NISA制度の拡充や「資産運用立国」の推進を背景に、証券業界の中途採用が活発化しています。証券会社は、投資信託や株式・債券の販売だけでなく、M&A支援や法人向け資金調達など幅広い役割を担っており、近年はDXや新規事業領域の採用も増えています。
一方で、「未経験から転職できるのか」「年収はどの程度なのか」「どの職種を選ぶべきか」といった疑問を持つ方も少なくありません。
本記事では、証券業界の転職市場動向や仕事内容、求められるスキル、年収相場、転職難易度、キャリアパスについて、JACリクルートメント(以下、JAC)が解説します。
証券会社転職とは?まず押さえておくべき基礎知識
証券会社への転職を検討する際には、まず業界の動向やビジネスモデル、職種別の特徴など、基本構造を理解しておくことが重要です。
ここからは以下の6つの項目に分けて、体系的に解説していきます。
- 証券業界の転職市場動向
- 証券会社の役割とビジネスモデル
- 銀行系証券と独立系証券の違い
- 日系証券と外資系証券の違い
- 証券会社の主な職種
- 証券会社のキャリアパス
証券業界の転職市場動向
証券業界の転職市場は、近年大きく様相が変わっています。主な要因は、新たな政策の導入、テクノロジーの進化、市場環境の変動です。
まず、政府の『資産運用立国』に関する取組や、2024年から始まった新しいNISA(制度の拡充・恒久化)を背景に、個人の資産形成への関心は高まりつつあります。そのため、証券会社では顧客接点を担う領域に加え、DX推進に伴うデジタル人材の育成・確保など、体制強化が論点になりやすい状況です。
一方で、業界構造にも大きな転換が見られます。従来の対面営業中心の証券会社に加えて、ネット証券の成長やデジタル化の進展により、IT人材やデータ活用人材の需要の高まりが顕著です。また、事業承継を含むM&Aは重要な政策課題として位置づけられており、関連領域の専門性が求められる場面も増えています。
転職市場の特徴として、職種によって必要経験が大きく異なります。対人営業系はポテンシャル採用が行われる場合もある一方で、投資銀行やマーケット領域では専門性が重視されやすいです。報酬は固定給より成果連動(インセンティブ/ボーナス比率が高い)になるケースも多く見られます。
このように、証券業界は「依然として高年収・高付加価値なキャリアが狙える一方で、専門性や適性が問われる業界」であるといえます。転職を検討する際は、自身の経験や志向に応じて職種選択を行うことが重要です。
証券会社の役割とビジネスモデル
証券会社は、企業と投資家を結びつける「直接金融」を担う金融機関です。株式や債券といった有価証券の売買を仲介することで、企業の資金調達と投資家の資産運用の両方を支えています。
主な収益源は以下の通りです。
- 仲介業務(ブローカー業務)
顧客の売買注文を市場に取り次ぎ、手数料を得る - 自己売買業務(ディーラー業務)
自社資金で売買を行い、差益を得る - 引受業務(アンダーライティング)
企業が発行する株式や債券を引き受け、投資家に販売する - 売出業務(セリング)
発行体などから有価証券を預かり、投資家に販売する
このように、証券会社は単なる営業会社ではなく、資本市場における中核的な機能を担っています。特に近年は、M&AやIPO支援などの投資銀行業務や、資産運用ビジネスの拡大も進んでおり、業務領域は多様化しています。
銀行系証券と独立系証券の違い
証券会社を選ぶうえで重要な視点の一つが、「銀行系証券」と「独立系証券」の違いです。両者は同じ証券会社であっても、ビジネスモデル・顧客基盤・営業スタイルが異なります。
銀行系と独立系の違いをまとめると、以下の通りです。
| 項目 | 銀行系証券 | 独立系証券 |
| 顧客基盤 | 銀行顧客中心 | 自社開拓・既存顧客中心 |
| 営業スタイル | 紹介・深耕型 | 新規開拓・関係構築型 |
| 商品提供 | 銀行サービスと連携 | 独自提案が中心 |
| キャリア特徴 | グループ連携で顧客紹介・案件獲得の導線を取りやすい | 自社で顧客開拓・案件開拓を進める色合いが相対的に強い |
それぞれ詳しく解説します。
銀行系証券会社
銀行系証券会社は、銀行グループに属している点が大きな特徴であり、グループ連携を活かした営業が可能です。
主な特徴
- 銀行顧客を起点とした安定的な営業基盤
- 預金・融資・資産運用を横断した総合提案が可能
- 紹介(リファラル)中心の営業スタイル
銀行との連携により、たとえば退職金の運用や相続対策といったタイミングで顧客接点を持ちやすく、ゼロから顧客開拓を行う負荷は比較的低い傾向にあります。
また、法人領域においても、銀行の融資や経営支援と組み合わせた資本政策提案が可能であり、総合金融サービスの一環として証券機能を提供できる点が強みです。
安定した顧客基盤のもとで、深耕営業(既存顧客との関係強化)を行いたい方に適した環境といえます。
独立系証券会社
独立系証券会社は銀行に依存しないビジネスモデルであり、自ら顧客を開拓し関係を構築していくスタイルが特徴です。
主な特徴
- 新規顧客開拓を含めた営業力が重要
- 顧客ニーズに応じた柔軟な提案が可能
- 収益機会が営業力に直結
銀行からの送客に依存しないため、個人顧客・法人顧客ともに自らアプローチする必要がありますが、その分営業の自由度や裁量が大きく、成果次第で収益を拡大しやすい環境です。
また、法人領域では銀行融資とは異なり、資本市場を活用した資金調達(株式・社債・証券化など)を提案するケースが多く、よりマーケットに近い提案力が求められます。
そのため、高い営業力を磨きながら、顧客開拓や提案の自由度を重視したい方に向いています。
銀行系証券と独立系証券は、それぞれ以下のように志向別で選択されることが一般的です。
- 安定 × 顧客基盤重視 → 銀行系証券
- 営業力 × 裁量・成果重視 → 独立系証券
どちらが優れているかではなく、「どのような営業スタイル・キャリアを志向するか」によって最適な選択は異なります。特に転職では、以下の観点を踏まえて企業タイプを選ぶことが重要です。
- 新規開拓をどこまで担いたいか
- 顧客基盤の有無
- 年収の伸び方(安定型か成果型か)
日系証券と外資系証券の違い
証券会社の年収や働き方を考えるうえで重要なのが、日系証券と外資系証券の違いです。両者は同じ「証券会社」であっても、報酬体系やキャリア形成、働き方の考え方が大きく異なります。
日系と外資の違いをまとめると以下のとおりです。
| 項目 | 日系証券 | 外資系証券 |
| 年収水準 | 中〜高 | 非常に高い |
| 安定性 | 高い | 低い(成果次第) |
| 報酬体系 | バランス型 | 成果連動型 |
| キャリア | 長期雇用を前提に育成 | 競争・ハイスピード |
それぞれ詳しく説明します。
日系証券会社
日系証券会社は、職種や企業によって特徴が異なります。長期雇用を前提に育成する仕組みを残す企業がある一方で、職種別採用やジョブ型の要素を取り入れる動きもあります。
主な特徴
- 年功的要素が一部残る
- 比較的安定的な雇用・福利厚生
- 経験や役職に応じて年収が上がる傾向
入社後はリテール営業からスタートし、法人営業や専門職へキャリアを広げていくケースが一般的です。
安定した基盤のもとで中長期的にキャリアを積み上げやすく、業界内での異動や職種転換を通じて専門性を高めていくことができます。急激な年収変動は少ない一方で、着実にスキルと収入を伸ばしたい方に適した環境です。
外資系証券会社
外資系証券会社は、グローバルに展開する金融機関が多く、成果主義が徹底されている点が特徴です。
主な特徴
- 成果主義が徹底されている
- ボーナス比率が高く、年収の変動幅が大きい
- 年収レンジが非常に高い(数千万円規模も可能)
個人の成果が年収に直結するため、実力次第では短期間で大幅な収入アップが可能です。一方で評価の振れ幅も大きく、継続的に高いパフォーマンスが求められるため、競争環境で自らの価値を高め続けたい人に向いています。
これまでに説明したとおり、日系証券と外資系証券は、以下のように志向が異なり、それを見極めたうえでキャリアを選択するのが一般的です。
- 安定 × 長期キャリア志向 → 日系証券
- 高年収 × 実力主義志向 → 外資系証券
どちらが良いかは一概には言えず、「どのようなキャリアを築きたいか」によって最適な選択は異なります。特に転職では、自身のスキル・志向・リスク許容度を踏まえて企業タイプを選ぶことが重要です。
証券会社の主な職種
証券会社には多様な職種が存在し、それぞれ求められるスキルや転職難易度が大きく異なります。代表的な職種は以下の通りです。
リテール営業(個人営業)
個人投資家に対し、株式や投資信託などの金融商品を提案する営業職です。証券会社の中で最も人員が多く、未経験からの転職も比較的しやすい領域といえます。顧客の資産状況やライフプランに応じた提案力が求められます。
法人営業(ホールセール)
企業や機関投資家を対象に、資金調達や資産運用の提案を行う職種です。取扱う金額が大きく、財務知識や交渉力が求められるため、一般的には経験者が優遇される傾向にあります。
投資銀行部門(IB)
企業のM&A、IPO、資金調達などを支援する高度専門職です。財務分析や企業評価などのスキルが必要であり、転職難易度は高いものの、年収水準も非常に高い領域です。
マーケット部門(トレーダー・ディーラー)
株式や債券、為替などの売買を行う職種で、マーケットの動向を瞬時に判断する能力や分析力が求められます。理系バックグラウンドや金融知識が必要になるケースも多く、専門性の高い職種です。
バックオフィス・ミドルオフィス
取引の管理やコンプライアンス、リスク管理などを担う職種です。正確性や内部統制の知識が求められ、事務職や管理部門経験者が活躍しやすい領域です。
このように、証券会社の職種は大きく「営業系」「専門職」「管理部門」に分かれ、キャリアの方向性によって適したポジションが異なります。
証券会社のキャリアパス
従来の総合職・ローテーション型を残す企業もある一方で、近年は職種別採用やジョブ型の要素を取り入れる動きもみられます。比較的スペシャリスト志向の強い方向けのポジションが多く、クオンツやアナリストなどはその典型例です。また、マネジメントとしてスペシャリストを育成するキャリアパスもあります。
業界外への転職先の一例として、アセットマネジメント(営業・コンプライアンス等)が挙げられます。投資銀行部門などで担当した業界に魅力を感じて、異業界の経営企画のポジションに就くケースもあります。
証券会社への転職を成功させるには
証券会社への転職を検討する場合、特に重要となるのが「未経験でも転職できるのか」「どの職種を選ぶべきか」「自分のスキルは通用するのか」という点です。証券会社は高年収・専門性の高いキャリアを築ける一方で、成果主義や求められる能力水準も高く、事前の理解が欠かせません。
ここでは、未経験からの転職可能性や職種選びのポイント、求められるスキル・資格について解説します。自身のキャリアと照らし合わせながら、現実的な転職戦略を描くための参考にしてください。
証券会社への転職は未経験でも可能?
結論から言うと、証券会社への転職は未経験でも可能です。ただし、職種によって難易度が大きく異なります。
特に未経験からの採用が行われやすいのは、個人向け営業(リテール営業)です。証券会社では営業職の人材需要が高く、金融業界経験よりも「対人スキル」や「目標達成意欲」が評価されるケースもあります。
一方で、以下の職種は未経験からの転職難易度が高くなります。
- 投資銀行(M&A・IPOなど)
- トレーダー・ディーラー
- リサーチ(アナリスト)
これらは高度な金融知識や専門スキルを前提とするため、基本的には経験者採用が中心です。
したがって、未経験から証券会社を目指す場合は、まずは営業職など比較的入りやすいポジションからキャリアをスタートし、その後専門領域へステップアップするルートが一般的です。
また、昨今の傾向としては証券以外の新規事業を立ち上げる際に、対象となるビジネス領域の経験者を採用する企業が増えています。必ずしも金融の知識が必須ではないケースもありますので、証券業界に関心をお持ちの場合には情報収集段階からJACにご相談ください。各企業の採用トレンドをいち早くご紹介し、これまでの経歴と証券業界との適性などをお伝えします。
未経験から転職しやすい職種・難しい職種
証券会社の転職難易度は、職種によって大きく異なります。特に未経験者の場合は、職種選びが転職成功を左右するといっても過言ではありません。
未経験から転職しやすい職種
- リテール営業(個人営業)
- 一部のIT・DX関連職
これらの職種は、営業経験や事務スキル、または業務基盤スキルがあれば評価されやすく、業界未経験でも採用される可能性があります。
未経験からは難しい職種
- 投資銀行(IB)
- トレーダー・ディーラー
- 法人営業(ホールセールの中でも一部)
これらは一般に専門性が高く、実務経験が重視されるため、経験者採用が中心になるケースが多いです。
未経験で証券会社に転職する場合は、「まず入りやすい職種で経験を積み、その後キャリアアップする」という戦略が現実的です。
【部門別】証券会社への転職に求められるスキルと経験
証券会社の求人は以下の7つの部門が多いです。
それぞれの部門で求められるスキルやマインドについて解説していきます。
投資銀行部門
現在の採用動向は、業界外のトップ企業から業界未経験の若手層を採用する動きと、業界内で即戦力のミドル・シニア層を採用する動きとの二極化が進んでいます。
この部門へ転職する場合、高度な財務分析スキルが求められます。業界未経験の若手層であれば、事業会社で3年以上の経理や財務経験があると有利です。また、証券アナリストの資格も転職の際に大きな強みとなります。
マーケット部門
中途採用では若手層を中心とした採用が大半です。金融工学との親和性が高い物理学部や経済学部出身者でTOEIC800点相当の英語力を持った方であれば、異業界からの転職でも十分に可能性があります。
各社とも市場の分析から商品の売買までを独自のシステムで運用しているため、情報工学や数学などの理系出身者が多い部門でもあります。一方で、市場部門の営業職は文系の方もご活躍されています。
リサーチ部門
業界未経験の若手層では、証券アナリストの資格を保有していると選考で有利に働きます。機関投資家とのやり取りも多く、分析力やレポート作成能力だけでなく、営業的センスも問われます。
新NISAに関連して昨今はリテール向けのリサーチ部門を強化している会社も見受けられます。
コンプライアンス・リスク管理部門
コンプライアンス部門では国内の金融規制に関する知識や関連する法律の知見が要求されます。大学の法学部や法科大学院修了者を中途採用で優遇する傾向があります。
また、リスク管理部門はモデルの設計・定義・数値計算手法を理解できるレベルの数学力や金融工学の知識が要求される仕事もあるため、金融業界出身者の中途採用が中心です。監査法人でコンサルタントとして金融機関を担当していた方も対象となります。
ミドルバック部門(オペレーション)
いずれの企業も高齢化が問題となっており、若手層の採用・育成が喫緊の課題です。そのため金融の知識を持ったミドル層手前の方が歓迎されている傾向があります。ワークライフバランスなどの都合で、女性を中心に営業から転職する方も多いポジションです。
営業部門
リテールとホールセールに分かれており、異業界で営業の経験を積んだ若手層の採用が旺盛です。
リテールでは即戦力採用が中心で、地銀や第二地銀でリテール営業の経験を積んだ方を採用するケースが増えています。一方のホールセールではリテールで優秀な成績を収めた実績のある方や、上場企業を対象とした法人営業経験者を主に採用しています。
コーポレート部門(財務・経営企画など)
いずれのポジションでも異業界で同じ職種を経験した方を採用する傾向があります。特に日系の大手グローバル企業では英語力(TOEIC800点相当)のある方が歓迎されます。
業界内にはPM(プロジェクトマネージャー)経験者が少ないため、新しいプロジェクトを立ち上げる際にPM経験者を中途採用する企業が増えています。また、戦略・ITコンサルティング会社出身者を積極的に採用する企業も多く見受けられます。
証券会社転職に有利な資格
証券会社への転職においては、資格が必須ではないケースもありますが、取得しておくことで知識・意欲の証明となります。特に以下の資格は選考で有利に働く可能性があります。
証券外務員
入社後の取得でも可とする求人もありますが、異業界からの転職の場合には入社前に取得しておくと、選考で有利に働きます。
証券アナリスト
一定期間アナリストとして働いている方であれば保有している方が多い資格です。入社後に実務経験を積みながら資格取得に向けて準備することもできます。
AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャルプランナー)
AFPはファイナンシャルプランナーとして十分な知識と実務能力を証明となります。入社から一定の時期が経つと取得を促す企業もあり、特にリテール営業職の方などが中堅以上のポジションを目指すなら取得が推奨される資格です。
アクチュアリー
金融業界ではクオンツなど、統計学や数学を駆使してデータ分析を行う方が保有していると、非常に高い評価を受ける資格です。正会員になるためには複数の科目試験の合格と研修の受講が必須であり、全科目に合格するまでに平均8年を要するなど非常に難易度が高いことで知られています。
公認会計士
証券業界においては投資銀行部門やホールセールス営業へ転職する際に重宝される資格です。優秀な方の中には公認会計士試験に大学在学中に合格したのをきっかけに、資格習得に必要な実務経験を積む目的で監査法人に新卒で入社されるケースがあります。そういった方は実務経験を経て必要単位を取得し、終了考査にパスして公認会計士を取得したタイミングで、次のステップとして投資銀行に転職するケースが多々あります。
USCPA(米国公認会計士)
国際会計基準(IFRS)の知識と英語力の証明になり、投資銀行部門やホールセールス営業だけでなく、経理・財務への転職でもアドバンテージになります。
税理士
投資銀行部門やホールセールス営業の中でも、事業承継に伴うM&A関連を扱うポジションで重宝されます。
資格はあくまで補完要素ですが、「なぜ証券会社で働きたいのか」という志望動機とセットで語ることで、より評価されやすくなります。
【職種・年代・経験別】証券会社の転職難易度
証券会社への転職は、一般的に「難易度が高い」と言われることもありますが、実際には職種や年代、業界経験の有無によって難易度は大きく異なります。
特に重要なのは、以下の3点を正しく理解することです。
- 自分が狙う職種の難易度
- 転職するタイミング
- 保有しているスキル
ここでは、職種別・年代別・経験別に転職難易度を整理します。
職種別の転職難易度一覧
証券会社の転職難易度は、職種によって大きく異なります。以下は代表的な職種の難易度と未経験可否の一覧です。
| 職種 | 難易度 | 未経験可否 |
| リテール営業 | 低 | ◎ |
| 法人営業(ホールセール) | 中 | △ |
| 投資銀行(IB) | 高 | △〜× |
| トレーダー・ディーラー | 高 | × |
リテール営業(難易度:低)
証券会社の中で最も採用数が多く、未経験からの転職も比較的可能な職種です。営業経験や接客経験があれば評価されやすく、証券会社への入口として選ばれるケースが多い領域です。
法人営業(難易度:中)
企業や機関投資家を対象とする営業職であり、財務知識や法人営業経験が求められます。未経験でも可能なケースはありますが、一定のビジネススキルや経験が前提となる場合が多いです。
投資銀行(IB)(難易度:高)
M&AやIPO支援などを担う高度専門職であり、転職難易度は非常に高い領域です。金融業界での実務経験や財務・会計知識が求められるため、原則は経験者採用ですが、財務・会計バックグラウンドを持つ若手層など限定的に未経験採用も存在します。
トレーダー・ディーラー(難易度:高)
市場での売買を担う専門職であり、分析力や判断力が求められます。理系バックグラウンドや金融知識が必要になるケースも多く、経験者採用が中心です。
未経験で証券会社を目指す場合は、まずリテール営業など入りやすい領域からスタートし、経験を積みながらキャリアの幅を広げる戦略が一般的です。
年代別(20代・30代・40代)の転職難易度
証券会社に限らず、転職市場全体として、転職は年齢によっても難易度が変わります。特に未経験の場合は年齢の影響が大きい点に注意が必要です。
20代:最も転職しやすい層
20代はポテンシャル採用が中心となるため、未経験からでも転職しやすい年代です。営業経験や基礎的なビジネススキルがあれば、リテール営業職などへの転職可能性は比較的高いといえます。
キャリアチェンジを検討するなら最も有利なタイミングです。
30代:スキル・実績が重視される
30代になると即戦力としてのスキルや実績が求められます。未経験からの転職も不可能ではありませんが、営業実績や専門性が問われるため、20代に比べて難易度は上がります。
法人営業やハイレベルなポジションを目指す場合は、前職での経験の関連性が重要になります。
40代:専門性・マネジメント経験が前提
40代での転職は、専門性やマネジメント経験が求められるケースがほとんどです。未経験からの転職は極めて難しく、金融業界での経験や高度スキルが前提となります。
基本的にはキャリアアップ転職(同業・近接職種)が中心となります。
金融業界経験者と未経験者の違い
証券会社への転職では、「金融業界の経験があるかどうか」によっても難易度は大きく変わります。金融経験者は「選択肢の広さ」があり、未経験者は「入口の選定」が重要です。特に未経験の場合は、最初の職種選びがその後のキャリアに大きな影響を与えます。
経験者と未経験者の主な違いを以下の表にまとめました。
| 項目 | 金融経験者 | 未経験者 |
| 転職難易度 | 比較的低い〜中 | 中〜高 |
| 評価ポイント | 即戦力・専門知識 | ポテンシャル・営業力 |
| 狙いやすい職種 | 法人営業・専門職 | リテール営業 |
それぞれ詳しく説明します。
金融業界経験者の場合
銀行・保険・信託などの金融業界出身者は、即戦力として評価されやすい傾向があります。以下の点が評価ポイントとなります。
- 金融商品に関する基礎知識
- 顧客対応経験(特に営業経験)
- コンプライアンス意識
そのため、同じ金融業界内での転職は比較的スムーズに進むケースが多いです。
未経験者の場合
未経験者は「ポテンシャル採用」として評価されます。そのため、以下の点が重要になります。
- 営業・販売などの対人スキル
- 数値目標にコミットしてきた経験
- 証券業界への志望動機の明確さ
特に重要なのは、「なぜ証券会社なのか」を具体的に説明できることです。単なる年収志向ではなく、金融への関心やキャリアビジョンが求められます。
証券会社の年収が高い理由と給与体系
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」で「業種別及び給与階級別の給与所得者数・給与額(1年を通じて勤務した給与所得者)」をみると、金融業・保険業の平均給与は702.3万円です。
一方、JACが証券業に属する企業へ転職サポートを行った事例をみると、平均年収は973.6万円で、国税庁の金融業・保険業の平均702.3万円を大きく上回っています。
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
証券会社の年収が高い背景には以下のような点があります。
- 金融商品という高付加価値ビジネス
- 個人の成果が報酬に直結する評価制度
- 高い専門性が求められる業務
しかし、実際には職種・年代・企業タイプ(外資/日系)・個人成果によって大きな差が生じます。
また、キャリアの選択次第で年収レンジが大きく変わるため、転職時には「年収構造」と「将来の伸び」をセットで理解することが重要です。
証券会社の給与体系
証券会社の年収は主に以下の要素で構成されます。
- 基本給(ベース給)
- 賞与(ボーナス)
- インセンティブ(営業成績連動)
特徴的なのが、ボーナスや賞与の比率の高さです。
特に営業職を中心に成果主義の色が強く、同じ会社・同年代でも年収に数百万円以上の差が生まれることも珍しくありません。
20代でも成果次第で年収800万円を超え、30代で1,000万円に到達するケースもある一方、成果が出なければ平均以下にとどまる可能性もあるという、実力主義の側面があります。
【年代・職種・役職別】JACを利用して証券会社へ転職した方の平均年収
ここからは、JACを利用して証券会社へ転職した方の平均年収を、年代・職種・役職別に詳しく見ていきましょう。
年代別の平均年収
JACを利用して「証券会社」へ転職した方について、年代別の平均年収を以下の表にまとめました。
| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| 20代前半 | 585.4万円 |
| 20代後半 | 744万円 |
| 30代前半 | 834.6万円 |
| 30代後半 | 1,051.8万円 |
| 40代前半 | 1,077.3万円 |
| 40代後半 | 1,229.6万円 |
| 50代前半 | 1,385.8万円 |
| 50代後半 | 1,048.6万円 |
※当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
上記のとおり、年代が上がるにつれ、年収は着実に増加します。
20代でも前半から後半にかけて着実に増加。30代から40代は、キャリアの進展に伴い大きく伸びています。
ピークは50代前半の1,385.8万円で、管理職や専門性が評価される年代です。
一方、50代後半は1,048万円、60代は725万円とやや減少傾向となっていますが、それでもなお前述の国税庁の平均年収を上回っています。
職種別の平均年収
前述のとおり、証券会社の求人傾向は、企業ごとに異なる採用背景があり、幅広いポジションで厳選採用を進める企業が多いです。そのため、職種は多岐にわたり、転職者のスキル・実績・ポジションによって年収の幅が生まれています。
ここで、職種別に転職者の平均年収を以下の表にまとめました。ご自身のスキル・実績に合った職種や、興味のある職種の平均年収を把握するために参考にしてください。
| 職種 | 平均年収 |
|---|---|
| アドバイザリー | 1,600万円 |
| 経営企画 | 1,528.9万円 |
| 財務 | 1,500.4万円 |
| データサイエンティスト・データアナリスト | 1,450万円 |
| WEBディレクター | 1,310万円 |
| ファンドマネージャー・アナリスト | 1,264.2万円 |
| 渉外(ロビイング) | 1,254.8万円 |
| 事業企画・事業開発 | 1,220万円 |
| 経理(非上場) | 1,216.2万円 |
| 法人営業(自動車向け) | 1,200万円 |
| ストラクチャードファイナンス | 1,177.4万円 |
| 業務監査 | 1,134.1万円 |
| 法人営業 | 1,124.9万円 |
| IT系プロジェクトマネージャー | 1,104.5万円 |
| リスク管理 | 1,103.8万円 |
| 不動産金融 | 1,050万円 |
| 新規事業開発 | 1,012.2万円 |
| 社内SE(インフラ) | 1,003.7万円 |
| クオンツ・アクチュアリー・金融工学・数理分析業務 | 1,000万円 |
| フロントエンジニア | 1,000万円 |
| 金融法人営業 | 1,000万円 |
| 広報・CSR | 1,000万円 |
| 法人営業(その他) | 1,000万円 |
| 経理(上場) | 996.7万円 |
| M&A | 941.1万円 |
| 内部統制・SOX・コンプライアンス | 936.5万円 |
| リテール営業 | 933.3万円 |
| 総務・庶務・ファシリティ | 930万円 |
| HRBP | 920万円 |
| トレーダー・ディーラー | 907.5万円 |
| 金融リテール営業 | 905.9万円 |
| コーポレートファイナンス | 853.2万円 |
| 金融システム | 835.7万円 |
| マーケティング・商品開発(金融) | 813.2万円 |
| ヘルプデスク(保守・運用) | 800万円 |
| 金融事業法人営業 | 784.9万円 |
| 営業推進・企画 | 782.4万円 |
| 金融ミドルバックオフィス | 764.2万円 |
| 社内SE(アプリケーション) | 691.2万円 |
| 審査 | 658.8万円 |
| 営業アシスタント | 639万円 |
| その他 | 600万円 |
| システム監査 | 550.4万円 |
| サーバーエンジニア(運用・保守系) | 470万円 |
| 商品企画・開発(マーケティング) | 338.9万円 |
※当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
証券会社の平均年収を職種別にみると、最も高いのはアドバイザリーで1,600万円、次いで経営企画1,528.9万円、財務1,500.4万円と経営層に近い職種が高水準です。データサイエンティストやWEBディレクターといったITスキルを活かせる職種や、ファンドマネージャーや渉外などの金融専門職も、1,200万円を超える高年収となっているものがあります。
スキルやキャリア戦略次第で年収は大きく変わるため、希望職種の水準を把握することが重要です。
役職者別の平均年収
役職別の平均年収は以下のようになっており、ポジションによって大きな差があります。
| 役職区分 | 平均年収 |
|---|---|
| 課長未満 | 847.6万円 |
| 課長以上 | 1,240.1万円 |
| 部長以上 | 1,731.4万円 |
※当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
課長未満は847.6万円で、課長以上になると1,240.1万円と大幅にアップ。さらに部長以上では1,731.4万円と、経営層に近い役職で高額報酬が期待できます。
キャリア形成において昇進は年収アップの重要な鍵となりますが、役職が上がるほどマネジメント力や戦略的視点が求められます。自身のスキルや経験を活かし、どのポジションを目指すかを明確にすることが、年収アップを実現させるためのポイントです。
証券会社へ転職するメリット
証券会社への転職は、高年収や成長環境といった魅力がある一方で、成果主義特有の厳しさも伴います。実際に転職を検討する際には、メリットとデメリットの両面を理解したうえで、自身の志向や適性に合っているかを見極めることが重要です。
ここでは、証券会社への転職における代表的なメリットについて解説します。
高年収を実現しやすい
証券会社は、成果が報酬に直結する評価制度が整っているため、年齢に関係なく年収アップを目指しやすい環境です。実績次第では、20代や30代前半でも年収1,000万円以上を実現できるケースもあります。
また、JACの実績でも、証券会社へ転職した方の平均年収は973.6万円と高水準であり、転職による収入向上が期待しやすい業界といえます。
成長スピードが速い
証券会社では、金融知識や営業力など、汎用性の高いスキルを短期間で習得することが可能です。
- マーケット理解(株式・債券・為替など)
- 高度な提案営業力
- 法人・富裕層との関係構築力
これらは他業界でも評価されやすく、将来のキャリアの選択肢を広げる要素となります。
キャリアの選択肢が広がる
証券会社での経験は、転職市場で高く評価されるケースが多く、将来的に以下のキャリアパスが考えられます。
- 投資銀行やM&Aアドバイザリー
- コンサルティングファーム
- 事業会社(経営企画・財務など)
- 外資系金融機関
「キャリアの踏み台」ではなく、「キャリアの加速装置」として機能する点が特徴です。
成果が正当に評価される
証券会社は成果主義が浸透しており、年齢や勤続年数に関係なく評価されます。
- 成果を出せば早期昇進・高収入
- 成果が可視化される環境
自身の実力を試したい方にとっては非常に魅力的な環境といえるでしょう。
証券会社へ転職するデメリット
一方で、証券会社への転職には注意すべき点もあります。特に働き方と評価環境に関する理解は不可欠です。
ノルマ・プレッシャーが大きい
証券会社では営業目標(ノルマ)が設定されるケースが多く、常に成果を求められる環境です。
- 顧客資産の拡大
- 金融商品の販売
- 新規顧客開拓
数値目標の達成が評価に直結するため、プレッシャーを感じやすい側面があります。
激務になりやすい
特に営業職や投資銀行部門では、以下のような働き方になるケースがあります。
- 顧客対応による長時間労働
- 市場状況に応じた対応(急な業務対応)
- 学習・自己研鑽の継続
成長機会が多い一方で、業務負荷が高くなりやすい点には注意が必要です。
成果が出ないと評価されにくい
成果主義の裏返しとして、結果が出なければ評価が伸びにくい点が特徴で、以下のようなデメリットがあります。
- ボーナスの減少
- 昇進スピードの鈍化
- 配属変更の可能性
安定志向の方にとっては、リスクと感じられる場合があります。
顧客対応における精神的負荷
顧客の資産を扱う仕事であるため、市場環境の変化による影響を受けやすく、精神的な負担も伴います。具体的には、以下のような対応が挙げられます。
- 市場下落時の対応
- 投資判断への責任
- クレーム対応
特に初心者のうちはストレスを感じる場面も少なくありません。
証券会社への転職は、高年収・成長・キャリア拡張性といった大きなメリットがある一方で成果主義・プレッシャー・働き方の厳しさといった側面も併せ持ちます。
そのため、「高い目標に挑戦したい」「実力で評価されたい」という方には適した環境である一方、「安定志向」「ワークライフバランス重視」の方は慎重に検討することが重要です。
証券会社からの転職を成功させるには
証券会社からの転職は、「高い営業力や金融知識を活かせる有利な転職」と言われる一方で、キャリアの選び方によっては年収や働き方が大きく変わる点にも注意が必要です。
特に近年は、証券会社出身者が他業界でも高く評価される傾向があり、金融領域だけでなく、コンサルティングファームや事業会社などへの転職も一般化しています。
本章では、証券会社からの転職が有利とされる理由や強み、主な転職先、注意点について整理します。
証券会社からの転職は有利?評価される理由と強み
証券会社出身者は転職市場において、「即戦力人材」として評価されるケースが多い傾向にあります。
その理由は、証券業界で培われるスキルが他業界でも再現性の高いビジネススキルとして活用できるためです。
主な強みは、「営業力」「金融知識」「ストレス耐性」の3点に集約されます。
証券会社出身者は、これらを兼ね備えた人材として、転職市場で評価されやすいポジションにあります。
営業力(対人折衝力・成果創出力)
証券会社では、明確な数値目標に基づいて営業活動を行うため、高い成果志向と行動力が身につきます。
具体的には以下の力が評価されます。
- 初対面から信頼関係を築く力
- 高単価商材の提案経験
- 顧客課題を引き出し、提案に落とし込む力
- 継続的なフォローを通じた関係構築力
これらは「課題解決型営業」として再現性が高く、営業職はもちろん、コンサル・事業開発領域でも評価されやすいポイントです。
金融知識・ビジネス理解
金融商品やマーケットに関する知識は、企業経営や資金調達の理解にもつながる専門性の高いスキルです。
主な強みは以下です。
- マーケット動向の理解
- 財務・資金調達に関する知識
- 経営層・富裕層との対話経験
そのため、銀行・アセットマネジメントやM&A・投資銀行、経営企画・財務など、より上流の職種でも評価されやすい傾向があります。
ストレス耐性・実行力
証券会社では、顧客資産を扱う責任や厳しい営業目標の中で成果を求められるため、高いストレス耐性と実行力が鍛えられます。
プレッシャー下でも成果を出す経験や、粘り強い顧客開拓、目標達成に向けた継続的な行動といった、「最後までやり切る力」は、あらゆる業界で重視されるため、転職市場でも大きな強みです。
重要なのは、証券会社出身者の強みである「営業力 × 金融知識 × 実行力」を、「他業界でも通用する言語」に変換できるかどうかです。これが転職成功の鍵となります。
【キャリア別】証券会社からのおすすめ転職先
証券会社からの転職では、自身の志向や強みを踏まえて転職先を選ぶことが重要です。特に「年収を維持・向上させたいのか」「働き方を改善したいのか」「専門性を高めたいのか」によって、最適なキャリアは異なります。
ここでは、代表的な転職先をキャリア志向別に整理して解説します。
同じ金融業界への転職(銀行・アセットマネジメント)
証券会社で培った金融知識や顧客対応力をそのまま活かしたい場合、同じ金融業界への転職は最も親和性が高い選択肢です。
- メガバンク・信託銀行
- 保険会社
- アセットマネジメント会社
業務内容の連続性が高く、転職後のキャッチアップが比較的容易である点が特徴です。また、年収水準も一定程度維持しやすく、安定した環境で専門性を深めながらキャリアを築きたい方に適した選択肢といえます。
高年収を狙う転職(投資銀行・M&A・PEファンド)
年収水準を維持またはさらに引き上げたい場合は、より専門性の高い金融領域への転職が有力です。
- 投資銀行(IB)
- M&Aアドバイザリー
- PEファンド
これらの領域は案件単価が大きく、報酬水準も高いため、実力次第で大幅な年収アップが期待できます。特に法人営業や富裕層営業の経験者は評価されやすく、キャリアアップと高収入を同時に実現できる可能性があります。
営業力を活かす転職(SaaS・人材・不動産)
証券会社で培った営業力を軸にキャリアを広げたい場合、異業界の営業職も有力な選択肢です。
- SaaS(法人向けITサービス)
- 人材ビジネス
- 不動産
成果志向や提案営業力をそのまま活かせるため、業界が変わっても比較的スムーズに成果を出しやすい点が特徴です。特にSaaSや人材業界ではインセンティブ制度もあり、働き方を改善しつつ高年収を維持できるケースもあります。
安定志向の転職(事業会社・経営企画)
働き方や安定性を重視する場合は、メーカー・IT企業といった事業会社の経営企画・財務や営業企画への転職も選択肢となるでしょう。
証券会社と比較してノルマやプレッシャーが緩和されるケースが多く、ワークライフバランスの改善を図りやすくなります。一方で年収はやや落ち着く傾向があるため、長期的なキャリア成長とのバランスを考慮して選択することが重要です。
このように、証券会社からの転職先は大きく、以下の3方向に分かれます。
- 専門性を高める(金融・M&A)
- 営業力を活かす(異業界営業)
- 働き方を改善する(事業会社)
「年収」「成長」「働き方」のどれを優先するかを明確にすることが、転職成功のポイントです。
証券会社から転職する際の注意点
証券会社からの転職では、強みがある一方で注意点も存在します。事前に理解しておくことで、ミスマッチや後悔を防ぐことができます。
年収が下がる可能性がある
証券会社は年収水準が高いため、異業界へ転職する場合、年収レンジの構造自体が異なるため、一時的に年収が下がるケースが少なくありません。転職後に再び年収を伸ばすには時間がかかる可能性もあるため、「短期的な年収」だけでなく「中長期のキャリア価値」で判断することが重要です。
特に事業会社ではインセンティブ比率が低くなる傾向があり、証券会社時代の成果報酬に比べて年収が抑えられるケースが多い点には注意が必要です。
スキルの「汎用化」が必要
証券営業での経験は、そのままでは他業界に伝わりにくい場合があります。
例:
NG:金融商品の販売実績
OK:高単価商材の提案営業経験
証券会社特有の業務内容をそのまま伝えるのではなく、「どのような課題を解決したのか」「どのように成果を出したのか」といった汎用的なビジネススキルに言い換えることで、他業界でも評価されやすくなります。
志望動機が問われやすい
証券会社からの転職では、「なぜ高年収である証券会社を辞めるのか」という点は特に深く問われるポイントです。単なる不満ではなく、「次のキャリアで何を実現したいか」まで言語化できているかが選考通過の鍵となります。
また、「なぜその業界・企業を志望するのか」についても、証券での経験との一貫性をもって説明できるかが重要です。志望動機の具体性が不足すると、キャリアに軸がないと判断されるリスクがあります。
キャリアの一貫性
転職先選びに一貫性がないと、職種や業界の選択に明確な意図が見えない場合、「長期的なキャリアビジョンが描けていない」「その場しのぎの転職」と評価される可能性があります。特に証券出身者はポテンシャルが高い分、キャリア設計の一貫性がより厳しく見られる傾向があります。
そのため、「過去の経験 → 転職理由 → 将来のキャリア」の流れを一貫したストーリーとして語れるよう準備することが重要です。
証券会社からの転職では、強みを活かせばキャリアアップが可能です。ただし方向性を誤ると年収・キャリアともに停滞するリスクもあります。
特に重要なのは、「自分の強みをどの市場で活かすか」という視点です。年収・働き方・キャリアの優先順位を整理し、戦略的に転職先を選ぶことが成功の鍵となります。
証券会社転職で失敗しないためのポイント
証券会社への転職・証券会社からの転職はいずれも、高年収やキャリアの広がりといった魅力がある一方で、事前の準備や戦略を誤るとミスマッチにつながる可能性があります。
特に証券業界は成果主義の色が強く、また他業界への転身においても評価のされ方が大きく異なるため、「自分に合っているか」「どのようにキャリアを描くか」を明確にしておくことが重要です。
ここでは、証券会社への転職・証券会社からの転職で失敗しないためのポイントを整理します。
スキルを「他業界で通用する形」に言語化する
証券会社への転職・証券会社からの転職いずれにおいても、これまでの経験をそのまま伝えるのではなく、他業界でも評価される形に言語化することが重要です。
例:
- NG:証券商品の販売実績
- OK:高単価商材における提案営業経験
証券会社特有の業務内容に閉じるのではなく、「どのような課題をどう解決したか」「どのように成果を出したか」という観点で整理することで、再現性のあるスキルとして伝わります。
特に証券会社から他業界へ転職する場合、営業力や顧客折衝力、数値管理能力などを抽象化して示すことが重要です。また、証券会社へ転職する場合でも、業界未経験者は同様に汎用スキルとしての再定義が求められます。
年収だけで判断しない
証券会社は高年収のイメージが強い一方、他業界と比較した場合の収入や働き方の実態を冷静に見極めることが重要です。
証券会社への転職ではインセンティブ比率が高く、入社直後から高年収を実現できるとは限りません。
一方で証券会社からの転職では、短期的に年収が下がるケースもありますが、働き方の改善や安定性向上といったメリットを得られる場合もあります。
そのため、「目先の年収」だけで判断するのではなく、以下の観点を踏まえ、中長期でのキャリア価値を基準に意思決定することが重要です。
- 働き方
- 評価制度
- 将来的な年収レンジ
- 習得できるスキル
企業カルチャー・評価制度を確認する
証券会社および転職先企業は、カルチャーや評価制度が大きく異なるため、事前の理解が不可欠です。
証券会社の場合、同じ業界内でもリテール中心か法人中心か、成果主義の強さ、評価基準などに大きな差があります。
また、証券会社から他業界へ転職する場合も、チーム評価か個人評価か、長期志向か短期成果志向かといった違いに適応できるかが重要になります。
「どのような人材が評価されるのか」「どのようなキャリアパスが描けるのか」を事前に把握し、自身の志向と合っているかを見極めることで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
転職エージェントを活用する
証券会社への転職・証券会社からの転職のいずれにおいても、専門性の高い求人が多いため、転職エージェントの活用が有効です。
金融業界やハイクラス転職に特化したエージェントを活用することで、公開情報では得られない企業の評価制度、カルチャー、実際の年収レンジなどの詳細情報を把握できます。
証券会社からの転職では、どのスキルが他業界で評価されるか、どの領域にキャリアを広げられるかといったアドバイスを得ることも可能です。
また、職務経歴書のブラッシュアップや面接対策においても、証券会社特有の評価ポイントや、異業界転職時に求められる視点を踏まえた支援を受けられるため、選考通過率の向上につながります。
証券会社の転職で多い質問と回答
Q.証券業界というと体育会系・長時間労働というイメージがあります。実際のところはいかがでしょうか
非常に多くの方から受ける質問ですが、現状は全く異なります。近年は効率重視のワークスタイルにシフトしています。女性社員比率も高いことから共働き世帯も多く、家庭の事情に応じて働き方を柔軟に工夫する考え方が強くなっています。また、残業時間についても、近年は監督省庁からの強い要請のもと大幅に是正され、現在はワークライフバランスを重視する業界に変わっています。
Q.将来は海外で働きたいと考えていますが、どういった企業に転職するのが良いでしょうか
外資系企業は日本国内の営業拠点という役割上、海外赴任はほとんどありません。一方で日系の大手グローバル企業であれば海外拠点へ異動する機会があります。海外駐在を前提とした求人もゆるやかに増えつつあります。
証券業界の転職事例
ここでは、JACを通じて証券業界への転職に成功した方の事例を紹介します。転職のきっかけ・応募した企業・採用に至った決め手・年収アップ金額など、実例をもとにお伝えします。
リテール営業から未経験の法人営業へ―キャリアチェンジに成功
Hさん(30代前半/男性)は銀行系証券会社で営業の経験を積んだ後、銀行へ出向しリテール営業として勤務していました。長くリテール営業の仕事に携わるうちに、成長している実感が得られなくなり、取り扱う規模がより大きなポジションや異業界で新しい経験をしたいという意欲が強くなり、JACに登録されました。
面談では証券業界だけでなく、M&A業界担当やアセットマネジメント業界担当など複数の転職コンサルタントから、各業界の動向やHさんのご経歴との適性に至るまでお伝えしました。その結果、大手日系グローバル証券会社に内定し、現在は上場企業を担当するホールセール営業へのキャリアチェンジに成功し、活躍されています。
この転職成功の詳細については、下記のリンクで、転職者とコンサルタント双方の視点から転職成功のポイントやJACの特徴・メリットなどを紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
証券会社転職でエージェントを使うメリット
証券会社への転職・証券会社からの転職のいずれにおいても、転職エージェントを活用することで、キャリア選択の精度と転職成功率を高めることができます。
非公開求人・専門性の高い求人にアクセスできる
証券会社をはじめとする金融業界では、企業が求める人材を限定するため非公開求人が一定数存在します。エージェントを活用することで、こうしたハイクラス求人にアクセスでき、自分では見つけられないキャリア機会を広げることができます。
業界特有の評価ポイントを踏まえた対策ができる
証券会社では、営業実績・顧客層・取り扱っている商品など、独自の評価軸で選考が行われます。また、他業界への転職では「証券経験の翻訳」が重要です。
エージェントを活用することで、以下のような実践的なサポートを受けられます。
- 証券業界向けの職務経歴書作成
- 異業界向けのスキル言語化
- 面接での伝え方の最適化
キャリアの方向性を客観的に整理できる
証券会社からの転職では、「年収」「働き方」「専門性」など複数の選択肢があるため、自己判断だけでは最適な意思決定が難しいケースもあるでしょう。
エージェントを活用することで、自身の市場価値やキャリアの選択肢を客観的に把握でき、ミスマッチを防ぐことにつながります。
JACリクルートメントが選ばれる理由
証券会社転職を成功させるうえで、エージェント選びは非常に重要です。中でもJACリクルートメントは、ハイクラス・金融領域に強みを持つ転職支援会社として、多くの方から選ばれています。
金融・証券業界に特化したコンサルタント体制
JACでは、業界専任のコンサルタントが転職支援を担当しており、証券会社や金融機関の採用ニーズを深く理解しています。
そのため、企業ごとの評価ポイントや求められる人材像まで踏まえた、精度の高いマッチングが可能です。
ハイクラス・非公開求人が豊富
証券会社の投資銀行部門、アセットマネジメント、外資系金融機関、M&Aなど、一般には出回らない求人を多数保有しています。
年収アップやキャリアアップを目指す方にとって、有力な選択肢に出会える可能性が高い点が強みです。
両面型コンサルティングによる質の高い提案
JACでは、企業と求職者の双方を同一コンサルタントが担当する「両面型」を採用しています。
これにより、求人票だけでは分からない実際の業務内容や職場のカルチャー、求められる人物像などを踏まえた、より具体的で納得感の高い提案を受けることができます。
証券業界の転職ならJACリクルートメント
証券会社への転職・証券会社からの転職は、キャリアの大きな転機となる重要な意思決定です。だからこそ、自己判断だけで進めるのではなく、専門的な知見を持つパートナーを活用することが成功の近道となります。
JACでは証券業界専任のコンサルタントが転職をサポートしています。証券会社出身者や業界歴15〜20年のベテランで構成され、求人票だけではわからない各社のカルチャーや募集背景、活躍する人物像などを把握。ご自身の志向にあった転職を実現します。
また、企業が求める人物像・スキル経験と合致していれば、求人がなくても希望する企業に推薦するケースもあります。これまで中途採用の予定がなかったポジションを、JACが独自に開拓して内定に至った事例も多数あります。圧倒的な情報量と質でミドル・ハイクラス転職に強みを持つJACにぜひご相談ください。
業界における市場価値はもちろん、レジュメの効果的な書き方、面接対策、
企業傾向の情報収集など、JACのコンサルタントにご相談ください。








