20代で生産技術職として転職を考える際、「どのような経験が評価されるのか」「年収はどの程度なのか」が気になる方も多いでしょう。JACリクルートメント(以下、JAC)の転職支援実績では、20代の生産技術職は自動車・部品業界を中心に転職が活発で、工程設計や設備導入、生産ライン立ち上げの経験を活かしてキャリアの幅を広げるケースが多く見られます。
本記事では、20代生産技術職の転職動向、求められるスキル・経験・マインド、平均年収、転職を成功させるポイント、実際の転職成功事例を解説します。これから転職を検討する方に向けて、どのような経験が強みとなり、どのようなキャリアの可能性が広がっているのかをご紹介します。
20代生産技術職の現状と転職動向
自動車・部品業界を中心に転職市場が活発
20代の生産技術職は、自動車・部品業界への転職が最も多く、転職実績の55.1%を占めています。EV・HEV向けモーター、インバーター、電池関連部品などの需要拡大を背景に、生産技術の採用が継続しています。
一方で、機械・装置、電気・電機、半導体、医薬品などへの転職実績もあり、生産技術職として培った工程設計や設備導入の経験を活かして、成長分野へキャリアを広げるケースも見られます。
生産ライン立ち上げや工程設計経験が評価される
20代の転職では、設備保全や現場改善の経験を土台に、工程設計、生産準備、設備仕様策定、量産立ち上げなど、より上流工程へ挑戦するケースが目立ちます。
特に、生産ライン立ち上げや設備導入、新規工程構築に携わった経験は評価されやすく、担当業務だけでなく「どの課題を解決したか」「どのような成果を出したか」が重要な評価ポイントとなっています。
電動化・自動化・DX領域への広がり
近年は従来の工程改善だけでなく、自動化設備、PLC制御、ロボット活用、画像処理、DX推進などに関わる案件も増えています。実際の転職実績でも、電池生産技術、EV向け工程開発、AIを活用した生産改善などのポジションへ転職するケースが確認されています。
20代は専門技術を深めながら、新工法開発や自動化領域へ挑戦しやすい時期であり、生産技術職としての経験領域を広げる転職が活発に行われています。
20代生産技術職で求められるスキル・経験・マインド
工程設計や設備導入を通じて成果を出した経験
20代の生産技術職の転職支援実績では、工程設計、生産準備、設備導入、生産ライン立ち上げに関する経験をもつ方が多く見られます。特に、自動車・部品業界を中心に、設備仕様の検討から立ち上げ、量産安定化までを担当した経験はキャリアの強みとなる傾向があります。
課題解決力と改善実績
単なる設備運用経験だけでなく、不良低減、生産性向上、省人化、コスト削減などの改善実績も多く確認されています。20代では経験年数以上に、「どの課題をどのように解決し、どのような成果につなげたか」が評価される傾向があります。
自動化・DXへの対応力
実績データでは、PLC制御、ロボット導入、自動化設備立ち上げ、画像処理、AI活用、DX推進などの経験をもつ方の転職事例が多く見られます。製造現場の効率化やデータ活用に関する知見は、生産技術職の市場価値を高める要素といえるでしょう。
関係者を巻き込みながら推進する力
生産技術職は設計部門、品質部門、製造現場、設備メーカーなど多くの関係者と連携する職種です。転職支援実績でも、社内外との調整やプロジェクト推進経験をもつ方が多く、技術力に加えて周囲を巻き込みながら業務を進める力が求められています。
新しい技術を学び続ける姿勢
EV、電池、半導体、自動化設備など技術革新のスピードが速い分野への転職が増えていることから、既存の経験だけに依存せず、新しい工法や技術を吸収し続ける姿勢も重要です。20代は生産技術職としての専門性を深めながら、活躍領域を広げていく成長意欲が期待される年代といえるでしょう。
20代生産技術職の平均年収は566.2万円
JACの支援実績では、20代生産技術職の平均年収は566.2万円です。件数が最も多いのは400万円〜600万円の層で、20代では担当領域や役割の広がりによって水準に差が見られます。
また、転職実績では自動車・部品業界への転職が過半数を占めています。年収水準を検討する際は、業界だけでなく、担当工程、プロジェクト内での役割、改善成果などもあわせて確認することが重要です。
企業属性別平均年収
| 企業区分 | 平均年収 |
|---|---|
| 日系企業 | 557.9万円 |
| 外資系企業 | 640.1万円 |
企業属性別にみると、外資系企業は640.1万円で、日系企業との差は約82.2万円です。生産技術職は製造現場との連携に加え、生産性向上や工程改善、設備投資など幅広い役割を担うことが多く、企業によって求められる業務範囲や責任の大きさに違いが見られます。転職を検討する際は年収だけでなく、自身の経験がどのような役割で活かせるかを確認することも重要です。
転職者が多い業種別平均年収(抜粋)
| 業種 | 平均年収 | 割合 |
|---|---|---|
| 自動車・部品 | 585.2万円 | 55.1% |
| 機械・装置 | 524.5万円 | 12.4% |
| 電気・電機 | 521.7万円 | 10.1% |
| 化学 | 542.2万円 | 9.0% |
| 半導体 | 593.8万円 | 4.5% |
| 医薬品 | 568.0万円 | 3.4% |
| 金属・素材 | 514.7万円 | 3.4% |
| 通販・EC | 802.0万円 | 1.1% |
| 食品・飲料 | 490.0万円 | 1.1% |
※当社実績(2023年1月~2026年8月、想定年収)より
転職者が最も多いのは自動車・部品業界で、全体の55.1%を占めています。次いで機械・装置、電気・電機が続いており、20代の生産技術職の転職市場は製造業が中心となっています。
平均年収を見ると、自動車・部品は585.2万円、半導体は593.8万円となっています。一方で、機械・装置や電気・電機など転職者数の多い業界も500万円台前半から半ばの水準です。20代では、量産立ち上げや工程設計、自動化設備導入などの経験を積み、担当領域を広げていくことが中長期的なキャリア形成につながるでしょう。
20代生産技術職が転職を成功させるポイント
工程改善の成果を数字で説明できるようにする
20代の生産技術職では、担当業務の幅よりも、どのような課題に対してどのような成果を出したかが重視されます。不良率低減、生産性向上、工数削減など、改善活動の成果を数値で整理しておくことで経験の再現性を伝えやすくなります。
担当業務ではなく役割を整理する
同じ生産技術職でも、生産準備、工程設計、設備導入、量産立ち上げなど担う役割はさまざまです。転職活動では業務内容の羅列ではなく、プロジェクトの中で自分がどの部分を任されていたのかを明確にしておくことが重要です。
次に伸ばしたい領域を明確にする
20代は専門性を深めるキャリアと、工程開発や新規立ち上げなど業務領域を広げるキャリアの両方を選択できる時期です。応募先を選ぶ際は、どの経験を伸ばしたいのかを整理し、自身のキャリアの方向性と合致する企業を見極めることが大切です。
周囲を巻き込んだ経験を伝える
生産技術職は製造、品質、設計、設備メーカーなど多くの関係者と連携する職種です。技術的な経験だけでなく、関係者との調整や課題解決をどのように進めたかを伝えることで、プロジェクト推進力をアピールしやすくなります。
20代生産技術職の転職成功事例
設計・組立技術経験を活かし、生産技術職としてキャリアアップ
Aさん(男性/20代後半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 自動車メーカー | 生産技術(機械) | 700万円 |
| 転職後 | 自動車メーカー | 生産技術(機械) | 800万円 |
Aさんは、大学卒業後に自動車メーカーへ入社し、車載部品の開発部門で設計を担当してきました。その後は車両の組立技術に関わる部門へ移り、組立工程で用いる装置の設計から現場導入までを一貫して経験。導入後に生じた課題についても、回路まわりの見直しを重ねて改善を実行しており、設計だけで終わらせず立ち上げ後まで追い切る姿勢が強みとして整理されました。
転職では、完成車メーカーの組立生産技術部門で、車両組立ラインの生産企画・生産準備(生産プロセス、工法、設備)を担うポジションを軸に検討しました。JACでは、設計から導入、改善までを一連で担った経験を整理し、設計段階から生産・品質のノウハウを織り込み、高効率・低コストの工程設備を設計・導入するという求人側の期待との接点を明確にしたうえで、応募を後押ししました。
結果として、700万円から800万円へ年収が上がり、担当領域も車両組立ライン全体へ広がりました。設計と現場改善の両面を活かし、車両組立ライン全体の生産企画・生産準備へ担当領域を広げた事例です。
※事実をもとにしていますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
自動車・部品の生産技術経験を土台に、電気・PLC制御へ挑戦
Bさん(男性/20代後半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 電子部品メーカー | 製造技術・生産技術(電気・PLC制御) | 600万円 |
| 転職後 | 自動車メーカー | 製造技術・生産技術(電気・PLC制御) | 800万円 |
Bさんは、大学卒業後に電子部品メーカーへ入社し、生産設備の開発部門で設備制御ソフトの開発に従事してきました。PLCを中心に製造設備の動作ソフトや検査ソフトを担当し、仕様設計からコーディング、設備調整、国内外の工場での立ち上げまでを一貫して経験。開発にとどまらず現場適用まで見据えて動ける対応力が、次の工程開発にも生かせる経験として整理されました。
転職先として検討したのは、電動化を積極的に進める自動車メーカーで、車載用電池やモーターといった電動化ユニットの生産工法開発と量産設備の制御設計を担うポジションです。設備の内製化を進める部門であり、スケジュールや予算の管理、関係部署との連携といったプロジェクトマネジメントも役割に含まれます。JACでは、制御の実務経験と設備立ち上げまで担える点を整理し、電気・PLC制御領域の生産技術ポジションを提案しました。
その結果、年収は600万円から800万円へとアップし、工法開発の上流から現地対応まで見渡す役割へ広がりました。制御ソフトと設備立ち上げの両方を担ってきたため、今後も新規工程の導入や改善で着実に存在感を高めていくことが期待されます。
※事実をもとにしていますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
産業機械分野の経験を活かし、大手EC企業の設備設計へ
Cさん(女性/20代後半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 産業機械メーカー | 生産技術(機械) | 650万円 |
| 転職後 | 大手EC企業 | 生産技術(機械) | 800万円 |
Cさんは、大学卒業後に産業機械メーカーへ入社し、回転機械の設計と解析を担当してきました。解析を用いた性能改善や新規設計に携わるなかで、技術的な工夫が社内のノウハウとして取り入れられるなど成果を広げ、近年は海外拠点の技術サポートも担当。国内外の関係者と連携しながら業務を進めてきた点が特徴です。
転職先として検討したのは、大手EC企業で新規物流拠点の設備設計を担うエンジニアリング部門です。入荷から出荷までのプロセス全体を踏まえ、自動化設備やコンベア、ワークステーションのレイアウトを社内基準に沿って設計し、複数案を安全・品質・コストの観点から定量的に比較して最適解を提案します。承認後は複数の設備ベンダーをリードし、詳細設計を進めて施工部門へ引き継ぐ役割です。JACでは、設計・解析の実績と海外拠点支援で培った調整力を整理し、求人側が求める定量評価力やベンダーマネジメントとの接点を明確にしました。
結果として、転職前650万円から転職後800万円へ年収が上がり、担当範囲も拠点全体の設計へ広がりました。設計改善と業務効率化の双方に関わってきたため、今後は生産技術(機械)として、新技術の活用や設計の標準化を通じて改善を進めていく可能性があります。
※事実をもとにしていますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
生産技術職の経験や専門性を生かす転職なら、JACリクルートメント
20代の生産技術職は、これまで培った専門性を深めるか、自動化や新工法など新たな領域へ広げるかを検討しやすい時期です。転職先を選ぶ際は、次に伸ばしたい技術や担当範囲を明確にし、自身の経験が応募先の役割にどうつながるかを整理しておきましょう。
JACでは、生産技術領域に関するこれまでの経験や強みを整理し、企業が求める役割との接点を明確にしながら、キャリアの選択肢をご提案します。生産技術職として今後の方向性を検討している方は、ぜひJACリクルートメントにご相談ください。
他年代の生産技術の転職事情は下記をご覧ください。
