CCO(最高コミュニケーション責任者)は、企業価値やレピュテーションを情報戦略から設計する経営ポジションです。
、日本の転職市場では、職種としての定義や実績データがまだ十分に整理されていない領域でもあり、「広報責任者/IR責任者/ブランド責任者」や「広報部長」「コーポレートコミュニケーション統括」といった名前で採用されることも多い職種です。
本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)の実績データをもとに、CCOの転職市場動向、年収相場、求められるスキル・経験を体系的に解説します。
目次/Index
CCO(最高コミュニケーション責任者)の転職動向
CCO(最高コミュニケーション責任者)は、企業の社内外コミュニケーションを統括するCxOポジションです。日本では、海外のようにCCOが独立した職種として明確に定義・整理されている例はまだ多くありません。そのため実務上は、「広報責任者/IR責任者/ブランド責任者」や「広報部長」「コーポレートコミュニケーション統括」といった肩書で採用されることが一般的です。いずれも、広報・IR・ブランド戦略を経営視点で横断的に担う役割として位置づけられています。
近年、上場企業やIPO準備企業を中心に、こうした広報・IR領域の責任者や部長クラスの募集が増加しています。その背景には、企業価値や市場評価を意識した情報発信の重要性が高まり、コミュニケーション機能の高度化が経営課題として認識されるようになってきたことがあります。
特にスタートアップや成長企業では、事業拡大や資金調達が進むフェーズにおいて、従来型のPR実務にとどまらない役割が求められています。経営戦略と連動したメッセージ設計や、事業フェーズに応じたブランドの再定義を主導する存在として、CCO候補への期待が高まっています。
JACの実績データを分析すると、メディアリレーションやストーリー設計に加え、IR、ESG、クライシス対応といったキーワードが頻出しています。そこから、「社会・投資家・従業員」を横断的に結ぶ統合的なコミュニケーション力が重視されていることがわかります。また、広報の専門性に加え、経営陣と近い距離で企業の方向性を言語化できるスペシャリストが高く評価される傾向も顕著です。
その結果、CCO相当の職種は単なる“発信の責任者”ではなく、“企業価値を設計する経営ポジション”としての位置づけを一段と強めています。
各役職の定義
- CCO(最高コミュニケーション責任者)
社内外のコミュニケーションを経営視点で統括するCxO。広報・IR・ブランドを横断し、企業価値向上に責任を持つポジション - 広報責任者/IR責任者/ブランド責任者
社外広報、投資家対応、ブランド戦略を担う責任者。複数領域を兼務する場合、実態としてCCOに近い役割を果たすことが多い - 広報部長
広報部門を統括する管理職。近年は経営直下で戦略広報やIR、ブランド領域まで担い、CCO的機能を持つケースも増えている - コーポレートコミュニケーション統括
広報・IR・インナーコミュニケーションを横断管理する役割。CxO肩書はなくとも、CCOと同等の機能を担うことがある
CCO(最高コミュニケーション責任者)に求められる能力・経験
CCOには、主に次のような能力や経験が求められます。
・事業・組織への深い理解と当事者意識
・組織内外のステークホルダーとのコミュニケーション力
・中長期でPR活動の効果検証を回す胆力
・発信に対する倫理観・危機管理能力
本章では、上記4つの能力・経験について、なぜCCOにその能力や経験が求められるのか解説します。
事業・組織への深い理解と当事者意識
CCOには、企業の事業や組織、理念への深い理解が求められます。その理由として、効果的なコミュニケーションを実施するためには、企業の全体像を正確に把握し、自社の強みや弱み、課題などを理解している必要があるからです。また、経営層の一員として、自らが企業の「顔」として発信する場面も多いため、当事者意識も求められるでしょう。
このように、CCOには自ら経営陣との密な連携を通じて経営戦略を理解する、各部門の業務内容や課題の把握に努める、従業員とのコミュニケーションを通じて企業文化を理解するなど、自ら事業や組織の理解を深める姿勢が求められることを理解しておきましょう。
組織内外のステークホルダーとのコミュニケーション力
CCOには、社内外のさまざまなステークホルダーと良好な関係を構築するための高いコミュニケーション能力が不可欠です。
社内に対しては経営陣と従業員の橋渡し役となり、ビジョンや理念を従業員に浸透させます。一方、社外に対しては、メディアや取引先と協力し、企業イメージやブランド価値を向上させる役割を担います。
このようにCCOには、経営・従業員・投資家・メディアといった異なる利害関係者の視点を理解し、メッセージを最適化・調整する高度な対話力が求められます。
中長期でPR活動の効果検証を回す胆力
CCOの業務は短期的な成果が見えにくい場合が多いため、中長期的な視点でPR活動の効果を検証し、改善を繰り返していく胆力が求められます。
短期的な結果に振り回されず、中長期的な視点で物事を考えられる我慢強さや困難な課題にも物怖じせずに立ち向かう気概は、CCOに不可欠な素養といえるでしょう。
発信に対する倫理観・危機管理能力
CCOには、情報発信に対する高い倫理観を持っていなくてはなりません。なぜなら、企業が発信する情報は、社会に大きな影響を与える可能性があり、倫理観に欠けた情報の発信は、企業の信頼を大きく損なう恐れがあるからです。
また、トラブルやリスクを未然に防ぐ先見性や炎上リスクに直面した際に、迅速かつ適切に対応する危機管理能力も、CCOに不可欠な資質となります。
CCO(最高コミュニケーション責任者)の平均年収は約1,400万円前後
JACの実績データによると、CCO相当ポジションの平均決定年収は約1,300万〜1,400万円前後となっています。
年収のボリュームゾーンは1,070万〜1,640万円台に集中しており、特に1,200万〜1,500万円付近に案件が多く分布している点が特徴的です。
企業規模ごとの傾向を見ると、平均決定年収は大企業で約1,600万円、中堅企業で約1,000万円、中小企業で約1,560万円です。所属フェーズや組織規模によって水準が大きく分かれます。特に大企業や投資フェーズにある企業では高額オファーが提示されやすく、一部では2,000万円超のオファーも確認できます。
年収レンジの幅も大きく、今回のデータでは約700万円台から2,300万円超まで広がっています。最大で1,600万円以上の差が生まれていました。これは、評価軸が多岐にわたるためです。具体的には、扱う領域の広さ(広報、PR、コーポレートコミュニケーション、グローバル対応の有無)、企業のブランド戦略の重要度、組織の危機対応力、語学力、経営レイヤーとの連携力などが挙げられます。
このようにCCOは、事業フェーズ・ブランド戦略・グローバル展開の有無によって年収が大きく変動するポジションであり、特に 経営と一体となって企業価値を高められる広報・コミュニケーションのプロフェッショナル には、非常に高い評価がつく傾向があります。
※当社実績(2024年1月~2026年2月)より
CCO(最高コミュニケーション責任者)の最新求人情報
本章では、CCOに準ずる職種である、広報責任者/IR責任者/ブランド責任者、広報部長、コーポレートコミュニケーション統括などの最新転職・求人情報を紹介します。
大手内資製薬メーカー:Manager, External Communications
トヨタ自動車株式会社:[渉外・広報]【東京】渉外スペシャリスト
コネクテッドロボティクス株式会社:CTO候補
武田薬品工業株式会社:Site Communication Lead
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2026年5月最新)
本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。CCOをはじめとする経営幹部層の採用は、事業戦略や経営方針などの機密情報が競合他社に漏えいすることを防ぐため、非公開で採用が進められるケースが多くなっています。
そのため、CCO関連の求人情報を効率的に収集したい場合は、JACのような、エグゼクティブ層に特化した求人を豊富に扱う転職エージェントを活用しましょう。
CCO(最高コミュニケーション責任者)の転職を成功させるポイント
コミュニケーション領域の専門性を早期に確立する
CCOは企業の対外・対内コミュニケーション全体を統括する経営ポジションで、未経験から就任するのは極めて困難です。
まずは、広報・PR・広告・メディア・マーケティングなど、情報発信やステークホルダー対応を担う領域で実務経験を積み、基礎を固めることが重要です。企画立案や発信、危機対応などの経験は、CCOに求められるスキルセットの土台となります。
部門リーダーとして戦略立案から実行までを主導する経験をもつ
現職からCCOを目指す場合は、広報・PRの実務に加えて、組織をリードし、全体戦略を描いたうえで実行を統括する役割が求められます。
プロジェクトマネジメントやコミュニケーション戦略の策定、メディア対応の統括など、上位層で意思決定を行った実績が必須です。
特に、経営層と直接連携し、ブランド価値や評判に影響を与える重要な戦略を担った経験は、強い評価材料となります。
経営視点を備え、企業全体の情報戦略を設計できる能力を養う
CCOは単なる広報責任者ではなく、情報によって企業の意思決定とブランド価値を支える経営機能です。
経営課題とコミュニケーション施策を結びつける視点が不可欠です。広報部門長、渉外責任者、経営企画など、経営に近い立場での経験は大きな強みとなります。
企業全体の情報統制やリスク管理も踏まえ、言語化と発信を設計する力をもつ人物が、CCO候補として真に評価されます。
CCOに近い専門領域(IR・渉外・広報部長)を経てキャリアを積む
転職によってCCOを目指す場合は、まずIR、コーポレートコミュニケーション、渉外、リスク広報など隣接領域で確かな実績を積むことが現実的なアプローチです。
CCOの業務には高い機密性が求められるため、公募は稀です。採用の多くは非公開のエグゼクティブ採用として進みます。
そのため、エグゼクティブ領域に特化した転職エージェントを活用すると、機会にアクセスしやすくなり、成功確度を高められます。
高度な語学力およびグローバル対応力を磨く
必須資格はありませんが、海外展開企業や多国籍のステークホルダーを抱える組織では、高度な英語力が大きな強みになります。
海外メディア対応、グローバル危機管理、外国人経営層との協働など、国際的なコミュニケーションが求められる場面は確実に増加しています。
TOEICの点数よりも、実務で使える英語力が重視されます。さらに、海外広報や国際イベント運営の経験が加われば、CCO候補としての説得力は一気に高まります。
CCO(最高コミュニケーション責任者)の転職事例
広報・サステナビリティ統括から製造業のブランド部門責任者へ。年収100万円アップ
Pさん(50代前半/女性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 情報通信・小売業 | 広報・サステナビリティ推進 本部長 | 2,200万円 |
| 転職後 | 製造業(化学) | ブランドコミュニケーション部 部長 | 2,300万円 |
Pさんは、外資メーカーの広報職へとキャリアを広げ、約20年にわたり社内外広報、サービス広報、クライシス対応まで多面的に担当してきた広報のプロフェッショナルです。
部長として20名規模の組織を束ね、直近では小売・EC企業でサステナビリティ推進組織の立ち上げや評価指標の改善にも貢献されました。
ワークライフバランスを両立する環境を求めてJACに相談されたPさんに対し、JACでは「広報×サステナビリティ×マネジメント」を統合できる希少性に着目。キャリアの強みを再定義し、企業側には役割期待やポジション設計を丁寧に調整することで、製造業(化学)のブランドコミュニケーション部責任者としての入社をご提案しました。
結果として年収は2,200万円から2,300万円へアップ。現在は中期経営計画の実行フェーズをリードし、ブランド戦略・組織強化を推進する重要な役割を担っています。
経営広報のエキスパートが一般機械メーカーのコミュニケーション部門責任者へ。年収200万円アップ
Uさん(40代後半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 電気機械器具製造業 | 企業広報グループ長 | 1,300万円 |
| 転職後 | 一般機械器具製造業 | コーポレートコミュニケーション部 部長 | 1,500万円 |
Uさんは、営業職から広報・コーポレートコミュニケーション領域へキャリアを広げ、経営広報、事業広報、社内コミュニケーション、広告宣伝、海外ブランド立ち上げなど、多岐にわたる領域で実績を積み上げてきたプロフェッショナルです。
官民連携の国際広報プロジェクトの立ち上げを主導し、帰任後は長期ビジョン浸透や統合レポート制作、全社ブランド再構築プロジェクトをリードするなど、企業価値向上に大きく貢献されました。
長期的なキャリア形成を見据え、より経営に近い立場でコミュニケーション戦略を担える環境を求めてJACに相談されたUさんに対し、JACでは「グローバル×経営広報×ブランド戦略」を統合できる希少な専門性を再定義。企業側には部門横断でブランド価値向上を牽引できるリーダーとしての介在価値を丁寧に言語化し、ポジション設計まで含めて提案。
その結果、一般機械メーカーのコーポレートコミュニケーション部長としてご入社が決定し、年収は1,300万円から1,500万円へアップ。現在はグローバル広報、社内コミュニケーション、採用ブランドまで一元的に統括し、企業ブランド強化の中心的役割を担われています。
グローバルPR・マーケ経験を武器に、国内消費財企業の広報・IR責任者へ。年収200万円アップ
Jさん(50代前半/女性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 自動車・同附属品製造業 | 広報・マーケティング(課長職) | 1,300万円 |
| 転職後 | 飲食料品小売業 | 広報・IR部長 | 1,500万円 |
Jさんは、外資系消費財メーカーで20年間近くマーケティング・PRに従事し、国内外10ブランドのPR責任者としてグローバル施策を推進してきた広報・コミュニケーション領域のエキスパートです。
シンガポールでのアジアリージョンPR、国内事業のPR統括、PR代理店副社長としての組織マネジメントなど、多様なフィールドで成果を残し、直近では大手メーカーで中長期顧客向けマーケティングや経営層直下の特命案件を担当されていました。しかし、組織が大きく担当範囲が限定される環境から、広報をより網羅的に担えるポジションを求めてJACにご相談。
JACでは、Jさんの「グローバル×PR×マーケティング」の複合スキルを再定義し、企業へはブランド強化・IR・社内外コミュニケーションを一元的に担える希少性を丁寧に提案。Confidential案件の中から、組織強化フェーズにある飲食小売大手の広報・IR部長ポジションをご紹介し、役員との期待値調整も含めて支援。
結果、年収は1,300万円から1,500万円へアップ。現在は広報、IR、メディア対応、社内コミュニケーションを統合的にリードし、ブランド価値向上の中核として活躍されています。
大規模経営案件と危機管理広報の実績を武器に、通信系グローバル企業の広報部長候補へ。年収150万円アップ
Lさん(40代後半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 情報サービス業 | 広報/PR(コーポレートコミュニケーション) | 1,200万円 |
| 転職後 | 電気通信業 | 広報部長候補 | 1,350万円 |
Lさんは、システムエンジニアとしてキャリアをスタートし、勘定系システムの大規模開発や移行プロジェクトに従事した後、広報部へキャリアチェンジ。以降は大型M&A、グループ再編や会社統合、不祥事・セキュリティ・システム障害などの危機管理広報まで、企業レピュテーションを左右する重要案件を多数リードしてきた広報・PRのエキスパートです。
課長職を経験し、現職で「できることはやり切った」という実感を持ちながら、大企業の看板に依存せず、自身のスキルで勝負できる環境を求めてJACに相談されました。
JACでは、Lさんの「システム×広報」という稀少なキャリア構成に強みを見出し、企業側には、プロダクトPRとコーポレートPRを横断できる即戦力としての価値を丁寧に再定義。特に危機管理広報の実績は、成長スピードの速い通信業界において高いニーズがある点を踏まえ、求められる役割に合わせて期待値調整まで行いました。
その結果、グローバル通信企業の広報部長候補としての入社が決定し、年収は1,200万円から1,350万円へアップ。現在は広報組織強化の中心として、レピュテーションマネジメントからプロダクトPRまで幅広く牽引する立場で活躍されています。
CCOへの転職なら、JAC Recruitmentへ
CCO(Chief Communication Officer/最高コミュニケーション責任者)は、企業の対内外コミュニケーションを統括し、ブランド価値・企業価値・レピュテーションを長期的に設計する経営中枢ポジションです。
近年は、事業環境の複雑化やIR・ESGの高度化、情報統制の重要性の高まりを背景に、CCOには「広報・PRの実務力」だけでなく、「経営戦略と連動した情報設計」なども求められるようになっています。具体的には、「多様なステークホルダーを束ねる統合コミュニケーション力」「危機管理対応」「経営陣との密接な連携」などです。
JACでは、上場企業・IPO準備企業・グローバル企業・成長企業を中心に、広報・IR部長、ブランド責任者、渉外責任者、そしてCCOクラスを含むエグゼクティブ層のコミュニケーション領域の転職支援を数多く行ってきました。
当社の強みは、求人の紹介にとどまらず、転職希望者のバックグラウンド(広報・PR・メディア・IRの経験、経営層との連携力、ステークホルダー対応力、ブランド戦略の実績など)を精緻に言語化し、企業側の課題や成長フェーズに合わせて最適にご紹介する点です。
また、CCOポジションは経営直下で機密性の高い案件が多く、企業側も「役割定義が曖昧」「期待値や権限範囲を言語化しきれていない」というケースが少なくありません。
JACが介在することで、企業側の期待値を整理し、役割を設計し、レポートラインを明確化します。そのうえで、転職希望者が最大限パフォーマンスを発揮できる状態で着任できるよう支援しています。
さらに、非公開のエグゼクティブ求人など、市場に出回らない希少なポジションのご紹介も可能です。たとえば、創業フェーズや再成長フェーズにおいて、企業像の再定義やブランド再構築を担うコミュニケーション責任者のポジションがあります。
CCOへのキャリアを検討されている方は、ぜひJACにご相談ください。

