人情報

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JACでは、外資系人事の求人を多数取り扱っています。ここでは外資系人事の求人の中から一部をご紹介します。

●外資系総合コンサルティングファーム：組織・人事コンサルタント

●外資ファションブランド：Talent Management Manager

●外資総合系コンサルティングファーム：組織人事・チェンジマネジメントコンサルタント

●外資アウトドアブランド：L&D Senior Specialist

●外資系企業世界トップの建築資材メーカー：人事ジェネラリスト

●外資IT企業：HRスペシャリスト

●外資系自動車関連サプライヤー：HRBP （部下有り）

●外資電気ケーブル会社：Site HR Manager

JACでは、外資系企業との取引実績も多く、ここでご紹介した案件以外にも、業界・職種を問わず幅広い外資系人事の求人を取り扱っています。しかしながら当社が取り扱う求人の約7割は、一般に詳細を公開できない非公開求人です。

当社には、外資系企業専任のコンサルタントが在籍しており、転職希望者の希望や不安に寄り添いながら、一人ひとりに最適な求人をご紹介しています。ご登録いただいた方には非公開求人も含めた求人のご紹介が可能です。外資系企業での人事職への転職をお考えの際には、ぜひJACにご登録ください。

非公開求人について詳しく知りたい方はこちら

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。（2025年7月最新）

外資系人事への転職で有利となる資格

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外資系人事職では、転職にあたって必須となる資格はありません。しかしながら、次のような資格を保有している場合、転職活動を有利に進められる可能性があります。

キャリアコンサルタント

人事には、採用だけでなく、従業員のキャリア形成をサポートする役割もあります。キャリアコンサルタントは、厚生労働省が認定する国家資格です。

キャリアコンサルタントの資格を取得するためには、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会もしくは特定非営利活動法人日本キャリア開発協会が実施する資格試験に合格しなければなりません。学科試験と実技試験がありますが、学科試験については、いずれの団体が実施する試験に申し込んでも同じ日程で、同じ内容の問題が出題されます。試験合格後は、キャリアコンサルタントとしての登録が必要であり、有効期間は5年間です。登録を継続するためには指定された講習を受講し、更新手続きを行う必要があります。

厚生労働省：キャリアコンサルタントになりたい方へ

社会保険労務士

社会保険労務士は、社会保険労務士法に基づく国家資格です。企業の人事部門は、従業員が適切な労働環境で働けるよう管理する責任があります。労務管理と社会保険の専門家として、社会保険労務士は豊富な知識を活かし、人事業務の中でも特に労務管理分野で力を発揮できます。

この資格は、全国社会保険労務士会連合会試験センターが実施する試験に合格することで取得可能です。受験資格は、学歴・実務経験・厚生労働大臣が認めた国家試験合格のいずれか一つを満たすことで得られます。2024年の合格率は6.9％と難易度は高いものの、取得していれば転職時に大きな強みとなります。

全国社会保険労務士会連合会試験センター：社会保険労務士試験

TOEIC

外資系企業では、ビジネスレベルでの英語力が求められます。外資系企業では、外国人が従業員として働いているケースも多く、さらに、各国の従業員とやり取りをすることもあるため、高いレベルの英語力が必要になるケースがほとんどです。

外資系企業において就業していた経験や海外での就業経験がある場合は、実務経験をアピールできますが、実務で英語を使用した経験がない場合などはTOEICの受験をおすすめします。一般的にはTOEIC700点以上がビジネスレベルの目安とされていますが、JACの事例を見ると800点以上を応募条件としている企業も少なくありません。

一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会：TOEIC

外資系人事のキャリアパス

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外資系人事関連職の代表的なキャリアパスをご紹介します。

人事部門のマネージャーを目指す

人事部門は、採用や人の配置、育成、評価制度の整備、労働環境の管理など、多岐にわたる業務を担っています。これらはすべて密接に関連しており、企業の成長には採用から育成、評価までの一連のプロセスが非常に重要な意味を持ちます。

また、人事部門で幅広い経験を積んだ後は、マネージャーとして会社全体の採用計画や従業員育成計画に携わることも可能です。

経営に近いポジションを目指す

近年、従業員や組織の力を資本と捉える「人的資本経営」の考え方が広がっています。人的資本経営では、一人ひとりの成長や能力を最大限に引き出しながら、企業全体の発展を目指すことが基本となっています。そのため、経営戦略と連動した人事戦略の立案が不可欠です。経営において人事の視点はますます重要となっており、人事で培った経験を活かして経営に近いポジションを目指す道も開かれています。

外資系人事への転職を成功させる3つのポイント

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外資系人事関連職への転職を成功させるために押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

採用業務に携わった経験をアピールする

少子高齢化の急速な進行により労働人口が減少する中、優秀な人を迎え入れることは多くの業界で喫緊の課題となっています。採用業務に携わった経験は、外資系人事への転職でも大きな強みとなります。

採用には新卒採用と中途採用があり、それぞれ採用計画や採用手法は変わります。職務経歴書や面接などでは、具体的に担当した採用業務の内容や採用実績などをアピールすることが大切です。

研修の企画・運営の経験をアピールする

人事の役割は、採用だけでなく、入社後の従業員の能力向上を目的とした各種研修の実施にもおよびます。従業員一人ひとりのスキルや志向に合わせて適切な研修機会を提供することは、組織全体のパフォーマンス最大化につながります。そのため、階層別研修やスキルアップ研修などの企画・運営に携わった経験は、外資系人事への転職において大きな強みとなります。具体的にどのような研修を企画し、どのような成果を上げたのかをアピールしましょう。

データ分析の経験をアピールする

外資系企業の人事では、従業員のスキルや経験、成果などのデータをもとに、配置や評価の公平性を高める取り組みが進んでいます。そのため、人事部門でデータ分析に基づいて業務を推進した経験があれば、職務経歴書や面接で積極的にアピールすることをおすすめします。その際には、どのようなデータを、どのようなツールで分析し、どのような成果につながったのか、具体的に示すことが重要です。

外資系人事の転職事例

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JACでは、外資系人事への転職を希望する方を多数サポートしてきました。その中から、事例を一つご紹介します。

外資系人事職から外資系人事職への転職

Fさん（女性/40代後半）

	業種	職種	年収
転職前	外資系金融関連会社	HRBP担当マネージャー	940万円
転職後	外資系計測器メーカー	HRジェネラリスト	1,320万円

Fさんは、外資系金融企業にて秘書や社内広報、与信審査、内部監査など多岐にわたる業務を経験した後、人事部門のマネージャーとして新会社の設立に伴う人事・総務の立ち上げに携わった経歴をおもちです。外資系企業での勤務経験から高い英語力を有し、TOEIC970点や英検1級の資格も取得されています。

人事として、より働きやすい職場環境づくりに貢献したいという思いから転職を決意されました。当社では、その希望を実現できる求人として、外資系計測機器メーカーの人事職をご紹介しました。

この企業は従業員エンゲージメントの向上に注力しており、外資系でありながら長く働く従業員が多いのが特徴です。弁護士や産業医など外部の専門家とも密接に連携し、一人ひとりと誠実に向き合う姿勢に共感され、Fさんからも強い入社希望をいただきました。また、応募先企業からもFさんの高い英語力やコミュニケーション能力、エンゲージメント向上への熱意が高く評価され、見事入社が決定しています。

前職を大きく上回る年収が提示され、Fさんご自身も会社からの大きな期待を感じたとのこと。現在は新たな環境で意欲的に業務に取り組まれており、順調にキャリアを築かれています。

外資系人事への転職なら、JAC Recruitmentへ

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日系企業においても人事職の転職は、実務経験が求められます。外資系企業においても人事業務の経験を必須としている企業が多く、さらに、外資系企業での人事経験がある方は、より歓迎される傾向にあります。人事の経験を活かし、よりグローバルな環境で活躍したい方や外資系人事の経験を活かし、より理想のキャリアを実現できる企業へ転職したいという方は、ぜひJACにご相談ください。

当社では、外資系企業に詳しいコンサルタントが詳しくお話をお伺いしたうえで、希望のキャリアの実現につながる求人をご紹介しています。外資系企業での就業経験がない場合でも、丁寧なサポートを行いますので、外資系人事への転職をお考えの際には、実績豊富なJACにお任せください。