さまざまな物の輸送や保管に携わる物流業界は、人々の生活を支える重要な役割を担っています。オンラインショッピングの普及にともない、個人客への配送が増加していることなどから、物流業界のニーズは今後も高まっていくと考えられます。しかし、その一方で輸送を担うドライバー不足が深刻化しており、DX化の推進などによる業務効率の改善が求められているのも事実です。市場ニーズの高まりと人手不足によって生じる課題の改善のため、物流業界の求人数は増加傾向にあります。では、物流業界ではどのような求人があり、転職した場合はどの程度の年収を得られるのでしょうか。
今回は、物流業界の最新の転職事情についてご説明します。
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物流業界の転職動向
前述のように物流業界の市場が拡大していること、人手不足が深刻化していることなどから、求人数が増加中です。2024年の物流業界の新規求人数を見ると、2023年の1.2倍以上に伸長しており、今後もこの傾向は続くと考えられます。
求人内容を見ると物流拠点の新設や拡大、貿易に関するプラットフォームの開発、次世代型ネットスーパー事業の立ち上げなど、新規事業の設立や事業拡大を背景とした求人が多くなっています。また、組織強化のための増員も増加中です。職種としては、事業企画や法人営業に関する求人が多くなっています。さらに、DX化の推進などのため、IT系の知識や実務をもつプロジェクトマネージャーや社内SEを募集する企業も増加傾向にあります。
物流業界で求められるスキル・経験・マインド
物流業界の業務は、主に、輸送・保管・荷役・営業・包装加工・流通管理・情報管理などに分けられます。また、このほかにも経営に関する業務やシステム開発、人事、経理といった業務も必要になるため、募集職種は多岐に渡ります。そのため、希望する職種ごとに求められるスキルや経験などは変わってきます。しかし、JACの取り扱い求人を分析すると、次のようなスキルや経験を求める企業が多いようです。
サプライチェーンやロジスティクスに関する知識
製品や商品を生産者から販売店・消費者まで届けるために必要な作業を物流といいます。一方、物流を含めた、原材料の調達から生産、物流、販売、消費までの一連の流れをサプライチェーンといい、物流業界ではサプライチェーンに関する知識も必要になるケースが多くなっています。また、事業企画などを進めるうえでは、物流活動を最適化し、より業務効率を高めるロジスティクスについての知識も求められます。
法人営業の経験
物流業界では、法人営業の経験者を対象とした求人が増加中です。営業担当者は、荷主の課題をヒアリングし、適切な物流サービスを提案することで、新規顧客を開拓したり、既存顧客との取引を拡大する役割を担います。従って、法人営業の職種を目指す場合には、物流やサプライチェーンについての仕組みについての知識はもちろん、相手のニーズを正確に把握する能力も必要になるでしょう。また、輸出入に関わる業務に携わる場合には、英語での折衝が可能な営業経験者を求める求人も増えています。
システム開発やプロジェクトマネジメントの経験
物流業界では、オペレーションや働き方の改善を進めており、国土交通省も関わりながら物流業務のデジタル化の実証実験なども行われています。そのため、より効率よく物流を管理できるシステムの開発経験をもつ人やDX化推進に関わるプロジェクトのマネジメント経験がある人などのニーズが高まっています。
物流業界の経験はない場合でも、何らかのシステム開発やプロジェクトマネジメントの経験があれば応募が可能な求人もあり、物流業界におけるITスペシャリストのニーズは非常に高まっているといえるでしょう。
物流業界の平均年収は748.2万円
JACがご支援して物流業界へ転職された方の平均年収は748.2万円です。また、ボリュームゾーンは650万~750万円程度となっています。
30代前半で1,000万円以上の年収を得ている方も複数いらっしゃいます。中には7,000万円を超える年収の方もいらっしゃいました。特に事業企画や事業開発、法人営業、IT系プロジェクトマネージャー職では、若い世代でも高年収の提示を受けているケースが多く、スキルや経験によっては高年収が期待できる業界だといえるでしょう。

役職 | 平均年収 |
---|---|
メンバークラス | 697.6万円 |
管理職 | 832.2万円 |
平均年収 | |
---|---|
日系企業 | 743.6万円 |
外資系企業 | 801.0万円 |
物流業界の最新求人情報
JACが扱う物流業界の最新求人を一部抜粋してご紹介します。
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年4月最新)
JACでは、このほかにも、多数の物流関連の求人を取り扱っています。物流業界や物流関連業務への転職をお考えの際には、ぜひJACにご相談ください。JACでは、物流業界に詳しい専任のコンサルタントが、転職を希望される方のキャリアプランをお伺いしたうえで、1人ひとりに最適な求人をご紹介しています。
JACが取り扱う求人の多くは、ご登録いただいた方だけにご紹介が可能な非公開求人です。豊富な物流関連求人の中から、より自分の理想に近い企業に応募するためにも、ぜひJACにご登録ください。
物流業界への転職で有利となる資格
物流に関する資格には次のようなものがあります。物流業界への転職で役立つ資格は希望する職種によって異なりますが、資格を保有している場合、知識の証明となるため、転職活動を有利に進められる可能性があるでしょう。
ロジスティクス管理
中央職業能力開発協会が実施するビジネス・キャリア検定試験の1つです。ロジスティクス企画や生産・販売計画などの受給管理、注文状況の管理などの業務に従事している人を対象とした試験となっています。物流業界ではロジスティクスの経験や知識を求められるケースも多いため、知識の証明として受験を検討するとよいでしょう。
資格には1級から3級までの3つのレベルに分けられており、最も専門的な知識が必要となるレベルが1級です。2級、3級の合格率は50~60%ですが、1級の合格率は30%前後となっています。
物流技術管理士
公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会が主催する資格試験です。物流管理者や物流技術者に必要とされる物流・ロジスティクス全領域に渡る専門知識やマネジメント技術を保有していることの証明となります。資格取得のためには、講座を終了し、所定の試験に合格する必要があります。また、講座の中では個人演習やグループ演習も含まれるため、実践的なスキルを身に付けられるでしょう。
>>公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会:物流技術管理士
貿易実務検定
日本貿易実務検定協会が主催する資格試験です。A級、B級、C級の3つのレベルがあり、貿易実務に関わる通関や為替などの幅広い知識についての出題がなされるほか、貿易上必要となる英語についての出題もなされます。また、最も上位の資格であるA級には、貿易税務や英作文も出題されるなど、貿易実務のより専門的な知識を保有していることの証明となります。
物流業界におけるキャリアパス
物流業界においては、さまざまな職種があり、職種によってそれぞれのキャリアパスは変わってきます。しかしながら、多くは専門性を極めるか、管理職を目指すかという選択肢になるでしょう。
管理職を目指す

物流業界のどの部門においても、メンバーを統率する管理者は必要です。一般的には、特定の部門での実務経験を積み、複数名のメンバーをまとめるリーダーなどを経験したうえで、マネジメントのポジションに就くケースが多くなっています。
管理職になった場合、部下の育成についての責任を負い、よりよい組織を構築するとともに、予算管理に対しても責任をもつこととなります。やりがいは大きいものの責任も重いポジションとなるため、上昇志向が強い人や幅広い視野をもつ人、戦略的な考え方ができる人などが、管理職には向いています。
物流業界におけるスペシャリストを目指す
近年、物流業界全体が取り組んでいるDX化を推進するためには、業務効率を改善させ、無駄のない物流を実現するシステムの構築が必要です。そのため、IT関連の知識をもつ方のニーズも高まっており、特に情報システムについての知識をもつスペシャリストが歓迎される傾向にあります。DX化の推進は今後も続くと考えられており、デジタル技術の発展とともに、システムもより使いやすく、より効率化を実現するものへとアップデートしなければなりません。そのため、情報システムの構築に関わる業務を担っている場合などは、ノウハウと実績を蓄積することで物流業界のシステム構築のスペシャリストになるという道もあるでしょう。
また、IT関連職だけでなく、法人営業や物流管理などの部門においても、専門的な知識と技術を育み、スペシャリストとして活躍する選択肢があります。探求心の強い方や粘り強く物事をやり遂げられる方などは、スペシャリストとしてのキャリアパスが向いているでしょう。
物流業界の転職を成功させる3つのポイント
物流業界の求人の動向を見ると、新規事業の設立や事業拡大に伴う求人のほか、DXの推進やグローバル展開の強化などに関わるものが多く見られます。そのため、物流業界への転職を希望する際には、次のような点を中心にアピールするとよいでしょう。
新規事業の立ち上げに関わる経験
新規事業の立ち上げには、市場調査から事業計画、資金調達、製品やサービスの開発とさまざまなステップが必要になります。また、新規事業を円滑に進めるためには、社内外との連携が必要になり、良好な人間関係を構築するコミュニケーション能力が欠かせません。
新規事業に関わった経験は物流業界への転職において、大きなアピールになるでしょう。どのような事業の立ち上げにおいて、どのような役割を果たしたのか、立ち上げ時に学んだことを含め、自身が応募先企業に貢献できる点を具体的に説明するようにしましょう。
DX化の推進に関連する実績
物流業界では、労働力不足の解消、業務効率化の推進のため、業界全体としてDX化が進められています。DX化の推進に関わる求人も増加傾向にあり、DX化の推進に関わる業務に携わった経験は、転職時に優位に働く可能性が高くなります。
企業のDX化を推進するプロジェクトのマネジメント経験や業務効率改善のためのシステム開発の経験がある場合などは、担当した業務の内容やDX化によって得られた成果などをアピールするとよいでしょう。
グローバルな環境におけるビジネスの経験
社会と経済のグローバル化にともない、物流業界のグローバル化も進んでいます。貿易に関わる業務はもちろん、海外での物流拠点の新設、グローバルサプライチェーンの確立など、異なる言語や文化をもつ人々との折衝ができる方の求人が増えています。海外進出を成功させるためには、語学力だけでなく、異文化を受け入れる柔軟な思考力やトラブルにも臨機応変に対応できる能力も求められるでしょう。
これまでグローバルな環境で業務に就いてきた経験がある場合は、海外進出を進めるうえで重要なポイントなど、業務上で学んだ経験を積極的にアピールすることをおすすめします。
物流業界の転職事例
JACがサポートし、物流業界への転職を成功させた30代女性の事例をご紹介します。
Bさん(女性/30代前半)
業種 | 職種 | 年収 | |
---|---|---|---|
転職前 | 金融機関 | アセットファイナンス | 700万円 |
転職後 | 物流企業 | 事務系総合職 | 1,300万円 |
Bさんは、金融機関において法人・個人営業やコーポレートファイナンスなどの業務を経験され、出向先にて船舶関連業界のアセットファイナンス、プロジェクトファイナンスに携わった経験がある方です。異動により、出向先から所属先企業に戻ったものの、出向先で得た幅広い知識や経験を生かせる業界でさらなる成長をしたいとの希望が強くなり、転職を決意されました。
JACからは、前職での経験と親和性の高い海運に関わる物流企業をご紹介しました。紹介先企業では、適性や経験を見て配属を決定し、複数年単位でのジョブローテーションを実施しています。向上心が強く、広い視野で物事を考える傾向にあるBさんにとって、さまざまな可能性にチャレンジできる仕組みは非常に魅力的だったとのことです。また、企業側もBさんのファイナンスに関する専門的な知識や業務に対する強い意欲を高く評価され、見事転職が決定しました。
物流業界の転職なら、JAC Recruitmentへ
物流業界は、人々の暮らしや社会を支える重要な役割を担っています。社会貢献に関わる仕事をしたい方や暮らしを支える業務に就きたい方などには、大きなやりがいを感じられる仕事でしょう。
JACではこれまでにも数多くの物流業界への転職をサポートしてきた実績があります。物流業界といっても、物流に関わる企業は幅広く、希望に合った転職先を見極めるためには業界についての深い知識が必要です。JACには、物流業界専門のコンサルタントが在籍しており、企業ごとの特徴なども踏まえ、詳細な求人情報をお伝えしています。物流業界への転職をお考えの際には、ぜひJACにご相談ください。