弁理士は転職で有利に働く?弁理士が生かせる最新求人も紹介

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公開日:2025/08/05 / 最終更新日: 2025/08/05

知的財産に関する専門家として、特許権や商標権などの産業財産権に関する手続きを代理する国家資格である弁理士。

本記事では、弁理士が生かせる転職先候補や弁理士が生かせる最新求人・転職情報をJAC Recruitmentが解説いたします。

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弁理士の転職市場動向


弁理士は、知的財産に関する専門家であり、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産権の取得や活用、保護に関する手続き代理や相談業務を独占的に行うことができる国家資格です。短答式筆記試験、論文式筆記試験、口述試験の3つの試験で構成された弁理士試験に合格し、4カ月間の実務修習を修了した後、弁理士登録を経て「弁理士」と称することが可能になります。

2025年4月時点における弁理士の総数は11,853名と、ほかの主要な士業と比較して少数にとどまることから、希少性が高い存在であることがわかります。また、全体の年齢構成を見ると、50代以上が過半数を占めており、高齢化が進んでいます。
特許庁の「特許行政年次報告書2024年版」によると、2023年の特許出願件数は前年比3.6%増の300,133件、PCT国際出願件数は47,372件と、いずれも高水準を維持しており、知的財産を取り巻く実務需要の堅調さが示されています。
一方で、AIの進展により一部では「弁理士業務の自動化」が議論されていますが、現段階では明細書の下書きや中間処理の効率化にとどまっており、開発者との折衝や出願戦略の立案、審査対応など、専門的な判断が求められる業務では、依然として人間である弁理士が業務推進の中核を担います。

総じて、弁理士は依然として専門性と実務対応力の高さから多くの企業で高い評価を得ています。とりわけグローバルな案件に対応できる語学力や特定の技術分野における深い専門知識、さらには法務的な知見も兼ね備えた弁理士に対するニーズは、今後も堅調に推移すると予想されます。

出典:日本弁理士会
出典:「日本弁理士会について-会員分布状況」(日本弁理士会)
出典:「特許行政年次報告書2024年版(国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状)」(特許庁)

弁理士が生かせる転職先候補


本章では、弁理士が生かせる、次の2つの転職先候補について解説します。

● 企業内の知的財産部門
● 特許事務所(特許法律事務所)

企業内の知的財産部門

IT企業、製薬会社、メーカーなど、技術開発やブランド戦略に力を入れる多くの企業では、自社の知的財産を戦略的に管理・活用するための専門部署として知的財産部門を設置しています。企業内弁理士は、知的財産部門に所属し、自社の事業戦略を踏まえながら、発明の権利化から権利活用、他社特許対策まで幅広い業務に従事します。
具体的には、研究開発部門と連携し、特許性や事業貢献度を評価したうえで国内外への出願戦略を策定・実行します。また、取得した知的財産権をライセンスアウトして収益化を図る、他社の権利を侵害しないようにクリアランス調査を実施する、他社からの権利侵害に対して警告や訴訟対応を行うなど、知財ポートフォリオの構築や管理も業務に含まれます。

各業務の遂行において、弁理士であることは必要な専門知識と法的理解を持ち合わせていることの証明となり、キャリア形成を進める際にも有利に働くと考えられます。近年はグローバル展開を進める企業が増えており、英語による特許文書の読解や外国代理人とのやり取りを担える弁理士は、特に重宝される傾向にあります。

>>内部監査の転職事情

特許事務所(特許法律事務所)

特許事務所は、国内外の企業や大学、研究機関などをクライアントに擁し、知的財産権の取得・保護に関するサービスを提供する組織です。弁理士にとって一般的なキャリアパスの一つであり、審査過程における中間処理、権利取得後の年金管理、知的財産に関する調査・鑑定など、多岐にわたる業務を担います。グローバルに事業を展開する企業や外資系企業のクライアントが多い特許事務所では、英語力が求められることもあります。

なお、多くの特許事務所では、各弁理士が電気・電子、機械、化学、バイオテクノロジー、ITなど、それぞれが専門とする技術分野を担当し、クライアントの技術内容を深く理解したうえで、最適な権利取得戦略を提案・実行します。
多様なクライアントのさまざまな技術に触れながら専門性を高めたい、あるいは将来的に独立・開業を目指したいと考える弁理士にとって、特許事務所は自身のスキルを磨き、キャリアの土台を築ける転職先となるでしょう。

弁理士が生かせる最新求人・転職情報


一般的に、弁理士が生かせる求人は、給与水準が高く、高年収を実現できる可能性が期待できます。一方、専門職であるがゆえに中途採用の枠が限られており、結果として競争倍率が高くなりやすい側面もあります。そのため転職活動では専門性を訴求するだけに終始するのではなく、新しい技術領域や法制度の変更に迅速に対応できる柔軟性、もしくは語学力などプラスアルファの能力をアピールすることが大切です。
特に、近年は、医薬やバイオテクノロジーなどのライフサイエンス分野とAI技術に関連した分野の知的財産案件が世界的に増加しています。このような社会背景もあり、ゲノム編集技術のような先端医療技術に関する権利保護やAI関連発明の特許性判断など、新領域に対応できる弁理士への注目は急速に高まっています。

また、日本企業のグローバル進出の加速や海外企業との技術提携・競争が活発化するにともない、英語力はもちろん、諸外国の知財制度に精通し、国際的な案件をスムーズに処理できる国際対応力を備えた弁理士に対する需要も伸長しています。

ここからは、弁理士が生かせる最新求人・転職情報を紹介します。
なお、本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。JACが取り扱う求人は、大半が非公開となっています。そのため、非公開求人も含め弁理士が生かせる求人の紹介を希望する方は、ぜひJACにご登録ください。
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>>非公開求人について詳しく知りたい方はこちら

アルプスアルパイン株式会社:知財(弁理士) ※管理者候補
非公開企業:弁理士/特許技術者
三枝国際特許事務所:機械電気部 弁理士(管理者候補)
非公開企業:知財弁理士
三枝国際特許事務所:化学部 弁理士
中外製薬株式会社:特許担当者 / Patent Attorney
三井金属鉱業株式会社:知的財産部 兼 総合研究所 知的財産室
大手グローバル空調メーカー:知的財産職(知財契約)
非公開企業:知財担当/プラスチック分野のパイオニア企業

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年7月最新)

弁理士を生かした転職後の年収目安


厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、弁理士の平均年収は約765.3万円であり、専門性の高さが報酬に反映されている様子がうかがえます。ただし、本数値はあくまで全体の平均であり、実際の年収は勤務先の企業規模や種類、経験年数、専門分野、役職、担当する業務内容や成果によって大きく変動します。

また、企業内の知的財産部門もしくは特許事務所どちらに在籍するかによっても年収は大きく異なり、一般的に、企業の知的財産部門に転職した場合の年収相場は500万〜700万円程度が目安となります。また、大手企業や上場企業では、800万円以上の水準も実現可能な範囲であり、マネジメント職や知財戦略の中核を担うポジションになると、900万円超も視野に入ります。さらに、一部の企業では資格手当として弁理士を持つ社員に対して、月2〜10万円程度の手当を支給しているケースもあります。一方、特許事務所では、出来高制を採用している場合が多く、成果や貢献度に応じて収入が増減します。経験年数を重ね、担当案件を増やすことで、年収も比例して上昇するでしょう。

高年収とされる800万円以上のポストに目を向けると、企業内弁理士であれば知財戦略全体を統括する部長クラスや大企業における専門職などが該当します。特許事務所では、マネージャー級の弁理士や将来的に事務所経営にも参画するパートナー候補などのポジションに就くことで高年収を実現できる場合があります。

出典:「弁理士」job tag(厚生労働省職業情報提供サイト)

【年代別】弁理士を生かして転職を成功させるポイント


ここでは、弁理士を生かして転職を成功させるポイントを20代から50代までの各年代別に解説します。

20代で弁理士を生かして転職を成功させるポイント

20代の弁理士、あるいは弁理士試験合格者は、実務経験が浅い、またはこれから実務経験を積む段階にあるため、採用選考ではポテンシャルや学習意欲が重視されます。そのため、採用選考では、弁理士を目指した理由や将来的にどのような弁理士になりたいのかといったビジョンと熱意を伝えることが重要です。また、学生時代の研究内容や得意な技術分野を絡めながら、自身の強みとなる領域をアピールするのもよいでしょう。
転職先を選定する際は、実務経験をしっかりと積める環境を選ぶことが大切であり、分野や業務内容にこだわりすぎず、成長機会の多い環境を選ぶことを推奨します。また、語学力やITリテラシーなど、専門知識以外のスキルも磨いておくと、将来的に国際出願やAI関連知財など、需要が高い分野へのキャリアを展開できるようになります。

30代で弁理士を生かして転職を成功させるポイント

30代は、弁理士としての実務経験を積み、専門性が確立され始める年代であり、即戦力としての活躍が期待されます。そのため、多くの企業では、明細書作成や中間処理、出願戦略立案といったコア業務を経験していることが前提になります。加えて、マネジメントの経験や語学力などの付加価値の高い経験や能力が求められるケースも少なくありません。
転職先を選ぶ際は、自身の専門分野と親和性の高い企業・ポジションに注目するとともに、将来的なマネジメント職への昇任や海外案件への関与など中長期的なキャリアパスも考慮しながら応募先企業を選定しましょう。また、給与アップだけを目的とせず、専門性の深化とキャリアの広がりが両立する環境を選ぶことが大切です。

40代で弁理士を生かして転職を成功させるポイント

40代は専門職としての完成度が問われる時期であり、即戦力性とマネジメントスキルの両方が評価の対象になります。企業の知的財産部門では、部下育成や業務フロー改善、M&A時の知財デューデリジェンス対応など、より戦略的かつ全社的視点を持った役割が求められるようになります。また、特許事務所でも、クライアントの知財戦略を提案・支援するコンサルティング的な役割を担うようになります。
転職活動では、これまでの実績を具体的に示すことはもちろん、自身の専門性や経験を生かして、応募先企業にどのような貢献ができるのか、経営的な視点を交えながら志望動機を語れるよう準備しておきましょう。
また、弁理士は、そもそもの求人母数が少ないため、40代になるとさらに求人の数が限定されます。そのため、転職エージェントを活用し、情報収集を怠らないようにしましょう。

50代で弁理士を生かして転職を成功させるポイント

50代で弁理士を生かして転職する場合、キャリアの「継続」ではなく「集大成」としての意識が重要になります。転職市場では、これまでの実績と知見を生かして、組織に対してより大きな影響力を発揮する役割が期待されます。具体的には、知財部門の責任者ポジションや特許事務所のパートナー候補、顧問としての採用が想定されます。業務範囲としては、知財ポートフォリオの構築、経営陣へのレポート、外部専門家との折衝など、経営視点での知財活用が主軸になると考えられます。
採用選考では、自身の経歴を丁寧に振り返り、転職先の組織に「どのような価値と影響をもたらすことができるのか」を、過去の実績を交えながら語れるように準備しておくことが大切です。また、50代で転職する場合、年齢による待遇面の制限が発生する場合もあるため、待遇面にこだわりすぎないようにしましょう。

弁理士の転職事例


本章では、JACが提供する転職支援サービスを利用し、転職を成功させた弁理士の事例を紹介します。

事業会社の知財部門に弁理士として転職した事例

Kさん(40代前半/男性)

 業種職種年収
転職前特許法律事務所法務・知財1,400万円
転職後メディカル・バイオ法務・知財1,350万円

特許法律事務所で弁理士として活躍していたKさんは、より事業に近い立場で知財の専門性を生かすべく、事業会社の知財部門へと転職を果たしました。Kさんは、メディカル・バイオ企業の開発職からキャリアをスタートし、在職中に弁理士資格を取得した後、特許事務所に転職して以降は、出願から契約、係争対応に至るまで幅広く対応し、マネジメントにも携わってきました。

転職を検討し始めた背景には、化学や製薬といったサイエンス分野への強い関心が根底にありました。現職ではサイエンス分野を担当する機会が少なく、年齢的な観点からも事業会社への挑戦は「今しかない」という強い思いのもと転職活動を開始。

JACのコンサルタントは、Kさんの高い専門性と国際的な経験、さらに製薬・化学領域への強い志向に注目し、研究部門や経営層と連携しながら知財戦略に取り組めるメディカル・バイオ企業のポジションを提案しました。Kさんが懸念していた面接対策についても、想定問答の準備や強みの言語化を丁寧に支援した結果、自信を持って選考に臨むことができ、無事内定に至りました。

今回の転職は、自身の専門性をより深く追求し、希望するサイエンス分野で企業の成長に直接貢献できる新たなキャリアを築けた好例です。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

EMC企業の知的財産職に転職した弁理士の事例

Nさん(30代後半/男性)

 業種職種年収
転職前特許事務所法務・知財500万円
転職後EMC(自動車・部品)法務・知財700万円

Nさんは、元々はメーカーでデータベースの構築や品質管理に携わっていましたが、在職中に知的財産への関心が高まり、弁理士に挑戦するとともに特許事務所へ転職し、明細書作成や中間処理業務などに従事してきた経歴のある方です。弁理士試験合格後は、長期的に安定した環境で専門性を高めたいという意向が強まり、事業会社の知財部門への転職を志すようになりました。

転職活動では、「知財の専門性をより広く深められること」「発明者とのコミュニケーションを通じて製品開発の上流に関わることができること」を重視し、弁理士としての専門性と英語での実務対応経験をアピールポイントに据えて活動を進めました。

JACのコンサルタントは、Nさんのソフトウェア領域への対応力や国際案件でのコミュニケーション力を高く評価し、特許・意匠の戦略的取得を担うポジションを提案しました。結果として、メーカーでの技術的バックグラウンドと事務所で培った経験が高く評価され、内定を獲得できました。

現在は、技術と法律の両軸で自身の専門性を高めながら、グローバルな知財戦略にも挑戦しています。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

研究・開発から弁理士資格を生かし、知財領域にキャリアチェンジした転職事例

Mさん(30代前半/男性)

 業種職種年収
転職前EMC(化学)研究開発700万円
転職後EMC(電気・電機)法務・知財750万円

Mさんは、理系のバックグラウンドを生かし、研究・開発職での経験を軸にキャリアを積み重ねてきました。複数の国や地域の技術トレンドを読み解き、グローバルなネットワークを活用して製品提案を行うなど、多面的な視点で事業を推進してきた経験を持ちます。これらの業務を通じ、知的財産に関わる機会が増えたことをきっかけに、知財の専門性を深めたいという思いが強くなり、弁理士資格を取得しました。
その後、キャリアの軸足を本格的に知財領域へ移すべく転職を決意したとのことです。

JACのコンサルタントは、Mさんの弁理士取得の背景やこれまでの研究開発・事業推進における課題解決力を高く評価し、戦略立案や契約交渉にも携われるEMC企業の法務・知財職を提案しました。企業からは、開発現場での経験や自己研鑽を惜しまない姿勢が評価され、法務・知財担当として転職を果たしました。

今回の転職は、理系のバックグラウンドと開発実務経験を強みに、新たなキャリアの軸を確立した好例といえます。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。