経理40代の転職事情|平均年収や求められるスキル経験を解説  

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公開日:2025/09/30 / 最終更新日: 2025/09/30

経理分野で豊富な実務経験を持つ40代のハイクラス層は、今、転職市場で高い注目を集めています。管理職やスペシャリストとして培ってきたスキルは、企業の即戦力として強く求められ、採用ニーズは高まる一方です。

本記事では、 JAC Recruitment(以下、JAC)の転職サポート事例をもとに、40代の経理経験者の転職事情や求められるスキル、経験などについて解説します。

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経理40代の現状と転職動向    

経理は慢性的な人手不足にあり、40代の経理転職市場は売り手市場が続いています。実務経験がある方であれば、40代でも十分に転職のチャンスがある状況です。

本章では、JACが取り扱う求人を例に、40代の経理職の転職動向についてご説明します。

幅広い業界で採用活動は活発に

さまざまな業界において経理経験者を求める採用活動が活発化しています。経理の知識は、業界を問わず生かすことができる汎用性の高いスキルです。そのため、業種にこだわらず転職のチャンスが広がっている点は、経理経験者の大きな強みだといえます。

JACの取り扱い求人を見ると、EMC業界での募集が非常に多く、特に、機械・装置の分野、化学メーカーでの募集が目立ちます。
また、食品・飲料メーカーを中心とした消費財業界での経理職の募集も多くなっています。そのほか、IT・通信業界、医療・バイオ業界、建設・不動産業界などでも積極的な採用がなされており、40代の経理経験者が活躍できるフィールドは大きく広がっているといえるでしょう。

管理職や管理職候補者求人の増加

経理の実務だけでなく、経理部門全体のマネジメントも担える方を募集する求人が多い点は、40代を対象とした経理求人の特徴です。内部統制の強化や財務リスクの低減、業務プロセスの改善などを目的とした採用が増加しており、目標達成に向け、組織をマネジメントできる能力がある方を募集する傾向が高まっています。

高い専門性と経理を越えた業務領域の知識・経験が求められる傾向に

経理は専門性が高い職種であり、40代で経理の実務の経験がある方を求める企業は多くあります。
しかしながら、40代の経理経験者に求められるハードルが高まっているのも事実です。決算業務や税務申告などのほか、監査対応、ERP導入に関連する業務、内部統制整備に関わる業務、海外子会社との連結決算業務など、経理にとどまらない財務や経営に関する知識をもつ方への求人も少なくありません。

成長企業におけるIPOを見据えた求人の増加

IPOを実現するうえでは、透明性が高く、正確、かつ詳細な財務情報の報告が求められます。株式公開をするためには、証券取引所の審査を通過しなければなりません。
そのためには、正確な財務諸表の作成が必要になるほか、コンプライアンスの徹底も求められ、内部統制の整備も進める必要があります。

会社のお金を管理する経理は、IPO準備に向けた重要な役割を担う部門です。そのため、成長企業がIPOを見据え、上場企業における経理経験者やIPO準備経験のある経理経験者への求人も増加しています。

経理40代で求められるスキル・経験・マインド

JACの取り扱い求人や転職サポート事例を見ると、40代の経理職への転職希望者には次のようなスキルや経験、マインドが求められる傾向にあります。

海外子会社も含めた連結決算の経験・IFRSに関する知識

グローバル展開を進める企業での経理職の募集が多く、海外子会社を含む、グループ会社全体の連結決算業務経験者への求人が増加中です。日本法人と海外法人では会計基準が異なるため、IFRSから国内基準へ、国内基準からIFRSへの組み換え経験などは、転職時に高く評価されます。

また、日本国内でもIFRS導入に向けた取り組みを進める企業は増加しており、IFRSに関する知識や実務経験のある経理経験者求める声も増してきています。

参照:IFRS検定(国際会計基準)

簿記や会計に関連する資格

経理職では、簿記や会計に関連する資格保有者が歓迎され、日商簿記1級、税理士、公認会計士、USCPAなどの資格保有者への求人が多く見られます。特に海外事業を展開する企業ではUSCPAが重要視されます。

また、経理・会計に関する資格ではないものの、海外子会社を持つ企業では英文資料の読解・作成のため、TOEICのスコアやビジネスレベルの英語力も求められる傾向にあります。

参照:日商簿記

J-SOXや内部統制に関連する知識

2008年に導入されたJ-SOX法(内部統制報告制度)が大きく改定され、2024年4月1日以降に開始する事業年度については、新たな制度に則った対応が求められています。適切な内部統制報告書の作成とJ-SOX法の遵守は、企業の信頼性を高めるうえで必要不可欠な対応です。
しかし、正確な内部統制報告書の作成にあたっては、複雑なJ-SOX法や内部統制に関する知識が求められ、外部からJ-SOX法に詳しい経理経験者を採用する動きも高まっています。
特に、IOP準備企業などではJ-SOXに関する知識や実務経験は高く評価されるでしょう。

参照:内部統制報告制度(J-SOX)

経理40代の平均年収は741.9万円  

JACのサポート事例を見ると、40代で経理職へ転職された方の平均年収は、741.9万円です。
また、40代を前半と後半に分けると40代前半の平均年収は703.3万円、40代後半の平均年収は782.7万円となっており、年齢が上がるほど年収も高くなっています。

40代平均年収40代前半の平均年収40代後半の平均年収
741.9万円703.3万円782.7万円

ただし、経理職の場合、年収に与える影響は、年齢よりも役職の違いが大きいようです。メンバークラスの平均年収は642.9万円であるのに対し、課長以上の管理職の平均年収は871.1万円と、200万円以上の差が生じています。管理職の中でも部長職以上の役職に就いた方の年収はさらに高額となり、その平均は1,093.6万円です。

職位メンバークラス管理職
平均年収642.9万円871.1万円

この状況から、40代の方が高年収での経理転職を希望する場合、管理職に就くかどうかが大きなポイントになるでしょう。

経理40代の転職を成功させる4つのポイント

40代の経理経験者への求人は多数あるものの、必ずしも転職で理想のキャリアを実現できるわけではありません。40代で経理職への転職を成功させるためには、自身のスキルや実績を積極的にアピールする必要があります。
ここでは、転職を成功に導く4つのポイントをご紹介します。

実務経験と資格で成長意欲を示す

40代の経理転職成功者には、連結決算やIFRS対応、有価証券報告書の作成経験など、幅広い実務経験に加え、公認会計士やUSCPAなどの資格保有者が多く見られます。

資格の取得は、専門知識の裏付けとなるだけでなく、高い自己成長意欲のアピールにもつながります。実務経験があっても資格を保有していない場合は、資格を取得することで転職を有利に進められる可能性があります。

マネジメントや人材育成実績の強調

実務経験によって培われた専門知識に加え、メンバーの業務分担や進捗の管理、人材育成など、経理部門におけるマネジメントに関わった経験は、転職時の大きなアドバンテージとなります。

経営判断にも関わる重要な書類を作成する経理は、ミスが許されない部門です。
また、慢性的な人員不足が続く経理部門では、既存メンバーのレベルアップも喫緊の課題となります。

メンバーの育成は、業務効率の改善と作業の正確性の向上だけでなく、自社のビジネスに関する理解を深め、経営的な視点を育成させていくものです。これまで、経理部門の管理者として、マネジメントや人材育成に携わった実績がある場合、実践した施策や成果を具体的にアピールすることが高い評価につながります。

経営視点に基づく管理会計や予実管理の経験のアピール

経理は、経営層に対し、貸借対照表や損益計算書といったレポートを提出し、適切な経営判断をサポートします。
そのため、経営視点を兼ね備える経理経験者は、高い評価を得る傾向にあります。
具体的には、財務状況の分析やコスト構造、収益性などの可視化データの作成、戦略立案や経費の削減に関する管理会計業務、予実管理に携わった経験が、経営視点のアピールにつながります。これらの経験によって培った視点を生かし、業務にどのように反映させてきたのかを論理的に説明できるよう準備しましょう。

外部専門家との連携・折衝に生かせるコミュニケーション能力のアピール

経理職では、顧問税理士と連携し、税務申告業務を進めます。
特に決算期の前後や税制改正のタイミングでは、税理士との密な連携が欠かせません。
また、上場企業の場合、上場会社等監査人登録制度に登録された公認会計士や監査法人による監査が義務付けられています。監査法人から何かしらの指摘を受けた場合、経理が中心となって対応を行う必要があり、ときには自社の主張を伝えるなど、折衝が必要になる場面もあります。

外部の専門家と良好な関係を構築するためには、経理や会計に関する専門的な知識のほか、相手の主張をしっかりと理解し、自身や自社の考えを分かりやすく伝えるコミュニケーション能力が必要です。40代は、経理部門の管理職に就くケースも多く、外部の専門家との連携・折衝経験が転職時に高い評価につながります。

経理の転職サポート実績が豊富な転職エージェントの活用

40代で経理職に転職する際には、転職エージェントの活用も検討すべきです。
40代で転職を検討する理由は、キャリアアップや年収アップ、ワークライフバランスの充実など、人によってさまざまです。
しかし、求人情報だけでは、将来的に叶えられるキャリア像や業務負担の大きさなどまでは把握できないケースも少なくありません。

転職エージェントでは、求人の募集背景や経理部門のメンバー構成、担当業務、企業風土など、求人票だけでは把握できない詳細な情報の提供が可能です。
さらに、求人サイトなどには公開されていない非公開求人の紹介を受けることもできます。より間違いのない転職活動を進めるためにも、より多くの選択肢から自分の希望に合った求人に出会うためにも、経理の転職サポート実績を豊富にもつ転職エージェントの活用をおすすめします。

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経理40代の転職成功事例

JACでは、40代の転職希望者を多数サポートしてきた実績があります。ここでは、当社のサポートによって経理職への転職を成功させた40代の方の事例をご紹介します。

製造業の経理からICT関連メーカーの経理への転職

Fさん(男性/40代後半)

 業種職種年収
転職前製造業経理/財務統括管理850万円
転職後ICT関連メーカー経理部長1,000万円

Fさんは、外資系半導体メーカーなどで経理の職に就き、決算処理や財務計画、財務分析などに携わってきました。その経験を生かし、日系企業の海外子会社の経理部門責任者の職へ転職した実績があります。その後、上場企業の複数の海外拠点において経理部門責任者、経理・財務部門統括管理責任者などを歴任。長く海外生活を続けていましたが、40代後半となり生活基盤を日本に戻したいとの希望が強くなって、転職を決意されました。

当社では、Fさんの意向を尊重し、さらにFさんの海外での経理・財務に関する経験を最大限に活用できる業務として、ICT関連メーカーの経理部長の求人をご紹介。海外拠点を含めた連結決算や財務分析などを中心とした業務であり、経理部門全体のマネジメントとグループ会社の経理部門の指導を行うポジションです。

Fさんの海外拠点での経理・財務業務の豊富な実務経験、新たな環境や異なる価値観を受け入れてきた柔軟性が高く評価され、年収もアップしての入社が決定しました。

経理40代の転職ならJAC Recruitment

JACは、管理職やミドルエイジの転職を多く支援しています。40代経理経験者の専門知識や、業務の中で培った経営視点、マネジメント経験を求める企業は少なくありません。
しかし、企業によって求めるスキルや任される業務は異なります。
また、経理は経営に大きく関わる部門であり、転職するうえでは企業の経営方針やビジョン、企業風土も理解しておくことが重要です。

JACでは、求人企業を担当するコンサルタントが、転職希望者も担当し、求人票だけでは捉えきれない詳細な情報を提供しています。
さらに、転職目的や転職先の希望などを丁寧にヒアリングしたうえで、理想のキャリア形成につながる最適な求人をご紹介します。

経理職は忙しいケースが多く、仕事をしながらの転職活動は簡単ではないはずです。JACでは、求人の紹介から面接のセッティング、応募書類の添削、面接時のアドバイスなど、転職活動を総合的にサポートしています。これまでの経験と実績を生かし、経理として新たな環境でチャレンジしたいとお考えの場合は、ぜひ、経理の転職サポート実績を豊富にもつJACにご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


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