Webディレクターの転職事情|平均年収、求められるスキル経験などを解説

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公開日:2025/05/02 / 最終更新日: 2025/06/11

近年、デジタル化が進む中で、Webディレクターの需要は急速に高まっています。Webディレクターは、Webサイトの企画から制作、公開までを指揮する役割を担い、企業のオンラインプレゼンスを強化するために不可欠な存在です。特に、EC市場の拡大にともない、ECサイトの設計・管理においても活躍の場を広げています。

ここでは、Web業界に詳しいJAC Recruitment(以下、JAC)が、Webディレクターとはどのような職種なのか、仕事内容や最新の転職・求人情報などをご紹介します。

Webディレクターの転職動向


2024年のWebディレクター職の新規求人数は前年比1.2倍と増加傾向です。特に、デジタルマーケティング領域における事業拡大や組織強化を目的とした採用が目立ち、企業側は即戦力となる方を求めています。

企業は、UI/UXやEC運用経験などの実務スキルを持つ人材を求めており、30~40代の転職実績が多く見られます。具体的には、大規模ECサイトでのWebプロデュース・ディレクション経験やコンテンツマーケティング経験が重視されており、広告運用やWebサイト制作ディレクションの経験も求められています 

また、SEOやWebマーケティングの実務経験、MAツールやBIツールの利用経験が歓迎される傾向にあります。企業は、論理的思考力と案件管理・推進力を持つ人材を求めており、コミュニケーション能力も重要視されています 

職務内容としては、デジタルマーケティング戦略の立案と設計、データ分析、仮説検証に基づく戦略、InstagramやTikTok等のデジタルメディア連携、自社ECサイトのディレクション、Web広告の運用ディレクション、Google Analytics等計測ツールの活用、CRM、CS、営業、商品開発部門との連携、ピープルマネジメントが含まれます

このような業務内容から、Webディレクターの転職市場では、デジタルマーケティングに関する専門知識と実務経験が重視される傾向があります

Webディレクターに求められるスキルや経験


WEBディレクターの転職時には、以下のようなスキルや経験が求められます。

プロジェクトマネジメント力

Webディレクターには、社内外の関係者を巻き込みながらプロジェクトを円滑に進行する力が不可欠です。特に、大規模ECサイトやSaaS開発においては、要件定義から進行管理、ベンダーコントロールまで一貫した対応力が求められています。

UX/UIに関する知見

ユーザー目線でサービス設計を行うためのUX/UI設計やリサーチ経験は、あらゆる業界で高く評価されます。特にtoCサービスを提供する企業では、顧客接点の最適化を目指すうえで、UX向上に寄与できる方のニーズが強まっています。

ECサイト運用経験

ECやD2Cブランドを扱う企業では、実務経験に加えて、データに基づく改善提案スキルが求められます。マーケティングと連動した施策設計や、広告運用との連携経験もあると、より広範な役割を担えるでしょう。

アクセス解析・データ分析スキル

Google AnalyticsやBIツールを用いたアクセス解析・改善提案ができる方は、toB・toC問わず多くの企業で重宝される傾向です。CVR改善、SEO戦略など定量的アプローチで価値提供できるスキルが求められています。

柔軟性・巻き込み力・好奇心

Webディレクターは特定のツールや領域にとらわれず、未知の領域も学びながら関係者と協働できるマインドが重視されます。変化のスピードが速い業界では、プロジェクト推進に必要な柔軟性や主体性、巻き込み力が成功の鍵を握ります。

Webディレクターの平均年収は596.4万円


JACがご支援したWebディレクターの平均年収は596.4万円で、ボリュームゾーンは年収500万円~650万円です。各年代の平均年収は、下記となりますが、スキル・経験によっては1,000万円前後で転職されるケースも見られます。

30代では700万円台の実績も複数見られ、ミドル層から高収入が狙える職種といえます。40代では経験に応じて年収900万円に到達する事例もあります。

課長職未満でもスキルや実績により900万円に達するケースがあります。マネジメント層(課長職以上)では年収幅は比較的狭くなる傾向がありますが、安定した水準が確保されています。

なお、一般的な市場におけるWebディレクターの平均年収は、500万円前後といわれています。

Webディレクターの最新転職・求人情報


ここからは、Webディレクターの最新転職・求人情報をご紹介します。

日産自動車:サービスデザイナー/UXリサーチャー

Bytedance:Quality Assurance Analyst

カオナビ:シニア プロダクトディレクター

南海電気鉄道:DX企画・プロジェクトマネージャー/データマーケティング推進部

パーソルAVCテクノロジー:Webディレクター(リーダーポジション)

カカクコム:記事企画編集 リーダー候補

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年4月最新)

JACでは取り扱う求人の約7割が非公開求人であり、本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。非公開求人も含め自身の適性やキャリアビジョンに合う求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性やご希望に沿う求人をご紹介いたします。

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Webディレクターへの転職に生かせる資格


Webディレクターになるために必須の資格はありません。しかし、取得していると有利な資格はいくつかあります。ここでは、5つの資格をご紹介します。

ウェブ解析士

ウェブ解析士とは、Google Analyticsなどを活用したアクセス解析スキルを証明できる民間資格です。データドリブンでのサイト改善提案を行うWebディレクターには極めて親和性が高く、求人でも保有者が歓迎される傾向があります。取得には約1〜2カ月の学習期間が必要で、難易度は中程度です。

参考:一般社団法人ウェブ解析士協会「【公式】ウェブ解析士認定試験」

Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)

GAIQとはGoogleが公式に認定する無料資格で、Web解析ツール「GA4」の活用知識を問うものです。分析ツールの操作・理解力を証明するもので、マーケティング系や改善提案型のWebディレクター職にとって非常に有利でしょう。独学で2週間〜1カ月ほどで取得できます。

参考:Google「[GA4] スキルショップでアナリティクス アカデミーのコースを受講する」

PMP(Project Management Professional)

PMPはプロジェクトマネジメントの国際資格で、進行管理・品質管理・コスト管理などにおける体系的な知識を有することを証明します。大規模案件やチームを束ねるポジションで求められることが多く、特にリーダークラスのWeb必要です。

参考:一般社団法人 PMI日本支部「PMP資格について」

IMA検定(インターネットマーケティング検定)

IMA検定とは、Webマーケティング全般の基礎知識を問う民間資格です。広告運用、SEO、SNS、アクセス解析などの横断的知識をカバーしており、クライアント対応や戦略提案を行うディレクターにとって信頼の裏付けになります。比較的取得しやすく、学習期間は1カ月程度です。

参考:一般社団法人IMA研究所「IMA検定」

Adobe Certified Professional(旧ACE)

Adobe Certified Professional とは、PhotoshopやIllustratorなどAdobe製品の操作スキルを認定する資格です。デザイナーとの橋渡し役としてディレクターが求められる場面が多く、ツール知識をもつことは業務の正確性・信頼性に直結します。ツールごとの試験があり、学習期間は2〜3カ月が目安です。

参考:Adobe「Highlight your skills and become Adobe Qualified.」

Webディレクターへの転職を成功させる5つのポイント


デジタルマーケティングの経験

デジタルマーケティングの実務経験は、企業が求めるスキルの一つです。特に効果測定に関わるデータ分析経験が重要視されます。これらの経験により、企業のオンラインプレゼンスを強化し、顧客獲得に貢献できることをアピールしましょう。

UXデザインの戦略立案

UXデザインに関する戦略を立案する能力は、転職を成功させるための重要な要素です。ユーザーエクスペリエンスを向上させるためのデザインを企画・開発する力をもっていることを強調し、企業からの評価を高めましょう。

プロジェクトマネジメント能力

大規模プロジェクトをリードした経験や、ステークホルダーとのコミュニケーション能力は、転職成功のために欠かせません。これまでのプロジェクトマネジメントの経験を具体的に示し、プロジェクトを円滑に推進できる能力をアピールすることが重要です。

SEOの運用経験

SEOの運用経験や、SEOに関連するWebサイトの改善に関する企画立案と実施の能力は、企業が求めるスキルの一つです。検索エンジン最適化の知識をもち、Webサイトの検索エンジンランキングを向上させるための具体的な経験を示すことが重要です。

データ分析スキル

SQLによるデータ抽出・分析や、Google AnalyticsやAdobe Analyticsなどのアクセス解析ツールを用いたWebサイト分析・改善の経験は、転職において強力な武器となります。データに基づいた意思決定ができる能力をアピールし、効果的なマーケティング戦略を構築するためのスキルをもっていることを示しましょう。

JACのような転職エージェントを利用することで、これらのポイントを整理し、適切な企業選びや面接対策を行えます。転職対策を適切に実施したい方は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。

Webディレクターの職務経歴書の書き方はこちらをご覧ください。

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Webディレクターのキャリアパス


Webディレクターは、多くの業種で活躍できるため、そのキャリアパスも多様です。ここでは、一般的なキャリアパスを5つご紹介します。

Webプロデューサー

Webプロデューサーは、Webディレクターの上流工程にあたる業務を担当する職種です。プロジェクト全体の企画立案から運用までを統括し、人員やコスト、スケジュールの管理を行います。Webディレクターとしての経験を生かして、より高度なマネジメント能力を発揮できる方に向いています。Webプロデューサーを目指すには、プロジェクトマネジメントスキルやリーダーシップが重要です。

Webマーケター

Webマーケターは、Webサイトの集客や売り上げ向上を目的とした施策を立案・実行する職種です。具体的には、広告運用やSEO対策、SNS運用などが含まれます。このポジションは、データ分析スキルや最新のマーケティング手法を学びたい方に向いています。Webディレクターとしての経験を生かして、事業拡大や売り上げUPに貢献することが可能です。

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Webプランナー

Webプランナーは、Webサイトやアプリケーションの企画・立案を担う職種です。クライアントの要望を理解し、戦略的な指針を提供します。企画力やコミュニケーション能力が求められるため、Webディレクターとしての経験を生かして、プロジェクトの初期段階から関与したい方に向いています。

UXディレクター

UXディレクターは、ユーザーエクスペリエンスを重視したデザインやプロジェクトの指揮を担当する職種です。Webディレクターとしての経験・スキルを活用して、UI/UXデザインの分野で強みを発揮できる方に向いています。このポジションは、デザインスキルとプロジェクト管理能力が必要です。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、大規模なプロジェクトの統括や複数プロジェクトの同時管理を行う職種です。スケジュール管理やリスク管理に強みを発揮できる方に向いています。ビジネス面の専門知識も必要とされるため、技術的な知識だけでなくビジネススキルの習得も欠かせません。

Webディレクターの転職事例


ここからは、JAC経由でWeb職した事例をご紹介します。

Lさん(男性/30代後半)

業種職種年収
転職前DX支援サービス会社Webディレクター550万円
転職後大手電気通信事業会社Webディレクター850万円

Lさんは「これまで培ってきたWebディレクションの経験を生かしつつ、事業会社でより長期的な視点をもってキャリアを築きたい」という思いから転職を決意されました。JACのコンサルタントとの面談を行う中で、現職での業務変更によるキャリアの停滞感や、データ基盤支援に携わる機会が限定的であることをふまえ、新たな環境での成長を目指す意向が明確になりました。

Lさんの強みは、大規模サイト運用からキャンペーン制作、さらにはITプロジェクト推進支援まで、幅広い業務を手掛けてきた対応力と、顧客から高く評価される誠実な人柄です。また、安定感のある進行管理を実現できる点も企業から高く評価されました。

最終的に、社内外の関係者と連携しながらWebプロジェクトを推進できるポジションへの転職を実現。年収は550万円から850万円へと大幅に向上し、家庭とのバランスも取りながら、事業会社での新たなキャリアを歩み始めています。

Webディレクターの転職なら、JAC Recruitmentへ


Webディレクターは、クライアントやデザイナー、エンジニアなど、多様な立場の人々と協力しながら、プロジェクトの企画立案から進行管理までを担当する役割です。また、プロジェクトの品質管理やスケジュール調整、予算管理など、責任の重い業務も含まれます。

JACは、IT・Web業界に特化したコンサルタントを擁し、多くのWebディレクターを含むIT業界への転職希望者をサポートしてきました。JACの強みは、コンサルタントが転職希望者と企業の両方と直接やり取りを行うことで、非公開求人を多数提供し、高い内定獲得率を実現することです。

また、企業の戦略や文化を熟知しており、面接対策や企業傾向の情報提供も行っています。Webディレクターへの転職を考えていらっしゃる方は、JACの専門的なサポートを活用して、キャリアアップを目指しましょう。

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    JAC Recruitmentでは、ゲームディレクター、プロデューサー、エンジニアといった幅広い職種への実績もあります。当社のコンサルティングは、1人のコンサルタントがご登録者と企業の両方と直接取引する「コンサルタント型… 続きを読む Webサービス/ゲーム業界の転職ならJAC Recruitment

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。




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