外資系医療機器メーカーの転職事情｜年収相場や求められるスキル経験を解説

グローバル市場で急成長を遂げる外資系医療機器メーカー。最先端技術を駆使し、医療現場に革新をもたらすこの業界では、今まさに「高度な専門性」と「国際的な視野」を兼ね備えたプロフェッショナルが求められています。

JAC Recruitment（以下、JAC）の最新データによると、転職者の中には年収2,000万円を超えるケースも珍しくなく、特に営業、薬事、経営企画、ファイナンス領域での即戦力の需要が顕著に増加。英語力は「中級以上」がスタンダードとなり、グローバル本社との連携や海外展開を担うポジションが増加傾向にあります。

ここでは、JACのコンサルタントが外資系医療機器メーカーの年収相場や求められるスキル・経験を解説します。

外資系医療機器メーカーの転職動向

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外資系医療機器メーカー業界では、グローバル展開や新製品投入を背景に、国内拠点の体制強化が進んでいます。意思決定のスピードや職務の裁量が大きい外資系では、変化の激しい環境下で柔軟に対応し、主体的に価値を創出できる方が求められており、特に以下の職種で採用ニーズが高まっています

医療機器営業職
単なる製品販売にとどまらず、医療従事者への教育支援、KOL（キーオピニオンリーダー）との関係構築、販売戦略の立案など、戦略的な営業活動が求められます。医療現場との信頼関係を築く力が重要です。

薬事申請ポジション
グローバル本社との連携を前提に、薬事申請・承認取得・当局対応などの実務経験が重視されます。上流工程から関与できる専門性の高い方へのニーズが高く、英語力も生かせる職種です。

経営・事業企画ポジション
業界理解とグローバル対応力を生かし、経営判断に関与する役割を担います。戦略的思考と柔軟性が求められ、成約事例も多く、注目度の高いポジションです。

これらの職種では、即戦力として活躍できる方への期待が高く転職市場でも活発な動きが見られます。外資系ならではのスピード感と裁量の大きさを生かし、自らのキャリアを飛躍させるチャンスが広がっています。

外資系医療機器メーカーで求められるスキル・経験・マインド

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外資系医療機器メーカー業界では、以下のスキル・経験・マインドが求められる傾向にあります。

ここから、それぞれの内容について解説します。

医療機器業界での実務経験（営業・薬事・品質管理など）

外資系医療機器メーカー企業では、即戦力としての業界経験者が高く評価されます。営業や薬事、品質管理など職種に応じて3年以上の実務経験が求められる傾向があり、医療機関との折衝、学会対応、薬機法関連業務の実績が問われる傾向です。特に、新規製品導入や新規市場展開を担うポジションでは、国内市場や医療業界の構造を理解していることが大前提とされます。

薬機法・ISO13485などの規制・品質知識

医療機器の製造・販売にあたり、薬機法やISO13485（医療機器の品質マネジメントシステム）に関する知識は必須です。品質保証や薬事関連業務では、GVP・GMP対応や当局との折衝経験が重視されます。また、外資系企業では本国との連携もあるため、国内外の法規制の違いを理解し、正確に運用・伝達できる能力も必要です。

プロジェクトマネジメント力

外資系企業では部署横断的な業務やグローバルプロジェクトが多く、プロジェクトマネジメント能力は重要です。納期管理、課題整理、各部門との調整、会議運営、報告書作成といった多岐にわたるスキルが求められます。PMPなどの資格が歓迎される場合もあり、現場主導で物事を進められる行動力や論理的思考力が高く評価される傾向です。

英語での業務遂行能力（読み書き・会話）

外資系医療機器メーカー企業では、日常的に英語を使用します。例えば、製品マニュアルの読解、海外本社との会議参加、英文資料作成、規制対応文書の翻訳などの業務です。TOEIC700点以上が一つの目安とされ、ビジネス英語レベルでの読み書き・会話スキルをもつことが、管理職や専門職では必須とされるケースが増えています。

論理的思考力・プレゼンテーションスキル

医師や病院関係者への説明、社内向けの資料発表、薬事申請に必要な論理的資料作成などにおいて、高度なプレゼンテーション力が求められます。製品の有効性や安全性を数値や論文に基づいて説明する能力、複雑な医療知識をわかりやすく伝える力が重要です。営業職やマーケティング職においても、KOL対応を担う方には不可欠なスキルといえます。

外資系医療機器メーカーの平均年収は830.0万円

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JACの実績※では、外資系医療機器メーカーの平均年収は約830.0万円です。年収のボリュームゾーンは650万円～950万円となっています。下記の表は年代別の平均年収ですが、企業規模や担当する領域、これまでのご経験によって、20代でも年収が800万円を超えるケースや30代・40代で年収2,000万円以上のケースもあります。

役職	平均年収
メンバークラス	732.5万円
管理職	1,195.3万円

※当社実績（2023年1月～2025年5月、想定年収）より

外資系医療機器メーカーの最新転職・求人情報

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JACが取り扱う多数の外資系医療機器メーカーの中から、一部をピックアップしてご紹介します。

●外資系医療機器メーカー：フィールドサービスエンジニア

●外資系医療機器メーカー企業【社名非公開】：医療機器営業職

●外資系医療機器メーカー：薬事（申請）マネージャー

●外資欧州系医療機器メーカー：Sales specialist or Clinical specialist（整形外科関連製品）

●サスメド株式会社：品質保証担当

●株式会社ヘンリー：カスタマーサクセス（Director候補）

JACでは取り扱う求人の約7割が非公開求人であり、本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。非公開求人も含め自身の適性やキャリアビジョンに合う求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性やご希望に沿う求人をご紹介いたします。

●>>非公開求人について詳しく知りたい方はこちら

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。（2025年6月最新）

外資系医療機器メーカーへの転職で有利となる資格

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外資系医療機器メーカーへ転職する際に役立つ可能性がある資格をご紹介します。

ここから、各資格について解説します。

PMP（Project Management Professional）

PMPは、米国PMI（Project Management Institute）が認定する、国際的に通用するプロジェクトマネジメント資格です。外資系医療機器メーカーでは、製品導入や薬事申請プロジェクトを複数部門で推進する場面が多く、PMP保持者は信頼性と実行力の証として高く評価されます。取得には実務経験（3年程度）と35時間以上の研修が必要で、試験の難易度も比較的高めの傾向です。

参照：Project Management Institute「Project Management Professional (PMP)」

薬剤師免許

薬剤師免許は、薬事・品質・学術・安全管理といった分野で専門性を示す強力な資格です。外資系医療機器メーカーでは、医療機器だけでなく薬剤やコンビネーション製品を扱うケースもあり、薬機法対応やPMDAとの折衝に携わるポジションで有利になるでしょう。国家試験合格が必須で、取得には6年制薬学部での学修が必要です。

参照：厚生労働省「薬剤師免許の申請手続き等について」

ISO13485審査員補/内部監査員

ISO13485は、医療機器の品質マネジメントシステムに関する国際規格で、審査員補や内部監査員資格を有していれば、QA・QC職での評価が高まります。品質保証分野で、この資格を保有する成約者が散見されます。取得には専門講座の受講（2〜3日間）と簡単な修了試験が必要で、実務経験があれば習得しやすい資格です。

参照：ペリージョンソン レジストラー「審査員の育成」

TOEIC

外資系企業では、業務上の英語使用が日常的であり、TOEICのスコアは語学力の指標として活用されています。特に、700点以上がビジネスレベルの目安とされ、報告書作成・会議出席・マニュアル読解といった場面での実務遂行力があるかを判断されます。英語に苦手意識がある場合でも、比較的短期間で対策ができる点も魅力です。

参照：IIBC（国際ビジネスコミュニケーション協会）「toeic」

QC検定（品質管理検定）

QC検定は、品質管理に関する知識や統計的手法の理解を問う国内資格です。医療機器の製造・開発・品質保証の現場では、製品の安全性や信頼性を担保するため、品質管理の素養が重視されます。特に製造部門やQA職においては、QC検定2級以上を取得していると実務能力の証明となります。試験は年2回実施され、1〜2カ月程度の学習期間が一般的です。

参照：：日本規格協会「QC検定」

外資系医療機器メーカー業界のキャリアパス

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外資系医療機器メーカーのキャリアパスは多岐にわたります。ここでは、代表的なものを5つご紹介します。

営業スペシャリスト/マネージャー

営業職は医療機器業界の中核を担うポジションで、医師や医療従事者との信頼関係構築や製品提案、導入サポートを行います。成果主義の外資系では、実績を積むことで早期にマネージャーや営業部門長への昇進も可能です。

数字で成果を出すことにやりがいを感じる方や、コミュニケーション力・交渉力に自信がある方に向いています。まずは医療機器営業として経験を積み、継続的な自己研鑽と実績を重ねることでキャリアアップが実現できます。

マーケティングスペシャリスト

マーケティング職は市場分析や製品戦略の立案、プロモーション活動を担当し、グローバルな視点で日本市場に最適な施策を展開します。分析力や企画力、英語力を生かし、戦略的に物事を進めたい方に適しているキャリアパスです。

営業やフィールド活動で市場感覚を養った後、マーケティング部門への異動や、MBA取得などビジネススキルを高めることでキャリアパスが広がります。

製品開発・技術スペシャリスト

製品開発や技術職は、最先端の医療機器設計や改良、技術サポートを担います。理系出身で技術革新に携わりたい方、ものづくりや課題解決に情熱をもつ方に向いているでしょう。

大学や大学院で工学・バイオ系などの専門知識を身につけ、開発部門で実務経験を積むことがステップとなります。海外本社との連携やグローバルプロジェクトへの参加も多く、英語力も重要です。

メディカルアフェアーズ/MSL（メディカル・サイエンス・リエゾン）

メディカルアフェアーズやMSLは、医療従事者と科学的な情報交換を行い、製品の臨床的価値を高める役割です。アカデミックなバックグラウンドや論理的思考力、プレゼンテーション能力が求められます。

研究職や臨床開発、薬事経験を経てMSLに転身し、その後はメディカルアドバイザーや戦略ポジションへの昇進も可能です。医療・科学分野での専門性を生かしたい方に向いています。

外資系コンサルタント/経営企画

医療機器メーカーで培った業界知識や課題解決力を生かし、外資系コンサルティングファームや経営企画部門で活躍する道もあります。より広い視野で医療業界全体の変革に関わりたい方や、戦略立案・業務改善に興味がある方に向いているキャリアパスです。

医療機器メーカーで専門性と実績を積み、その後コンサルティングファームへの転職や、社内の経営企画ポジションへの異動が一般的なステップといえます。

外資系医療機器メーカーへの転職を成功させる5つのポイント

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外資系医療機器メーカーへの転職を成功させるために押さえておきたいポイントをご紹介します。

ここから、各ポイントについて解説します。

1.職種ごとの専門性と実績を明確にアピールする

外資系医療機器メーカー業界では、営業、薬事、品質保証など職種ごとの専門性が重視されます。当社の実績でも、各職務でのKPI達成や担当製品の実績、規制対応経験を明示している候補者が選考を通過しやすい傾向です。職種に応じた専門的な成果を定量的に書類や面接で示すことが鍵といえるでしょう。

2.英語力を「業務でどう使ったか」で伝える

外資系医療機器メーカーの転職時には、TOEICスコアだけでなく実際にどのような業務で英語を使ったかが問われます。例えば「海外本社との会議でのプレゼン経験」「英文マニュアルの作成」「グローバルチームとの共同業務」など、具体的な使用経験を伝えられた方が高評価を得られる傾向です。スコアと併せて業務実績を必ず添えましょう。

3.なぜ「外資系×医療機器」なのかを明確にする

外資系企業の採用では、志望動機の一貫性や企業理解が重視されます。グローバルでの成長戦略や製品の社会的意義に共感し、自らの経験がどのように生かせるかを語れると説得力が高まるでしょう。キャリアの軸や志向性が明確な転職希望者が、内定に至りやすい傾向がみられます。

4.成果だけでなく「行動・プロセス」を語る

外資系企業の面接では、単なる成果よりも、課題にどう向き合い、どう行動したかといったプロセスが重視されます。そのため、企業の面接では、STAR法（状況・課題・行動・結果）などを活用し、行動の背景を語ることが大切です。数値実績に加え、工夫や判断のプロセスも伝えましょう。

5.転職エージェントを活用する

外資系医療機器メーカー企業は選考スピードや採用要件が厳格なため、JACのような転職エージェントを活用することが有効です。非公開求人やポジションを提案してくれることや、面接対策、条件交渉まで一貫してサポートします。また、職務経歴書の表現方法など、企業ごとの通過しやすい書き方もアドバイスしてもらえるのがメリットです。

外資系医療機器メーカーの転職事例

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JACがサポートした外資系医療機器メーカーへ転職した事例をご紹介します。

外資系消費財から外資系医療機器メーカーへの転職事例①

Rさん（男性/40代後半）

	業種	職種	年収
転職前	外資系消費財メーカー	営業エリアマネージャー	1,200万円
転職後	外資系医療機器メーカー	Sales Director（営業責任者）	1,400万円

Rさんは、商業施設運営会社でのバイヤー経験を経て、外資系時計ブランドへ転職。卸営業を皮切りに、直営店舗運営、オンライン販売の責任者として約10年にわたり実績を積んできました。特に、直近では50以上の店舗・30億円以上のビジネスをマネジメントし、売上拡大に大きく貢献しました。

また、香港・インド・シンガポール・アメリカなどグローバル拠点との折衝経験も豊富で、英語での報告・調整・交渉がスムーズにできる点も強みです。スタッフ育成、戦略立案、収益管理、EC運営、クロスファンクショナルな調整など多面的なスキルを有し、特にリテールとスタッフマネジメントにおける実行力が高く評価されています。

JACのコンサルタントは、Rさんの複数チャネルを統括した営業経験と、グローバル環境での人材・売上管理スキルを強みと捉え、外資系医療機器メーカーのSales Directorポジションを提案。現在は、東日本店舗の統括責任者として、営業戦略立案からM&A支援、新規事業開拓まで幅広い経営貢献を担うポジションで活躍中です。

外資系医療機器メーカーから外資系医療機器メーカーへの転職事例②

Oさん（男性/40代後半）

	業種	職種	年収
転職前	外資系医療機器メーカー	品質保証マネージャー	1,050万円
転職後	外資系医療機器メーカー	QA Senior Manager（日本品質統括責任者）	1,500万円

Oさんは国内大手医療機器メーカーで品質不具合対応を皮切りに、QMS構築・維持、監査対応、MDSAPやISO13485認証取得、海外法規制対応など、約15年以上にわたり品質保証分野の実務経験を積み重ねてきました。その後、外資系医療機器メーカー企業を経て、製薬会社でのCAPA・CSV対応、手順書改訂、国内外の法規対応など幅広い業務を経験。前職では品責・総括責任者として活躍されていました。

ISO9001審査員補や特別管理産業廃棄物管理責任者などの資格も有し、医療装置およびディスポーザブル製品双方への知見、ASEAN・中国などの海外対応経験も強みです。

JACのコンサルタントは、Oさんのグローバル品質戦略の理解とマルチステークホルダーを巻き込む実行力を強みと捉え、外資系医療機器メーカーの品質統括ポジションを提案。

現在は日本地域の品責・総括として、品質戦略立案、市販後対応、監査リード、クオリティチームの組成と育成まで多岐にわたる品質業務を担っています。

外資系医療機器メーカーへの転職なら、JAC Recruitmentへ

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JACは、外資系医療機器メーカー業界に精通した専任コンサルタントが在籍しており、業界独自のトレンドや企業文化、求められるスキルセットを熟知しています。そのため、転職希望者一人ひとりのキャリアや強みを的確に把握し、最適なキャリア形成をサポートできる点が大きな強みです。

また、JACは長年にわたり外資系企業との強固なネットワークを築いており、一般には公開されていないポジションや最新の求人情報にもアクセスできます。さらに、転職活動全体を通じて、履歴書の添削や面接対策などきめ細かなサポートを提供し、転職希望者が自信をもつて新しい環境に挑戦できるよう後押しします。外資系医療機器メーカー業界で新たなキャリアを目指す方は、ぜひJACへご相談ください。