女性MR(医薬情報担当者)の転職事情について、キャリアアップを目指す女性たちが直面する悩みや、中長期的なキャリアプランの考え方を詳しく解説。結婚・出産・育児といったライフイベントを乗り越えながら、どのようにしてキャリアを築いていくのか、JAC Recruitment(以下、JAC)のヘルスケア業界専任のコンサルタントが成功事例も交えてご紹介します。
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女性MRの現状と転職動向

まずはMRの求人についての全体的な動向をお伝えします。
現在、製薬メーカーのMR求人採用は、「新薬のローンチ」「外資系製薬メーカーの日本法人立ち上げ・拡充」という外因的背景と、2010年以降のMR採用の抑制から、次世代を担う20代~30代の層が不足しているという内因的背景の両面から活発化しています。
一方、ここ10年ほどでCSOの活用度が高まっており、コントラクトMRの採用も増えているのも事実。独自の戦略やブランディングに取り組むCSOも見られます。
このようにMR採用の活発化にともない、女性の転職事例も増加し、例えば、数十名規模のMR採用が行われた場合、女性MRの割合は3割~5割を占めている状況です。
特に外資系企業では、「ダイバーシティ(多様性)」の観点から女性管理職比率の向上を目指しており、女性管理職やその予備軍となる女性の採用に意欲的です。
女性MRが抱える主な悩み
転職相談に訪れる女性MRの方々からは、主に次のような悩みが寄せられます。
● 長時間労働や移動の多さで体力的な負担が大きい
● プライベートと仕事の両立が難しい。出産・育児によるキャリアの中断に不安を抱いている
● 全国転勤の可能性があり、転勤を命じられた場合、子どもがいると応じられない
このなかでも、特に多く聞かれるのが「勤務地」の悩み。遠隔地への転勤を命じられ、転居をともなう場合、子どもを転校させてまで対応することは難しいと考える女性が多いのです。そこで「勤務エリアの固定」を目的に転職活動に踏み切る方が少なくありません。
企業側もそうした事情は理解しており、公募情報には明確に記載していないものの、初任地の希望を受け入れる姿勢がある企業もあります。また、女性が出産・育児などのライフイベントを経て、社内でキャリアを構築していけるようにするための取り組みも見られます。
女性の活躍推進に対する企業の取り組み
製薬メーカーで行われている、女性活躍推進の取り組みの一例をご紹介します。
● ファイザー株式会社
2009年1月、全世界での女性活躍推進を加速させるために、グローバル女性活躍推進委員会(GWC:Global Women’s Council)を設立。日本でも、日本女性活躍推進委員会(JWC:Japan Women’s Council)や、若手女性社員によるネットワーク(JWCRG:Japan Women’s Colleague Resource Group)を通じてさまざまな活動を行い、JWCのメンバーがロールモデルとしてJWCRGをリード。
2021年よりグローバルでPfizer Women’s Resource Group(PWR)に変更され、同年Japan Pfizer Women’s Resource Group(JPWR)がスタート。ファイザージャパンが女性に選ばれる企業になることを目的とし、次世代タレントを対象にした研修や営業部門ラインマネジャー向けキャリア研修を実施したり、国際女性デーは全社で祝ったりする。本活動には男性社員も数多く参画している。
(出典元:ファイザー株式会社 | Pfizer Japan |ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)
● アッヴィ合同会社
EEDI (Equity, Equality, Diversity & Inclusion/公平、平等、ダイバーシティ&インクルージョン)を推進するため、2022 年1月より、4つの従業員リソースグループが始動。性差によらず働き方・生き方を自ら選択し、成長に挑戦し続け、最大のパフォーマンスを発揮できている環境づくりを目指す。全社アンケートを定期的に実施し、以下5つのフォーカスエリアを中心とした社員のニーズに基づくアクションを推進。
・男女ともに多様な働き方を実現していく
・営業部門における女性のロールモデル多様化
・女性のセルフリーダーシップ開発
・気軽に相談できる環境づくり
・ジェンダー関連の健康課題
(出典元:アッヴィ合同会社| AbbVie|Gender(ジェンダー)
● ギリアド・サイエンシズ株式会社
女性のジェンダー公平の強化を支援する従業員リソースグループWOMEN@GILEADがあり、全ての人が公平で多様なアイデアを受け入れる文化を築き、全ての従業員が発言権を持ち、自分自身の成長につながる支援を行う。
(出典元:ギリアド・サイエンシズ株式会社| Gilead|インクルージョン&ダイバーシティ)
女性MRの年収相場は900万円。年収アップを目指すには
女性MRの年収相場をご紹介します(※JAC経由で転職された方の平均年収)
●年収相場:700万~1000万円
●平均年収:約900万円
【年代別年収相場】
20代 | 500万~800万円 |
30代 | 700万~1,200万円 |
40代 | 800万~1,300万円 |
【役職別年収相場】
管理職 | 1,000万~1,500万円 |
メンバー | 500万~1,300万円 |
年収アップを目指すには
MRとして年収アップを目指すなら、次の経験を積むことを意識するといいでしょう。
● 専門領域でしっかりと実績を積み上げる
● 大学病院などの重要施設やKOLを担当し、全国に影響力を与えるような成果を出す
● オンコロジーや希少疾患領域の場合、広域エリアを担当する
日ごろから上長に対して、自身のキャリアプランを伝えるようにしてください。希望するステップアップにつながる担当を任せてもらえるなど、チャンスを得られる可能性があります。
積みたい経験を自社内で叶えることが難しい場合は、転職を視野に入れてもいいでしょう。
女性MRのキャリアプランの考え方

女性MRは、結婚・出産・育児といったライフイベントを経ながら、どのようにキャリアを築いていけばいいのでしょうか。
製薬業界は、ほかの業界に比べると産休・育休は取りやすいといえます。実際に産休・育休を取得し、復職している女性MRが多数います。なお、育休からの復職後では、日系より外資系の方が通常と変わらずキャリア形成をされている方が多い印象です。
いずれ出産・育児を視野に入れているなら、育児をしながらキャリアを築いている女性が多い会社を選ぶことも大切といえます。
また、転勤を避けたい場合は、「本社勤務」を目指す道もあるでしょう。マーケティングや企画職などです。外資系の場合、本社ポジションには英語力が必要とされますので、早い段階から英語力を磨いておくといいでしょう。あるいは、MBAを取得し、経営の知識を身につける方もいます。
「社内公募制度」があり、自ら手を挙げて異動するチャンスが豊富な会社を選ぶことも、将来のキャリアの選択肢を広げるためには有効です。
「なぜそのキャリアを希望するか」を明確に
JACに相談に訪れる女性MRの方々と対話していると、今後のキャリアについてある程度の方向性の希望はあっても、「なぜそれを目指すのか」が漠然としている方が多いと感じます。今回の転職のゴールはある程度見えていても、「その先」はまだ描けていない方が多いのです。
転職活動をはじめると、面接で将来のキャリアへの考え方を聞かれることが多々あります。例えば「営業所長を目指します」と答えたとして、「なぜなりたいのか」「なって何がしたいのか」まで問われたとき、言葉に詰まってしまうと、「しっかり考えられていない」と思われてしまうでしょう。
自身の将来について「どうなりたいか」に加え、「それはなぜか」「そのポジションに就いて何がしたいのか」までを描き、「そのためにこの転職がどのような意味をもつのか」をしっかり語れるようにしておくことが、転職成功につながります。
女性MRの転職を成功させる4つのポイント
女性MRが転職を成功させるために意識しておきたいポイントをご紹介します。
「エリア」の希望を叶えるなら、タイミングを逃さず動く
勤務エリアの希望を叶えたい場合、欠員補充など1枠~少数枠の求人よりも、「大型採用」を狙うのが得策です。新組織の立ち上げや拡大にともなう数十名規模の採用は、ここ2年ほど増加傾向にあります。大人数の採用であれば、勤務地を比較的選びやすいといえます。
こうした大型採用の期間は、多くの場合、募集開始から選考終了まで3~4カ月。このタイミングを逃さずに応募することが重要です。JACなどの転職エージェントから情報を入手するほか、業界情報サイトや企業のSNSなどにもアンテナを張っておくことをおすすめします。募集が開始されたら、希望するエリアがまだ空いているうちに、なるべく早い段階で応募しましょう。
職務経歴書では、「数字」「成功事例」を具体的に記載する
職務経歴書では、成果を伝えるにあたり、なるべく具体的な「数字」を記載してください。成功事例も、どのようなプロセスを踏んで成果に至ったのかを詳細に記しましょう。
一度作って終わりではなく、応募企業によって志望動機の記載を変える、あるいは面接担当者の反応を見て表現を変えるなど、ブラッシュアップしていくことをおすすめします。
面接対策では「キャリアプラン」も整理しておく
面接担当者は、これまでの経験・実績だけでなく、「入社後の活躍・成長の可能性」に注目しています。「なぜ転職するのか」「入社後、どのような経験を積んでいきたいのか」「どのようなキャリアを築いていきたいのか」を問われますので、中長期的なキャリアプランを描き、しっかりと語れるように準備しておいてください。
育児中であれば、スケジューリングやサポート体制を伝える
育児中の女性の場合、面接担当者にとっては「保育園のお迎えがあるとすると、いつまで働けるのだろうか」「周囲のサポートは受けられるのだろうか」といった点が気にかかります。面接で聞かれた場合に、そうしたポイントをクリアにできるよう、転職活動をはじめる前から家族と話し合っておくといいでしょう。
女性MRの転職成功事例
希望の転職を叶えた女性MRの事例をご紹介します。
早期退職を機に、やりたいことができる環境がある企業へ
Kさん(女性/40代前半)
業種 | 職種 | 年収 | |
---|---|---|---|
転職前 | 日系大手製薬メーカー | MR管理職 | 1,100万円 |
転職後 | 日系製薬メーカー | MR管理職候補 | 1,000万円 |
Kさん(女性/40代前半)は、日系大手製薬メーカーのMR管理職。早期退職募集に手を挙げると決め、転職活動を開始されました。管理職経験をもつ女性は、特に外資系大手メーカーから引く手あまたです。しかし、Kさんは今一つピンと来ない様子。コンサルタントと対話を重ねていくと、「自分たちの手で組織を作っていきたい。より良く変えていきたい」という志向が浮かび上がりました。
そこでご紹介したのが、ある日系製薬メーカーです。その企業は組織改革を図るフェーズにあり、新たな仕組みを整えていく、「立ち上げ」にも近い組織状態でした。社格や年収はややダウンとなるため迷いもあったKさんですが、最終的には「誰と働くか」を最優先し、入社を決めました。
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40代MR転職事例|早期退職を機に、社風に魅力を感じる企業に転職
Kさん(女性/40代前半) 業 種 日系製薬メーカー 日系製薬メーカー 職種 MR管理職 MR(管理職候補) 年 収 1,100万円 1,000万円 勤務地以外に希望条件はなし。コンサルタントとの対話で価値観を整理 日系… 続きを読む 40代MR転職事例|早期退職を機に、社風に魅力を感じる企業に転職
コントラクトMRとして経験を積み、大手製薬メーカーへ転職
Fさん(女性/30代前半)
業種 | 職種 | 年収 | |
---|---|---|---|
転職前 | CRO | コントラクトMR | 600万円 |
転職後 | 大手外資系製薬メーカー | MR | 700万円 |
製薬メーカーに新卒入社したFさん(女性/30代前半)は、結婚後、「勤務地を固定したい」と異業種へ転職。しかしMRに戻ることを希望し、コントラクトMRに転職してオンコロジー領域の経験を積みました。オンコロジー領域のなかでも、特定疾患の領域で専門性を深めたいと考え、メーカーを目指して再度転職活動に踏み切りました。
面接を経て複数企業から内定を獲得。キャリア構築への意識が高かったFさんは「面接ではこれまでの活動や成果を質問する企業が多いなか、『今後どうなっていきたいか』をしっかりと聞いてくれた」という理由で、大手外資系メーカーへの入社を決めました。年収は100万円アップとなりました。
女性MRの転職ならJAC
JACには、MRを含めヘルスケア領域を専門に担当するコンサルタントが210名近くおり、MRに特化したコンサルタントは東京と大阪で約30名在籍しています。大手からスタートアップまで多様な企業・職種・ポジションの求人を網羅し、日々情報をアップデートしています。企業と深くつながっているため、グローバルの動きや今後予定されているパイプライン、組織展開など、企業サイトでは公表されていない水面下の情報も、開示可能な範囲でお伝えすることができます。
JACの特徴は、転職希望者の方に1人の担当コンサルタントが付くのではなく、さまざまな企業を担当するコンサルタントから多角的に情報提供を行う点にあります。複数のコンサルタントの意見を参考にしながら、比較検討できるメリットがあります。
人事だけでなく経営層とも直接対話し、課題を把握していることから、求人が出ていなくても「このようなキャリアの方がいますが、会ってみませんか」とご提案し、採用に至ることもあります。
今後のキャリアプランを踏まえ、どのような企業を選べばよいかを一緒に考えますので、まだ転職の意思が固まっていなくても、お気軽にご相談ください。