31歳は、積み上げてきた専門性を武器に、キャリアの質を高める転換期です。30代の中でも転職が最も活発な年齢であり、戦略的な判断が求められるタイミングです。
本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)の独自データをもとに、31歳での転職の実態や成功事例を詳しく解説します。
31歳で転職は厳しい?
本章では、31歳の転職について、JACのデータをもとに次の2つの観点から解説します
- 31歳でも転職する方は十分存在する
- 約52%が31歳で初転職
31歳でも転職する方は十分存在する
厚生労働省が公表している「令和6年雇用動向調査結果の概況」によると、30〜34歳における転職入職率は女性14.0%、男性9.5%でした。本調査より、31歳で転職する方は一定数存在していることがわかります。

またJACの実績を見ると、30代は約38.7%と最も多く、転職市場の中心層を形成しています。31歳は10.8%と、30歳に並んで転職が活発な年齢層です。
男女比では男性が75.0%と優勢ですが、女性も24.6%を占め、性別を問わず、キャリア形成に積極的に動く層であることが分かります。
【JAC実績における年代別割合】
| 年代 | 割合 |
| 20代 | 13.6% |
| 30代 | 38.7% |
| 40代 | 29.4% |
| 50代 | 15.7% |
| 不明 | 0.1% |
※1
【JACを利用して転職された30代の割合】
| 年齢 | 割合 |
|---|---|
| 30歳 | 10.6% |
| 31歳 | 10.8% |
| 32歳 | 10.7% |
| 33歳 | 10.9% |
| 34歳 | 10.3% |
| 35歳 | 9.9% |
| 36歳 | 9.6% |
| 37歳 | 9.5% |
| 38歳 | 8.7% |
| 39歳 | 9.0% |
※2
【JACを利用して転職された30歳の男女比率】
| 性別 | 割合 |
| 男性 | 75.0% |
| 女性 | 24.6% |
※3
約46%が31歳で初転職
JACのデータによると、31歳で転職を検討する方のうち、初めての転職は46.0%、2回目が30.2%、3回以上は約17%という結果が出ています。20代後半では初転職が約7割前後であるのに対し、初転職は46%にとどまり、30歳に続き「転職経験者と未経験者の分岐点」に位置する年齢です。
また注目すべきは、30歳では初転職が50%を超えていたのに対し、31歳では50%を下回り、「複数回経験者の割合」が「初めての転職者の割合」を上回る点です。
転職が「特別」から「一般的な選択肢」へ移行するタイミングでもあります。
人気のある転職先としては、EMCが36%と最多で、次いでメディカル・バイオ、IT、金融などの業種が続きます。
【JAC実績における31歳の転職回数歴割合】
| 転職回数 | 割合 |
|---|---|
| 0 | 46.0% |
| 1 | 30.2% |
| 2 | 13.4% |
| 3 | 4.6% |
| 4 | 1.8% |
| 5 | 0.2% |
| 6 | 0.3% |
| 不明 | 3.5% |
※4
※1~4はすべて当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
31歳における転職活動の実態
本章では、31歳における次の3つの転職活動実態を、JACの独自データ(※)を用いて紹介します。
- 31歳の転職後平均年収
- 31歳の転職で年収アップした方の割合
- 31歳で管理職以上へ転職した方の割合
※当社実績:2019年1月~2024年12月分データ
31歳の転職後の平均想定年収は698.8万円
JACの転職支援を活用し、31歳で転職した方の平均想定年収698.8万円です。
最も多い年収帯は600〜699万円(26.7%)で、これは厚労省の賃金構造基本統計調査による30〜34歳の平均賃金(約550〜600万円)を上回っています。その理由としては、業界特化スキルやプロジェクト経験が「即戦力」として認められるためであり、また専門性が市場で評価される時期であるため、とも推測できます。
また、700万円以上の割合も約41.9%と高く、これは、企業が「即戦力かつ将来のリーダー候補」として評価している表れです。国内外の求人票では、課長候補やシニアスペシャリスト職の条件として年収700万円以上が提示されるケースが多く、そこから、管理職候補や高度専門職へのキャリアパスが開かれていることが分かります。
実際、JACのデータ上では課長以上のポジションは約6%に過ぎませんが、給与水準としては42%がこのレンジに入っており、専門性によって高報酬を得る層が厚いことが特徴です。
さらに、1,000万円超の層は約12.6%存在し、20代後半〜30歳では1桁台だったパーセンテージが大きく上がります。このゾーンは希少ですが、専門性・語学力・ITスキルなどを磨いてきた方が到達しやすいレンジです。
単なる年数ではなく、自己投資(MBA取得、デジタル資格、語学研修)によって市場価値を飛躍的に高めた結果として得られる報酬であり、31歳での転職においては、キャリア戦略次第で狙える現実的な選択肢です。
【31歳での転職後の年収帯別割合】
| 年収帯 | 割合 |
| 400万円未満 | 1.4% |
| 400〜499万円 | 7.2% |
| 500〜599万円 | 21.8% |
| 600〜699万円 | 26.7% |
| 700~799万円 | 19.8% |
| 800~899万円 | 10.4% |
| 900~999万円 | 4.7% |
| 1,000~1099万円 | 3.8% |
| 1,100~1,199万円 | 1.6% |
| 1200~1299万円 | 0.9% |
| 1300~1399万円 | 0.9% |
| 1400~1500万円 | 0.4% |
| 1500万円以上 | 0.3% |
31歳の転職で年収アップした方の割合は65.9%、平均で140万円前後アップ
JACのデータによると、100万円のアップが26.5%と最多で、150万円以上の大幅アップを果たした方が約24%、さらに200万円超のケースも約11%に達しています。
一方で、約32%は年収ダウンという結果もあり、異業種転換や職種変更を伴う場合は、年収の変動幅が大きくなる傾向があります。
役職別では課長以上が約8.6%にとどまり、管理職登用はまだ少数派です。しかし、700万円以上の報酬を得る層が42%存在することから、「専門職として高収入を得る道」と「マネジメントへのステップアップ」という二つの選択肢が開かれていることが、31歳の特徴だと言えます。
【31歳転職後の年収アップ帯別割合】
| 年収アップ幅 | 割合 |
|---|---|
| ~49万円 | 22.8% |
| 50~99万円 | 26.5% |
| 100~149万円 | 20.8% |
| 150~199万円 | 12.7% |
| 200~249万円 | 7.1% |
| 250~299万円 | 2.8% |
| 300~349万円 | 2.8% |
| 350~399万円 | 0.9% |
| 400~449万円 | 0.8% |
| 450~499万円 | 0.4% |
| 500~550万円 | 0.6% |
| 550~599万円 | 0.2% |
| 600~650万円 | 0.5% |
| 650~699万円 | 0.5% |
| 750万円以上 | 0.5% |
31歳で管理職以上へ転職した方の割合は約6%
| ポジション | 割合 |
| 課長以上 | 6% |
| 課長未満 | 94.4% |
31歳の転職で意識すべきポイント
ここでは、31歳の転職で意識すべき、3つのポイントについて解説します。
- 「キャリアの分岐点」で選択肢を明確にする
- 「掛け算スキル」で報酬を引き上げる
- リスクとリターンの「幅」を理解する
キャリアの分岐点で選択肢を明確にする
31歳は社会人約9年目で、キャリアの第一フェーズを終えた節目です。ここで「専門職として安定を目指す」「管理職候補としてステップアップする」「異業種で新しい挑戦をする」など、どの軌道に乗るかが今後10年を左右します。
転職理由を「年収アップ」だけに限定せず、将来像まで言語化することが重要です。キャリアプランが曖昧だと、選考での訴求が弱まりやすい点には注意が必要です。逆に、キャリアビジョンを明確にした方は、年収・役職ともに納得度の高い転職を実現しています。
「掛け算スキル」で報酬を引き上げる
平均アップ額は約140万円ですが、200万円超の大幅アップを果たした層は約11%。共通点は、専門性に加え、語学力やITスキルなどの付加価値を持っていることです。現場経験をベースに、デジタルスキルや英語力を掛け算することで、ハイクラス転職や異業種への扉が開きやすくなるのが、31歳の特徴です。
特に、外資系やグローバル案件では「英語+専門知識」が評価され、国内大手では「DX関連スキル+業界経験」が評価されます。自己投資によって専門性に付加価値を加えた方は、報酬の伸び幅が大きくなる傾向があります
リスクとリターンの「幅」を理解する
31歳は年収変動の幅が大きい年齢層であり、短期か中長期かの視点で選択することが重要です。
業種転換やポジション変更を伴う場合は、リスクを織り込んだ戦略が不可欠。JACの事例では、「年収ダウンでも将来のポジションアップを狙う」戦略で成功したケースもあります。重要なのは、短期的な数字だけでなく、中長期のキャリア価値をどう積み上げるかという視点です。
31歳での未経験・異業種への転職成功事例
信託銀行からデベロッパーへ。専門性の掛け算で年収300万円アップ
Oさん(31歳/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | 銀行業(信託銀行) | 資産運用コンサルタント | 1,200万円 |
| 転職後 | 不動産業(総合デベロッパー) | 総合職 | 1,500万円 |
Oさんは、信託銀行で資産運用アドバイスから法人向け不動産仲介まで幅広く担当し、大型案件の経験を積んでいました。より事業の中核に近い環境でキャリアを築きたいと考え、デベロッパー職への転身を希望されました。
JACは、Oさんが持つ「金融×不動産」の専門性と、大型案件の推進経験を強みとして整理。開発企画やプロジェクト推進に活かせるスキルとして再定義し、総合不動産デベロッパーの総合職ポジションを提案しました。面接対策では、金融で培った分析力・交渉力が事業開発でどのように価値を発揮するかを言語化しました。
結果、年収は1,200万円から1,500万円へアップ。現在は商業施設・オフィス開発など、事業全体を見据えたポジションで活躍されています。
31歳で事業会社マーケへ。コンサル経験を武器に異業種転職
Lさん(31歳/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | コンサルティング業(総合コンサル・ITサービス) | プロダクトマネジャー | 1,200万円 |
| 転職後 | 小売業(EC)+ITサービス(クラウド事業) | シニアマーケティングマネジャー | 1,400万円 |
Lさんは、総合コンサルで大規模システム刷新のPMOとして活躍し、部門横断の調整力やデータ分析力を武器に数々の案件を推進していました。より事業側に近い立場でマーケティング戦略を担いたいという思いから事業会社を志望されました。
JACは、Lさんの「プロジェクト推進力」「データ分析力」「曖昧な環境での課題解決力」に注目。外資系EC企業のB2Bマーケティングポジションを推薦し、コンサル経験をマーケティング戦略にどう転換するかを面接対策で徹底的に整理しました。
結果、年収は1,200万円から1,400万円に向上。現在は、データに基づく施策立案を中心にマーケティング戦略をリードしています。
エンジニアから金融データ戦略へ。キャリアの軸を再設計
Yさん(31歳/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | プラントエンジニアリング業(総合エンジニアリング) | プロジェクトマネージャー | 750万円 |
| 転職後 | メガバンク | データサイエンティスト | 1,200万円 |
Yさんは、エンジニアリング業界で新サービス開発のPMを務めつつ、データサイエンス領域にも携わり、AI活用や業務改善の経験を積んでいました。よりビジネスに近い領域でデータ戦略を担いたいと考え、金融業界を志望。
JACは、Yさんの「データ分析力」「プロジェクト管理力」「技術的な深い理解」を強みとして整理し、メガバンクのデータ戦略ポジションを提案しました。面接対策では、技術視点を金融ビジネスの価値にどう転換するかを言語化しました。
結果、年収は750万円から1,200万円へアップ。現在は銀行のデータ戦略を推進し、AIを活用した高度化プロジェクトに携わっています。
31歳でフィンテックの事業推進へ。事業開発スキルを武器に挑戦
Jさん(31歳/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | コンサルティング業 | 新規事業企画/事業開発 | 1,000万円 |
| 転職後 | 情報通信業(フィンテック・キャッシュレス決済) | 事業拡大責任者 | 1,150万円 |
Jさんは、金融領域のシステム企画や新規事業開発を経験し、若くして課長代理へ昇格。よりスピーディーに事業成長を実現できる環境を求め、フィンテック企業での事業責任者職への挑戦を希望されました。
JACは、Jさんの「事業創出力」「金融知識」「規制対応力」を強みとして整理し、キャッシュレス領域の事業拡大ポジションを紹介。面接では、曖昧な環境で事業を推進する力を具体的なエピソードで伝えられるよう支援しました。
結果、年収は1,000万円から1,150万円へアップ。現在は新規サービスの成長戦略を担い、急成長市場で事業拡大を推進しています。
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