法務の転職事情

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新規事業開発や海外展開の活発化、コンプライアンスやガバナンスへの意識の高まりを背景に、法務職の求人が増加しています。法務職の転職市場動向、求められる経験・スキル、年収相場、転職成功のポイント、転職成功事例などについて、JAC Recruitment(以下、JAC)の法務職専任コンサルタントが解説します。

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法務の転職動向・求人の傾向とは?


法務職の求人は特にコロナ禍以降大幅に増えており、企業の採用にニーズに対して、採用が追い付いていない状況です。新規事業開発や海外展開、M&Aなど企業の動きが活発化するなか、従来の法務業務に加え、英文契約の対応件数が増加、新たな種類の契約の対応をしなければいけないなど業務量が増加していることから求人数も増えています。初めて扱う契約のノウハウがない、あるいはマンパワーが足りないといった事情から、業界・規模問わず法務職のニーズが高まっているのです。

また、世の中全体でコンプライアンスやガバナンスへの意識が強まっています。大手企業でも法令違反が発覚し、企業ブランドを毀損する事例が発生しています。法務職が担う役割として「リスク管理」「社内コンプライアンス教育」なども重要となっています。

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法務の転職は難しい?重視される3つのポイント


法務職の採用において、重視される3つのポイントをご紹介します。。

事業会社での法務経験

事業会社での法務業務において、どのような種類の契約を、どの程度の量こなしてきたのかが、選考で注目されるポイントです。応募企業のビジネスモデルに関連する法律を扱った経験が求められます。

部門にも寄り添ったコミュニケーション力

法律に則り、適切にできること、できないことを判断することはもちろん重要です。

しかし現在は、ビジネスを推進するとい観点でオペレーショナルに法務業務を行うだけよりも、各部門とのやりとりにおいてのコミュニケーションとりながら事業を推進していく力も重視されています。例えば、新規事業の検討において、ただ「NO」を突き付けるだけでなく、「どうすればできるか」を考え、実現をサポートするスタンスと力が求められています。

英語力・英文契約書の取り扱い経験

英語力・英文契約書の取り扱い経験があれば歓迎されます。求められる英語力のレベルは企業によって異なります。「英語の読み書きができれば可」とする求人が多く見られますが、商談に参加して会話ができるレベルを求められるケースもあります。

法務の年収相場は1000万円前後、年収アップのポイントは?


法務職の方が転職する場合の年収相場は下記のとおりです。

メンバークラス700万~1000万円
課長クラス900万~1200万円
※弁護士資格があれば1400~1500万円のケースも
部長クラス1200万~1500万円

業界や企業の給与水準、資格や英語力の有無によって増減します。現在、法務職のニーズが高まっているため、転職によって年収アップを果たす事例も多数見られます。

年収アップを目指すには

転職によって年収を上げやすくなるポイントとして「英語を使った実務経験」が挙げられます。英語力を磨き、現職で英語を使うチャンスがあれば積極的にチャレンジして経験を積んでおくと、年収アップにつながりやすいです。英語での実務経験を積める環境ではない場合も、TOEICスコアを上げておくことでチャンスを得られる可能性があります。

また、取り扱う契約の種類を増やす機会があれば、ぜひチャレンジしてください。各社ニーズが異なるので、「この契約を扱っていると有利」というものは特にないのですが、より多くの種類の契約を経験しておくことで転職時の選択肢が増え、給与条件がより良い求人への応募が可能になるでしょう。

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法務の転職理由とキャリアパス


法務職の方々はどのような理由で転職に踏み切っているのか、どのようなキャリアパスの可能性があるかについてお伝えします。

どのような転職理由が多いのか?

法務職の方々が転職を考える理由として、次のようなものが多く見られます。

●マネジメントを経験したい
●役職を上げたい
●柔軟な働き方がしたい(リモートワーク、フレックスタイムなど)
●英語力をより生かせる仕事がしたい

法務のキャリアパス

法務職のキャリアは、対応する契約の種類や、経験できる仕事の幅、例えば「コンプライアンス」や「商事法務」などへと範囲を広げていくことでキャリアの選択肢を広げていくことが可能です。

そのうえで、次のようなキャリアパスの可能性があります。

●自社内でスペシャリストとして専門性を極めていく
●自社内で管理職としてマネジメントを担う
●転職により、ポジションアップ、年収アップを狙う

現在は法務職の需要に対して供給が足りていないため、より大規模な企業に移るチャンスも広がっています。実際に、英語力があり司法試験に合格している法務職の方が、中堅メーカーから同業種の大手メーカーに転職を果たしている事例もあります。

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未経験の業界・起業規模への転職の可能性について


管理部門職は、比較的、業界の垣根を越えて転職しやすい職種といえます。法務職においても、未経験の業界に転職するチャンスは豊富にあります。

ビジネスモデルが似ていて、契約の種類が共通している異業界を狙えば、転職成功の可能性が高まります。ただし、「非製造業」から「製造業」への転職はハードルが高くなります。

規模・フェーズが異なる企業への転職も可能です。大手から中小企業やベンチャーへの転職への選択のみならず、ニーズが高まっている現在は中堅規模から大手に転職できる可能性もあります。

法務の転職を成功させる4つのポイント


法務職の方が転職を成功させるために意識しておきたいポイントを4つご紹介します。

経験・実績を数字で示す

書類選考においては、取り扱った契約の種類はもちろん、そのボリュームやスピード感が重視されています。どの程度の期間で、どれくらいの数の契約を手がけてきたか、数字で示しましょう。それによって応募企業が自社に合うかどうかを判断しやすくなり、入社後のミスマッチ防止につながります。

なお、面接では、職務経歴書に記載した業務について「全て1人で担当したのか」「チームで分担したのか」など、立ち位置や裁量範囲が問われますので、明確に伝えられるように整理しておきましょう。

キャリアビジョンを描き、伝えられるようにしておく

管理部門職全般にいえるのですが、今後、自身がどのようにキャリアを構築していきたいのか、プランやビジョンを描いておいてください。

特に大手企業においては、専門領域に特化してキャリア形成ができる「ジョブ型」の人事制度を導入している企業がある一方、ジョブローテーションが活発な企業もあるなど、キャリアパスが多様です。法務としての専門性を極めたいのか、経験の幅を広げたいのかによって選ぶべき企業が変わりますし、面接でもすり合わせをすることになります。中長期的に、法務職としてどのようなあり方を目指すのかを考えておきましょう。キャリアの方向性の検討については、JACのコンサルタントもサポートします。

事業部門とのコミュニケーション経験をアピールする

事業部門と連携した事例を振り返り、整理しておきましょう。例えば、新規事業プロジェクトに携わったり、事業部門が直面したトラブルを解決したりした経験がある場合、どのような課題に対し、関係者とどのようにコミュニケーションをとりながら解決や提案にあたったかを洗い出します。その事例を、職務経歴書では箇条書きで簡潔に記し、面接では具体的なエピソードとして語れるようにしておくといいでしょう。

部門との協業について、これまで機会がなかった方、積極的でなかった方も、意識的にコミュニケーションを図ることで、転職における企業からの評価が高まる可能性があります。

語学力を磨く

目標とする転職に対し、自身のスキルが足りていないと感じる場合、比較的短期間でプラスできるものとして「英語力」を磨くことをお勧めします。英文契約書を扱える法務職は重宝されるため、英語力アップが転職成功につながる可能性があります。

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必要な資格


法務職として転職するにあたり、資格は必須とはされません。なによりも実務経験が重視されます。

しかしながら、弁護士資格は歓迎されます。弁護士資格を持たずに未経験から法務職を目指す場合は、法科大学院(ロースクール)を修了していれば受け入れられる可能性があります。「ビジネス法務検定」はそれほど重視されませんが、学習意欲の高さが伝わり、好印象を持たれるかもしれません。

英語力をアピールする場合は、「TOEICスコア700点以上」が評価の目安となります。


法務職として転職を検討する方々からいただくことが多い質問にお答えします。

Q. リモートワーク、フレックス制度など、柔軟な働き方ができる求人はあるのでしょうか。

A. リモートワークについては、週に2~3日可能な企業が多く見られます。フレックスタイム制に関しては、フルフレックスを運用している企業は一部に限られ、コアタイムはさまざまであるものの、導入率は高いといえます。

Q. 仕事の進め方が気になります。企業によって大きく異なるものでしょうか。

A. 企業によって、「契約の種類によって業務分担」「顧客ごとに担当を付ける」「案件が入る都度、マネージャーが差配してアサイン」など、業務の振られ方や仕事の進め方が異なります。ですから「特定領域に特化したい」「多様な経験を積みたい」といった志向やキャリアパスの希望に応じて、マッチする企業を選ぶことが大切です。JACでは企業ごとの働き方も把握していますので、希望をお聞かせください。

法務職の転職事例


中堅メーカーから大手グローバルメーカーへの転職に成功した法務職の方の事例をご紹介します。

Tさん(30代半ば/女性)は新卒入社した大手企業を辞めて法科大学院に通い、司法試験に合格。1社目とは異なる業種の中堅メーカーに法務職として入社しました。しかし、育児と仕事のバランスをとることが難しくなり、「柔軟な働き方」と「グローバルな仕事」「年収アップ」を求めて転職活動を開始。大手グローバルメーカー・A社で採用に至りました。

A社では事業を整理する過程での売却・買収により、管理部門の工数が増えていること、海外展開を加速させていくことを背景に、法務職の増員が急務となっていました。Tさんが評価されたポイントは、司法試験合格、英語力に加え、法務に関する幅広い経験です。1社目は異職種で、法科大学院の通学期間もあったことから、年齢に対して法務実務に従事した期間は短かったのですが、契約法務、訴訟、M&A関連、新規事業関連と、多様な業務を経験していらっしゃいました。A社は「これまでの経験をベースに育成可能」と判断して迎え入れたのです。年収は150万円アップとなりました。

転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。

法務の転職成功事例|法務として中堅企業から大手グローバル企業に転職成功

法務の転職ならJAC


JACでは法務職に特化した専門チームを設けており、法務職に強いコンサルタントが約10名在籍しています。1人のコンサルタントが転職希望者とも求人企業とも直接対話する「コンサルタント型」であるため、企業の採用背景や求める人物像、選考で重視する要素、仕事の進め方など、求人票には書かれていないリアルな情報を入手しています。それらを踏まえ、転職希望者の志向やキャリアビジョンに合う選択肢をご提案します。応募書類作成や面接対策もサポートいたします。

中長期でキャリア構築に伴走しますので、転職の意思がまだ固まっていなくても、まずはお気軽にご相談ください。


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この記事を監修した転職コンサルタント

廣田祥司

廣田 祥司

管理部門専門ディビジョン 部長

大学卒業後、大手総合人材企業に入社。2017年にJAC Recruitmentに転職し、主に日系グローバル企業の管理部門職種(人事・経理・法務・総務・広報・監査など)を中心にコンサルタントとして転職希望者と採用企業とをご支援。2019年よりマネージャーとして、また2024年より部長として組織を牽引しております。ご経験やご志向に合わせた転職支援やキャリア形成の提案をさせていただきます。ぜひご相談ください。