【2024年】DX推進で求められる人材と企業の課題

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公開日:2023/01/11 / 最終更新日: 2024/04/08

JACデジタル

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を経営課題に掲げる企業が、年を追うごとに増加しています。日本では2018年頃から大企業を中心にDXへの対応が始まりました。コロナ禍による環境変化も相まって、さまざまな業界でDXを活用したビジネスやサービスが生まれています。それから約6年が経とうとしている2024年、DXを推し進める事業会社ではどのような課題があり、どういった人材が求められているのでしょうか。

JAC Recruitment(以下、JAC)のコンサルタントが、事業会社におけるDX推進人材の現状と今後の予測を解説します。


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DX人材の具体化が急激に進んだ2022年。2024年は?


ポジション名に「DX」が含まれる新規求人の件数推移

DX推進に携わる人材採用は年々増加。2018年比で2022年はポジション名に「DX」を含む求人数が約30倍になっています。この傾向は2024年以降も継続すると思われます。DXという言葉が登場した2018年〜2019年頃は対応の遅れに対する危機感を抱く企業が多かった一方で、プロジェクトを推進する中核人材を採用する上でのスキル要件が定まらないケースが大半でした。結果として、採用の成否が対応の差に直結した状況が生まれました。

しかしながら、2020年頃からDXを推進するエグゼクティブや経営層の採用が進み始め、自社におけるDX対応への中長期的な計画やゴール設定といった全体的な構想が固まっていきました。2021年以降になると、業界を問わずDX推進人材の採用ニーズが急速に高まります。募集要件も漠然としていた2018年と比較すると、かなり具体的になりました。

2024年にかけては、これからDX推進を本格化させる企業から、業界に先行してDX推進の土台作りに携わった人材の需要が高まります。DX推進の経験を持つ方は、異業界への転職などチャンスが広がります。
また、DX推進が進んでいる企業では、ピンポイントな課題を解決できる方を採用する傾向があり、課題解決できる専門性を持つ方の採用が進んでいます。

DX推進が進んでいる企業の特徴

DX推進が進んでいる企業の特徴としては、CDO(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者)を外部から採用し、実行力のあるDX推進部門を立ち上げるなど、経営層がDXを重要な経営課題と理解していることが挙げられます。

DXは企業全体に影響を及ぼすため、裁量権を持って組織的にアプローチできる体制を構築することが成果にも左右します。2022年はそういった組織の元でDXの土台作りが確立した企業と、これから組織改革を始める企業の両方で採用が急加速した一年でした。

2024年DXを推進する上での企業課題とは?


今DXを推進している企業、推進したいと考える企業課題はどのようなものがあるのでしょう。

ITインフラの老朽化

DXイメージ

2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」で「2025年の崖」と提示されたように、ITインフラの老朽化(既存ITシステムのレガシー化)が、多くの企業のDX推進を遅らせている要因となっています。中小企業だけでなく、一部の大企業でもオンプレミスによる運用からクラウドへの移行にこれから着手するというケースも未だにあります。
そのため、自社システムの全体を把握しどう整備していくかを、ベンダーコントロールを含め進捗管理できるPM(プロジェクトマネージャー)が求められています。

UI/UXへの知見不足

エンタープライズ系企業に顕著な課題としてUI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)に対する知見不足が挙げられます。その対応策としてフィンテックや小売、大手ITプラットフォーマーなど、DXによるUI・UXに対するナレッジと事例が豊富な業界から積極的に人材を採用しているケースが目立ちます。

社内データの環境整備

DX推進する上でのITインフラ整備の次のステップとしては、データを適切に利活用するための環境整備も必要です。

さまざまなデバイスやアプリケーションに対応するデータベースの構築だけでなく、社内に点在するデータ統合ツールや可視化ツールの導入、そしてデータ解析した結果を可視化して現場に届ける仕組の構築など、社内にある情報資産を活用することがDXの命題です。

グローバル製造業企業など大企業の中でもトップのエンタープライズ系企業では、データのアーキテクチャを根本から再定義する動きもありますが、データアーキテクトを担う人材は絶対数が非常に少なく、採用には非常に苦戦しているようです。

セキュリティ対策

上記のような「攻めの投資」だけでなく、セキュリティ対策などの「守りの投資」も欠かせません。サイバー攻撃や内部不正によるセキュリティーインシデントへの対応は、経営の根幹を揺るがすリスクに直結します。
しかしながら、情報システム部門から独立したセキュリティ部門やCISO(Chief Information Security Officer:最高情報セキュリティ責任者)を採用する企業は未だ少ない状況です。

金融業界ではSOC(Security Operation Center)やCSIRT(Computer Security Incident Response Team)といった専門組織を内部に運用するなどセキュリティに対する投資と採用を積極的に進めています。 今後はIoTによるデータ収集・利活用が見込まれる製造業など、他の業界にも伝搬していくことが予想されます。

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2024年DX推進人材に求められるスキル・経験とは?


多くの企業がDXを推進するべく関連部門の組織拡大を急ぐ中、即戦力の中途採用に力を入れています。主要な職種ごとに求められているスキルや経験をご紹介します。

PM(プロジェクトマネージャー)

先にご紹介したような企業課題の解消を推進する中核的な役割であることから、幅広い経験が求められます。具体的には以下のような経験を持つ方を募集する傾向にあります。

  • ◆基幹システムの刷新に関するプロジェクトにおいて受発注や要件定義、企画、設計に携わった経験
  • ◆SAP、ERP、SCM関連システムの導入プロジェクトに携わった経験

※いずれも数千万円から数億円規模のプロジェクト

インフラエンジニア

クラウド環境への移行を担うことが多いことから、AWS、Azure、Google Cloud Platformなどの主要クラウドサービスへの移管・運用経験が要求されます。単純な移行だけでなくハイブリッド運用など、オンプレミス運用の知見も求められることから、クラウドとオンプレミス両方の知見を持っている方が転職では有利です。
外部ベンダーのコントロールだけでなく、ご自身で手を動かして環境構築できる方であれば、転職先の選択肢も広がります。

アプリエンジニア

さまざまなシステムやインフラ環境を刷新するに当たって、最終的には会計システムとの連携が欠かせないことから、会計システムの知識・経験を持っている方は業界を問わずニーズがあるという観点で転職において有利であるといえます。とはいえ会計システムに限らず、業務システムに対する理解があり、それらのシステム導入の上流工程から携わった経験をお持ちの方や、開発とPMの両方の経験を持たれた方が優遇される傾向にあります。

セキュリティエンジニア

セキュリティ関連のスキルを持った人材が枯渇していることから、経験の浅い方でもセキュリティ人材としてポテンシャルを評価されて採用されやすい傾向にあります。
具体的にはSOCやCSIRTの構築・運用に少しでも携わった経験のある方や、ネットワークエンジニアとしてセキュリティ関連の業務に携わった方、ゼロトラスト対応に携わった方が対象となります。また、常に世界中の情報を収集し、業務に反映していく必要があることから英語力がある方は転職には非常に有利になります。

データベースエンジニア/データサイエンティスト

データに携わる方に求められる経験としては、主に以下の3点になります。

  • ◆Oracle databaseやTeradataによるデータベース構築
  • ◆InformaticaやTableauなどのBIツールの導入・運用
  • ◆解析したデータのダッシュボード化・可視化に関連する業務

これらのデータベースの構築、分析、可視化業務に加えて、連携先となるクラウドサーバの運用経験をお持ちの方は有利です。 流通や小売業界ではデータを活用したDXが比較的進んでいることから、コンシューマーなど外部向けのデータ活用の経験を求める求人が現時点では多い傾向にあります。今後は対象が更に広がり、知財やサプライチェーン関連の情報、更には経営管理情報といった社内向けデータにも及ぶことが予想されます。

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DX推進人材に求められるマインドセットとは?


多くの企業にとってDXは一部の事業部や部門が対象ではなく、ほとんどの部門・社員が対象となります。

そのため、DX推進を担う人材は経営層から現場に至るまで、DXを推進する意図やメリットなどをわかりやすく伝える能力が必要になります。対象となる社員によっては、ITリテラシーが決して高くない方もいるかもしれません。そういった場合でも端的にわかりやすく説明するためには、コミュニケーション能力に加え、優れたドキュメント作成能力も求められます。

また、DXに限らず新しい取組を始める際は、全てが順風満帆に進むわけではありません。難題にぶつかることに抵抗感がなく、壁を乗り越えることに面白みを感じられるメンタリティも重要です。

DX推進人材を募集する企業の人事担当者からは「巻き込み力のある人がほしい」という要望をいただくことが多々あります。利害関係を超えて、経営層から現場に至るまで幅広いステークホルダーを巻き込んで、DXを浸透できる方を企業は求めています。

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コンサルタントは各業界の市場動向や採用ニーズ、DX施策の進捗などを日々独自に収集。各企業の経営層やDX推進部門の担当者、現場の方々との定期的な情報交換で収集した内容を、ダイレクトに転職希望者にお伝えしています。求人票だけではわからない企業の風土や配属先部門の雰囲気・働き方まで生きた情報を事前に把握できるので、ご自身の入社後を具体的にイメージすることが可能です。

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DX推進部門への転職は業界を問わずIT・デジタルの知見を重視されることから、異業界への転職もしやすいのが特徴です。JACでも、これまでに食品メーカーから建材メーカーへの転職や、フィンテック系企業からエンタープライズ系企業への転職など、業界をまたいだハイクラス転職の事例が多数あります。

JACではコンサルタントがあなたの強みやキャリアプランを伺った上で、5年、10年後を見据えたキャリアパスと厳選した求人をご紹介しています。DX推進に関する採用動向を広く、深く情報収集しているからこそ、ご本人では気づいていなかったキャリアパスのご提案や、強みを活かせる業界の求人をご紹介できるのです。

2024年以降もあらゆる企業で採用が加速するDX推進、転職をご検討の際は専任コンサルタントがいるJACにご相談ください。


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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment 編集部

株式会社JAC Recruitment

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