30代のMR転職事情|求められる経験や年収相場、成功のポイントを解説 

  1. 30代
  2. MR(医薬情報担当者)
  3. 転職マーケット×メディカル(医療)業界

公開日:2025/04/25 / 最終更新日: 2025/04/25

MRのニーズはここ数年高まっており、特に30代MRの方々は、即戦力として、また、次世代リーダーとしての活躍に期待が集まり、チャンスが豊富な環境といえます。そこで現状の30代MRの求人動向、求められる経験・スキル、年収相場、転職成功事例などについて、JAC Recruitment(以下、JAC)のヘルスケア業界専任のコンサルタントが解説します。

業界のプロがあなたにあった転職支援を行います

今現在、

  • 経験を活かして異業界への転職を検討している
  • 業界内でより自分にあった企業へ転職したい
  • より年収を上げたい

上記のようなお困りごとがございましたら、私たちJACへ相談してみませんか?

登録してプロの転職支援を受ける

業界のプロがあなたにあった転職支援を行います

今現在、

  • 経験を活かして異業界への転職を検討している
  • 業界内でより自分にあった企業へ転職したい
  • より年収を上げたい

上記のようなお困りごとがございましたら、私たちJACへ相談してみませんか?

登録してプロの転職支援を受ける

30代MRの転職動向・求人の傾向とは?


MRの求人はここ2~3年で増加し、高止まりの状態です。背景にあるのは「新薬のローンチ」「オンコロジー領域を中心とした新組織立ち上げ」「外資系製薬メーカーの日本法人立ち上げ・拡充」などが挙げられます。また、2010年以降、MRの採用数が抑制されたことから、次世代を担う20代~30代の層が不足しているという組織課題もあり、採用がより活発化。

10年程度の経験をもつ30代MRは、即戦力として求められ、かつ次世代のリーダー・幹部候補として期待が寄せられており、各社採用に意欲的です。

>MR職全体の転職市場動向はこちら

30代のMR転職で求められるスキルや経験・マインド、アピールすべきポイントについて


30代のMRに求められることが多いのは「先発品」を扱った経験です。新薬のローンチに関わった経験が重視され、それ以外には以下の経験・スキルがあるとプラス評価につながります。

● 大学病院、600床程度以上の基幹病院を担当した経験

● リーダー、マネジメント経験

● 領域の立ち上げの経験

● 広域の経験

● 製品プロモーターのリード

加えて、マインド面では、所長・マネジャーと価値観や目標を共有し、組織をけん引していく意識が求められます。個人の目標数字を追うだけでなく、チームの成果も考えて行動できることが期待されているのです。

30代MRの年収相場は800万~1,200万円、年収アップを目指すには


JAC経由で転職した30代MRの年収相場は「800万~1,200万円」です。

30代の想定年収の平均は932.3万円で、30代前半で856.1万円、30代後半で1,001.7万円となっています。

オンコロジー領域や希少疾患領域の経験、広域マネジメント経験の有無などにより、年収額に差が生まれ、年収が高い方で1,600万円以上のケースもあります。

企業別30代平均年収】

日系820万円
外資系1,010万円

【役職別30代平均年収】

メンバー930万円
課長以上1,200万円

年収アップを目指すには

先に述べた「求められる経験・スキル」があれば、それをアピールすることで、年収アップでのオファーを受けられる可能性が高まりますが、経験があっても、選考で評価されるかどうかが重要です。面接対策をしっかりと行い、経験内容を詳しく語れるようにしましょう。

また、高度なスキルが必要ですが「少数精鋭」の企業を選ぶのも年収アップの手段の一つです。   

30代MRの転職理由とキャリアパス


30代MRの方々が転職を目指す理由と、30代からのキャリアパスについてお伝えします。

30代MRはどのような転職理由が多いのか?

30代MRの方々の転職理由は「キャリアアップ」もしくは「ワークライフバランス」の観点に分かれます。

● 未経験領域(オンコロジー・希少疾患など)でキャリアを積みたい

● 年収を上げたい

● ライフステージの変化(結婚・出産など)にともない、勤務エリアの希望を叶えたい

これらの希望は、選ぶ企業によって叶えられる可能性があります。

30代MRのキャリアパス

担当領域を問わず、30代では次のようなステージに進む可能性があります。

● マネジャー、KAM(Key Account Manager)

● 本社への異動(マーケティング/MSLなど)

● トレーニング

このほか転職を図る場合、30代は「経験を生かして年収アップを目指す」「未経験領域にチャレンジする」など、比較的幅広い選択肢がある年代といえるでしょう。

異業種への転職の可能性について


30代MRの方には、異業種への転職を検討されている方も多くいます。理由としてよく見られるのは、「勤務地を固定したいので、転勤がない仕事に就きたい」「医療分野の経験を生かし、ほかのことをしてみたい」「やり切った感があるので、新たなチャレンジがしたい」などです。

MRの経験・スキルとして「医療機関への理解・折衝経験」「情報収集力」「社会的地位が高い人とのコミュニケーション力・関係構築力」などは、異業種でも評価され、実際、以下のような異業種・異職種に転職を果たす事例もあります。

● 医療機器の営業

● ヘルステック製品の営業

● コンサルタント(製薬メーカー向けコンサル、病院・薬局経営コンサル、M&Aコンサルなど)

● 医療広告代理店のマーケティング

30代MR転職で有利となる資格


「MR認定資格」の保有は前提として、それ以外にMRの転職で必要とされる資格は特にありません。

ただし、外資系企業を目指すのであれば、「英語力」があると有利でしょう。入社時点では必須とはされませんが、マネジャーへの昇進を目指すのであれば、本国へのレポートやディスカッションなどで英語力が必要となります。また、マーケティングへのキャリアチェンジを図る場合も、英語力は欠かせません。

なお、外資系企業への転職の際、英語のビジネス使用経験がなくても「素養はある」と見なされるのは、「TOEIC700点」程度が目安となります。

30代のMR転職を成功させる5つのポイント


30代のMRの方々が転職を成功させるために意識しておきたいポイントをご紹介します。

MR活動での「工夫」「担当ドクター名」を伝える

これまでのMR活動について、実績の数値をアピールすることが重要だと思う方も多いのですが、それ以上に「どのような工夫をしたか」が選考では注目されています。それを端的に言語化し、職務経歴書や面接で伝えられるようにしておくことが大切です。

また、どのドクターにアプローチしていたのか、具体名を挙げておくことがプラスにはたらくケースもあります。クローズドなマーケットでは「このドクターを知っている」と会話が広がることもあるほか、KOLであれば高い評価につながります。

チームをリードした経験を伝える

30代では、個人の成果だけでなく、組織に与える影響も注目されています。個人の業績をアピールするだけでなく、自身の活動の成果がチームの成果につながったエピソードがあれば積極的に伝えましょう。

そのような実績がまだない場合は、今の会社でチーム・組織のことを考えて行動することをおすすめします。

何を大切にしたいのか、「自己分析」をしておく

転職活動の際、複数の希望条件をもって企業探しをしていると、目移りして適切な選択ができないこともあります。自身が今回の転職で何を叶えたいのか、より優先したい条件はどれなのか、自己分析をしっかり行って明確にしておきましょう。そうすると最終意思決定で迷うことがなくなるでしょう。

面接での「アウトプット力」を高めておく

どれだけ優秀な方でも、面接でアウトプットができなければ評価を得られません。「話すことには慣れている」と思っていても、いざ面接となると緊張してうまく言葉が出てこないことも多いものです。質疑応答の練習をしっかり行って臨んでください。

また、未経験領域にチャレンジする場合など、ただ「○○がやりたい」と訴えるだけでなく、「なぜその領域を手がけたいのか」「なぜこの会社なのか」を、説得力をもって語れることが大切です。そのためには応募企業の研究を行い、「自分が入社したらこのような戦略を立てて、このように行動する」「このエリアはこのようにマネジメントしたい」と、仮説を立てて論理的に伝えられるように準備しましょう。

「理念」「ミッション・ビジョン・バリュー」に沿ったアピールをする

企業ホームページには、「企業理念」「ミッション・ビジョン・バリュー」「パーパス」などが掲げられています。これらを「建て前」と捉える方もいますが、実は選考のなかで大きなポイントとなり、応募者の話が理念に沿うものかどうかを見ていることも多いのです。

一見、各社似たようなことを書いているように見えても、企業ごとに特性が表れています。自身が共感できる部分に注目し、応募企業の理念を体現したような経験をアピールすることを意識してみてください。

30代のMR転職で多い質問と回答 


30代MRの方々からよくお受けする質問を取り上げてお答えします。

Q.勤務地を選べる求人はありますか?

A. 勤務地をどの程度考慮するかは、企業によって異なります。領域は限定されますが、転勤がない企業もあります。「初任地の希望を叶える」「配偶者が転勤になった場合、そのエリアに異動できる」といった企業もあります。

勤務エリアの希望を叶えたい場合、「大型採用」を狙うのもおすすめです。新組織の立ち上げや拡大にともなう数十名規模の採用であれば、勤務地を比較的選びやすいといえるでしょう。

Q.転職で年収アップは狙えますか?

A. MRの転職では、未経験領域にチャレンジするケースも多く、「前年収維持」が大半を占めます。専門領域の経験を生かし、新組織の立ち上げにおいて即戦力として活躍できる場合などでは、年収100万~200万円アップの可能性もあり、なかには300万円アップした事例もあります。

また、年収水準が低い企業から高い企業に移った場合も、年収アップにつながりやすいといえます。

30代MRの転職成功事例 


希望の転職を叶えた30代MRの事例をご紹介します。

プライマリーからオンコロジー領域の新組織へ。年収150万円アップ

Mさん(男性/30代前半)

業種職種年収
転職前外資系製薬メーカーMR750万円
転職後外資系製薬メーカーMR900万円

外資系製薬メーカーに新卒入社したMさん(男性/30代前半)。入社当時からプライマリー領域を担当してきましたが、オンコロジーや希少疾患を手がけてみたいという思いを持ち続けていました。しかし、自社内では領域をまたぐ異動の可能性は低いため、転職活動を開始しました。

コンサルタントからは、大手からベンチャーまで、未経験でオンコロジー・希少疾患にチャレンジできる求人を10数社紹介。そのなかからMさんが選んだのは、オンコロジー領域の新組織を立ち上げる外資系製薬メーカーでした。領域未経験者を含む数十名規模の採用を行っており、全員が同じスタートラインから始められること、新しい組織づくりを経験できることに魅力を感じたのです。自己分析がしっかりできており、これからやりたいこと・目指すキャリアを明確に語れたMさんは、高評価を得て採用に至りました。年収は約150万円アップとなっています。

転職事例の詳細は下記をご覧ください。

CSOで培った専門性を生かし、メーカーへ。年収150万円アップ

Sさん(男性/30代半ば)

業種職種年収
転職前CSOコントラクトMR600万円
転職後外資系製薬メーカーMR750万円

Sさん(男性/30代半ば)は新卒で後発品中心の製薬メーカーに入社。先発品や基幹病院の経験を積みたいと考え、CSOのコントラクトMRに転職しました。CSOで8年間、専門性を身につけたSさん。30代半ばを迎え、このままとどまるとマネジャー職に昇進しますが、CSOのマネジャーとメーカーのマネジャーでは仕事内容や役割が大きく異なります。将来的にはメーカーでキャリアを構築したいと考えていたため、「現役MR」であるうちにメーカーへの転職を決意しました。

CSOで培った経験を生かせるメーカー求人を約30社紹介。より志向に合う4社に応募し、即戦力として高く評価され、内定に至りました。当初は希望勤務エリアが合わず見送られたのですが、「やはり来てほしい」と、エリアの希望も叶えられました。年収は諸手当合わせ、150万円アップとなりました。

MR経験を生かし、マーケティング部門へのキャリアを見据えられる転職に成功

Tさん(男性/30代前半)

業種職種年収
転職前大手外資系製薬メーカーMR950万円
転職後立ち上げ外資系製薬メーカーMR1,200万円

Tさん(男性/30代前半)は新卒で大手内資系製薬メーカーに入社。その後、より大きな組織で成長したいと20代半ばで大手外資系製薬メーカーに転職。そこでは1社目の経験を生かしながら、プライマリー領域を中心に多岐にわたる経験を積まれました。

自分自身の市場価値を知りたいという気持ちがあり、知り合いに勧められてJACに相談。現職内でのキャリアアップも数年後に見えていたため、情報収集の気持ちが強かったようです。

Tさんは、ゆくゆくマーケティングや営業所長などのキャリアアップも見据えていたため、JACのコンサルタントからは、JACだけがお預かりしている “ある立ち上げ製薬会社”の求人を提案。コンサルタントとの対話を通じ、その企業であれば組織拡大も控えており、本社のポジションも多く目指すべきキャリアも叶えられそうということで応募いただき、結果、採用に至りました。

その後、3年後には組織拡大のタイミングでマーケティング部への異動も叶い、現在もご活躍されております。

MRの転職も見据えていた中で、チャレンジな未経験マーケティングへのキャリアを獲得

Uさん(男性/30代後半)

業種職種年収
転職前内資系製薬メーカーMR・エリアマーケティング1,050万円
転職後外資系製薬メーカーアソシエイトプロダクトマネージャー1,100万円

Uさんは大手内資系製薬会社にて15年ほど、主にMRと社内兼業のエリアマーケティングに従事。英語やMBAの通学など自己研鑽もされており、社内でも高い評価を得ていた方でした。自社では40代にならないと所長(マネジメントポジション)になることは難しく、よりスピーディーにキャリアアップしたいと考え、JACに相談されました。

最初の面談時に、JACのコンサルタントからはさまざまなキャリア提案を行いました。例えば、外資系のMRポジションで社内公募が活発な企業でのプロモーションを目指すや、コンサルティングファームなどの製薬会社以外の企業でマーケティングなどの経験を積むなどです。興味はあったものの、現職での業務が忙しく、その時には応募に至りませんでした。

しかし半年後、JACから求人であまり見ることのない“未経験のマーケティングポジション”の求人を「チャレンジではあるものの応募してみませんか」と提案。結果、現職でのエリアマーケティングの兼業のご経験や、これまでの自己研鑽してきた努力家な部分が評価され、採用に至ったのです。

30代のMR転職ならJAC


JACには、MRを含めヘルスケア領域を専門に担当するコンサルタントが210名近く在籍。MRに特化したコンサルタントは東京と大阪で約30名います。大手からスタートアップまで多様な企業・職種・ポジションの求人を網羅し、日々情報をアップデートしています。企業と深くつながっているため、グローバルの動きや今後予定されているパイプライン、組織展開など、企業サイトでは公表されていない水面下の情報も、開示可能な範囲でお伝えすることができます。

30代では、経験を生かして即戦力として活躍することも、未経験領域へチャレンジすることも可能です。選択肢は広いですが、20代とは異なり、今回の転職で誤った選択をすると、立て直しが難しくなるでしょう。

JACのコンサルタントは、ただ求人を紹介するだけでなく、中長期のキャリアプランを一緒に描き、今回の転職での最適な選択肢をご提案します。「今は転職せず、現職でもう少し経験を積んだ方がよい」とお伝えすることもあります。

まだ転職の意思が固まっていなくても、お気軽にご相談ください。

>MR職全体の転職市場動向はこちら

この記事を監修した転職コンサルタント

足立写真

足立 大知

ヘルスケア西日本第2ディビジョン
リーダー

前職では食品の原料メーカーにてBtoB営業を経験。JAC Recruitmentに入社後、医療機器業界の営業、マーケティング、開発、薬事など幅広い職種を担当。現在は製薬業界のコマーシャルポジションを専任で担当し、さまざまな年代の方々を対象にご転職をサポートしております。


坂本写真

坂本 実優

ヘルスケアコマーシャルディビジョン
コンサルタント

大学卒業後、新卒にてJAC Recruitmentに入社。一貫して製薬会社のMR・KAM・管理職・流通・マーケティングセールスポジションのご支援に従事しております。環境が大きく変わるご転職は不安なことの方が多いかと存じます。ささいなことでもご相談いただけますと大変嬉しく思います。



製薬業界に特化した専任コンサルタントが、あなたの転職をサポート。
業界における市場価値や、レジュメ、面接対策、企業傾向などJACのコンサルタントにご相談ください。
外資系企業の英語選考もしっかりサポートします。