近年の監査法人では、会計監査に加え、J‑SOX高度化、IFRS対応、経理DX、ERP(SAP/Oracle)刷新、M&A・組織再編に関するアドバイザリーまで対応できる人材が求められています。
そのため、職務経歴書では「専門性」だけでなく、「再現性のある成果」や「プロジェクト推進力」を具体的に示すことが重要です。
本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)が、監査法人への転職を目指す方に向けて、実際の転職成功者の職務経歴書を参考にしながら、押さえておくべき書き方のポイントとすぐ使えるテンプレートをご紹介します。
監査法人の職務経歴書で求められる視点とは?
監査法人では、以下のような視点が重視されます。
- 成果の定量化:監査件数、担当クライアント規模、指摘事項削減率、決算早期化日数、改善効果など
- 再現性・汎用性:特定の業界やクライアントに依存せず、監査・統制評価のプロセスを複数案件で再現してきた実績
- 顧客視点での提案力・改善力:統制不備の改善提案、プロセス可視化、システム刷新支援など、企業価値・業務品質を高める助言・実行力
- プロジェクト推進力:監査チーム・経理部門・IT・海外拠点など、複数ステークホルダーを巻き込み、監査・DX・システム導入等のプロジェクトを推進した経験
- コンプライアンス・ガバナンス対応力:監査基準、法規制(会社法・金商法)、J-SOX、IFRSなどを踏まえ、慎重かつ実務的な判断ができるガバナンス視点
上記のポイントを踏まえながら、以下にサンプルとポイントを解説します。
【監査法人】職務経歴書のテンプレート/サンプルダウンロード
職務経歴書
氏名:●● ●●
■ 職務概要
■ 職務経歴
勤務先名:●●監査法人
勤務期間:20〇〇年x月~現在
部署名:監査・アドバイザリー部門
◆事業内容:監査・アシュアランス、財務アドバイザリー業務
◆資本金:XXX百万円 ◆売上高:XXX百万円 ◆従業員数:XXX名
| 期間 | 事業内容 |
|---|---|
| 2014年4月 ~現在 | 部署名:監査・アシュアランス、財務アドバイザリー業務 |
【担当職務】
|
■ 保有資格・スキル
- 公認会計士(日本)/USCPA/簿記1級(いずれか)
- TOEIC 800点〜
- SAP FI/CO・Oracle・NetSuite 等の会計システム知識
- データ分析(Excel/PowerQuery/Access 等)
- 内部統制評価(J-SOX)
- プロジェクト推進(PMO)
■ 自己PR
監査法人において会計監査・内部統制評価を中心に、製造業・商社・小売・金融など多様なクライアントを担当し、監査品質向上と統制強化に貢献してきました。一方で、基幹システム刷新(SAP/Oracle)や経理DX、BPR、会計アドバイザリー案件にも参画し、プロセス可視化、Fit&Gap、要件定義、改善提案、PMO推進といった “現場の変革” に深く関わった経験を有します。監査で培ったリスク思考・検証力と、アドバイザリーで身につけた推進力・改善力の双方を活かし、財務報告の信頼性向上と業務効率化を両立させる支援が可能です。海外拠点との英語コミュニケーションも強みで、グローバル監査やクロスボーダー案件にも対応可能。変化の大きい会計・規制環境においても、実務に即した専門性と推進力を活かし、クライアントの財務報告品質向上と業務改善に貢献していきたいと考えています。
以上
監査法人の職務経歴書(Word形式)のサンプルダウンロードはこちらから
【監査法人】職務経歴書の各項目の書き方とポイント解説
1.職務概要(200文字程度)
ポイント:キャリアの要約と専門性を簡潔に記載します。
例文:
「大手監査法人およびコンサルティングファームにて、会計監査、内部統制(J-SOX)、IFRS/US GAAP(米国会計基準)対応、会計アドバイザリー、業務プロセス改革(BPR)、経理DX、基幹システム刷新(SAP/Oracle/会計クラウド)など、監査・アドバイザリーの両領域で豊富な実務を経験。
製造業・商社・小売・金融・IT・公共など多様な業界で、多拠点・海外拠点を含むプロジェクトを主導。リスク評価、プロセス可視化、改善提案、PMO推進を一貫して担当し、内部統制強化・決算早期化・業務効率化・ガバナンス高度化に寄与。
監査の厳格さとコンサルの推進力を兼ね備え、企業価値向上につながる実務支援を提供できることが強み。」
2. 事業内容
ポイント:所属企業の業種・規模・特徴を記載。信頼性や業界内でのポジションを示します。
例:
「監査・アシュアランス、財務アドバイザリー業(資本金:500億円、従業員数:5,000名、東証プライム上場)」
3. 就業中の会社概要の記載
ポイント:現在就業中である会社の、会社概要、事業内容を記載することで、企業の信頼性や規模を示すことができます。
4. 担当業務の具体的な記載
ポイント:「誰に」「何を」「どうやって」「どのくらい」成果を出したかを明確に記載します。
成功者の記載例:
「上場企業(製造業・商社・小売など)向けに、会計監査および内部統制(J-SOX)評価を一貫して担当。リスク評価〜統制テスト〜実証手続までのプロセスをリードし、指摘事項を前年対比30%削減、監査チーム内のレビュー工数を20%効率化。
また、クライアントの経理部門・IT部門・海外子会社との調整を主導し、統制不備の是正計画を3ヵ月前倒しで完了。監査品質向上と業務効率化を同時に実現し、クライアントおよび監査法人内で高い評価を獲得」
など
5. 保有資格・スキル
ポイント:監査法人で評価される資格やスキルを具体的に記載。ITスキルや語学力も加点対象になります。
6. 自己PR (300〜400字)
ポイント:実績に基づいた強みをアピールします。マネジメント経験や改善提案の視点を盛り込むと効果的です。
例文:
「監査法人において会計監査・内部統制評価を中心に、製造業・商社・小売・金融など多様なクライアントを担当し、監査品質向上と統制強化に貢献してきました。一方で、基幹システム刷新(SAP/Oracle)や経理DX、BPR、会計アドバイザリー案件にも参画し、プロセス可視化、Fit&Gap、要件定義、改善提案、PMO推進といった “現場の変革” に深く関わった経験を有します。
監査で培ったリスク思考・検証力と、アドバイザリーで身につけた推進力・改善力の双方を活かし、財務報告の信頼性向上と業務効率化を両立させる支援が可能です。海外拠点との英語コミュニケーションも強みで、グローバル監査やクロスボーダー案件にも対応可能。変化の大きい会計・規制環境においても、実務に即した専門性と推進力を活かし、クライアントの財務報告品質向上と業務改善に貢献していきたいと考えています。。」
成功者に共通する「書き方の工夫」
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 会計・統制の専門性 | IFRS・収益認識・J‑SOXなど主要論点に実務対応した経験 |
| プロセス改善力 | 決算早期化・統制不備削減・標準化など改善成果を数値で示す |
| システム理解 | SAP/Oracle等のFit&Gap・統制設計に関わったERP理解 |
| プロジェクト推進力 | PMO・要件定義・部門横断調整で案件を動かした経験 |
| グローバル対応 | 海外監査・英語レポーティングなど国際案件の実務経験 |
| 再現性 | 監査~改善までの一連プロセスを複数案件で再現 |
よくある質問
Q.監査で扱った“論点レベル”はどこまで書いていい?
個社特有の論点は伏せ、「収益認識の変動対価」「IFRS移行の論点整理」「J-SOXのITGC」など“カテゴリ名”までなら安全かつ評価されます。
Q.指摘事項や不備内容を具体化すると守秘に触れそう…どう書く?
“何が課題だったか”ではなく、「どんなリスクに対し、どう改善に導いたか」という抽象化で書くのが正解。
例:
属人化→標準化、統制不備→再発防止策の策定、など。
Q.IFRSや収益認識など専門論点、知識だけ書くと弱くない?
その通り。評価されるのは論点をどう判断し、クライアントの「何が変わったか」まで。
例:
IFRS移行で科目再編方針を決定/収益認識の方針整備を主導 など。
まとめと次のステップ
監査法人の職務経歴書では、会計・統制の専門性、改善力、プロジェクト推進力、ガバナンス理解の4点が評価の軸となります。
JACがサポートした転職成功者の職務経歴書でも示されている通り、IFRSや収益認識の論点整理、J-SOXの統制評価と改善提案、ERP導入におけるFit/Gapや統制設計、マルチステークホルダーを巻き込むプロジェクト推進といった経験は、すべて高く評価される要素です。
これらの経験を、守秘義務に配慮しながら「規模感」「担当範囲」「改善効果」の3点で可視化することで、あなたが発揮してきた再現性のある専門性が明確に伝わります。
JAC では、監査法人の専門領域に精通したコンサルタントが、職務経歴書のブラッシュアップ、強みの言語化、面接における論点整理まで一貫してサポートしています。
「監査・アドバイザリーの経験をより正しく伝えたい」「ハイクラス選考で確実に差をつけたい」という方は、ぜひご相談ください。
