医療機器業界の平均年収は787.2万円と高水準ですが、同じ業界でも「専門性」「事業への影響範囲」「意思決定への関与度」によって年収は大きく変わります。とりわけ、薬事、品質、SCM、事業企画、経営管理など経営に近い領域では、比較的早い段階から高水準の年収を実現するケースも見られます。
本記事では、JACリクルートメント(以下、JAC)の実績データをもとに、医療機器業界の平均年収や年代別・役職別の年収傾向、企業タイプごとの違い、年収アップを実現した転職成功事例などについて解説します。
医療機器業界の平均年収は787.2万円、年代別年収なども解説
JACの実績では、医療機器業界の平均年収は787.2万円です。年収のボリュームゾーンは600.0万円〜800.0万円で、年代が上がるにつれて年収も上昇し、50代以上では特に高い水準が見られます。
なかでも医療機器業界では、薬事申請(平均818.6万円)や品質保証・品質管理(平均846.3万円)、安全性情報(平均826.5万円)といった、規制対応と品質担保を担う専門領域の評価が高い傾向にあります。これらは単なるルール遵守にとどまらず、開発から市販後まで一貫して品質とリスクを管理し、部門横断での連携を主導する役割を担います。
製品ごとに異なる規制要件への対応や、安全管理を含めた運用設計が求められるため、専門性に加え調整力やプロセス設計力が年収に反映されやすい点も特徴です。加えて、SCM(平均989.4万円)や事業企画(平均973.7万円)など、供給最適化や製品戦略に関わるポジションも高水準で、「安定供給」と「収益性」を両立する役割の重要性がうかがえます。

年代別平均年収
| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| 20代後半 | 581.5万円 |
| 30代前半 | 636.6万円 |
| 30代後半 | 731.1万円 |
| 40代前半 | 821.9万円 |
| 40代後半 | 897.4万円 |
| 50代以上 | 1040.1万円 |
年代別では、最も高い50代以上が1040.1万円で、20代後半との差は約458.6万円です。差が生まれるのは、年代が上がるにつれて担当領域が広がり、意思決定への関与やマネジメント比重が増すためです。そのため転職では、年次そのものよりも、任された役割の広さや成果の再現性を整理して示すことが、年収を上げる近道になります。
役職別年収
| 役職 | 平均年収 |
|---|---|
| メンバー | 695.8万円 |
| 課長以上 | 1010.4万円 |
| 部長以上 | 1274.2万円 |
| 本部長以上 | 1932.1万円 |
役職別では、最も高い本部長以上が1932.1万円で、メンバーとの差は約1236.3万円です。差が生まれるのは、役職が上がるほど責任範囲が広がり、意思決定への関与や組織への影響範囲が大きくなるためです。そのため転職では、マネジメント経験や担当領域の広さ、成果への貢献を具体的に示せる層ほど、より高い水準が提示されやすくなります。
職種別年収※一部抜粋
| 職種 | 平均年収 | 割合 |
|---|---|---|
| 医療機器業界営業 | 742.7万円 | 22.97% |
| 薬事申請 | 818.6万円 | 8.71% |
| サービスエンジニア | 659.0万円 | 4.31% |
| メディカルマーケティング・プロダクトマネジメント・マーコム | 892.0万円 | 3.40% |
| メディカルGQP・GMP・品質保証・品質管理 | 846.3万円 | 2.90% |
| 品質保証 | 802.9万円 | 2.82% |
| 安全性情報(臨床開発・製販後GVP) | 826.5万円 | 2.40% |
| テクニカルサポート・アプリケーションスペシャリスト | 683.8万円 | 2.24% |
| SCM | 989.4万円 | 2.16% |
| 機械設計・機構設計・筐体設計・メカトロ設計・装置設計 | 715.8万円 | 1.99% |
| 事業企画・事業開発 | 973.7万円 | 1.91% |
| 物流・受発注納品手配 | 725.9万円 | 1.82% |
| 商品企画・商品開発(技術系) | 651.3万円 | 1.74% |
| カスタマーサービス | 735.0万円 | 1.66% |
| 購買 | 733.6万円 | 1.58% |
| 法人営業(その他) | 731.3万円 | 1.49% |
| クリニカルスペシャリスト | 625.8万円 | 1.49% |
※当社実績(2024年1月~2026年5月、想定年収)より
上記は、医療機器業界における主要職種の平均年収と推定職種割合を抜粋したものです。人数割合が最も高いのは医療機器業界営業(22.97%)で、平均年収は742.7万円。一方で、薬事申請、メディカルマーケティング、品質保証、SCM、事業企画といった専門性と事業インパクトの大きい職種では、より高い水準が見られます。
年収を引き上げるうえでは、専門知識を深めるだけでなく、事業成果との接続を示せるかがポイントです。希少性の高い経験や、複数領域を横断する実績を持つ方ほど、高い評価を得やすい傾向があります。
医療機器業界の最新求人情報
JACでは医療機器業界の求人を多数ご用意しています。ここではその一部をご案内します。
●MSL
●インテュイティブサージカル合同会社:Customer Trainer
●日本ストライカー株式会社:Lead Specialist, Regulatory Affairs【MedSurg】
●GEヘルスケア・ジャパン株式会社:Contrast Media Sales Specialist(造影剤MR)
●朝日インテック株式会社:生産技術[海外赴任](本社R&Dセンター)
JACでは、ハイクラス求人を中心に非公開求人も多数取り扱っています。本記事で紹介している求人は一部です。
※募集が終了している場合もございます。あらかじめご了承ください。(2026年8月現在)
医療機器業界で年収アップを目指すには
医療機器業界で年収アップを目指すには、応募先が評価する専門性と役割を理解したうえで、自身の経験を事業成果と結び付けて示すことが重要です。ここでは、ハイクラス転職で評価されやすいポイントを整理します。
薬事申請と品質マネジメントシステム構築の両輪で価値を高める
薬事申請と品質マネジメントシステム構築の双方に携わった経験は、製品開発から上市後までを一貫して捉えられる強みとして評価されます。単なる規制対応の経験にとどまらず、「どの工程で何を主導し、どのリスクを抑え、どの成果につなげたか」まで示せると、市場価値は大きく高まります。規制と品質が密接に連動する医療機器業界では、両領域を横断できる方ほど希少性があります。
市販後安全管理の経験を、意思決定力とセットで伝える
市販後安全管理の経験は、単なるオペレーション実務としてではなく、判断力や優先順位づけの精度として伝えることが重要です。たとえば、安全性評価のプロセスで何を論点とし、どのような判断を行い、どの改善につなげたのかを整理すると、上位ポジションとの親和性が高まります。迅速かつ的確な判断が求められる領域だからこそ、意思決定の質まで言語化できることが差別化につながります。
法人向けソリューション提案は「提案力」ではなく「事業貢献」で示す
営業や事業開発の経験を訴求する際は、提案の巧拙ではなく、提案を通じてどの課題を解き、どの成果を生んだかまで落とし込むことが重要です。特に医療機器業界では、医療機関、販売代理店、開発、薬事、マーケティングなど複数の関係者と連携しながら価値を設計する場面が多くあります。提案内容そのものよりも、事業や顧客へのインパクトを語れる方が、上位ポジションで評価されやすくなります。
関係者調整力は「推進力」として再定義する
関係者調整の経験は、そのままでは抽象的に映りがちです。ハイクラス転職では、単に「調整した」ではなく、「利害の異なる関係者をどう動かし、プロジェクトを前進させたか」という推進力として表現することが効果的です。とくに医療機器業界では、国内外の拠点、品質・薬事・営業・技術部門など、多様なステークホルダーとの連携が不可欠です。調整そのものではなく、成果創出の起点として示すことがポイントです。
市場分析と販売戦略は、成果の再現性まで示す
市場分析や販売戦略の経験は、結果だけを伝えても十分ではありません。どのような仮説を立て、何を分析し、どう施策に落とし込み、何を成果につなげたのか——その一連のプロセスを整理して伝えることで、再現性のある実力として評価されます。変化の早い市場に対応するうえで、分析力と実行力を兼ね備えている方は、営業企画、マーケティング、事業企画など幅広いポジションで高い評価を得やすくなります。
医療機器業界の年収アップ転職成功事例
医療機器業界営業の現場経験を活かし薬事申請の専門職へ
Nさん(男性/50代以上)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 医療機器業界・用具 | 営業 | 2,500万円 |
| 転職後 | 医療機器業界・用具 | 薬事申請 | 2,750万円 |
Nさんは医療機器業界で営業職として長年活躍し、重度の循環器疾患治療・モニタリング用機器の提案に携わってきた方です。現場の医師や医療スタッフのニーズを的確に把握し、製品の導入やアフターサービスの課題解決に尽力したことで、顧客からの信頼を獲得し、売上拡大に貢献してきました。
営業として培った現場対応力や医療機器の知識をさらに活かしたいという思いから、薬事申請の専門職への転身を決意。医療機器の安全性や有効性を社会に伝える役割に興味を持ち、より広い視点で製品価値を発信できるキャリアを志向されました。
JACはNさんの営業経験と薬事申請職への志向を丁寧に整理し、求人要件との接点を明確化。候補先の選定や面接準備では、現場視点を活かした薬事業務への貢献を具体的にアピールできるよう伴走し、専門職への移行を後押ししました。
選考では医療現場での実践力や製品知識、課題解決力が高く評価され、転職前2,500万円→転職後2,750万円と年収アップを実現。現在は薬事申請のプロフェッショナルとして、医療機器業界の社会的信頼性向上に取り組みつつ、今後はさらに専門性を磨くことを目指しています。
営業で培った市場理解をもとにメディカルマーケティングへ挑戦
Uさん(男性/30代前半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 医療機器業界・用具 | 営業 | 850万円 |
| 転職後 | 医療機器業界・用具 | メディカルマーケティング・プロダクトマネジメント | 1,200万円 |
Uさんは医療機器業界で営業職として経験を積み、顧客ニーズに応じた提案や導入支援を行ってきました。現場でのコミュニケーション力や製品理解を深め、売上促進や顧客満足度向上に寄与した実績があります。
自身のキャリアをより戦略的な領域へ広げたいと考え、マーケティングやプロダクトマネジメントへの挑戦を決断。商品立ち上げやブランド構築に携わることで、より大きな成果を生み出せる環境を求めました。
JACはUさんの営業で培った強みをマーケティング職に転換するため、経験と求人要件の接点を整理。選定した企業では、面接対策として市場分析やブランド戦略への具体的な貢献案を一緒に練り上げ、伴走支援を行いました。
結果として、戦略的思考と現場対応力が評価され、転職前850万円→転職後1,200万円と大幅な年収アップを果たしました。現在はメディカルマーケティング職として新商品立ち上げやブランド強化に取り組み、今後はさらなるプロダクトマネジメントの専門性向上を目指しています。
医薬品営業の知識を武器に医療機器業界分野で新たな営業活動へ
Kさん(男性/40代後半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 医薬品 | 営業 | 700万円 |
| 転職後 | 医療機器業界・用具 | 医療機器業界営業 | 1,100万円 |
Kさんは医薬品業界で営業職として、開業医や医療機関に新薬の提案や情報提供を行い、顧客との信頼関係構築に努めてきました。医薬品の専門知識を活かして現場の課題に対応し、売上拡大に貢献した経験があります。
医療機器業界分野への転身を考えた背景には、業界の成長性や新たな製品に挑戦したいという意欲がありました。拡大する医療機器業界市場で自らの営業力を発揮し、より幅広い顧客層へ価値を届けることを目指しました。
JACはKさんの医薬品営業で培った現場対応力や顧客折衝力を活かせる適切な企業選定を行いました。面接準備では、異業種での経験を医療機器業界営業にどう活かせるか具体的に整理し、伴走支援を実施しました。
選考では営業力と業界知識の応用力が高く評価され、転職前700万円→転職後1,100万円と年収アップを達成しました。現在は医療機器業界営業として新規顧客開拓や製品導入に取り組んでおり、今後はさらなる営業スキルの深化を目指しています。
医療機器業界の転職ならJACリクルートメント
JACでは、医療機器業界に精通した専任コンサルタントが、あなたの専門性やキャリア志向を丁寧に整理し、将来につながるポジションをご提案しています。事業環境の変化やデジタル化の進展、スペシャリストへの需要の高まりなど、業界特有の動向を踏まえたアドバイスが可能です。
医療機器業界の非公開求人も豊富に取り扱っており、専門性やマネジメント経験が正当に評価される機会をご紹介できます。年収やポジションの納得感はもちろん、短期的な条件だけでなく中長期的なキャリアパスまで見据えた伴走型の支援を行っています。
医療機器業界でのキャリアアップや年収アップを目指されている方は、ぜひJACにご相談ください。
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業界における市場価値はもちろん、レジュメの効果的な書き方、面接対策、
企業傾向の情報収集など、JACのコンサルタントにご相談ください。