ロボットエンジニアの転職事情|年収相場や求められるスキル経験を解説

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公開日:2025/05/15 / 最終更新日: 2025/06/17

ロボットエンジニアは、ロボットの設計・開発から運用・保守まで幅広い業務を担う専門職であり、産業界や医療、介護、エンターテインメントなど多様な分野で活躍しています。近年、AIやIoT技術の進化により、自律型ロボットの開発が進み、その需要は急速に拡大傾向です。さらに、少子高齢化による労働力不足や非接触ニーズの高まりから、ロボット技術は社会課題解決の鍵として注目されており、求人市場でも高い評価を受けています。このような背景から、ロボティクスエンジニアは将来性が高く、高収入を得られる魅力的な職種として注目されている状況です。

ここでは、JAC Recruitment(以下、JAC)のIT専門コンサルタントが、ロボットエンジニアとはどのような職種なのか、仕事内容や年収、最新の求人情報、採用動向などをご紹介します。

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ロボットエンジニアの転職動向


ロボットエンジニアの採用は、スタートアップから大手企業まで幅広くニーズが高まっており、特に自動化システムの設計・インテグレーション、制御システムの開発、ロボット制御、ロボティクス事業開発などの分野が、増加傾向にあります。

また、ロボット開発や制御技術に加え、AIやIoTといった周辺スキルも重視される傾向にあり、今後もさらに転職市場は活性化すると予想されます。以下では、増加傾向にある職種について解説します。

ロボットシステムインテグレータ

工作機械、ロボット、付随するシステムの設計や顧客の求める生産量を担保するための大枠の設計などを行います。

制御装置・制御システムのインテグレーション業務。これにはロボットやAGVなどを活用した自動化システムのインテグレーション業務(コンサル、提案書、設計仕様書、要件定義書、検査要領書、マニュアルなどの作成、現地立ち上げ、管理業務)も含まれます。

工場の自動化や産業ロボットに関する知見をもつエンジニア。制御設計の経験、生産技術などで生産工程設計の経験、治具設計や計測器関連の技術営業、設計、生産技術などの経験が求められます。

ロボット制御のテーマを推進できるエンジニア。さまざまな問題解決にむけて、新しい技術や方法を研究し、ロボットの性能向上や新機能の開発に取り組む姿勢が求められます。

顧客課題の検証と、顧客ニーズに合わせたロボティクスに関するソリューション提案や、社内の技術部門や社外ステークホルダーと連携しながらのソリューション提案。新しいビジネスチャンスを見つけるためのデータを収集し、分析結果をもとに戦略を立案します。


ロボットエンジニアに求められるスキル・経験・マインドは、以下のとおりです。

・ロボット制御・PLCなどの制御スキル
・電気・機械設計の基礎知識と経験
・新技術や困難に挑戦するマインド
・現場志向・ユーザー視点の開発力
・組織成長を意識したコミュニケーション力

ここから、それぞれの内容を解説します。

ロボット制御・PLCなどの制御スキル

製造業やFA業界を中心に、ロボットの動作を制御するためのPLC(ラダー言語)やスクリプト開発経験が重視されています。中でもKeyenceや三菱製PLCなどの実務経験がある方は、即戦力として評価される傾向です。自動化ニーズが急増する中、安定した制御設計ができる技術者は広く求められています。

制御だけでなく、ロボットに搭載する各種機器との連携のために、電気配線・センサー設計・機構設計の知識が求められています。特に、3年以上の実務経験があると歓迎され、設計から実装・運用まで一貫して担当できる方は、スタートアップから大手まで幅広く需要があります。

ロボティクス分野は進化が速く、AIやIoTとの連携も進んでいます。そのため、未知の技術にも積極的にチャレンジできる探究心や、変化を恐れない柔軟性、トライ&エラーを楽しめる姿勢が重要です。自律的に学び続けられる「自走力」は、採用時の重要な評価軸といえます。

現場志向・ユーザー視点の開発力

実際に導入される現場の課題を理解し、それを踏まえたロボット設計や制御ができることも重要です。仕様通りに作るだけでなく、「現場が使いやすいものにするにはどうすべきか」を考え、課題解決型のエンジニアリングができる方は、業種問わず高く評価されます。

 組織成長を意識したコミュニケーション力

技術力だけでなく、チームでの連携力や社内他部門との折衝力も求められています。特に、スタートアップや開発初期フェーズの企業では、エンジニアが顧客対応や提案にも関わることが多く、プロジェクト全体を俯瞰しながら柔軟に動ける方が重宝される傾向です。


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ロボットエンジニアの平均年収は818.4万円


JACの実績※では、ロボットエンジニア平均年収は約818.4万円です。年収のボリュームゾーンは800万円~1,300万円となっています。下記の表は年代別の平均年収ですが、企業規模や担当する領域、これまでのご経験によって、30代でも年収が850万円を超えるケースや60代で年収1,300万円以上のケースもあります。

役職平均年収
メンバークラス759.5万円
管理職877.3万円
平均年収
日系企業650.0万円
外資系企業842.4万円


JACでは、多数のロボットエンジニアの求人を取り扱っています。その中から抜粋し、ご紹介します。

JACでは取り扱う求人の約7割が非公開求人であり、本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。非公開求人も含め自身の適性やキャリアビジョンに合う求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性やご希望に沿う求人をご紹介いたします。

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ロボットエンジニアへの転職で有利となる資格


ロボットエンジニアへ転職する場合、以下のような資格を取得しておくと有利です。

・第一種電気工事士
・技術士
・シーケンス制御作業主任者
・ロボット検定
・CAD利用技術者試験

ここから、各資格の内容を確認しておきましょう。

ロボット導入現場では電気配線や制御盤設計を担う場面が多く、第一種電気工事士はその技能の証明になります。特に、生産設備や工場自動化を手がける企業で高評価な傾向です。試験は学科・実技ともに難易度が高めで、実務経験や入念な準備が求められます。

技術士の資格は、高度な技術力を証明する国家資格で、大手メーカーや研究開発職で高く評価されます。ロボットエンジニアの転職市場では、設計・開発のマネジメントや上流工程に携わる方に有利です。取得には実務経験と長期的な学習が必要で、合格には数年かかることもあります。

シーケンス制御作業主任者は、ロボットの動作制御に不可欠なPLCやラダー言語の基礎が身につく講習です。三菱やキーエンス製PLCを扱う企業では、実務経験とセットで高い評価を得られるでしょう。受講期間は数日から数週間程度で、実践的なスキルを短期間で身につけられるのが魅力です。

ロボット検定とは、ロボティクスに関する基礎知識や設計・制御スキルを体系的に学べる民間資格です。未経験からロボット業界に挑戦したい人や、スキルの見える化を図りたい若手技術者に適しています。試験は初級・中級レベルで、独学でも十分に対策可能です。

一般社団法人 ロボット技術検定機構「ロボット検定」

ロボット本体や装置設計に関わるCADスキルは必須です。製図スキルを証明できるため、図面作成を担当するエンジニア職で高評価な傾向がみられます。2級は基本操作、1級は応用力を問われ、資格取得は短期間の学習でも目指しやすいです。

一般社団法人 コンピューター教育振興協会「CAD利用技術者試験」

ロボットエンジニアのキャリアパス


ロボットエンジニアは専門的な職種であり、そのキャリアパスは多岐にわたります。ここでは、5つのキャリアパスをご紹介します。

ロボットエンジニアは、ロボット設計、制御システム、AI統合など、特定の技術領域に特化したスペシャリストを目指すことが可能です。技術革新に興味があり、深い知識を追究する志向の方に向いています。大学や専門学校で工学系の教育を受けた後、関連企業で経験を積み、資格取得や最新技術の習得を続けることで実現できるでしょう。

ロボット開発プロジェクト全体を管理する、プロジェクトマネージャーを目指すキャリアパスも考えられます。チームをまとめるリーダーシップやプロジェクト運営能力が欠かせません。エンジニアとしての経験を積んだ後、マネジメントスキルを学び、プロジェクト運営の実績を重ねることでこのポジションに進めます。コミュニケーション能力が高い方に適しているでしょう。

海外企業や研究機関で働く、グローバル市場で活躍することも可能です。最先端技術に触れたい、国際的な環境で働きたいという志向の方に向いています。英語力と専門知識を磨き、日本国内で実績を積んだ後、海外企業への応募や国際会議・交流を通じたネットワーク構築が重要です。

ロボットエンジニアとしてのキャリアを生かし、大学や研究機関でロボット技術の教育や研究開発に従事するキャリアパスも考えられます。学問的な探求心が強く、知識共有に熱意がある方に適しています。大学院で博士号取得後、研究職や教育職としてキャリアをスタートし、論文発表や研究成果による実績を積むことが必要です。

製品化プロセス全体を統括し、市場向けロボット製品の開発を主導する製品開発リーダーを目指すのも一案です。技術だけでなく、市場ニーズやビジネス視点も求められるため、多面的なスキルが求められます。企業内で開発経験を積みながら製品化プロジェクトに参加し、市場動向や顧客要件への理解を深めることでステップアップできるでしょう。


ロボットエンジニア転職を成功させるためには、以下5つのポイントを押さえることが重要です。

・ロボット制御
・PLCスキルの明示
・自動化・省人化ニーズに対する理解と貢献姿勢
・ハード×ソフト両面のスキルセット
・スタートアップ・研究開発志向への共感
・長期的なスキル習得への意欲と計画性

ここから、各ポイントについて解説します。

企業が最も重視しているのは「ロボット制御」や「PLC(特にキーエンスや三菱)制御」の実務経験です。特に「ラダー」「スクリプト」でのプログラム開発経験や、FA設備・自動化ラインでの制御構築経験は、書類選考で重視されます。職務経歴書では、具体的な制御対象や使用機器、成果(生産性○%改善など)を定量的にアピールしましょう。

多くの企業は、労働人口減少や老朽化設備への対応としてロボット導入を進めています。これらの社会的背景に理解を示し「自分の技術でどのように自動化・省人化に貢献できるか」を語れると、面接での印象が高まるでしょう。特に、中小・ベンチャーでは「導入から運用までの一気通貫のサポート経験」が重宝されます。

企業はハードウェア設計(CADや電気回路)とソフトウェア開発(制御、システム実装)を横断できるスキルを歓迎する傾向です。例えば「CAD設計+シーケンス制御」「回路設計+ロボット制御」など、複数スキルを掛け合わせてアピールすることで、総合的な即戦力としてみられます。資格では、CAD利用技術者や第一種電気工事士などの組み合わせが効果的でしょう。

一部の求人では「ロボット事業を拡大したいスタートアップ」や「先端技術を実装するベンチャー」からのニーズもあります。こうした企業では、未知の領域への挑戦や、開発ロードマップ策定、技術選定への関与などが求められる傾向です。自分の「チャレンジしたい技術分野」や「貢献したい社会課題」などを明確に伝えることで、カルチャーフィットの高さをアピールできるでしょう。

技術士やロボット検定などの取得を目指す姿勢は、技術力向上への意識の高さとして評価される傾向です。特に、中堅層以上は「育成やマネジメント力」も期待されるため、スキルの棚卸しと将来像(例:制御設計リーダー、技術顧問)を明確に持ち、面接で語れるように準備しておくとよいでしょう。

職務経歴書の書き方、サンプル・テンプレートのダウンロードはこちらをご覧ください。

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ロボティクスエンジニアの転職事例


ここからは、JACを活用してロボットエンジニアへ転職した事例をご紹介します。

Aさん(男性/30代後半)

業種職種年収
転職前大手鍛造メーカーロボットエンジニア600万円
転職後大手工作機械メーカーロボットエンジニア770万円

Aさんは「顧客との対話を大切にしながら、より実用的な製造現場の自動化に携わりたい」という思いを持ち、転職を決意しました。製造装置の設計からライン自動化、システム導入まで幅広い経験を持ち、関係者と連携して成果を出してきた実績が評価されました。

前職では方針転換により顧客との接点が減り、これまで大切にしてきた価値観とのズレを感じていたことが、転職を後押ししました。JACのコンサルタントはAさんの経験と志向を踏まえ、ロボットシステムの導入支援やライン改善に直接携われる企業を提案。現在は、製造現場の課題解決に直結するポジションで、新たな挑戦をスタートしています。


ロボティクスエンジニアは、設計・開発から運用・保守まで幅広い業務を担い、産業や医療など多岐にわたる分野で活躍する重要な職種です。JACは、ロボティクス分野を含む専門職の転職支援に特化し、業界専任のコンサルタントが市場動向を熟知した的確なアドバイスを提供します。また、非公開求人を多数保有しており、転職希望者のスキルやキャリアにマッチした企業との橋渡しを実現。転職成功率の高さが強みです。ロボティクスエンジニアへの転職を検討している方は、ぜひJACへご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。