CMO(最高マーケティング責任者)の転職事情|年収相場や求められるスキル経験を解説

CMO(最高マーケティング責任者)の採用は、単なる集客責任者の登用ではなく、「事業成長を誰に託すか」という経営判断として行われるケースが増えています。
JAC Recruitment(以下、JAC)の支援実績においても、CMO採用は事業拡大期やブランド再構築、デジタル変革の局面に集中しています。

本記事では、JACが、CMOポジションの転職動向や、必要とされるスキル、最新求人・転職情報を解説します。

 

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CMO(最高マーケティング責任者)の転職市場は、Web・デジタルマーケティングを中心に、サービス、IT・通信、エレクトロニクス、消費財、金融、流通・小売といった多様な業界へと拡大しています。
その背景には、顧客接点のデジタル化をはじめ、CRMやマーケティングオートメーションを含むマーケティング機能の高度化、ブランド再構築、新規事業の創出といった経営課題があります。こうした状況を受け、「マーケティングを企業成長の中核に位置づける」動きが加速しています。

特に、DXによる顧客行動の変容やポストコロナにおける市場再編を受け、CMOを“攻めの投資”として迎え入れる企業が増加しています。
JACの実績データによると、最も多く求められているのは、マーケティング戦略の策定・実行とブランドマネジメントです。加えて、Web広告、SNS運用、データ分析、CRM、MA運用といったデジタル施策も、実質的に必須となっています。
プロダクト成長に向けたリード獲得、顧客分析、広告予算の策定・管理など実務寄りのテーマも多く、近年のCMOには 「戦略と実務をハイブリッドで担えるマーケター」 が求められていることが明確です。

また、CMOは専門職の延長ではなく、組織マネジメントや部門横断の統括能力が強く期待されている点も特徴です。
チームビルディング、人材育成、営業部門や経営層との連携、全社プロジェクトの推進といった“組織を動かす”役割が重要視されており、マーケティング部門のリーダーという枠を超えた 「経営視点で全社を牽引する役員候補」 としての位置づけが際立っています。

募集背景としては「事業拡大」「成長」「組織強化」が圧倒的に多く、既存事業の売上加速、新規顧客獲得、ブランド再構築を目的とした採用が中心です。
新規事業フェーズでの採用も見られ、ゼロベースからマーケティング組織を構築できる経験が歓迎される傾向が強まっています。英語力については“不問”または“初級以上”が大半で、CTO等と比較するとグローバル要件は相対的に低めです。

総じて、CMO市場はデジタル化とデータ活用の進展に伴い拡大しており、今後も多様な業界で採用ニーズが高まる見通しです。
マーケティング戦略とデジタル施策を統合し、事業成長を牽引できる“経営視点を持つマーケティングリーダー”の価値は、今後さらに高まると考えられます。


CMOという役職は、企業がマーケティングを経営の中核機能として位置づけるようになった流れの中で生まれました。特に1980年代以降、米国企業を中心にマーケティング活動の重要性が高まり、経営レベルで統括するポジションとしてCMOが設置されるようになったと考えられます。

その後、顧客接点の多様化や企業間競争の激化に伴い、マーケティングの役割は単なる販促機能から戦略機能へと進化しました。加えて、インターネットの普及やデジタル技術の進展により、データに基づいた意思決定や顧客体験の設計が求められるようになり、マーケティング領域はさらに高度化しています。このような変化のなかで、マーケティング戦略を経営視点で統括できる管理職として、CMOの重要性は一層高まっています。

一方で近年では、企業成長をより包括的に担うことを目的に、CMOに代わる役職としてCGO(Chief Growth Officer)を設置する動きも見られます。CGOは、従来のマーケティング機能に加えて、新規事業開発や売上成長の推進など、より広範な領域を横断的に担う役割とされています。

このように、マーケティングを取り巻く環境は大きく変化しており、CMOに求められる役割も進化しています。現在では単なるマーケティング責任者にとどまらず、経営戦略に深く関与し、複数の機能を横断して企業成長を牽引する存在としての役割が期待されるようになっています。


CMOという役職は、グローバル企業では広く認知されている一方で、日本企業においては必ずしも一般的とはいえない状況が続いています。その背景には、日本特有の経営体制や人材育成の在り方が影響していると考えられます。

まず、日本企業では従来、部門横断的な意思決定よりも各部署ごとの役割分担を重視する傾向が強く、マーケティングを経営の中枢機能として統括するポジションが設置されにくい環境がありました。また、営業や企画といった複数の機能に分散してマーケティング的な役割を担うケースも多く、専任の責任者を置く必要性が相対的に低かったといえます。

加えて、人材育成の面でも、特定分野の専門性を深めるよりも幅広い業務経験を積むことを重視する傾向があるため、マーケティングを軸に経営に関与できる人材が育ちにくい側面があります。その結果、マーケティングの専門性と経営視点の両方を兼ね備えたリーダーが不足し、CMOの設置や活用が進みにくかったと考えられます。

しかし近年では、顧客接点のデジタル化や消費行動の多様化により、マーケティングの重要性はこれまで以上に高まっています。顧客がさまざまなチャネルから情報を収集するようになったことで、最適なタイミングと手法で価値を届ける戦略が企業成長に直結するようになりました。また、オンラインを中心とした営業やプロモーションの重要性が増したこともあり、マーケティングを経営課題として捉える企業が増えています。

こうした変化を背景に、日本企業においてもマーケティング機能を強化する動きが進みつつあり、CMOまたはそれに準ずるポジションを設置するケースも増加しています。今後は、環境変化に柔軟に対応しながら顧客価値を創出できる体制を構築するために、経営とマーケティングを橋渡しする役割の重要性がさらに高まっていくと考えられます。


本章では、CMOが担う、主な次の6つの役割と必要なスキルについて解説します。

・経営資源をもとにしたマーケティング戦略立案
・各部門を束ねたマーケティング主導
・社内外のステークホルダーとの関係構築
・社内マーケティング組織の包括的な管理
・ブランディングの構築と強化
・市場探索を行い新たなニーズを捉える

CMOが担う主な役割として、企業の持つ経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を最大限に活用し、効果的なマーケティング戦略を立案することが挙げられます。どんなに優れた商品やサービスを有していたとしても、効果的なマーケティングを実行できなければ、売り上げにはつながりません。
単に情報を発信するだけではなく、市場の動向や競合の状況、顧客のニーズなどを分析し、企業の強みを生かした戦略を構築し、適切かつ戦略的にマーケティングに取り組む必要があります。

経営資源をもとにしたマーケティング戦略立案にあたっては、高度な分析力や戦略立案の知見、経営とマーケティングを紐づけられる経営者視点の思考が求められるでしょう。

各部門を束ねたマーケティング戦略の主導も、CMOが担う役割の一つです。
例えば、営業部署と連携したリードジェネレーションや社内の部門同士あるいはCEOなどの上級役員と部門との間で意見の衝突が発生する際には解決役を担うこともあるでしょう。
このように、各部署や関係者とのコミュニケーションが頻繁に発生することから、CMOとして業務を推進する際はリーダーシップや調整力、コミュニケーション力など、各部門を束ね業務を推進する能力が不可欠です。

CMOは、社内の各部門だけでなく、顧客や取引先、メディア、投資家など、社内外のさまざまなステークホルダーとの良好な関係を構築する役割も担います。
顧客との良好な関係は、リピート率の向上や口コミによる新規顧客獲得につながるでしょう。また、取引先と良好な関係を築くことで、円滑な事業運営や新たなビジネスチャンスの創出に寄与する可能性が期待できます。
このように企業のマーケティングとステークホルダーとの関係は、互いに関与し合う関係となっており、このことから、CMOは自身の交渉力やコミュニケーション能力、相手のニーズを深く理解する洞察力などを養い、社内外のステークホルダーとの良好な関係の構築に努める必要性があるといえます。

CMOは、社内のマーケティング組織全体を包括的に管理する役割を担います。適切なタイミングで効果的なマーケティングを実行するためには、社内の組織体制を常に最適な状態にしなければなりません。CMOが組織を適切に管理することで、限られた資源を最大限に活用し、より高い効果や成果を生み出すことができるでしょう。

また、マーケティング組織を適切に管理・運営するためには、組織マネジメント経験や人材育成経験、ときには採用や予算管理などの経験や知見が求められることもあるでしょう。

企業のブランドイメージを構築し強化する役割もCMOが担う役割に含まれます。そのためCMOは、広告やPR、キャンペーンを通じて顧客の心をつかむ戦略を展開していくことが肝要です。
顧客からの信頼と愛着を生み出すことで、価格競争に巻き込まれにくくなったり、競争力強化の向上につながったりします。イメージどおりのブランディングを構築し、さらに強化を図るためには、デジタルメディアをはじめとする最新手法に関する知見や、ブランディングの効果を最大化するクリエイティビティなどが必要になるでしょう。

CMOは、市場の潜在的な需要を探り、新たなニーズを捉える役割も担います。市場や顧客のニーズは常に変化しており、過去の成功や体験にとどまっているだけでは、持続的な事業成長を実現できません。CMOが常に市場を探索し、新たなニーズを捉えることで、市場や顧客ニーズの変化にも柔軟に対応できるでしょう。

CMOとして活躍するためには、市場調査を通じて顧客の潜在的なニーズを探る能力や収集した情報を分析し新たなビジネスチャンスを見いだす分析力、最後に新しいサービスやマーケティング手法を創造するイノベーション力などの能力も求められることを理解しておきましょう。

CMO(最高マーケティング責任者)の平均年収は約1,750万円前後

JACの実績データによると、CMOの平均決定年収は約1,730万円前後となっています。年収のボリュームゾーンは1,000万〜2,000万円台で、なかでも 1,300万〜1,900万円付近に集中している点が特徴的です。

企業規模別に見ると特に、成長投資フェーズやブランド再構築、デジタル活用を急ぐ企業では高額オファーが提示されやすく、一部では3,000万〜3,400万円規模のオファーが見られます。

一方で、決定者の現年収との比較でマイナスとなるケースもあり、昇給・減給の振れ幅は小さくありません。これは、CMOの役割範囲が企業ごとに大きく異なるためです。
マーケティング領域の専門性、ブランド戦略の推進力、組織マネジメント力、デジタルマーケティング手法への習熟度、事業コミットの強さなど、評価軸が多面的であることが影響しています。


本章では、CMOの最新転職・求人情報を紹介します。

株式会社フィッツコーポレーション:マーケティング責任者候補(CMO候補)
GOジョブ株式会社:【CMO候補】GOジョブの事業成長を牽引するマーケティング責任者
リテールテック企業:マーケティング責任者(CMO候補)

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2026年5月最新)

本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。CMOをはじめとするエグゼクティブ層向けの求人は、競合他社に事業戦略や方針などの機密情報が洩れることを懸念視し、非公開で社員の採用を進めるケースが大半です。
そのためCMOに関する求人情報を知りたい場合は、JACなどエグゼクティブポジションの求人を豊富に取り扱う転職エージェントの利用をおすすめします。

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デジタルとデータを軸にした実務遂行力

JACの実績データを見ると、CMOとして転職を成功している方の多くは、Webマーケティングや広告運用、MA/CRM、DMP活用などのデジタル領域に深く携わった経験をもっています。3C分析やペルソナ設計を行い、効果検証のPDCAを自ら高速で回しながら、顧客行動の変化に合わせて戦略や施策を適宜アップデートできる点が高く評価される傾向にあります。定性的な感覚に頼らず、データに基づいて意思決定し、事業成長に直結させる力が求められています。

経営戦略と事業推進を兼ね備えた“経営視点”

決定した方々の傾向を見ると、マーケティング領域を超えて経営そのものに踏み込み、全社視点で意思決定してきた方が多く見られます。具体的には、中長期の経営戦略の策定、競合環境の分析、事業構造の再定義などに取り組んできた経験です。単なる集客やブランド強化ではなく、事業課題を構造的に捉え、事業計画や収益モデルに結びついたマーケティングを語れることが、経営層からの信認につながっています。

組織を牽引するマネジメント力とリーダーシップ

CMOとして転職を成功された方々には、大規模組織の統括や部門横断の調整、組織変革の推進といったマネジメント経験が共通して見られます。仮説検証を進めながら関係者を巻き込み、成果に向けて組織を動かす力こそが、専門性以上に問われる資質です。営業やプロダクトとの協働をリードし、全社の成長に寄与できる“推進力のあるリーダー”であることが成功の鍵になります。

数値感覚と財務知識を備えたマーケティング思考

PL・BS・KPI・KGIへの理解を土台に、マーケティング施策を財務の視点と結び付けて説明できる点も共通する特徴です。数値の因果関係を読み解き、優先すべき打ち手を的確に判断し、投資対効果を最大化させるマネジメント力が求められています。マーケティングを“コスト”ではなく“投資”として扱い、その成果を財務的に説明できる力が、経営陣からの高い信頼につながります。

グローバル対応力と語学力のレバレッジ

TOEIC高スコア、海外拠点での経験、MBAなど、グローバル視点をもつ転職候補者も複数成功しています。海外市場や異文化への理解力は、今後ますます価値が高まるスキルです。海外パートナーとの協働、本社・グループ間の連携、越境したマーケティングプロジェクトを推進できる力は、企業が競争力を高めるうえで大きなアドバンテージとなります。

CMO(最高マーケティング責任者)の転職事例

大手企業のCMOから異業界CMOへ。経営視点と組織統括力を軸に、次のステージへ

Jさん(60代前半/女性)

業種職種年収
転職前総合電機・ITソリューション企業CMO5,000万円
転職後産業機械メーカーCMO3,400万円

Jさんは、商社でのシステムエンジニアとしての経験を起点に、海外大学院で情報管理・工学を修め、その後は外資系IT企業でマーケティングキャリアを築いてきました。複数のグローバル企業で事業開発・営業・マーケティングを幅広く経験し、直近では大手企業の執行役員CMOとして、グローバルを含む約800名規模の組織を率いてきた実績をお持ちです。

60代を迎えるにあたり、IT/DXとマーケティングの知見を経営に活かしながら、引き続き価値を発揮できる環境を求めてJACへご相談いただきました。

JACでは、Jさんのキャリアを「ITとマーケティングを横断し、全社変革を実行できる経営人材」として再定義。企業側には、Jさんの強みを経営視点で丁寧に言語化し、役割設計や期待値のすり合わせを綿密に行いました。今回の転職先は前職とは異業種であり、事業構造が大きく異なるため、異業界での活躍可能性を明示し、既存組織の課題とJさんの経験の接点を整理することで、双方の理解を深める橋渡しを行いました。

こうした調整を経て、経営を牽引するCMO候補としての入社が決定。現在は事業成長やブランド再構築を担う重要な役割を担っていらっしゃいます。

戦略コンサルから教育領域CMOへ。事業成長を担うマーケティング統括へキャリア進化

Jさん(40代前半/男性)

業種職種年収
転職前サービス業(人材)戦略コンサルタント1,200万円
転職後サービス業(教育)CMO1,400万円

Jさんは、新卒で営業職としてキャリアをスタートした後、大手Web広告代理店で企画営業・リスティング広告・SEO・メディア広告・動画領域など幅広いマーケティング手法を習得し、マネジメント層へ昇進。事業経験を求めて転じたベンチャー企業では執行役員としてビジネス領域全般を統括し、吸収合併後はマーケティング戦略の責任者を務めました。

その後、現職ではプロダクト戦略にも深く関与し、事業とマーケティングの双方に強みを持つキャリアを形成されています。
今後は「マーケティング責任者として事業成長を主導したい」という明確な志向のもと、JACへご相談いただきました。

JACでは、Jさんの多様な経験を「戦略思考とマーケティング実務の両面を兼ね備え、事業成長を牽引できるリーダー」として再整理。企業側には、事業理解力・デジタル領域の深さ・組織マネジメントの実績を総合的に説明し、CMOとしての役割期待を丁寧に言語化しました。教育サービス企業におけるBtoCマーケティングの重要性や、同社の成長フェーズに対してJさんが発揮できるインパクトを両者に橋渡しすることで、共通認識を醸成。役割・裁量・意思決定の範囲など、候補者側の希望との整合性も細かく調整しました。

その結果、同社の事業成長を直接担うCMOとしてのご入社が決定。マーケティング戦略の策定から実行、事業全体のグロースをリードするポジションで、さらなるキャリア発展を実現されています。

CMOへの転職なら、JAC Recruitmentへ

CMOは、企業の成長を左右するマーケティング戦略の中枢を担う経営ポジションです。ブランド価値から顧客体験、デジタル施策までを統合的に指揮します。近年は、デジタル広告やSNS、CRM、MA、データ分析の高度化に伴い、戦略立案・実行推進・組織マネジメントを兼ね備えたリーダーが求められています。

JACでは、SaaS・EC・消費財・金融・ヘルスケア・製造業・人材サービスなど幅広い業界で、CMO/マーケティング責任者/ブランド責任者などのエグゼクティブ領域を多数支援してきました。当社の強みは、候補者のマーケティング経験、デジタル知見、組織統括力を丁寧に可視化できる点にあります。さらに、企業の成長フェーズや課題に合わせて、最適なポジションをご提案します。

CMOは、企業側でも役割定義が曖昧なことが多いポジションです。そのためJACが間に入り、期待値の整理、役割設計、権限範囲の調整を行います。あわせて、候補者が成果を出しやすい環境整備もサポートします。また、経営直下ポジションや非公開のエグゼクティブ案件など、市場に出回らない希少な求人をご紹介できるのも特長です。

CMOとしてキャリアの拡張をお考えの際には、ぜひJACにご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

編集部

当サイトを運営する、JACの編集部です。日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。

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