30歳は、キャリアの方向性を見直す重要な節目です。安定と挑戦のどちらを選ぶか──その判断が将来を左右します。専門性をさらに深めるか、異業種で新しい価値を築くか、戦略的な選択が求められるタイミングです。
本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)が保有する独自データをもとに、30歳での転職の実態や成功事例を詳しく解説します。
30歳で転職は厳しい?
本章では、30歳の転職について、JACのデータをもとに次の2つの観点から解説します。
- 30歳でも転職する方は十分存在する
- 約52%が30歳で初転職
30歳でも転職する方は十分存在する
厚生労働省が公表している「令和6年雇用動向調査結果の概況」によると、30〜34歳における転職入職率は女性14.0%、男性9.5%でした。本調査より、30歳で転職する方は一定数存在していることがわかります。

JACの実績では、30代が38.7%と最も多く、転職市場の中心を担っています。その中でも30歳は全体の10.6%を占め、経験を活かしながら次のキャリアステージを選ぶ重要な年齢層です。20代後半で培った経験を基盤に、より専門性や役割期待が高まるフェーズが30歳です。
男女比率では男性が73.9%と優勢ですが、女性も25.9%を占め、性別を問わずキャリア形成への意欲が強いことがうかがえます。
さらに、転職回数を見ると、約51.9%が初めての転職であり、複数回経験者は少数派です。
役職分布では課長以上が4.3%で、約96%が管理職手前。企業は現場で専門性を発揮できる即戦力として評価しつつ、将来のリーダー候補としての資質も見ているとも言えます。
だからこそ、30歳は「現職で昇進を目指すか」「異業種で新たな価値を生むか」を冷静に検討し、専門性の強化やスキルのアップデートを通じて、次のステージへの橋渡しを意識するタイミングです。
【JAC実績における年代別割合】
| 年代 | 割合 |
| 20代 | 13.6% |
| 30代 | 38.7% |
| 40代 | 29.4% |
| 50代 | 15.7% |
| 不明 | 0.1% |
※1
【JACを利用して転職された30代の割合】
| 年齢 | 割合 |
|---|---|
| 30歳 | 10.6% |
| 31歳 | 10.8% |
| 32歳 | 10.7% |
| 33歳 | 10.9% |
| 34歳 | 10.3% |
| 35歳 | 9.9% |
| 36歳 | 9.6% |
| 37歳 | 9.5% |
| 38歳 | 8.7% |
| 39歳 | 9.0% |
※2
【JACを利用して転職された30歳の男女比率】
| 性別 | 割合 |
| 男性 | 73.9% |
| 女性 | 25.9% |
※3
約52%が30歳で初転職
JACのデータによると、30歳で転職を検討する方のうち、初めての転職は51.9%、2回目が29.9%、3回以上は約17%です。20代後半では初転職が7割を超えるのに対し、30歳では半分程度にとどまります。これは、30歳が「転職経験者と未経験者の境界線」にあることを示しています。
30歳は、ポテンシャル採用から即戦力採用に比重が移る時期であり、専門性や成果が選考の中心となります。
専門性や実績が評価軸となり、転職は単なる職場変更ではなく、キャリア戦略の再構築になります。
さらに特徴的なのは、異業種や成長産業への挑戦がまだ可能なこと。IT、コンサルティング、製薬といった分野のほか、製造・機械(EMC)、金融、消費財などでも、現職で培ったスキルを活かして新しい領域に踏み出すケースが増えています。
さらに、技術職(エンジニアリング)、営業、経営企画、経理・財務、マーケティングや購買・物流といった職種もニーズが高く、30歳は多彩なキャリアパスを描ける年齢です。
30歳は、専門性を深めつつ異業種にも挑戦できる柔軟性を保った年代です。
【JAC実績における30歳の転職回数歴割合】
| 転職回数 | 割合 |
| 0回目 | 51.6% |
| 1回目 | 29.9% |
| 2回目 | 11.9% |
| 3回目 | 2.6% |
| 4回目 | 0.6% |
| 5回目 | 0.3% |
| 不明 | 2.8% |
※4
※1~4はすべて当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
30歳における転職活動の実態
本章では、30歳における次の5つの転職活動実態を、JACの独自データ(※)を用いて紹介します。
- 30歳の転職後平均年収
- 30歳の転職で年収アップした方の割合
- 30歳で管理職以上へ転職した方の割合
※当社実績:2019年1月~2024年12月分データ
30歳の転職後の平均想定年収は668.4万円
JACの転職支援を活用し、30歳で転職した方の転職後の平均年収は668.4万円です。500〜699万円が全体の約53.5%を占めるボリュームゾーンとなっており、特に600〜699万円が29.7%と最も多く、30歳は「専門性を評価される年齢」であることがうかがえます。
700万円以上の年収帯は約34%と、20代よりも高い水準です。これは、企業が30歳に対して「即戦力+将来のリーダー」を期待していることの表れです。
さらに注目すべきは、1,000万円超の層が約4.7%存在すること。割合は小さいものの、語学力やITスキル、業界特化の専門知識を武器にできる方であれば、希少な高収入ポジションを狙うチャンスがあります。
このように、30歳は年収の伸び幅が大きい年代であり、専門性次第でハイクラス層へのステップアップが期待できます。
【30歳での転職後の年収帯別割合】
| 年収帯 | 割合 |
| 400〜499万円 | 9.8% |
| 500〜599万円 | 23.8% |
| 600〜699万円 | 29.7% |
| 700~799万円 | 18.4% |
| 800~899万円 | 7.6% |
| 900~999万円 | 4.4% |
| 1,000~1099万円 | 1.8% |
| 1200~1299万円 | 0.8% |
| 1300~1399万円 | 0.5% |
| 1400~1499万円 | 0.3% |
| 1500万円以上 | 0.3% |
30歳の転職で年収アップした方の割合は68.5%、平均で115万円前後アップ
JACの実績によると、30歳で転職した方のうち約7割が年収アップを実現し、平均アップ額は約115万円です。内訳を見ると、半数近くは100万円未満にとどまる一方で、150万円以上の大幅アップを果たした方も全体の約27%存在します。これは、30歳が「即戦力」として評価される一方で、管理職経験はまだ浅く、現場の専門性を武器にキャリアを築く時期であることを示しています。
一方で、約3割は年収が下がるケースもあり、職種変更や業界転換を伴う場合には振れ幅が大きい点に注意が必要です。30歳は、過去の経験を言語化し専門的な強みを明確化するとともに、普遍的なスキルを補強することで、リーダー職や異業種への挑戦に向けた橋渡しが可能になる重要なフェーズです。
なお、転職後の年収アップ帯別の割合は、次のとおりです。
【30歳転職後の年収アップ帯別割合】
| 年収アップ幅 | 割合 |
| ~49万円 | 26.7% |
| 50〜99万円 | 18.8% |
| 100〜149万円 | 11.4% |
| 150~199万円 | 7.0% |
| 200~249万円 | 3.4% |
| 250~299万円 | 1.6% |
| 300~349万円 | 0.9% |
| 350~399万円 | 0.6% |
| 400~449万円 | 0.4% |
| 450~499万円 | 0.7% |
| 550~599万円 | 0.2% |
| 650~699万円 | 0.5% |
| 750~799万円 | 0.2% |
| 850~900万円 | 0.1% |
管理職以上へ転職した方の割合は約4%
30歳転職者のうち課長以上は4.3%、約96%が課長未満です。企業は現場で成果を出せる専門性を重視しつつ、将来のリーダー候補としての資質も見ています。管理職手前でも、プロジェクト推進や育成経験を具体的に示すことが重要です。
【30歳転職後の役職別割合】
| ポジション | 割合 |
| 課長以上 | 4.2% |
| 課長未満 | 95.8% |
30歳の転職で意識すべきポイント
ここでは、30歳の転職で意識すべき、5つのポイントについて解説します。
- リスクとリターンの振れ幅を理解する
- 専門性×リーダーシップの両面で評価される
- 大幅アップを狙うなら専門性+スキル強化
- キャリアの軸を再定義するタイミング
- 異業種転職は“強み+学習意欲”を示す
リスクとリターンの振れ幅を理解する
330歳は成果実績と専門性の示し方が年収の伸びに直結します。平均アップ額は約115万円ですが、半数近くは100万円未満にとどまり、逆に150万円以上の大幅アップも約27%存在します。ポジションや業種を大きく変える場合は、「リスクとリターンの差が大きい年齢である」と認識し、戦略的に判断することが重要です。
専門性×リーダーシップの両面で評価される
役職データでは、課長以上はわずか3.9%で、ほとんどが管理職手前のポジションです。企業は、現場で成果を出せる専門性を評価しつつ、将来のリーダー候補としての資質も見ています。プロジェクト推進や後輩育成など、管理職未満の立場でもリーダーシップを発揮した事例を具体的に示すことで、採用側に強い印象を与えられます。
大幅アップを狙うなら専門性+スキル強化
150万円以上のアップを果たした方は約27%で、語学力やITスキルを武器にできる人が多い傾向があります。現場経験を言語化し、専門性を深めるとともに、デジタルスキルや英語力を補強することで、ハイクラス転職や異業種への挑戦の可能性が広がります。
キャリアの軸を再定義するタイミング
30歳は「即戦力採用」が本格化する年齢ですが、管理職経験はまだ浅く、キャリアの方向性を再定義する重要なフェーズです。転職理由を「年収アップ」だけにせず、「どの専門性を高めたいか」「将来どんなポジションを目指すか」を明確にすることで、応募企業との親和性が高まり、面接で説得力のある回答ができます。
異業種転職は“強み+学習意欲”を示す
30歳で異業種転職を成功させるには、現職で培ったスキルをどう活かせるかを明確にすることが鍵です。例えば、製造業からIT業界へ転職する場合、「プロジェクト管理力」「顧客折衝力」など共通するスキルを強調し、さらに新しい業界への学習意欲を示すことが重要です。「業界を選んだ理由」と「どのようにキャッチアップするのか」を示すことで、異業種への適応力を証明できます。
30歳での未経験・異業種への転職成功事例
法律事務所からインハウスへ。30歳で年収1,600万円を実現
Oさん(30歳/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | 法律事務所 | 弁護士(企業法務) | 1,200万円 |
| 転職後 | 総合リース・金融サービス業 | 法務担当 | 1,600万円 |
Oさんは、法律事務所で企業法務を中心にキャリアを積み、M&Aやコーポレート案件、コンプライアンス対応など幅広い経験を持っていました。総合商社への出向を通じて、事業会社で意思決定に近い立場で働く魅力を感じ、より経営に近い法務ポジションを希望して転職を決意。
JACのコンサルタントは、Oさんの「高度な法務スキル」「国際案件対応力」「インハウス経験」という強みを整理し、事業会社での法務ポジションを提案。面接対策では、専門性を事業成長にどう結びつけるかを具体化し、経営視点をアピールできるよう支援しました。
結果、年収は1,200万円から1,600万円へと大幅アップ。今後は法務の枠を超えて経営戦略に寄与する人材としての活躍が期待されています。
30歳で事業・組織を動かすPMへ。フィンテックから日用品メーカーに転身
Nさん(30歳/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | 情報通信業(フィンテック・決済サービス) | プロダクトマネジャー | 1,100万円 |
| 転職後 | 製造業(衛生用品・日用品メーカー) | プロダクトマネジャー | 1,400万円 |
Nさんは、フィンテック領域でプロダクト開発からマネジメントまで幅広く経験し、技術的なバックグラウンドを強みにキャリアを築いてきました。しかし、より大きな事業インパクトを生み出す環境で、新規事業やピープルマネジメントに挑戦したいという思いから転職を決意。
JACのコンサルタントは、Nさんの「テクニカルスキル+プロダクト戦略+チームリード力」を言語化し、AIやフェムテック領域で新しい顧客体験を創出するポジションを提案。面接対策では、技術と事業をつなぐ視点を強調し、将来的な事業成長への貢献をアピールできるよう支援しました。
結果、年収は1,100万円から1,400万円へとアップ。現在は新しい領域でのプロダクトマネジメントを通じ、デジタルとリアルを融合した事業開発に取り組んでいます。
30歳で商社の事業開発へ。ヘルステック経験を活かしたキャリア再構築
Lさん(30歳/女性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | 情報通信業(ヘルステック・AI解析) | 事業開発・マーケティング | 1,200万円 |
| 転職後 | 総合商社(卸売業・事業投資) | プロダクトマネジャー | 1,210万円 |
Lさんは、総合商社での営業・海外赴任を経て、ヘルステック企業で新規事業開発やマーケティング戦略をリード。複数の業務委託も経験し、幅広いスキルを磨いてきました。しかし、再び大規模な事業を動かす環境で、よりダイナミックな仕事に挑戦したいという思いから転職を決意。
JACのコンサルタントは、Lさんの「事業開発力」「グローバル経験」「戦略構築力」を言語化し、総合商社でのプロダクトマネジメントポジションを提案。面接対策では、ベンチャーで培ったスピード感と商社での調整力をどう融合できるかを整理し、強みを明確化しました。
年収は1,200万円から1,210万円へと微増でしたが、。現在は、複数事業を横断しながら新規プロジェクトの推進に携わり、希望通りの事業価値向上に直結する役割を担っています。
30歳で保険業のDX中核へ。プロダクト経験を武器に年収アップ
Pさん(30歳/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | 情報通信業(ヘルステック・医療データ解析) | プロダクトマネジャー | 980万円 |
| 転職後 | 保険業(損害保険・生命保険・介護サービス) | デジタルサービスプロダクトマネジャー | 1,200万円 |
Pさんは、ヘルステック領域でプロダクト開発からマネジメントまで幅広く経験し、事業成長を牽引してきました。より大規模な事業でOMO戦略や顧客体験の創出に挑戦したいという思いから、異業種での転職を決意。
JACのコンサルタントは、Pさんの「プロダクト戦略力」「データ活用スキル」「マネジメント経験」を言語化し、保険業界でデジタルサービスを推進するポジションを提案。面接対策では、ヘルステックで培ったスピード感と技術理解を、保険業界の新規事業にどう活かせるかを具体化しました。
結果、年収は980万円から1,200万円へとアップ。現在は、アプリを中心としたデジタルサービスの企画からグロースまでを統括し、顧客体験の高度化に取り組んでいます。
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