大手企業への転職は難しい?転職の実態や必要とされる要素・転職成功事例を解説

大手企業への転職は決して簡単ではありません。しかし、適切な専門性や職務経験を備えていれば十分に実現可能です。JACリクルートメント(以下、JAC)の転職実績を見ると30代を中心に幅広い年代で転職が実現しており、40代・50代の転職事例も少なくありません。重要なのは企業規模ごとに異なる評価ポイントを理解し、経験や専門性を適切に伝えることです。

本記事では、大手企業への転職の実態や現職の企業規模別のポイント、必要とされる要素、転職成功事例をJACが詳しく解説します。

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大手企業への転職の実情

JACの転職実績では、大手企業への転職は30代が中心ですが、40代・50代の実績もあり、技術系・IT系職種を中心に、さまざまなバックグラウンドをもつ方が大手企業へ転職しています。年代別の転職実績や職位、業種・職種構成を見ると、大手企業への転職には一定の傾向が確認できます。

JACの転職実績を中堅・中小企業への転職と比べると、年代や職位の構成、転職先の業種と職種、想定年収のそれぞれで違いが見られました。ここでは、次の5つのデータから大手企業への転職の実情を解説します。

  • 30代を中心に幅広い年代が大手企業に転職
  • 大手企業に転職した人の23.7%が管理職
  • 大手企業に転職した人の転職先業種は製造業が最多
  • 大手企業に転職した人の転職先職種は技術系が最多
  • 大手企業へ転職した方の想定平均年収は887.6万円

30代を中心に幅広い年代が大手企業に転職

大手企業へ転職した方のうち最も多い年代は30代前半で、30代全体では4割強を占めます。

年代大企業中堅・中小企業
20代後半17.2%9.5%
30代前半25.0%15.6%
30代後半17.9%15.3%
40代前半14.5%16.0%
40代後半10.7%16.2%
50代以上14.5%27.4%

※JACの転職実績データをもとに作成(2025年1月~2026年8月)
※大企業:従業員1,000人以上、中堅企業:従業員300人~999人、中小企業:従業員300人未満

20代後半から30代後半までを合わせると約6割にのぼります。この結果から、大手企業への転職実績は30代前後に集中しており、キャリアの中核を担う年代で転職が活発に行われていることがうかがえます。

一方、中堅・中小企業では40代以上の割合が高く、約6割を占めました。なかでも50代以上は27.4%で、大手企業の14.5%を大きく上回ります。経営幹部や事業責任者を社外から迎える求人が中堅・中小企業に多いためです。ただし大手企業でも40代以上は約4割にのぼり、50代以上の割合は40代前半と同じ14.5%です。

40代以降の方は、応募先の事業課題と自身の専門領域がどこで重なるのかを職務経歴書で具体的に示しましょう。

大手企業に転職した人の23.7%が管理職

大手企業へ転職した方の23.7%は、課長以上の管理職として入社しています。なお、本記事では課長以上を管理職として集計しており、「課長以上」「部長以上」「本部長以上」の合計が23.7%となります。

職位大企業中堅・中小企業
課長未満76.3%66.7%
課長以上18.3%22.2%
部長以上3.7%8.3%
本部長以上1.7%2.8%

※JACの転職実績データをもとに作成(2025年1月~2026年8月)

管理職の割合は中堅・中小企業の33.3%より低く、部長以上では差がさらに開きます。大手企業では部長級以上のポストが内部昇格で充足されるケースも多いため、外部から管理職として入社する場合は、高度な専門性や新規事業、グローバル展開などの実績を明確に示すことが重要です。

それでも約4人に1人は管理職として迎えられています。新規事業の立ち上げや海外拠点の統括、DX推進のように社内に経験者が少ない領域では、管理職経験者が大手企業へ転職するケースも引き続き見られます。

一方で課長未満での入社は76.3%にのぼります。専門性を評価されてメンバークラスで入社し、その後に管理職へ昇進するケースも少なくありません。入社時の職位にこだわりすぎず、任される領域と中途入社者の昇進例を面接で確かめてみてください。

大手企業に転職した人の転職先業種は製造業が最多

大手企業への転職先で最も多い業種は製造業で、全体の37.9%を占めます。

業種大企業中堅・中小企業
製造業37.9%31.9%
メディカル・バイオ13.5%17.5%
IT・通信10.9%8.8%
金融7.9%6.6%
コンサルティング・シンクタンク・事務所5.8%3.3%
サービス5.4%4.4%
消費財5.4%6.3%
建設・不動産5.1%8.7%
流通3.0%2.4%
WEB2.6%2.8%
商社1.4%4.5%
医療・介護・福祉0.7%1.2%
その他0.3%0.8%
マスコミ0.2%0.8%

※JACの転職実績データをもとに作成(2025年1月~2026年8月)

製造業に、メディカル・バイオとIT・通信を加えた上位3業種で6割強に達します。いずれも研究開発や設備に大きな投資を要する業種で、規模の大きい企業が多いことが背景にあります。

製造業は中堅・中小企業でも最多ですが、大手企業の方が6.0ポイント高くなっています。電動化や半導体、脱炭素に関わる開発競争を受けて、大手製造業が技術職と企画職の中途採用を広げているためです。

コンサルティングや金融も大手企業の割合が上回る一方、建設・不動産や商社は中堅・中小企業の割合が高くなっています。志望業種が決まっている方は、その業種で大手企業の求人がどの程度あるのかを確認してから応募計画を立てましょう。

大手企業に転職した人の転職先職種は技術系が最多

職種別では技術系が18.9%で最も多く、ITが17.8%で続きます。

職種大企業中堅・中小企業
技術系18.9%17.7%
IT17.8%9.1%
営業12.6%22.7%
経営・事業企画8.0%8.1%
メディカル・バイオ7.6%6.1%
コンサルティング・アドバイザリー6.5%3.0%
購買・物流・生産管理4.3%4.4%
経理・財務4.0%5.5%
マーケティング・商品開発3.9%4.5%
人事・労務3.3%4.0%
建築系3.1%4.2%
金融2.7%3.4%
総務・広報1.9%1.4%
法務・知財1.7%1.0%
内部統制・監査1.7%0.8%
WEB・アプリ・ゲーム0.5%0.7%
秘書・アシスタント・事務・顧客対応0.5%1.5%
土木系0.4%0.5%
その他0.4%0.4%
医療・介護・福祉0.2%0.7%
クリエイティブ(広告・デザイン・放送関連)0.1%0.3%

※JACの転職実績データをもとに作成(2025年1月~2026年8月)

中堅・中小企業との違いが最も大きい職種はITです。大手企業の17.8%に対して中堅・中小企業は9.1%で、約2倍の開きがあります。基幹システムの刷新やデータ活用を背景に、社内SEやITアーキテクトとしての経験を持つ方へのニーズが高まっており、関連経験を持つ方には転職機会が広がっています。

営業は中堅・中小企業で22.7%と最多ですが、大手企業では12.6%にとどまります。大手企業の営業部門は新卒入社の社員を中心に構成されることが多く、中途採用は専門知識を要する法人営業や海外営業に絞られる傾向があります。

法務・知財や内部統制・監査も大手企業の方が高い割合を示しました。ガバナンスや知的財産の管理に専任部署を置く大手企業では、管理部門でも特定分野に精通した方が求められています。

大手企業へ転職した方の想定平均年収は887.6万円

大手企業へ転職した方の想定平均年収は887.6万円で、中堅・中小企業の839.6万円を48.0万円上回ります。

年代大企業中堅・中小企業
20代後半657.8万円601.2万円
30代前半769.7万円715.6万円
30代後半879.9万円798.6万円
40代前半983.4万円879.2万円
40代後半1,101.9万円926.8万円
50代以上1,118.8万円941.7万円

※JACの転職実績データをもとに作成(2025年1月~2026年8月)
※想定年収は、転職決定時に提示された理論年収をもとに算出しています。

年代別に見ると、差はどの年代でも全体の48.0万円より大きくなっています。これは大手企業への転職者は年収水準が相対的に低い20代後半から30代に多く、全体の平均が抑えられているためです。転職を検討する際は、同年代どうしの差を参考にしてください。

30代前半までは55万円前後ですが、40代前半で104.2万円、40代後半では175.1万円まで広がります。大手企業は管理職や高度専門職の報酬レンジが高く設定されており、年代が上がるほど企業規模による違いが表れます。

なお、これは平均値どうしの比較です。中堅・中小企業でも経営幹部として入社する場合は、大手企業の同年代を上回る年収が提示される例があります。年収の額に加えて、任される役割と裁量の範囲も比べてみてください。

【転職前企業規模別】大手企業への転職を成功させるポイント

大手企業への転職では、現職の企業規模によって選考で確かめられるポイントが変わります。企業規模によって評価されやすい経験や実績が異なるため、出身企業に応じた準備が重要です。そこで出身企業の規模ごとに、準備で力を入れたいポイントをご紹介します。

  • ベンチャーから大手企業への転職を成功させるポイント
  • 中堅・中小企業から大手企業への転職を成功させるポイント
  • 大手企業から大手企業への転職を成功させるポイント

ベンチャーから大手企業への転職を成功させるポイント

ベンチャーから大手企業を目指すなら、幅広い経験のなかから応募ポジションに合う領域を1つに絞って伝えましょう。

大手企業の中途採用は、担当業務を細かく定めたポジションごとの募集が中心です。営業も企画も採用も担ってきた経歴をそのまま並べると、専門領域が埋もれてしまいます。職務経歴書では応募ポジションと重なる業務を冒頭に置いてください。社名だけでは事業の中身が伝わらない場合も多いため、事業内容と従業員数も1行添えておくと、経歴の背景まで伝わりやすくなります。

応募先を選ぶときは、求人票の募集背景にも目を向けてみてください。新設部署や新規事業の立ち上げにともなう募集は社内に経験者が少なく、ベンチャーで事業を形にしてきた経験が評価の中心になります。

面接では、他部署や取引先と意見をすり合わせて物事を決めた経験も話しておきましょう。組織内の多段階の意思決定プロセスを経験していることを示すことができます。

中堅・中小企業から大手企業への転職を成功させるポイント

中堅・中小企業から大手企業へ転職する場合は、金額の大きさよりも任されていた範囲の広さで経験を伝えるのが有効です。売り上げや予算の絶対額は、大手企業の社員と比べると小さく見える傾向にあります。一方で企画から実行までを1人で担った経験は、分業の進んだ大手企業の社員にはない強みです。

職務経歴書には金額と併せて、前年からの伸び率や担当した工程の範囲、意思決定にどこまで関わったかを書き添えましょう。

選考で確認されやすいのは、専門部署と連携しながら業務を進めた経験があるかどうかです。大手企業との取引で相手の品質基準や監査に対応した経験があれば、ぜひ伝えてください。大手企業の仕事の進め方を理解している裏付けになります。

大手企業から大手企業への転職を成功させるポイント

大手企業どうしの転職では、会社の仕組みや知名度に頼らず自分の力で出した成果を切り分けて示す必要があります。

選考では、大きなプロジェクトの成果について、自身が担った役割や意思決定を具体的に説明するようにしましょう。面接では自分がどの場面で何を判断し、結果がどう変わったのかを説明してください。

役職名の伝え方にも注意が必要です。同じ課長でも、部下の人数や決裁できる金額は企業によって大きく異なります。部下の人数と予算、決裁権限を数字で書いておけば、入社時の等級も経験に見合った水準で検討されるでしょう。

内定後は年収と併せて、等級と昇格の要件も確認しておきましょう。大手企業では入社時の等級がその後の昇進の速さを左右するためです。

大手企業への転職で考慮すべきこと

大手企業への転職が難しいといわれる理由の一つが、募集ポジションごとに求められる専門性が明確である点です。新卒採用の印象のまま臨むと、学歴を理由に応募を見送ったり公開求人だけを探して機会を逃したりするおそれがあります。そこで応募前に知っておきたい点を4つご紹介します。

  • 新卒採用の時ほど学歴は重視されない
  • 高いスキルや適した職務経歴が必要となる
  • 応募者が集まりやすいため、入念な準備が必要
  • 非公開求人でのみ募集しているケースがある

新卒採用の時ほど学歴は重視されない

大手企業の中途採用では、新卒採用のときほど学歴は重視されません。新卒採用で学歴が見られるのは、職務経験のない応募者の基礎的な力や努力を続ける姿勢を推し量る材料がほかに少ないためです。中途採用ではその役割を職務経歴が担います。どのような職務を経験し、どのようなスキルを身に付けたのかが評価の中心です。経験年数が長い方ほど、この傾向は強まります。

ただし、学歴も判断材料の一つとして参照されます。企業によっては重視する場合もあり、経験や年齢といった条件が並んだ応募者どうしでは判断材料の1つになりえます。学歴だけで判断せず、比重の大きい職務経歴をどう伝えるかに準備の時間を使いましょう。

高いスキルや適した職務経歴が必要となる

大手企業への転職では、募集ポジションの要件と整合する職務経歴や専門性が重視される傾向にあります。

大手企業には同じ領域で経験を積んだ社員が多く在籍しています。転職では、既存社員と同等以上の専門性や、組織に新たな知見をもたらせる経験が評価される傾向があります。

例えばITアーキテクトであれば大規模システム設計経験、法務であれば契約審査だけでなく英文契約やM&A対応経験など、募集要件に直結する専門性が求められます。評価されやすいのは業務で成果を上げた経験に加えて、プロジェクトマネジメントやリーダーシップの経験です。関係部署の多い大手企業では、周囲を動かして物事を進める力が問われます。

職務経歴書には担当した業務を並べるのではなく、どのような成果を上げてそれが事業の成長にどう貢献したのかを書いてください。応募前に求人票の必須要件と自身の経歴を1項目ずつ照らし合わせておくと、伝えるべき実績を選べます。

応募者が集まりやすいため、入念な準備が必要

大手企業の求人には応募が集まりやすいため、選考に進む前の入念な準備が結果を分けます。

市場認知度が高い企業や報酬水準の高いポジションでは、1つのポジションに経験豊富な応募者が何人も並びます。スキルや経歴が近い応募者のなかで差がつくのは、その企業の事業課題や組織課題にどのように貢献できるのかをどこまで具体的に語れるかです。

まず経営方針や理念、業界内での強みを調べ、その企業だからこそといえる志望動機を用意しましょう。中期経営計画や決算説明資料まで読んでおくと、募集ポジションが担う役割も見えてきます。

面接の練習は繰り返し行い、他部署との調整経験や意思決定経験が回答に表れているかを確かめてください。企業の価値観や文化と自身の考え方がどこで重なるのかも、言葉にしておくと面接で説得力が増します。

非公開求人でのみ募集しているケースがある

大手企業のなかには、非公開求人でのみ中途採用を行う企業があります。非公開求人は、企業の公式サイトや転職情報サイトを通さずに転職エージェントだけに伝えられる求人です。新規事業の準備や組織の再編など、募集していること自体を社外に知られたくない場合に選ばれる方法です。

応募が集中しやすい大手企業にとっては、選考の対象を絞れる利点もあります。信頼する転職エージェントに限って求人を伝えれば、要件を満たす転職希望者だけと会えるためです。

志望する企業の求人が見つからないときも、募集がないとは限りません。大手企業と取引のあるハイクラス領域の転職エージェントに登録し、非公開求人の有無を確認してみてください。

大手企業への転職成功事例

JACの転職支援を通じて大手企業へ転職された方の事例を、年代や業種の異なる10件をご紹介します。

年齢性別業種ポジション年収詳細ページ
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事例940代前半男性大手電機メーカー→大手半導体製造装置メーカー半導体研究開発→プロダクトマーケティング1,100万円→1,250万円+インセンティブこの事例を詳しく見る
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※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

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大手企業の中途採用はポジションごとに要件が細かく定められ、非公開で進む募集もあります。同じ企業でも部署によって重視される経験は異なり、求人票だけでは判断しにくいものです。

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大手企業への転職をお考えの方は、ぜひJACにご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JACリクルートメント

編集部

当サイトを運営する、JACの編集部です。日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。

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