企業の財務状況や経営戦略などの情報を、株主や投資家向けに発信する専門家であるIR(Investor Relations)担当。
本記事では、IRの転職市場動向や転職で求められる主な転職先候補、経験・スキル・マインド・資格をJAC Recruitment(以下、JAC)が解説いたします。
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IRの転職市場動向
ここでは、IRの転職市場動向について、下記3つの観点から解説します。
- ・複合的な要因によりIRの需要は中長期的に拡大傾向
- ・東証の義務化にともない、IR体制未整備の企業からの採用ニーズが増加
- ・海外投資家向け対応に精通したIR幹部層の採用ニーズが増加
複合的な要因によりIRの需要は中長期的に拡大傾向
転職市場におけるIRの需要は、今後も中長期的に拡大する見通しです。その背景には、上場企業数の増加に加え、コーポレートガバナンスの強化や株主対応の多様化など、さまざまな要因が複合的に絡み合っています。
まず、国内の上場企業数の増加にともない、IR活動の母数そのものが増大しています。また、コーポレートガバナンス・コードの改訂などを通じて、企業経営の透明性向上と株主との建設的な対話が強く求められるようになりました。物言う株主(アクティビスト)の台頭など、株主対応はより高度化・複雑化しており、専門的な知見をもつIR担当者の役割はますます重要視されつつあります。
さらに、近年ではESG(環境・社会・ガバナンス)を重視する機関投資家が世界的に増加しており、財務情報だけでなく、非財務情報をいかにして戦略的に開示し、企業価値に結びつけるかという、新たなIRの課題も生まれています。加えて、海外投資家への対応力も求められ、英語での決算資料作成やプレゼンテーションスキルのあるIR担当者が重宝されるようになりました。
こうした社会的要請の高まりがIRに対する中長期的な需要の伸長を後押ししています。
東証の義務化にともない、IR体制未整備の企業からの採用ニーズが増加
東京証券取引所は2025年7月より、全上場企業に対してIR体制の整備を義務付ける方針を打ち出しており、この動きがIRの採用ニーズにも影響を及ぼしています。
各市場区分において、より高いレベルでのガバナンス体制と情報開示が求められるようになり、これまでIR専門の部署や担当者を設置していなかった中堅企業や新興市場の上場企業においても、IR体制をゼロから構築・強化する必要性に迫られています。このような企業では、自社のIR機能を早急に立ち上げたいという採用ニーズが顕在化しており、IR経験者を即戦力として採用する動きが顕著です。また、ガバナンス評価を高める目的から、IRを担当する役員クラスの任命が求められるケースも増加傾向にあり、IRの経験をもつ管理職層への需要も伸びています。
こうした流れは、IR経験者にとって新たなキャリアの選択肢を広げる機会になると考えられます。
海外投資家向け対応に精通したIR幹部層の採用ニーズが増加
東証プライム市場では、2025年より決算情報や株主総会関連資料といった重要開示資料の英文開示が義務化されました。その結果、単に日本語の資料を翻訳できるというレベルにとどまらず、海外の機関投資家の文化や思考プロセスを深く理解し、英語で対等にディスカッションできる高度な国際感覚を備えたIR経験者の需要が急増しています。
特に、海外投資家との関係構築や海外投資家向け説明会の企画・実行経験をもつIRマネージャーやIR部長といった、幹部クラスの採用ニーズは極めて高く、相場よりも高額の年収が提示されるケースも少なくありません。今後も、上場維持や企業評価の向上を図るうえで、海外IRに対応可能な幹部クラスの採用ニーズは堅調に推移すると推察されます。
IRが求められる主な転職先候補
本章では、IRが求められる、次の4つの転職先候補について解説します。
- ・プライム上場企業
- ・IPO準備中の未上場企業
- ・投資ファンド・PEファンド傘下の企業
- ・IRコンサルタント(IR支援会社)
プライム上場企業
プライム市場上場企業のIR担当者は、株主や機関投資家との対話窓口として、年次・四半期決算の説明会や適時開示資料の作成を主導します。また、ESG情報の開示やアクティビスト対応といった、専門性の高い業務を担うこともあります。上場企業におけるIRは、企業価値の向上を支えるポジションであり、財務・経営企画・法務と密接に連携する場面も少なくありません。
特に近年は、ガバナンス強化やESG情報の開示要求が高まっているため、IR部門への期待は以前にも増しており、各企業の採用ニーズは旺盛です。企業の価値を最大化するという、ダイナミックでやりがいのある役割を求める方にとって、魅力的なキャリアパスといえます。

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IPO準備中の未上場企業
これから株式上場(IPO)を目指す成長段階の未上場企業も、IR経験者にとって有力なキャリアパス候補の一つです。
IPO準備中の企業では、上場審査をクリアするためのIR体制や情報開示体制の構築、主幹事証券会社や監査法人、弁護士といった外部専門家との連携など多岐にわたる業務を担います。業務は広範におよびますが、IR機能をゼロから立ち上げるという、貴重な経験を積むことができます。
過去に開示要件や証券会社との交渉経験をもつ場合、採用選考で優遇されることがあります。
企業の歴史において、上場という最も重要なイベントの一つに、中心メンバーとして関与できる経験は、大きな達成感をもたらし、次のキャリアを形成する際の基盤にもなるでしょう。
投資ファンド・PEファンド傘下の企業
投資ファンドやプライベート・エクイティ(PE)ファンドが株主となっている企業においても、IRの専門性は高く評価されます。これらの企業では、主に投資家とのエンゲージメントやM&A後の価値向上策を推進する役割を担います。
また、ファンドは数年後のエグジット(保有株式の売却や再上場)を通じて投資リターンを最大化することを目的としているため、IR担当者には、その目標達成に向けた戦略的なコミュニケーション活動が期待されます。具体的には、企業価値向上に向けた取り組みを外部に効果的に発信する、将来のエグジットを円滑に進めるための布石として金融市場との良好な関係を構築する、などの業務が挙げられます。
株主価値の向上という明確なミッションのもとで、自身の専門性を発揮できる環境があります。

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IRコンサルタント(IR支援会社)
特定の事業会社に所属するのではなく、IRコンサルタントとして、複数の企業のIR活動を支援するキャリアパスもあります。
IR支援を専門とするコンサルティングファームでは、顧客に対して、IR戦略の立案、決算説明会資料や統合報告書の作成支援、株主総会の運営コンサルティング、あるいは個人投資家向けIRイベントの企画・実行など、多様なサービスを提供します。業界や企業規模問わず、さまざまなIR活動に横断的に関与できる環境があり、広範にわたる実務経験を積める点が魅力です。
第三者の立場から、企業の価値向上に貢献したいと考える方にとって、最適な選択肢の一つになり得るでしょう。
IRの最新転職・求人情報
近年のコーポレートガバナンス改革の流れや上場企業数の増加に加え、株主対応の変化にともない、IRに関連するポジションの採用ニーズは、増加傾向にあります。JACが取り扱う求人においても、2023年と比較すると2024年の新規求人数は1.52倍に増加しています。特に「機械・装置」「金属・素材」「化学」「宝飾」「アパレル」などの業種での採用が強化されている傾向です。
かつては広報部門がIR業務を兼務するケースが一般的でしたが、現在ではIRを専門に担う独立した部署を設置する企業が増えています。特に、証券会社や総合商社など資本市場との関わりが深い大手企業のコーポレート部門や株式上場を控えたIPO準備企業の採用ニーズが顕著です。
これらの求人では、IR戦略の立案・実行や統合報告書作成、海外機関投資家との関係性強化など、より高度な経験やスキルが求められており、企業価値向上に直接的に貢献する役割が期待されています。
ここからは、IRの最新求人・転職情報を紹介します。
なお、本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。JACが取り扱う求人は、大半が非公開となっています。そのため、非公開求人も含め労務に関する求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。
転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性や希望に沿う求人を紹介いたします。
●非公開:IRスペシャリスト(海外投資家対応)/ Investor Relations Specialist【東証プライム上場 toB向けEC企業】
●大手エンタメホールディングス:IR・SR担当 (Investor/Shareholder Relations)
●中国塗料株式会社:【虎ノ門/IR担当】★プライム上場/目標は世界トップシェア/投資家の注目企業
●野村インベスター・リレーションズ株式会社:IRコンサルタント(転勤なし 野村グループの安定性魅力)
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年7月最新)
未経験からIRに転職できるのか
IRは、企業と投資家との間をつなぐ窓口としての役割を担うことから、高度な専門性と実務対応力が求められます。そのため、関連する実務経験がまったくない未経験者が、いきなりIRの専任担当者として採用されるケースはまれであり、容易ではありません。
実際の業務では財務諸表の読解、業績説明資料の作成、投資家対応、株主総会での発言管理、さらには英語による資料作成や対話の機会も多く、財務・経理領域の基礎的な知識だけでなく、企業経営や資本市場に関する理解、語学力などが求められます。そのため、未経験からIRへの転職を目指す場合は、まず広報、経営企画、財務・経理部門など、IRと関連性の高い部署で実務経験を積み、必要なスキルセットを段階的に身につけていくことが必須となります。
例えば、広報職における対外資料作成や経営企画での事業戦略立案経験、財務での予算・決算業務などは、IRに必要な基礎スキルを有しているとして評価されることがあります。同様に、財務・経理部門の決算業務経験や営業企画部門での市場分析の経験なども、IR業務を遂行する際に役立つことがあります。
また、IR専任部署が未設置の中小企業やスタートアップでは、広報・経営企画などがIR業務を兼務しているケースもあります。このような企業に入社し、兼務を通じてIRのスキルと経験を獲得するのも一つの方法です。
IRへの転職で求められる経験・スキル・マインド・資格
ここでは、IRへの転職で求められる、次の4つの素質について解説しています。
- ・株主・投資家対応に近い業務経験(経営方針説明・財務報告書作成など)
- ・ストーリーテリング能力・プレゼンテーション能力
- ・「企業価値向上に貢献したい」という強い志向や、高い責任感
- ・IR・財務関連資格(IRプランナー検定・財務報告実務検定など)
株主・投資家対応に近い業務経験(経営方針説明・財務報告書作成など)
IRの主な役割は、企業の事業活動を株主や機関投資家に対して明確かつ戦略的に伝えることであり、経営方針や業績見通し、財務状況を的確に説明する力が強く問われます。
そのため、過去に経営企画部門で中期経営計画の策定や取締役会への報告資料を作成した経験、財務・経理部門で決算短信や有価証券報告書などの法定開示書類の作成に携わった経験は、IR業務と親和性が高いと評価され、採用選考でも優遇されることがあります。また、上場企業での開示実務、株主総会対応、コーポレートガバナンス報告書の作成経験などがあれば、ほかの転職希望者と差別化を図れることもあります。
IRへの転職を目指す際は、自社内での開示関連業務や財務・企画業務への関与を通じて、経験の地盤を固めておくことを意識しましょう。
ストーリーテリング能力・プレゼンテーション能力
IRには、投資家の関心を引きつける表現力も求められます。
単に数字や専門用語だけを並べたプレゼンテーションでは、投資家の理解や共感を得ることはできません。企業の存在意義や将来像、そして経営陣のビジョンなどを、一貫性のある魅力的なストーリーとして構築し訴求する力が必須となります。
例えば、新規事業の位置づけ、グローバル展開の狙い、ESG施策の意図など、さまざまな情報を一つの戦略として体系化し、聞き手が納得できる流れで伝える能力は、IR担当者として活躍するうえで欠かせません。また、決算説明会やアナリスト向けの面談では、論理性と感情のバランスを保ったプレゼンテーションスキルが評価されます。パワーポイント資料の構成力や質疑応答における臨機応変な対応力も含め、コミュニケーション力の総合値が問われる職種といえるでしょう。
「企業価値向上に貢献したい」という強い志向や、高い責任感
IR担当者は、情報開示の担当者であると同時に、企業価値向上のための戦略に貢献する役割も担います。そのため、「株価を意識した経営に貢献したい」「自社の価値を市場に正しく評価してもらいたい」といった、企業価値向上への強い当事者意識が求められます。
また、単なる受け身の姿勢ではIRとしての本質を果たすことはできず、自社の事業の強みや課題を自発的に整理し、「投資家からの信頼を得るために今何を伝えるべきか」という発想をもてる主体性も重視されます。
加えて、株価に大きな影響を与える可能性のある未公開情報や経営の機密情報に触れる機会も多いため、極めて高い倫理観と責任感も不可欠です。
IR・財務関連資格(IRプランナー検定・財務報告実務検定など)
IRへの転職を目指す場合、関連資格の取得も有効です。
例えば、日本IR協議会が認定するIRプランナー検定は、IRの基礎から実践までを体系的に学べるため、特に実務未経験者がIRの知識を身につける際に有効です。
企業の財務報告に関する実務能力を測る財務報告実務検定や、高度な証券分析とポートフォリオ・マネジメントの知識を証明するCMA(日本証券アナリスト協会認定アナリスト)も、財務会計の基礎などIR業務に直結する知識を体系的に学べることから、IRとしての専門性を高めるうえで価値の高い資格といえます。
参照:日本IRプランナーズ協会
参照:財務報告実務検定
IRへ転職した場合の年収相場
IR担当者の年収は経験や企業規模、市場区分に応じて大きく変動します。
20代前半でIR職に就く場合は400万円〜500万円程度が相場です。その後、実務経験を積み、IRの一連の業務を一人で遂行できるようになった30代の中堅クラスになると、年収は600万円〜700万円前後まで上昇します。さらに、IR戦略の立案やチームマネジメントを担う40代以上のマネージャーや部長クラスになると、年収800万円以上に達するケースが増えます。
また、企業のIR活動の最高責任者であるIR部長やCIR(Chief IR Officer)などの経営幹部クラスのポジション、海外投資家対応の比重が大きいプライム上場企業、あるいはボーナスやインセンティブの割合が高い証券会社や外資系企業では、年収1,000万円~1,500万円程度、あるいはそれ以上の年収が視野に入ることがあります。
一方、ほかの管理部門職種と比較すると基本年収の水準はやや控えめであるという見方もあります。しかし、企業のIRに対する採用ニーズは伸長しているため、需要の高まりとともにIRの年収水準も上昇していく可能性が期待できます。
IRの転職事例
本章では、JACが提供する転職支援サービスを利用し、IRへの転職を実現した事例を紹介します。
IRとしての専門性を活かし、キャリアアップと年収アップを実現した転職事例
Lさん(30代後半/女性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | アウトドアメーカー | IR | 600万円 |
| 転職後 | 化学メーカー | IR | 950万円 |
Lさんは、新卒で金融機関に入社後、融資業務や債権管理、M&Aアドバイザリー業務などを経験し、その後、海外でもキャリアを築くなど、金融業界を中心にグローバルな環境で多様な経験を培ってきました。直近では、プライム上場企業にてIR組織の立ち上げフェーズから参画し、IRプレイングマネージャーとして実務全般を担った実績もあります。しかし、企業の上場廃止にともないポジションがクローズとなったことから、IRのキャリアを継続すべく転職活動を開始されました。
JACのコンサルタントは、Lさんの高い情報分析力とプレゼンテーションスキル、さらに投資家とのリレーション構築力に注目し、機関投資家向けのIR業務を担うポジションを提案しました。結果として、Lさんの語学力と柔軟な対応力が高く評価され、プレイングマネージャーとしての採用が決定しました。
この転職事例は、外部要因によるポジションクローズという状況を乗り越え、自身の専門性を活かしながら、年収950万円という大幅な年収アップを果たした好例です。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
IR統括責任者としてバイオテック業界へ転職した事例
Bさん(50代前半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 総合商社 | 外為管理マネージャー | 2,000万円 |
| 転職後 | バイオテクノロジー企業 | IR統括部長 | 2,500万円 |
Bさんは、総合商社に入社後、資金調達や管理業務、財務戦略などに長年従事し、国内外のグループ会社で管理職として、多様な角度から企業価値向上に取り組んできた実績をお持ちです。ステークホルダーとの関係構築にも定評があり、豊富なビジネス経験と柔軟なコミュニケーション力を兼ね備えた方です。
転職を検討し始めた背景には、よりダイレクトに企業価値向上に関与できるポジションに対する関心が高まったことにありました。JACのコンサルタントは、Bさんの財務・IR領域での豊富な知見と、グローバル企業で培った戦略構築力に着目しました。その結果、企業成長を支えるIR機能の強化を図るバイオテック企業の統括ポジションを提案しました。
Bさんのこれまでのキャリアと企業が求める要件が合致し、IR部門の責任者としての採用が決定。
今回の転職は、積み上げてきた専門性とマネジメント経験を活かしつつ、戦略的視点で企業価値の最大化に貢献する新たなキャリアを実現した好例といえるでしょう。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
金融系企業のIR担当へ転職した事例
Nさん(30代前半/女性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 企業調査会社 | IR | 600万円 |
| 転職後 | 金融系企業 | IR | 950万円 |
Nさんは、大学卒業後に企業調査を行う会社へ入社し、法人営業および与信調査業務を経験しました。その後、IT系企業へ転職し、IR業務を中心に株主対応やストックオプションなどの株式関連業務、ガバナンス・サステナビリティ対応など、経営に近い立場で多様な業務を担ってこられた方です。
IR業務の枠にとどまらず、経営企画領域まで視野を広げたいという志向を持ち、経営視点で企業成長に貢献できる環境を求めて転職活動を開始しました。JACのコンサルタントは、Nさんが培ってこられた実務スキルの幅広さと、社内外との調整を円滑に行うコミュニケーション力に着目。IR体制の強化を進めていた金融系企業のIRポジションを提案しました。
結果として、Nさんのこれまでの業務経験が即戦力として高く評価され、採用に至ったのです。
今回の転職を機に、NさんはIR領域で培った実務力を基盤に、より経営に近い領域へと活躍の場を広げることができました。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
IRへ転職後のキャリアパス
本章では、IRから描ける次の3つのキャリアパスについて解説します。
- ・IR幹部・CIRへの昇進
- ・広報・PR部門や財務・経営企画部門への転職
- ・コンサルティングファームなどのアドバイザリー
IR幹部・CIRへの昇進
IR担当としてのキャリアを着実に積み重ねることで、部門責任者やCIR(Chief IR Officer)への昇進を目指す道が拓かれます。特に、企業の中長期的な成長戦略に基づいたIR戦略の策定や、株主との長期的な信頼関係の構築に、実績を残している場合、その専門性とマネジメント能力が高く評価されます。その結果、経営層に近いポジションへの昇任が実現することがあります。
近年はIRの機能強化が求められる風潮があり、IR幹部への需要も高まっています。このような背景もあり、IR幹部・CIRポジションを新たに設置する企業も増えている状況にあります。経営の意思決定に深く関与できるポジションであり、IR領域から企業の成長に寄与したいと考える方にとって、魅力的でやりがいを感じられるキャリアパスです。
広報・PR部門や財務・経営企画部門への転職
IRの経験を積んだ後、広報・PR部門、もしくは財務・経営企画部門など、ほかのコーポレート機能を担うポジションにキャリアチェンジするケースもあります。
IRには、社内外の多様な情報を集約・分析し、戦略的に発信する能力が求めらています。そのため、企業のブランディングを担う広報やPRとも親和性が高く、比較的スムーズなキャリアシフトを実現できると考えられます。
また、IRは経営陣と折衝する機会や、財務・経営企画と協働することも多い立ち位置です。それにともない、予実管理や中期経営計画の策定などの業務に対する理解が深まりやすく、経営参謀的なポジションへの転身も十分に視野に入ります。
IR経験者は他部門への横展開も含めて多様なキャリアパスを描くことができます。汎用性の高いIRスキルを無駄にしないよう、中長期的な視点から自身のキャリアを設計しておくことが大切です。

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コンサルティングファームや独立系アドバイザリーファームに転職し、外部から企業のIR活動をサポートするキャリアもあります。特に、上場準備企業向けのIPO支援、ESG戦略構築支援、英文開示対応支援といった分野では、実務経験のあるIR出身者が重宝されています。さらに大手ファームでは、投資銀行や財務アドバイザリー部門との連携も必要になるため、IR実務を通じて財務諸表の読解力や経営陣との対話力を養ってきた経験があれば、採用選考で優遇されることもあります。
また、近年ではアクティビスト対応や企業価値向上戦略など高度で戦略的なIR支援を求める企業も増えています。IR実務で培った知見を基盤としたアドバイスは、支援を求める企業にとって有益性が高く、重宝されるでしょう。

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業界のプロがあなたにあった転職支援を行います 今現在、 経験を活かして異業界への転職を検討している 業界内でより自分にあった企業へ転職したい より年収を上げたい 上記のようなお困りごとがございましたら、私たちJACへ相談… 続きを読む コンサルティングファームの転職情報
IRへの転職なら、JAC Recruitment
IRへの転職は、企業と投資家の橋渡しを担う極めて専門性の高いキャリアを目指すことを意味します。このような高度な専門性と実務力が求められる職種への転職を成功させるには、転職市場動向と企業の採用ニーズを深く理解した転職エージェントの活用が不可欠です。
その点、JACのコンサルタントは、IRが単なる情報開示担当ではなく、財務、会計、経営戦略、そしてコミュニケーションといった多岐にわたるスキルが求められる経営の中枢機能であることを深く理解しています。そのため、経歴やキャリアビジョンに適したポジションの紹介にとどまらず、書類選考や面接対策においても、これまでのキャリアで培った経験やスキルがIRというフィールドでどのように輝くのかを丁寧に見極めることができます。そのため、応募先企業に対して効果的にアピールできるよう、的確なアドバイスが提供できます。
また、JACでは、一般的な転職サイトでは公開されていない、企業のIR部長候補やIPO準備企業のIR責任者など経営層に近いポジションも取り扱っています。これまでの経験を最大限に活かせる求人と出会える可能性にも期待できるでしょう。
IRというキャリアを築くにあたって、自身の能力を最大限に発揮できる満足度の高い転職を実現したいと考える方は、ぜひJACにご相談ください。

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