近年、ゲーム業界の成長にともない、ゲームディレクターの需要は高まっています。特に、スマートフォンやVRなどの新しいプラットフォームの普及により、ハイレベルなゲーム制作が求められており、ゲームディレクターの役割はますます重要になっている状況です。
ここでは、ゲーム業界に詳しいJAC Recruitment(以下、JAC)が、ゲームディレクターとはどのような職種なのか、仕事内容や年収、最新の転職・求人情報などをご紹介します。
目次/Index
ゲームディレクターの転職動向

ゲームディレクターの転職市場は、近年活発な状況が続いています。特に新規タイトルの開発にともない、多くの企業が即戦力スタッフの採用を強化しており、求人数は前年比で2倍以上に増加しています。
また、日本のゲーム市場拡大や海外企業による日本スタジオの強化も背景にあり、ゲームディレクター職への注目度はかつてないほど高まっています。そのため、経験豊富な方には複数の選択肢が提示される傾向が強く、条件交渉の余地も広がっている状況です。
ゲームディレクターに求められるスキルや経験
ゲームディレクターに転職する場合、以下のようなスキルが求められます。
ゲームの企画立案と仕様設計のスキル・経験
インゲーム・アウトゲームの企画を立案し、実装に向けて詳細な仕様書を作成することは、ゲームディレクターの仕事です。プロジェクト初期におけるコンセプト設計から、仕様の具体化、デザイナーや開発チームへの説明までを一貫して担います。
ディレクションとチームマネジメントのスキル
ゲームディレクターは企画の実現に向け、デザイナーやエンジニアの業務をディレクションし、開発チームを牽引します。特にスケジュール管理や品質管理、チームメンバーとの円滑な連携が重要で、コミュニケーション能力が不可欠です。
運営データ分析と改善施策の立案スキル・経験
インゲーム・アウトゲームは、ゲームのKPIやユーザーレビューから定性的・定量的な分析を行い、改善策を提案・実行しなくてはなりません。運営における施策の成功可否を冷静に判断し、継続的にゲーム体験を高める戦略的思考が求められます。
フリーミアム型ゲームにおけるマネタイズ設計スキル・経験
近年、ゲームディレクターはガチャやアイテム課金など、収益モデルを前提に設計されたゲーム運営において、ユーザー体験を損なわずに売り上げを最大化する企画を立案することが一般的です。バランス調整や課金導線設計などのスキルが求められます。
新技術やプラットフォームへの対応力
UnityやUnreal Engineの使用経験や、VR・AR・マルチプラットフォーム申請業務など、最新技術への対応力もゲームディレクターに欠かせないスキルです。プラットフォームガイドラインを理解し、柔軟に企画や開発を進行できる姿勢が評価されます。
ゲームディレクターの平均年収は744.5万円
JACがご支援したゲームディレクターの平均年収は744.5万円で、ボリュームゾーンは年収550万円~800万円です。各年代の平均年収は、下記となりますが、スキル・経験によっては2,500万円以上で転職されるケースも見られます。

30代後半から1,000万円を超える事例が増え、40代以降は大型タイトルの経験やマネジメントスキルに応じて高額年収を得るケースが見られます。課長職以上のポジションでは、2,000万円を超えるケースも複数あり、大規模開発やグローバル展開に関わるプロジェクト経験が年収に大きく影響しています。
スマートフォンアプリやコンソールゲームなど、関わるタイトルや企業の規模により収入差が大きく、特にプロジェクトを成功に導いた実績のある方には高年収が提示される傾向です。
なお、一般的な市場におけるゲームディレクターの平均年収は、415万~550万円前後といわれています。
ゲームディレクターの最新転職・求人情報
ここからは、ゲームディレクターの最新転職・求人情報をご紹介します。
● Bytedance株式会社: Quality Assurance Analyst
● ポノス株式会社:≪にゃんこ大戦争≫プロジェクトマネージャー
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年4月最新)
JACでは取り扱う求人の約7割が非公開求人であり、本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。非公開求人も含め自身の適性やキャリアビジョンに合う求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性やご希望に沿う求人をご紹介いたします。
ゲームディレクターへの転職に生かせる資格
ゲームディレクターに転職する際には、以下の資格を取得していると有利でしょう。
TOEIC(800点以上)
海外企業との協業やグローバル展開を担うゲームディレクターにとって、英語力は不可欠です。一般的には、TOEIC800点以上が求められますが、英語を使った実務経験の有無のほうがより重要なポイントだといえるでしょう。
参考:IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)「toeic」
Unity認定資格(Unity Certified Professional)
Unityはモバイル・コンシューマゲームの開発で幅広く使われており、開発工程や実装制約を理解していると、ディレクションに説得力が増します。Unity認定試験は、公式教材を活用すれば3カ月程度の学習で到達可能です。
参考:Unity「Unity Certified Professional: Programmer」
PMP(Project Management Professional)
PMPとは、プロジェクトマネジメント能力を証明する国際資格で、進行管理やリソース調整を行うディレクターにとって有利でしょう。実務経験と講習受講が必要で、取得には半年〜1年ほどかかる中~上級者向けの資格です。
参考:PMI「Project Management Professional (PMP) Certification」
情報処理技術者試験(基本情報・応用情報)
開発者との円滑なコミュニケーションのため、プログラミングやシステム設計の基本知識が求められます。応用情報技術者試験では論理的思考やマネジメントの基礎も学べ、半年〜1年で取得可能です。
参考:独立行政法人情報処理推進機構「統計情報(応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験)」
ゲームディレクターへの転職を成功させる5つのポイント
ゲームディレクターへの転職を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
渉外経験の強調
ゲームディレクターとしての転職を成功させるためには、渉外経験を強調することが重要です。特に中華圏での豊富な渉外経験は、企業が求めるスキルの一つなので、ビジネスレベル以上の中国語の能力を持っていることをアピールすることで、評価を高めることができます。
プロジェクトマネジメント経験のアピール
ゲーム業界でのプロジェクトマネジメント経験を具体的に説明し、リーダーシップ能力をアピールすることが重要です。例えば、海外事業のプロジェクトマネジメント経験や版元としての海外向け業務経験を強調するとよいでしょう。これにより、プロジェクトの成功に貢献できる能力を示すことができます。
数値データの分析能力
数値データを理解し、分析する業務に抵抗感がないことをアピールしましょう。ゲームディレクターにとって数値データの分析能力は重要なスキルであり、これによって企業に対して論理的思考力や問題解決能力を示すことができます。
高いコミュニケーション能力
ゲームディレクターには、関係各所とのやり取りを円滑にできる高いコミュニケーション能力が求められます。メンバーとの信頼関係を築いた経験や、関係者に適切な情報を提供する能力を企業に対してアピールすることが重要です。
柔軟性と適応力
ゲーム業界は絶えず進化しているため、最新の技術を常に把握しておく必要があります。柔軟性と適応力を持っていることを示し、状況に応じた臨機応変な対応力をアピールしましょう。
JACのような転職エージェントを利用することで、これらのポイントを整理し、適切な企業選びや面接対策を行えます。転職対策を適切に実施したい方は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
ゲームディレクターのキャリアパス
ゲームディレクターとして働く場合、どのようなキャリアパスを選べるのでしょうか。ここでは、ゲームディレクターの主なキャリアパスをご紹介します。
ゲームプロデューサーへのキャリアアップ
ゲームディレクターとして経験を積んだ後、ゲームプロデューサーへのキャリアアップが考えられます。ゲームプロデューサーは、ゲーム制作全体を統括し、予算管理や宣伝戦略も担います。ビジネス感覚と創造性が求められる職種で、ゲームディレクターとしての経験が強力な武器となるでしょう。
プロデューサーは、制作現場よりもビジネス面での責任が増すため、ディレクターとしての経験を生かしつつ、ビジネススキルの向上に努めることが重要です。
新規事業開発者への転身
ゲームディレクターとしての経験を生かし、新規事業開発者としてのキャリアを目指すことも可能です。新規事業開発者は、ゲーム開発の枠にとらわれず、新たなゲームジャンルの開発や、ゲーム以外の分野への展開を推進する役割を担っています。
革新的なアイデアとビジネスセンスが求められ、ゲームディレクターとして培ったクリエイティビティとリーダーシップを活用できるでしょう。
プロジェクトマネージャーとしてのキャリア
ゲームディレクターから、プロジェクトマネージャーへキャリアを進めることも可能です。プロジェクトマネージャーは、ゲームやシステムなどの開発環境とスケジュールを円滑に進めるためのマネジメント業務を担当します。
ゲームディレクターとして培ったスケジュール管理能力やリーダーシップを生かして、より広範なプロジェクト管理を行うことになります。
教育やコンサルティングへの転身
教育やコンサルティングの分野に進むことも考えられます。ゲーム制作の知識やスキルを後進に伝えることで、業界の発展に貢献できます。
また、コンサルティングでは、ゲーム制作のプロセスやマネジメント方法を他社に提供することで経験を生せるでしょう。
研究開発職へのキャリアシフト
ゲームディレクターとしての経験を生かし、研究開発職へのキャリアシフトも可能です。ゲーム開発における技術的な問題解決能力やクリエイティブな思考は、研究開発に役立つことが多いです。新しい技術やゲームエンジンの開発に関わることで、ゲーム業界の技術革新に貢献できます。
ゲームディレクターの転職事例
ここからは、JACがご支援してゲームディレクターへ転職した事例をご紹介します。
Uさん(男性/40代前半)
業種 | 職種 | 年収 | |
---|---|---|---|
転職前 | 国内大手ゲーム会社 | ゲームディレクター | 1,050万円 |
転職後 | 海外大手ゲーム会社 | ゲームディレクター | 1,250万円 |
Uさんは「これまでの経験を生かしつつ、よりグローバルな視点と裁量を持ってゲーム開発に取り組みたい」という意欲から転職を決意されました。JACのコンサルタントとの面談では、プロジェクトの区切りを機に社外の機会を探りたいという意向が確認され、モバイル・コンソール問わず高品質な開発環境でのキャリア継続を目指す方針が明確になりました。
Uさんの強みは、複数の国内大手ゲーム会社での豊富なゲーム開発経験と、アクションゲームにおける企画・ディレクション・チームマネジメントまで担える実行力です。また、率直な人柄と、変化に柔軟に対応する姿勢も企業から高く評価されました。
最終的に、開発裁量が大きく、グローバル展開を見据えたプロジェクトに関わるポジションへの転職が決定。年収も1,050万円から1,250万円へとアップし、新しいステージで今まで以上にご活躍しています。
ゲームディレクターの転職なら、JAC Recruitmentへ
ゲームディレクターは、ゲームの企画から開発、運用までを統括する重要な役割を担う職業です。プロデューサーやクリエイター、エンジニアなど多様な立場の人々と協力しながら、プロジェクトのスケジュール管理や品質保証、チームのモチベーション維持など、多岐にわたる責任を負います。
JACは、ゲーム業界に特化したコンサルタントを擁し、ゲームディレクターを含む幅広い職種への転職を支援してきました。JACの強みは、企業の戦略や文化、採用市場の動向を熟知しているコンサルタントが、個々のニーズに応じた具体的なアドバイスを提供することです。
また、非公開求人も多数取り扱っており、転職希望者に最適な職場を見つける手助けをします。ゲームディレクターへの転職を考える際には、ぜひJACへご相談ください。
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