素材業界営業は、化学・金属・機能性材料などの分野で法人顧客に提案を行うBtoB営業職です。近年は脱炭素、半導体需要拡大、サプライチェーン再編などを背景に採用が活発化しており、経験者を中心に高水準の年収オファーもみられます。本記事では、素材営業の転職市場動向、最新求人、未経験転職の難易度、平均年収、転職事例までJACの実績データをもとに解説します。
本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)が支援してきた素材業界営業の転職実績データをもとに解説します。
素材業界営業の転職市場動向
素材業界営業の採用ニーズは、近年堅調に推移しています。特に、化学・金属・基礎素材メーカー、専門商社における法人営業経験者に対する需要は高く、30代から50代まで幅広い年代で転職が成立しています。
背景として、脱炭素・環境対応に伴う新素材・機能性材料の需要拡大や、自動車・電子部品・インフラ分野におけるサプライチェーン再編、海外市場を含めた安定供給と調達リスク管理の重要性の高まりなどが挙げられます。
こうした環境下で、素材業界営業には「売る力」だけでなく、顧客の技術的要件を理解し、社内外の関係者を調整する力が強く求められています。特に選考では、「どの業界・用途向けにどの素材を扱い、どのような付加価値を提供してきたのか」を具体的に説明できるかどうかが、評価の分かれ目になります。
素材業界営業は、業界知識や顧客との関係構築が中長期で評価されやすく、年齢を重ねても転職が成立しやすい職種といえます。
素材業界営業が求められる主な転職先候補
素材メーカー(化学・金属・基礎素材)
素材メーカーでは、自社製品の特性を理解したうえで用途提案型の営業ができる方が求められます。既存顧客対応にとどまらず、顧客の開発・調達部門と連携し、新規用途開拓やスペック調整に関与してきた経験は高く評価されます。
特に近年は、環境対応素材や高機能材料を中心に、顧客の製品開発段階から入り込める営業が重視されており、技術部門と協働しながら案件を創出してきた経験が選考で差別化要因となります。
専門商社・化学系商社
専門商社では、複数メーカーの素材を組み合わせた提案や、三国間貿易・海外営業の経験が評価されやすい傾向があります。語学力を生かして海外顧客や海外拠点と折衝してきた素材業界営業経験者は、即戦力として見られます。
加えて、価格・納期・供給リスクといった複数条件を同時に調整してきた経験がある方は、商社ならではの調整型営業として高く評価される傾向があります。
鉄鋼・非鉄金属・機能性材料メーカー
鉄鋼・非鉄金属分野では、インフラ・自動車・電子部品向けの素材業界営業経験が重視されます。価格交渉だけでなく、納期調整や品質トラブル対応など、現場と向き合ってきた経験が評価ポイントになります。
特に、大口顧客を担当しながら長期契約や安定供給に関わってきた経験は、事業継続性の観点からも重要視され、ミドル層以上の転職では大きな強みとなります。
素材業界営業の最新転職・求人情報
素材業界営業の求人は、プレイヤー層から営業管理職、営業本部長クラスまで幅広く存在します。近年は、機能性材料や鉄鋼・非鉄金属の法人営業、海外営業や三国間貿易の担当、営業部長・営業本部長候補といったポジションが増えています。
企業側は、営業年数そのものよりも、どの業界・どの顧客層を担当し、どこまで責任を担ってきたかを重視しています。価格交渉や契約締結、トラブル対応、新規用途開拓など、具体的な成果を言語化できるかどうかが選考通過のポイントになります。
ここからは、JACがお預かりしている素材業界営業の最新求人情報を紹介します。
※募集が終了している場合もございます。あらかじめご了承ください。(2026年7月現在)
- JFEスチール株式会社:スラグ営業
- DOWAホールディングス株式会社:電子材料または機能性材料の国内海外営業担当
- アレイマジャパン株式会社:カンタルカンパニー営業
- 株式会社原田伸銅所:法人営業(管理職候補)りん青銅専業メーカー
- JFE条鋼株式会社:営業 国内トップクラスの電炉鉄鋼メーカー
なお、本記事で紹介しているのは、JACがお預かりしている求人の一部です。非公開求人も多数ありますので、詳細を知りたい方はお問い合わせください。転職支援のプロであるコンサルタントが丁寧にヒアリングし、適性や希望に沿う求人を紹介いたします。
未経験から素材業界営業への転職は難しいのか
素材業界営業は、業界特有の商習慣や用途理解が求められるため、異業種・異職種からの転職は経験者と比較すると難易度が高い傾向があります。特に、化学・金属・基礎素材分野では、価格交渉に加えて納期調整や品質対応、供給リスク管理などが求められ、素材業界での実務経験の有無が選考初期で判断材料になるケースも少なくありません。
一方で、未経験から素材業界営業への転職が成立するケースもあります。法人向けのBtoB営業経験や、メーカーでの技術営業・提案営業経験、調達・購買や技術部門として素材メーカーや商社と折衝してきた経験がある場合は、評価につながる可能性があります。
重要なのは、これまでの経験を素材業界営業の仕事にどう生かせるのかを具体的に説明できるかどうかです。顧客要望と自社制約を調整してきた経験や、関係者を巻き込みながら課題解決を進めてきた経験は、素材業界営業と親和性の高い要素といえます。
JACの転職支援実績を見る限り、完全な営業未経験からの転職は限定的です。ただし、BtoB営業やメーカーでの実務経験があれば、キャリアチェンジが成立するケースもあります。未経験であること自体よりも、素材業界営業に必要な素養を備えているかどうかが、選考の判断軸となっています。
素材業界営業への転職で求められる経験・スキル・マインド
素材業界営業では、営業としての基本力に加え、素材ビジネス特有の視点や姿勢が求められます。単に売り上げをあげるだけでなく、顧客の事業を中長期で支える役割を担う点が特徴です。
BtoB法人営業の実務経験
素材業界営業では、法人営業の基礎力が不可欠です。特に、短期的な受注獲得ではなく、数年単位での取引を前提とした関係構築型営業の経験は高く評価されます。
顧客の購買サイクルや意思決定プロセスを理解し、継続取引につなげてきた経験は、素材業界営業の実務に直結します。
技術・製品理解力
素材そのものを開発する必要はありませんが、用途・特性・制約条件を理解し、顧客に分かりやすく説明できるレベルの知識が求められます。
特に、顧客の技術要件を社内の技術・製造部門に正確に伝え、営業として橋渡しをしてきた経験は、即戦力として評価されやすいポイントです。
社内外調整力
素材業界営業の多くは、営業単独では完結しません。製造、技術、品質、物流など複数部門と連携しながら案件を進める必要があります。
納期調整や仕様変更、トラブル対応など、利害が一致しない状況で調整役を担ってきた経験は、素材業界営業における重要な実務力といえます。
グローバル対応力
海外顧客や海外拠点との取引がある場合、語学力だけでなく、商習慣や意思決定スピードの違いを理解して対応してきた経験が評価されます。
三国間取引や海外サプライヤーとの調整経験がある場合は、キャリアの選択肢が広がりやすくなります。
安定志向と粘り強さ
素材業界営業は、成果が出るまでに時間がかかるケースも多く、地道な調整や継続的なフォローが求められます。
短期的な成果だけでなく、長期視点で顧客との信頼関係を築く姿勢や、状況が変わっても粘り強く対応できるマインドは、素材業界営業で長く活躍するための重要な要素です。
素材業界営業へ転職した場合の平均年収
本章で紹介する年収データは、JACが支援した素材業界営業職の転職実績(2025年1月~2026年4月)に基づく平均年収です。素材業界営業は、扱う商材や業界、担う役割によって年収差が出やすい職種であり、単純な営業年数よりも、担当顧客の規模や責任範囲が年収に反映されやすい傾向があります。
特に、メーカー営業か商社営業か、国内中心か海外対応を含むか、またマネジメントを担っているかどうかによって、年収レンジは大きく変わります。

年代別 平均年収
| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| 20代後半 | 570.6万円 |
| 30代前半 | 678.8万円 |
| 30代後半 | 707.2万円 |
| 40代前半 | 794.1万円 |
| 40代後半 | 810.9万円 |
| 50代以上 | 851.4万円 |
※当社実績(2025年1月~2026年4月、想定年収)より
20代後半では営業の基礎力や業界理解を積み上げるフェーズとなり、年収は500万円台後半が中心となります。30代に入ると、主担当として顧客を任されるケースが増え、担当売り上げや裁量の拡大に伴って年収水準も上昇していきます。
40代以降は、大口顧客の担当や後輩育成、案件全体の取りまとめを担う立場になることが多く、800万円前後が一つの目安となります。50代以上では、豊富な業界知見や人脈を生かしたポジションでの採用となり、安定した高年収での転職が成立するケースも見られます。
役職別 平均年収
| 役職 | 平均年収 |
|---|---|
| 課長未満 | 677.5万円 |
| 課長以上 | 819.4万円 |
| 部長以上 | 1,154.0万円 |
| 本部長以上 | 1,300.0万円 |
※当社実績(2025年1月~2026年4月、想定年収)より
課長未満の層では、プレイヤーとしての営業力が評価軸となり、600万円台後半が中心レンジとなります。課長以上になると、売り上げ管理や部下育成、案件判断といったマネジメント要素が加わり、年収は800万円台に上昇します。
部長以上、本部長クラスでは、事業全体の売り上げ責任や戦略立案を担う立場となるため、1,000万円を超える水準での転職決定も珍しくありません。素材業界営業では、マネジメント経験の有無が年収に直結しやすい点が特徴です。
企業属性別 平均年収
| 企業属性 | 平均年収 |
|---|---|
| 日系 | 706.5万円 |
| 外資 | 872.2万円 |
※当社実績(2025年1月~2026年4月、想定年収)より
日系企業では年次や社内評価に応じて段階的に年収が上昇していく傾向があります。一方、外資系企業やグローバル展開を行う企業では、即戦力性や成果が強く反映され、同じ年代・職位でも高めの年収が提示されるケースがあります。
特に、海外顧客対応や英語を用いた実務経験をもつ素材業界の営業は、外資系企業において市場価値が高く、年収面でも優位になりやすい傾向があります。
素材業界営業の転職事例
ここでは、JACを利用して、素材業界営業への転職を成功させた事例を紹介します。素材業界営業の転職では、扱ってきた商材や業界だけでなく、「どの立場で顧客と向き合い、どこまで責任を担ってきたか」が重要な評価軸となります。
商社営業で培った調整力を生かし、素材メーカーで年収150万円アップ
Bさん(30代前半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 化学系専門商社 | 営業 | 650万円 |
| 転職後 | 非鉄金属メーカー | 営業 | 800万円 |
Bさんは、化学系専門商社にて有機化合物やポリマー素材の法人営業を担当。国内外のメーカーから仕入れた素材を、電子部品・工業用途向けに提案する業務に従事し、価格交渉や納期調整、海外サプライヤーとのやり取りまで幅広く経験していました。
一方で、商社という立場上、自身が扱う素材の開発背景や技術的な意思決定に深く関与できない点に、徐々に物足りなさを感じるようになりました。より自社製品を軸により長期的な視点で顧客の製品開発に関われる環境を求め、素材メーカーへの転職を検討しました。
JACのコンサルタントは、Bさんのこれまでの経験について、商社営業という枠にとどまらず、複数素材を理解したうえで顧客用途に応じた提案を行ってきた点に強みがあると捉え、転職活動を支援。海外営業経験や語学力、技術部門との調整経験を強みとして訴求しました。
その結果、非鉄金属メーカーの素材業界営業ポジションへの転職が決定。自社製品の用途開発にも関与する立場となり、年収は650万円から800万円へと上昇しました。商材理解を深めながら、より主体的に顧客と向き合える環境への転職となりました。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、内容を一部変更しています。
異業界メーカー営業からの転身──評価されたのは「調整力」
Sさん(30代前半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 住宅設備メーカー | 法人営業 | 800万円 |
| 転職後 | 基礎素材メーカー | 営業 | 900万円 |
Sさんは、住宅設備メーカーにて法人営業としてキャリアを積んできました。工務店やゼネコン向けに設備製品を提案し、価格交渉から納期管理、施工スケジュール調整まで一貫して担当。営業成績は安定していたものの、将来的な市場の成長性や、自身の専門性を蓄積できるかどうかに不安を感じるようになりました。
そこで注目したのが、幅広い産業を支える素材業界でした。素材業界営業は未経験であったものの、BtoB営業として培ってきた調整力や課題解決力が生かせると考え、転職活動を開始しました。
JACでは、Sさんの経歴を異業界営業という切り口だけで見るのではなく、長期取引を前提とした法人営業経験に着目し、素材業界営業との共通点を丁寧に整理。顧客要望と自社制約をすり合わせてきた経験や、トラブル時の対応力を具体的に言語化しました。
その結果、基礎素材メーカーの素材業界営業職への転職が成立。入社後は既存顧客を中心に担当し、徐々に素材知識をキャッチアップしながら業務範囲を拡大しています。年収は800万円から900万円へと上昇し、安定性と専門性の両立を実現した転職となりました。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、内容を一部変更しています。
営業経験の集大成として、メーカーの中核ポジションへ
Uさん(60代前半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 総合商社 | 金属素材営業(管理職) | 1,200万円 |
| 転職後 | 金属素材メーカー | 営業本部長 | 1,300万円 |
Uさんは、総合商社で長年にわたり金属素材ビジネスに従事。キャリア後半は営業組織のマネジメントや事業戦略にも関与し、国内外の顧客を対象に、資源調達から販売までを俯瞰する立場でビジネスを推進してきました。
今後のキャリアとして、「特定の企業により深く関与し、経営に近いポジションで事業成長に貢献したい」という志向が明確になり、転職を検討するに至りました。
JACでは、Uさんの経歴を単なる営業経験の長さではなく、「素材ビジネス全体を理解した事業推進人材」として再整理。商流全体を見渡しながら意思決定に関与してきた点や、組織マネジメントの経験を強みとして言語化し、選考に臨みました。
その結果、金属素材メーカーにおける営業本部長ポジションへの転職が決定。営業戦略の立案と組織マネジメントを担う役割を期待され、年収は1,300万円でのオファーとなっています。素材業界営業としての経験を、経営視点へと拡張したキャリアアップ事例といえます。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、内容を一部変更しています。
素材業界営業へ転職後のキャリアパス
素材業界営業は、扱う商材の専門性を起点にしながら、経験の積み重ねによって多様なキャリアパスを描ける職種です。営業としての成果だけでなく、業界知識や顧客理解、人脈の蓄積が長期的な価値につながりやすい点が特徴です。ここでは、素材業界営業へ転職後に想定される代表的なキャリアパスを紹介します。
特定素材に強みをもつ営業スペシャリストとして活躍する
一つ目のキャリアパスは、特定の素材や用途分野に精通した営業スペシャリストとして専門性を高めていく道です。化学材料、金属材料、機能性素材など、扱う商材ごとに求められる知識や提案内容は大きく異なり、経験の蓄積がそのまま強みになります。
顧客の製品開発や生産工程を深く理解し、用途提案や課題解決を担える営業は、企業にとって代替のききにくい存在となります。マネジメントよりも現場で価値を発揮し続けたい方に適したキャリアパスといえるでしょう。
営業リーダー・営業マネージャーとして組織を率いる
素材業界営業として経験を積むことで、チームを率いる営業リーダーや営業マネージャーへとステップアップするケースも多く見られます。複数の顧客や案件を統括し、売り上げ管理やメンバー育成を担う立場です。
このポジションでは、個人としての営業力に加え、案件全体を俯瞰する視点や、判断力、調整力が求められます。責任範囲が広がる分、評価や年収水準も上がりやすく、キャリアの安定性と広がりを得られる点が特徴です。
海外営業・グローバルビジネスへ領域を広げる
素材業界営業の中には、海外顧客や海外拠点を担当し、グローバルビジネスへキャリアを広げていく人もいます。海外市場では、商習慣や規制、文化の違いを踏まえた対応が求められるため、国内営業とは異なる経験を積むことができます。
語学力に加え、三国間取引や海外サプライヤーとの調整経験を積むことで、専門性の幅が広がり、市場価値の高い素材業界営業として評価されやすくなります。
事業責任者・営業本部長など経営に近い立場へ進む
さらにキャリアを重ねると、営業部長や営業本部長、事業責任者といった経営に近い立場へ進むケースもあります。営業戦略の立案や組織設計、事業全体の収益管理を担う役割です。
素材ビジネスは中長期視点での判断が求められるため、業界構造や市場動向を理解した素材業界営業出身者は、経営層からの信頼も得やすい傾向があります。営業を起点に、より広い視点で事業成長に関わりたい方にとって、有力なキャリアパスといえるでしょう。
素材業界営業への転職なら、JAC Recruitment
素材業界営業の転職では、これまで扱ってきた商材や業界だけでなく、どの立場で顧客と向き合い、どこまで責任を担ってきたかを適切に伝えることが重要です。素材業界営業は職種名が同じでも、メーカーと商社、国内と海外、担当顧客の規模によって求められる役割が大きく異なるため、自身の経験をそのまま伝えるだけでは、企業の期待とずれてしまうことも少なくありません。
JACでは素材・化学・金属領域に精通したコンサルタントが、業界構造や採用背景を踏まえたうえで転職支援を行っています。求人票だけでは分かりにくいポジションの位置づけや期待される役割についても丁寧に説明し、経験や志向に合った選択肢を提案しています。
素材業界営業として次のキャリアを検討されている方は、ぜひJACにご相談ください。
業界における市場価値はもちろん、レジュメの効果的な書き方、面接対策、
企業傾向の情報収集など、JACのコンサルタントにご相談ください。


