営業20代の転職事情|平均年収や求められるスキル経験を解説

企業の収益に直結する営業職は、どの業界、企業においても必要不可欠な職種です。営業スタイルが多様化する中、20代の営業経験者がさらなる活躍を目指す場合、どのような経験やスキルが評価されるのでしょうか。

本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)が、20代の営業職における転職の最新動向や年収の相場などについて詳しく解説します。

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営業20代の現状と転職動向

営業は企業の売り上げを支える重要なポジションであり、常に一定の需要があります。そのため、現状でも多くの企業が営業職を募集していますが、JACが取り扱う求人を見ると、20代の営業職の募集では次のような傾向が見られます。

多様な業界が積極的に20代の“営業経験者”を募集

自動車、不動産、医療・ヘルスケアに加え、化学・半導体など技術系分野でも、20代の営業経験者を積極的に採用する動きが広がっています。これらの企業は、若手ながらも即戦力としての実績や成長ポテンシャルを重視する傾向が顕著です。

一方で、業界未経験者に門戸を開く求人も一定数存在はするものの、未経験の方が営業として転職する際のハードルは依然高い状態が続いています。

特に、提案型営業やソリューション営業など、専門性が求められるポジションでは、過去の営業実績や業界理解が評価の重要なポイントとなります。

営業スタイルの多様化と専門性の深化

かつては、営業職は法人営業・個人営業を中心とした比較的シンプルな区分でした。しかし、現在ではインサイドセールスやフィールドセールス、ソリューション営業、アカウント営業、データ分析型営業など、営業スタイルの多様化に加え、高機能な製品やサービスの増加により、営業担当者にも技術や業界などに関する深い知識が求められる傾向が強まっています。

製品やサービスの販売から顧客課題を解決する役割への変化

従来、営業部門は自社製品やサービスの販売を担う「売り上げ創出の最前線」として位置づけられてきました。しかし近年では、営業は単なる販売活動にとどまらず、顧客課題を深く理解し、最適なソリューションを提供する“価値創造型”の職種へと進化しています。

ソリューション営業やインサイト営業などでは、顧客のビジネス課題に対して戦略的な提案を行い、継続的な価値向上を支援する「ビジネスパートナー」としての役割が求められます。営業は現在、企業の成長戦略を担う中核ポジションとして、専門性と課題解決力が強く求められています。

事業の拡大やグローバル展開を目指す成長企業での募集が増加

求人企業の募集背景を見ると、事業拡大や新規事業立ち上げ、グローバル展開の進展、世界シェアの拡大など、さらなる成長を見据えた増員募集が目立ちます。特に、スタートアップ企業やベンチャー企業などが、新たに創出した製品やサービスの販路拡大を目指す例が多くなっています。そのほか、グローバル展開を見据え、海外でのビジネス経験を保有する人や海外企業との交渉経験をもつ人などを求める企業も増加中です。

営業20代で求められるスキル・経験・マインド

20代の営業職を募集する求人を見ると、以下のような経験やスキルが評価される傾向にあります。

  • 一定の営業経験と高いコミュニケーション能力
  • 顧客の課題解決に向けた提案能力と資料設計力
  • 自社製品や技術に関する知識と業界の専門知識
  • DXやデジタル技術に関する知識
  • チャレンジ精神と既成概念にとらわれない柔軟な発想

一定の営業経験と高いコミュニケーション能力

20代の転職というと、未経験でもチャレンジ可能なケースが多く、ポテンシャルを重視した採用活動が実施されるケースもあります。しかし、営業職では、未経験者の応募を可能としている求人は少なく、一定の営業経験を求める企業が多くなっています。

営業活動を進めるうえでは、基本的なビジネスマナーや顧客対応方法、商談の進め方などのノウハウが必要です。また、目標達成に向けた意欲やスケジュール管理などの自己管理能力も欠かせません。

20代の営業経験者の場合、営業に求められるこれらの基礎的なスキルをすでに習得していると期待されます。そのため、20代の営業を募集する企業の多くが、営業経験者を積極的に募集しているのです。

さらに、営業経験に加え、コミュニケーション能力も採用時のポイントとなります。営業職が成果を上げるためには顧客との信頼関係の構築が必要不可欠です。信頼関係の構築にあたっては、自社製品やサービスの魅力を分かりやすく伝える説明能力はもちろん、顧客の話に耳を傾け、本音を引き出す傾聴力も求められます。加えて、顧客の感情に寄り添い、理解を示す共感力が、心理的な距離を縮めます。コミュニケーション能力は、経験によって育まれるものでもあり、面接時の対話を通じ、営業としての基本能力を見抜こうと考える企業は少なくありません。

顧客の課題解決に向けた提案能力と資料設計力

近年、営業職に求められるのは、モノを売るための能力ではありません。顧客との会話の中から、顧客が抱える課題を的確に理解し、課題解決に役立つ自社製品やサービスを提案するソリューション営業と呼ばれる営業スタイルが増加しています。

さらに、ソリューション営業から一歩進み、顧客が抱える潜在的な課題を指摘し、新たな価値創造を見据えた提案を行うインサイト営業を導入する企業も増加中です。

営業には、製品提案に加え、導入効果まで含めた価値提示を戦略的に行う力が求められます。

従って、顧客の課題解決に向けた構造的な提案力に加え、導入プロセスや効果を明確かつ説得力をもって可視化するドキュメンテーションスキルやビジネスインパクトを伝える資料設計力も不可欠です。

自社製品や技術に関する知識と業界の専門知識

ソリューション営業やインサイト営業を行うにあたっては、自社製品やサービスへの理解はもちろん、業界構造や市場動向に関する専門知識が欠かせません。特に医療機器、ITソリューション、製造業、金融などの分野では、業界特化型の知見が営業成果に直結しやすい傾向にあります。高い営業成果が期待される場合、企業に大きな利益をもたらすと期待されるため、当然、転職時の年収提示にも良い影響を与えるでしょう。

20代であっても、業界課題や顧客の戦略を踏まえた提案が求められています。業界特有の知識や情報を持つ営業は、顧客にとって有益な提案を行えるため、顧客からも信頼を得やすくなります。そのため、アドバイザー的な役割を担うことができる方への評価が高まっています。

実際、JACの支援事例では、業界理解を武器に年収1,000万円超の転職を実現したケースが数多く確認されています。

DXやデジタル技術に関する知識

各業界では業務効率改善や生産性の向上に向け、DXを推進しています。それにともない、IT業界の営業職だけでなく、各業界においてDXの推進に貢献した経験、デジタル技術に関する知識を保有している営業経験者が歓迎される傾向にあります。

また、自身の営業活動において、デジタル技術やAIなどを活用している事例も評価の対象となります。かつてのような、足で稼ぐ営業活動では効率のよい成果を上げることはできません。顧客管理システムや営業支援システムなどを活用し、商談履歴などを分析しながら、必要なタイミングで必要な提案を行えば、顧客ニーズを捉えることができ、営業成果も高められます。

デジタルツールの導入により、営業成果を向上させた経験や提案資料作成に活用した経験の具体的なアピールは高い評価につながるでしょう。

チャレンジ精神と既成概念にとらわれない柔軟な発想

営業では、ときに困難な課題を解決しなければならないケースもあり、目標達成に向けた粘り強い努力はもちろん、困難な課題にも果敢に取り組むチャレンジ精神が高く評価されます。失敗の中から改善点を見いだし、次の商談に生かす姿勢は、営業としての成長につながるものです。

また、顧客課題の解決を図るためには製品やサービスの魅力だけを伝えるワンパターンの営業トークではなく、顧客の状況を的確に理解し、それぞれの状況に応じた適切な提案が求められます。顧客に合わせた有効な提案を行うためには、従来の方法や既成概念にとらわれない、柔軟な発想力も求められるでしょう。試行錯誤を繰り返しながら、より効果的なアプローチ法を常に模索する姿勢は高い評価につながります。

ただし、やみくもに新たなことに挑戦をする姿勢が歓迎されるわけではありません。評価につながるのは、ゴールを見据え、プランを立てながら、戦略的に挑戦する取り組みです。

営業20代の平均年収は615.3万円

JACのサポート事例を見ると、20代の営業職の平均年収は615.3万円です。20代後半になると1,000万円を超える年収での転職も多くなり、営業においては経験が年収に大きく影響する職種だと考えられます。また、法人営業やアカウントエグゼクティブなど、大手企業を対象に営業活動を実施する職へ転職された方は、高い年収提示を受ける傾向が顕著です。

■役職別平均年収

役職平均年収
メンバークラス612.4万円
管理職726.2万円

役職別の平均年収を見ると、マネジメントのポジションに就いている場合と就いていない場合では、約100万円の開きがあります。マネジメントのポジションでは、個人として営業目標を達成するのではなく、組織全体の目標達成に向け、営業戦略の企画や部下の育成などの業務に携わります。より幅広い視点での活動が必要になり、責任も重くなる分、マネジメントのポジションに就任すると年収は高くなるケースが一般的です。

■企業属性別平均年収

企業タイプ平均年収
日系企業571.4万円
外資系企業705.9万円

日系企業と外資系企業の平均年収を比較すると、100万円以上の開きが見られます。この差には、日系企業と外資系企業の報酬制度の違いが関係していると考えられます。

日系企業では、営業成績に加え、勤続年数なども考慮した報酬体系が採用されているケースが多くなっています。従って、日系企業の場合は安定した基本給を得やすい傾向にあります。

一方、外資系企業では基本給に加え、インセンティブを加えた額を提示されるケースが多いため、外資系企業の年収が高くなっています。

営業20代の転職を成功させる4つのポイント

20代が営業職への転職を成功させるうえでは、これまでの営業経験を、新たな環境でどのように生かせるのかをアピールすることが重要になります。転職成功に向けて押さえておきたいポイントを4つご紹介します。

  • 業界の専門知識とトレンドの把握
  • 提案営業の経験と具体的な成果の提示
  • データドリブンな営業経験のアピール
  • 異文化対応力と語学力のアピール

業界の専門知識とトレンドの把握

あらゆる業界において、新規事業部門における営業職を募集する企業が増加中です。新規事業の成功は、企業の成長に大きな影響を与えます。顧客に直接、接する機会の多い営業は、顧客の声をヒアリングできる貴重なポジションであり、顧客の反応や不満を開発部門や企画部門へのフィードバックする重要な役割を担います。

新規事業を成功させるうえでは、新たな顧客層を開拓する営業の力が欠かせません。しかし、新規事業の成功に向け、社内の営業担当者を育成するには時間がかかります。そのため、業界の専門的な知識と営業ノウハウを持つ営業経験者を外部から登用する動きが強まっているのです。特定業界に関する専門的な知識は、新規事業部門の営業職への転職において大きなアドバンテージとなります。

さらに、カーボンニュートラルや資源循環事業、デジタルマーケティング事業など、業界ごとのトレンドの把握も20代の営業希望者に求められるスキルです。業界トレンドの理解は、業界が抱える課題解決に向けた、有益な提案を可能にし、顧客との強固な信頼関係の構築につながると期待されます。

提案営業の経験と具体的な成果の提示

ソリューション営業など、顧客課題の解決を図る営業の募集が増加している中、顧客にとって価値のある提案を行える能力は、各業界において高い評価を得られます。さらに、顧客が抱える潜在的な課題を指摘し、顧客を主体的にサポートするインサイト営業の経験はより高い評価につながるでしょう。

ただし、営業経験だけのアピールでは、自身の能力を応募企業に十分伝えることはできません。営業の結果、顧客にどのような価値をもたらしたのか、成果を含めてアピールすることが非常に重要です。具体的な成果を示すことによって、顧客営業の経験だけではなく、顧客課題の解決を叶えるコンサルティング能力を保有することの証明ともなります。

データドリブンな営業経験のアピール

JACが取り扱う求人を見ても、データ分析やデジタルマーケティングなど、データドリブンな営業スタイルを求める企業が見られます。顧客課題の解決や営業目標達成に向けては、勘に頼るのではなく、客観的なデータに基づいた戦略や施策の立案が効果的です。

データ分析により、購買意欲の高い顧客や適切な提案タイミングを把握でき、営業効率と成約率の向上につながります。

これまで、データに基づいた営業戦略を立案した経験がある場合には積極的にアピールしましょう。面接時には、成果に加え、データ活用に関するノウハウの共有意欲を示せば、組織全体の成果向上にも貢献する姿勢のアピールにつながります。個人の成果だけでなく、組織全体の成長に貢献したいという意欲は、さらに高い評価につながるでしょう。

異文化対応力と語学力のアピール

グローバル展開を進める企業や外資系企業では、英語をはじめとした語学力を求める傾向が強まっています。異なるバックグラウンドをもつ同僚や顧客とスムーズな関係を構築するためには、語学力はもちろん、異文化を理解し、受け入れる柔軟性も大切です。

海外顧客との取引経験や海外での活動経験は、転職時に大きなアピールとなります。面接時には、対応した国や地域、外国語によるコミュニケーションの程度などを具体的に伝えることが大切です。

営業20代の転職成功事例

JACのサポートによって営業職へ転職された20代の方の2つの事例をご紹介します。

専門性を武器に、20代でセキュリティ領域のエンタープライズ営業へ

Dさん(男性/20代後半)

業種職種年収
転職前クラウドサービス関連業フィールドセールス/アカウントエグゼクティブ1,100万円
転職後サイバーセキュリティ関連業アカウントエグゼクティブ/アカウントプランナー1,450万円

Dさんは、クラウドサービス関連会社において、小売りやアパレルの大手企業を対象としたフィールドセールス・アカウントエグゼクティブとして活躍されてきた方です。IT企業でセキュリティサービスのインサイドセールスやハイタッチセールス、パートナー営業も経験するなど、幅広い営業経験をおもちでした。

営業としてさらなるステップアップを目指したいと考え、転職を決意されたというDさんに、JACではサイバーセキュリティ関連企業のアカウントエグゼクティブをご紹介。

日本を代表するエンタープライズ企業に対してセキュリティ関連ソリューションのセールスを行う業務であり、Dさんがセキュリティ分野で培ってきた豊富な知識と営業経験を最大限に活かせる求人であると判断したためです。

面接では、Dさんのセキュリティに関する専門的な知識と大手企業を担当し、結果を出してきた営業手腕が高く評価され、見事年収アップでの採用が決定しています。

マーケ経験を武器に、20代でメディア企業の戦略営業へ転身

Rさん(男性/20代後半)

業種職種年収
転職前Eコマースオペレーションスペシャリスト800万円
転職後メディア事業法人営業1,350万円

Rさんは、化粧品・健康食品メーカーの海外事業部において販売戦略の立案から広告展開など、マーケティング全般に関わった経験をもつ方です。その後、転職をされ、大手Eコマースのオペレーションスペシャリストとして勤務されてきたものの、かつてのような、売り上げに直接携われる仕事への転職を希望。

JACでは、インターネットメディアを運営する企業の法人営業職を提案。ECプラットフォーム事業のさらなる拡大を目指し、営業戦略の立案や大手企業を対象とした顧客開拓、マーケティングなど、横断的なプロジェクトをリードするポジションです。

営業経験はないものの、大手Eコマースで培った経験や海外での戦略的なマーケティング経験が高く評価され、大幅な年収アップのオファーを受け、転職を成功させました。

営業での経験や専門性を生かす転職ならJAC Recruitment

20代の営業経験者を対象に、数多くの企業が積極的な採用を進めています。特に新規事業の立ち上げや次世代のビジネスモデルの構築においては、柔軟な発想力と高い成長意欲を備えた若手の方への期待が高まっています。

JACでは、各業界に精通したコンサルタントが在籍し、医療、IT、製造、金融など多岐にわたる分野の営業ポジションをご紹介しています。

これまでの営業経験を土台に、より高度なフィールドでキャリアを飛躍させたいとお考えの方は、ぜひ一度JACにご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

編集部

当サイトを運営する、JACの編集部です。日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。

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