金型設計の転職事情|年収相場や求められるスキル・経験などを解説

金型設計は、自動車部品や電子機器などの製造に欠かせない金型を設計・開発する専門職です。高精度かつ短納期への対応が求められる中で、経験豊富な設計者への需要は年々高まっています。熟練技術者の不足も相まって、転職市場でも注目される職種の1つです。

本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)の製造業専門コンサルタントが金型設計の仕事内容や年収、最新の求人情報、採用動向について詳しく解説します。

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金型設計の転職動向


金型設計職の転職市場では、近年の技術革新や市場の変化に対応するべく、人員増加の需要が高まっています。以下では、増加傾向にある主だった業種とその内容について解説します。

自動車部品関連

「受注増」や「EV化対応」「新領域立ち上げ」にともなう増員・組織強化を目的とした募集が目立ちます。特に、電動化や軽量化に対応した製品開発のニーズが高まっており、それにともなって高い品質を保ちながら、かつ一定の期間で対応できる金型設計者の需要が高まっています。

高齢化社会の進展にともない、医療機器の需要が増加しています。特に、診断機器や治療機器の開発が進んでおり、それに対応するための金型設計や成形技術の開発が求められています。例えば、注射器やカテーテル、人工関節の部品など、高い精度と品質が必要な金型設計がこれらに含まれます。

5GやIoTの普及にともない情報通信機器部品の需要が増加する中、スマートフォンやタブレット、ウェアラブルデバイスなどに必要な基板やコネクタ、アンテナなどの高性能、かつ精密な部品製造が求められています。

農業機械の自動化・効率化の進展にともない、農機建機部品の需要が増加。具体的には、トラクターやコンバイン、プランターなどの内外装部品で、これらの部品は耐久性と機能性が求められるため、専門的な設計と製造技術が必要です。

また、海外工場の展開や生産ラインの自動化に対応できる方への期待も高く、即戦力や多様な設計経験をもつ人が優遇される傾向にあります。


JACのデータによると金型設計の転職市場では、以下のようなスキル・経験・マインドが求められる傾向にあります。

・射出成形金型の設計経験
・プレス金型や機械加工の知識・経験
・3D CAD(特にCATIA V5)の操作スキル
・生産技術・製造プロセスへの理解
・自動車業界での実務経験

ここから、それぞれの内容について解説します。

射出成形金型の設計経験

自動車部品メーカーや射出成形部品を扱う企業では、射出成形金型の設計経験が必須とされるケースが多く見られます。特に、金型の構造設計から流動解析、成形条件の最適化まで一連の工程に関与した経験が評価される傾向です。設計精度や納期対応力も重視されるため、即戦力となる経験があると有利でしょう。

プレス金型の設計や製造経験も高く評価されます。金属加工をともなう製品開発においては、材料の特性や加工法に精通していることが重要です。また、金型製作の現場において機械加工(マシニング、ワイヤーカットなど)の経験があると、設計と製造の連携がスムーズに進み、実務に直結するスキルとして重宝されます。

設計業務では3D CADソフトの操作が不可欠で、CATIA V5の経験者が特に歓迎される傾向にあります。製品設計との連携や3Dデータでの検討、金型構造の検証が必要なため、CAD操作だけでなく設計意図を反映させる能力も重要です。企業によってはSolidWorksやNXの経験も評価されます。

金型設計は単なる図面作成ではなく、生産ライン全体の効率や品質に直結するため、製造現場への理解が不可欠です。工程設計やトライ対応、コスト意識を持った設計経験は、企業が求める「現場目線の設計力」として高く評価されます。量産を意識した設計ができる方は特に重宝されるでしょう。

特に自動車部品メーカーでは、業界特有の品質管理基準(IATF16949など)や開発プロセス(APQP、PPAPなど)を理解していることが望ましいです。自動車業界での就業経験があることで、仕様変更や短納期対応などの実務に対応できる柔軟性と判断力が期待されます。

金型設計の平均年収は573.6万円


JACの実績※では、金型設計の平均年収は約573.6万円です。年収のボリュームゾーンは550万円~750万円となっています。下記の表は年代別の平均年収ですが、企業規模や担当する領域、これまでのご経験によって、30代でも年収が550万円を超えるケースや40代で年収750万円以上のケースもあります。

役職平均年収
メンバークラス566万円
管理職630万円

平均年収
日系企業572万円
外資系企業584万円


JACでは、多数の金型設計の求人を取り扱っています。その中から抜粋し、ご紹介します。

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年4月最新)

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金型設計への転職で有利となる資格


金型設計の転職を目指す場合、以下の資格を取得しておくと有利でしょう。

・機械加工技能士
・CAD利用技術者
・技術士
・プラスチック成形技能士
・QC検定

ここから、各資格の内容を解説します。

機械加工技能士は、旋盤やフライス盤などを用いた加工技能を証明する国家資格で、金型設計における加工精度や製造工程の理解を深めるうえで有利です。設計と製造現場の橋渡し役として重宝され、実務経験があれば1級取得も目指せます。設計と現場の連携力をアピールできる資格です。

CAD利用技術者は、2D・3D CADの活用能力を評価する民間資格です。モデリングや図面設計に関するスキル証明となります。特に、CATIA、SolidWorksなどを扱う職場では評価が高く、未経験者でも2級取得で基礎スキルの証明が可能です。実務経験と組み合わせて転職時に有利でしょう。

プラスチック成形技能士は、射出成形やブロー成形などプラスチック加工に関する国家資格です。成形条件の知識や不良対策の理解は、設計品質の向上に直結します。金型設計でも成形品の特性に配慮した構造設計が求められるため、設計と製造の両方を理解するとして高く評価される傾向です。

QC検定は、製造業における品質管理の基本的な知識や手法を体系的に学べる検定です。金型設計では、トライ&エラーの段階で発生する不具合の分析や再発防止策の立案が求められます。2級以上を持っていると、設計段階から品質を意識した提案ができると評価されます。

日本規格協会「QC検定」

金型設計のキャリアパス


金型設計は、どのようなキャリアパスを描けるのでしょうか。ここでは、5つのキャリアパスをご紹介します。

マネジメント職は、リーダーシップを発揮し、チームや組織全体の成果を最大化したい方に向いています。金型設計の実務経験を積みながら、プロジェクト管理能力やコミュニケーションスキルを磨き、チーム運営に必要なスキルを身につけることが重要です。

さらに、経営視点を持ち、組織目標の達成に貢献することで信頼を得て、リーダーや課長などの役職へステップアップしていきます。人材育成や意思決定力も求められるため、多方面での成長が必要です。

スペシャリストは、特定分野で専門性を高めたい方や技術力を極めたい方に適しています。金型設計に必要な素材や構造、製造プロセスに関する知識を深く学び、新しい工法や技術の開発に挑戦することが必要です。

また、資格取得や業界内での技術的な評価を高めることで、専門家としての地位を確立できます。このキャリアでは、最新技術への興味と継続的な学習が成功の鍵となり、自分自身の市場価値を高めることが可能です。

研究・開発職は、新しい技術や工法の開発に興味があり、創造的な仕事に携わりたい方に適しています。金型設計の基礎知識を生かしながら、新規設備やシステム開発に取り組むことが大切です。このキャリアでは材料工学や機械工学などの専門知識が必要となり、継続的な学習と研究活動への積極的な参加が成功への鍵となります。

また、新技術の提案や特許取得などによって企業内外で評価される機会も増えます。創意工夫と探究心が重要なキャリアです。

海外勤務や国際的なキャリアは、グローバルな視点で働きたい方や語学力を生かしたい方に向いています。このキャリアでは海外企業との共同プロジェクトや現地工場での勤務経験が欠かせません。英語などの語学力だけでなく、異文化理解能力や国際的なビジネスマナーも必要です。海外勤務では新たな視点を得る機会となり、自身の市場価値を高めることにつながります。

また、日本国内で得た経験を海外市場に応用することで、新しい挑戦にも対応できる柔軟性が不可欠です。

製造技術者は、設計だけでなく製造現場での実務にも携わりたい方に向いています。このキャリアでは、設計から製造まで一貫した知識と経験が必要です。特にCAD/CAMスキルや加工技術を習得し、現場で発生するトラブルへの対応力を身につけることが欠かせません。

また、製造現場での経験を通じて実践的なノウハウを蓄積することで、設計と製造の両面で活躍できる貴重な戦力となります。現場感覚と理論のバランスが求められるキャリアです。


金型設計の転職を成功させるためには、以下5つのポイントを押さえなくてはなりません。

・射出成形やプレス金型に関する実務経験を明確に伝える
・生産現場への理解と連携力をアピールする
・使用可能なCADソフトとスキルレベルを示す
・モノづくり全体を見通した設計思考をもつ
・転職エージェントを活用する

ここから、各ポイントの内容を確認しておきましょう。

企業は即戦力を重視しており、金型設計の経験年数だけでなく、関与した製品・工程・役割を具体的に示すことが重要です。特に、射出成形やプレス金型の経験がある場合、図面作成・トライ対応・流動解析など、どの工程を担ったかを明記すると書類選考の通過率が高まります。

募集背景には「生産ラインの自動化」や「工数増加への対応」が多く見られ、設計だけでなく現場との連携スキルが求められています。図面の正確性だけでなく、量産化を意識した工法や加工性の配慮、現場との調整力を備えていることが評価されるでしょう。

使用可能なCADソフトとスキルレベルを示す

職務経歴書には、CATIA V5やSolidWorksなど、企業が使用しているCADに関するスキルを明確に記載しましょう。3D CADの操作経験は多くの求人で必須条件に挙げられており、操作スキルだけでなく、設計の精度やスピードも面接で確認されやすいポイントです。

企業は、長期的に活躍できる方を求めています。「なぜ設計職を続けたいのか」「今後どのようなスキルを伸ばしたいのか」といったキャリアビジョンを明確に語ることが、面接成功の鍵です。募集背景と合致する「生産拠点の拡大」や「組織強化」への貢献意欲を示すと効果的でしょう。

専門的な知識をもつ、JACのような転職エージェントを活用することで、有利な求人情報や履歴書添削、面接対策など幅広いサポートが受けられます。また、非公開求人情報にアクセスできたり、企業側のニーズを深く理解したりする手助けとなるでしょう。

金型設計の転職事例


ここからは、JACを活用して金型設計へ転職した事例をご紹介します。

Wさん(男性/40代後半)

業種職種年収
転職前大手リサイクル・自動車部品系企業金型設計450万円
転職後大手金属加工・機械部品系企業プレス金型技術職600万円

Wさんは「ものづくりの現場で、再び技術者としての手応えを感じながら働きたい」という思いから転職を決意されました。これまで順送・単発プレス金型の製造から設計、CAMデータ作成、設備操作、さらに金型管理まで幅広い業務に従事してきた熟練の技術者です。

前職では間接部門に近い業務が中心となり、再び現場での加工や設計に戻りたいと考えていた中、JACのコンサルタントは通勤面・年収面・労働環境のバランスを重視しながらマッチする企業を提案。結果として、プレス金型の技術職としてものづくりの最前線で活躍できる企業への転職を実現しました。年収も450万円から600万円へとアップし、現場での技術を再び発揮できる環境を得ていらっしゃいます。


金型設計は、顧客との仕様打ち合わせやCADを用いた設計、試作から量産立ち上げまで幅広い工程を担う責任感のある職種です。また、精密性や効率性が求められるため、高い技術力と問題解決能力が求められます。

JACは製造業専門のコンサルタントが多数在籍し、業界動向に精通したプロフェッショナルが転職希望者を徹底的にサポートします。応募書類の添削や模擬面接など、細部にこだわった支援体制が魅力です。さらに、多くの企業との強固なネットワークを生かし、キャリアアップや新しい挑戦を目指す方々に最適な選択肢を提供します。金型設計への転職を検討される際は、ぜひJACへご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

編集部

当サイトを運営する、JACの編集部です。日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。

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