「弁護士からの転職を進めるために全体像をイメージしたい」という方もいるのではないでしょうか。
本記事では、弁護士の転職市場動向や転職先候補をJAC Recruitmentが解説いたします。
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弁護士の転職は難しい?各転職市場から見た難易度
ここでは、弁護士の転職難易度について、下記2つの領域別に解説します。
- ・企業内弁護士
- ・ 法律事務所
企業内弁護士の転職市場・難易度
企業が弁護士を直接雇用する、いわゆる企業内弁護士の数は、近年著しく増加しています。日本組織内弁護士協会(JILA)の調査によれば、2001年にはわずか66名だった企業内弁護士は、2025年6月には3,596名にまで急増しており、登録弁護士総数に占める割合も7.6%に達しています。
企業内弁護士急増の背景には、企業のコンプライアンス意識の高まりやグローバル化にともなう契約の複雑化、M&Aの増加などが挙げられ、法務部門を内製化し専門的知見を即時に活用したいという企業のニーズが強まっていることが考えられます。
特に上場企業や外資系企業、M&Aを含む事業再編を活発に行う大手企業では、即戦力となり得る企業内弁護士に対する採用ニーズが高まっています。また、成長ベンチャーやスタートアップでもIPOを見据えた体制構築の一環として法務機能の強化が進められており、柔軟な対応力と、ビジネスへの理解がある弁護士への需要が顕著です。
しかし、企業の採用需要の増大に反して、採用選考では企業法務経験や業界の知見、語学力が重視される傾向にあり、加えて法曹経験のみならずビジネス実務経験も含めたスキルセットが求められます。転職のハードルは決して低くないため、転職活動に取り組む際は、適切な対策が必須になることを理解しておきましょう。
出典:「企業内弁護士数の推移(2001年~2025年)」(日本組織内弁護士協会(JILA))
法律事務所の転職市場・難易度
弁護士が別の法律事務所へ転職する際の難易度は、事務所の規模や専門分野、個人の経験によって大きく異なります。
四大法律事務所をはじめとする大手事務所では、M&A、ファイナンス、国際取引といった特定分野における高度な専門性をもつ、経験豊富な弁護士を即戦力として採用するケースが多く、特に英語力に長けた弁護士や、知財、IT、ファイナンスなど特定分野に精通した弁護士が求められる傾向があります。一方で、求人数自体は限定的であるため、経験年数に見合った実績やチームマネジメント力がなければ転職難易度は高くなるでしょう。
中小規模の法律事務所や特定の分野に特化したブティックファームでは、一般民事や企業法務を幅広く取り扱う体制が敷かれており、顧客対応力や新規案件の開拓力など、実務能力と営業力の両面を兼ね備えた若手・中堅弁護士を求めるケースが多く見られます。また、近年では、事業承継やIT関連法務、労働問題など、社会的なニーズが高まっている分野の専門家に対する採用ニーズも活発化しています。そのため、中小規模の事務所に転職する場合、特定分野における強みや実務経験があれば、高く評価されることもあります。
総じて、自身の専門分野と事務所が求めるニーズが合致すれば、転職の機会は豊富に存在します。一方で、人気のある事務所やポジションでは、スキルや実績だけでなく、事務所のカルチャーへのフィット感も厳しく見られるため、入念な準備が必要です。
弁護士からの主な転職先候補
本章では、弁護士が求められる、次の4つの転職先候補について解説します。
- ・企業内弁護士(インハウスローヤー)
- ・別の法律事務所
- ・企業法務部(海外・グローバル法務含む)
- ・自治体内弁護士(任期付き公務員)
企業内弁護士(インハウスローヤー)
企業内弁護士は、企業組織の一員として、法的な側面から事業活動をサポートする役割を担います。主な業務は、契約書の作成・レビュー、コンプライアンス体制の構築・運用、M&Aや事業提携をはじめとするプロジェクトへの参画、そして紛争・訴訟対応など、多岐にわたります。
過去20年以上にわたり、企業内弁護士の数は増加しており、2001年に66名だった企業内弁護士の数は、2023年には3,000名を超え、2024年には3,596名にまで増加しています。
法律事務所とは異なり、特定の一社に深く関与し、ビジネスの最前線で法的な課題解決に携われる点が大きな魅力です。また、法律事務所に比べてワークライフバランスが取りやすく、安定した収入が見込める側面もあります。一方で、パートナー弁護士のような高収入を得ることは難しい傾向にあります。
事業の当事者として経営に近い立場から会社の成長に貢献したいと考える方に適したキャリアです。
別の法律事務所
別の法律事務所へ移籍することも、一般的なキャリアパスの一つです。専門性を高めるためにより大規模で多様な案件を扱う大手事務所へ移るケースや、反対に小規模な事務所やブティックファームに移りパートナーを目指すケースなどが考えられます。
大手法律事務所では専門性の高い案件やグローバル案件を扱う体制が整っている点が魅力ですが、業務量が多く裁判対応や書類作成に追われることも珍しくありません。一方、中小法律事務所への転職では、幅広い業務に携われる反面、積極的に案件開拓や経営面も担う必要があり、自律性と交渉力が求められます。
現職の働き方やキャリア形成に課題を感じており、弁護士としてのキャリアを継続しながら環境を変えたいと考える方にとって有益な選択肢といえます。
企業法務部(海外・グローバル法務含む)
企業法務部では契約交渉、規制対応、M&A支援など、多岐にわたる法務業務を担います。企業内弁護士との違いは、部門全体のプロジェクトマネジメントや海外子会社との連携、グローバル規制対応など、法務部門の内部調整機能が強くなる点です。また、弁護士資格をもたない法務担当者と同じ組織で働く点も企業内弁護士との違いです。弁護士資格を必須としない求人もありますが、弁護士資格保有者は、より高度な法的判断が求められる局面や訴訟対応などでその専門性を発揮することが期待されます。
特に海外展開を積極的に推進するグローバル企業では、国際契約のレビューや海外子会社の法務管理、国際仲裁への対応を担える、グローバル感覚を備えた弁護士への需要が顕著です。

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法務の転職事情
新規事業開発や海外展開の活発化、コンプライアンスやガバナンスへの意識の高まりを背景に、法務職の求人が増加しています。法務職の転職市場動向、求められる経験・スキル、年収相場、転職成功のポイント、転職成功事例などについて、J… 続きを読む 法務の転職事情
自治体内弁護士(任期付き公務員)
近年、地方自治体が抱える法的課題の複雑化を背景に、弁護士を任期付きの公務員として採用する「自治体内弁護士」というキャリアパスも注目されています。自治体内弁護士の主な役割は、自治体が当事者となる訴訟の対応、条例の制定・改正に関する助言、あるいは住民からの法律相談への対応など、公共性の高い業務が中心です。
民間企業や法律事務所とは異なり、利益追求を目的とせず住民福祉の向上という明確なミッションのもとで業務を遂行する点が特徴です。地域行政に深く関わることを志向する方や社会貢献の実感を得たい方に適したキャリアパスです。
弁護士の最新転職・求人情報
ここでは、弁護士資格を活かせる最新求人・転職情報を紹介します。
なお、本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。JACが取り扱う求人は、大半が非公開となっています。そのため、非公開求人も含め労務に関する求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。
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●コンピューターエンターテインメント企業:法務スペシャリスト(社内弁護士)
●非公開:企業内弁護士【東証プライム上場/創業120年大手食品メーカー】
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年7月最新)
弁護士資格・実務経験以外で求められる経験・スキル
弁護士転職では、多くの場合、一定期間の弁護士として実務に携わった経験が求められます。
しかし、弁護士実務だけに限らず、次のような経験・スキルも求められます。
- ・外資系企業の場合、ビジネス英語力(特にリーディング・スピーキング)
- ・社内外関係者との調整力・説明力・ビジネス提案力
ここでは、弁護士の転職において採用選考などで高く評価される上記2つの経験とスキルについて解説します。
外資系企業の場合、ビジネス英語力(特にリーディング・スピーキング)
企業のグローバル化にともない、転職市場でも英語力を評価する企業は増加傾向にあります。
特に、外資系企業や日系企業のグローバル法務部門では、英文契約書の作成・レビューが日常的に発生し、法的内容を理解したうえでの正確な読み書き能力が必須となります。さらに、海外の弁護士や現地のビジネスパートナーと法的な論点について対等に議論することもあるため、自身の見解を正しく述べられるスピーキング能力や複雑な法的見解をわかりやすく記述するライティング能力も同様に求められます。
TOEICや英検など英語力を対外的に示せる資格の保有は有効ですが、それ以上に「どのような英文契約を扱ってきたか」「どの程度の英語環境で実務を行ってきたか」など、英語を用いた実務経験が厳しく問われます。そのため、転職活動では、実務にどれだけ対応できるのか定量面・定性面の両方の視点から自身の英語スキルを説明できるよう準備しておく必要があります。

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社内外関係者との調整力・説明力・ビジネス提案力
企業法務では、法的リスクと事業利益のバランスを取りつつ、現場の事業部門や経営層と合意形成を進める能力が求められます。法務部門は、事業部門、経営層、時には外部の専門家など、多様なステークホルダーの間に立ち、それぞれの利害を調整するハブとしての役割を担うため、複雑な法規制や法的リスクを法律の専門家ではない担当者にもわかりやすく説明し、納得してもらう能力が必須となります。
例えば、新規事業にともなう規制対応では、法令の趣旨を平易に伝えつつ、代替手段やリスク軽減策を提案する必要があり、調整力や提案力が成果を左右します。さらに、企業法務では、法的なリスクを指摘するだけでなく、「そのリスクを回避しつつ、ビジネス目的を達成するためには、このような代替案がある」など、建設的で実用的なビジネス提案が求められます。
法的な正解を提示するだけでは不十分であり、社内外問わず幅広い役職層との調整を推進できる能力も必須であることを理解しておきましょう。
法律事務所所属の弁護士が転職で必要な手続き
ここでは、法律事務所所属の弁護士が転職する際に必要な次の3つの手続きについて解説します。
- ・弁護士から企業内弁護士へ転職する場合に必要な手続き
- ・弁護士から別の法律事務所へ転職する場合に必要な手続き
- ・弁護士から企業法務部へ転職する場合に必要な手続き
弁護士から企業内弁護士へ転職する場合に必要な手続き
法律事務所から企業内弁護士に転職する場合、まず所属する弁護士会に対して、「所属事務所の変更届」を提出する必要があります。具体的には、現在所属している弁護士会の退会手続きと企業所在地を管轄する弁護士会への新規登録申請を行います。
また、これまで個人で加入していた弁護士国民健康保険組合(弁護士国保)からは脱退し、転職先企業の健康保険に加入する手続きが必要となります。同様に、法テラスとの契約や弁護士協同組合の組合員資格についても、変更や脱退の手続きが必要となる場合があるため、各機関に確認しておきましょう。
弁護士から別の法律事務所へ転職する場合に必要な手続き
現在の法律事務所から別の法律事務所へ移籍する場合も、所属弁護士会への「所属事務所の変更届」の提出が必要になります。新しい法律事務所への所属を公式に反映させるための手続きであり、登録地の変更がない場合は、比較的スムーズに完了します。ただし、旧所属事務所からの退所届、新所属事務所の開設届や所属承認書類が必要となるため、一定の準備期間を見込んでおきましょう。
また、弁護士賠償責任保険については、事務所単位で加入していることが多いため、移籍にともない新たな事務所での加入手続きが必要となります。法テラス登録の継続や移管手続きも必要となることがあるため、手続き漏れのないよう留意しましょう。
弁護士から企業法務部へ転職する場合に必要な手続き
弁護士資格を保持したまま、企業の法務部員など、弁護士として登録せずに就職する場合、弁護士会への対応はいくつかの選択肢が考えられます。
弁護士としての活動を完全に休止する場合は、登録取消請求を行い、弁護士登録を抹消します。弁護士登録抹消の手続きは、今後弁護士としての業務を行わない意向を示す手続きであり、登録を維持しない分、弁護士会費や協同組合費、研修参加義務から解放されます。また、法テラスなどに登録していた場合も抹消の届出が求められます。資格を抹消した場合、再登録の際には審査や手数料が発生するため、将来的に弁護士として復帰する可能性がある場合は、登録の維持を検討する余地もあるでしょう。
将来的に弁護士として活動を再開する可能性を考慮し、登録を維持したまま会費の安い「公設事務所・法テラス常勤等」に種別を変更できる場合もあります。本手続きに関しては、各弁護士会の規定によって異なるため、必ず事前に確認しておきましょう。
いずれの場合も弁護士国保からは脱退し、企業の健康保険に加入する手続きが必要となります。
弁護士から転職した場合の年収相場
弁護士の転職市場における年収は、その高度な専門性と担う責任の重さを反映し、一般的に高い水準にあります。しかし、年収は、転職先や業務内容、雇用形態によって大きく変動します。
JACが保有する求人を参考にすると、企業内弁護士の場合、法務メンバークラスで年収600〜900万円が目安となり、法務部長や責任者クラスになると年収1,000万円近くまで到達することもあります。
また、M&Aや国際法務など高度な専門性が求められる分野や、外資系企業、あるいはIPO準備中のベンチャー企業で法務体制の構築をリードするようなポジションでは、さらに高額な年収が提示されるケースも珍しくありません。なお、法律事務所に転職する場合は、アソシエイトクラスでは現職と同等か、やや高い水準でのオファーが一般的ですが、将来的にパートナーに昇進すれば、その年収は青天井となる可能性を秘めています。
一方、自治体内弁護士として任期付きの自治体職員として採用される場合、人事院の規定に基づいた俸給月額が適用され、その専門性や経験に応じて、450万円〜1,000万円程度の年収が提示されます。雇用の安定性が高い裁量のあるポジションで法改正や条例立案などに関与できる反面、任期制であることや転任が難しい点を踏まえ、慎重な検討が必要です。
転職を検討する際には、単なる年収の多寡にとどまらず、業務範囲・働き方・中長期的なキャリアビジョンと照らし合わせながら、自身にとって最適な環境を見極めることが重要です。弁護士としての専門性を軸にしつつも、今後の成長や活躍フィールドを拡げるためには、業態の選定や企業カルチャーへの理解が欠かせません。
出典:「民間人材の任期付採用」(1) 特定任期付職員の俸給月額 (人事院)
弁護士の転職事例
本章では、JACが提供する転職支援サービスを利用し、弁護士資格や経験を活かして転職を成功させた事例を紹介します。
弁護士・弁理士資格を活かし、ベンチャー企業の知財・法務部門へ転職した事例
Lさん(30代後半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 外資系コンサルティングファーム | 知財・法務部(マネージャー) | 1,350万円 |
| 転職後 | 医療系グローバル企業 | 知財・法務部(部長) | 1,620万円 |
Lさんは、複数の企業で知財や法務に関する豊富な経験を積み重ねてきました。日系メーカーでは特許権利化業務を中心に実務に携わり、その後は海外企業とのM&A案件や契約対応、さらにはアジアパシフィック地域を対象とした国際法務業務にも関与するなど、着実にスキルの幅を広げ、国内外のビジネスを法的側面から支える存在として企業活動の中枢に関与してきた実績をもちます。
Lさんは、弁理士および米国弁護士の資格を取得しており、グローバル企業と対等に交渉・調整が可能な点が強みです。転職を検討し始めたきっかけは、専門性を深めながら経営により近い立場で事業に貢献できる環境を求めたことが背景にありました。
JACのコンサルタントは、Lさんの専門知識と豊富なグローバル経験が成長著しいベンチャー企業で大きな価値を発揮できると判断し、ヘルスケア領域のベンチャー企業の知財・法務部門のポジションを紹介しました。結果として部門長としての採用が決まり、年収の大幅アップも実現しました。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
弁護士資格を活かし、半導体メーカーの経営戦略室部長へ転職した事例
Aさん(30代後半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 化学メーカー | 営業部(部長) | 1,200万円 |
| 転職後 | 半導体メーカー | 経営戦略室(部長) | 1,560万円 |
Aさんは、ロースクール修了後に弁護士資格を取得し、法律事務所にて民事・刑事の両面から案件を担当しました。その後は企業法務へとキャリアを広げ、日系メーカーの法務部にて契約審査や戦略法務、M&A対応などに従事してきた実績を持ちます。
Aさんは、現職では営業部門の責任者として経営全体を俯瞰する視座を養っていましたが、さらに経営戦略に特化したポジションを目指し、転職活動を開始しました。
JACのコンサルタントは、法務から経営企画、営業部門の統括まで多岐にわたるAさんの経験に注目し、事業の成長戦略を担う経営戦略室の部門長候補として、グローバルに展開する半導体メーカーの求人を提案しました。
結果として、Aさんは経営戦略室のマネジメントポジションとして入社が決定し、弁護士資格を背景にした論理的思考力と幅広い実務経験を武器に、新たなステージで企業経営に寄与しています。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
弁護士資格を活かし、グローバル企業の法務部マネージャーへ転職した事例
Sさん(40代後半/女性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 製造販売業 | 法務コンプライアンス部(課長) | 800万円 |
| 転職後 | 大手グローバル企業 | 法務部(マネージャー) | 1,000万円 |
Sさんは、司法試験に合格し弁護士資格を取得した後、日系メーカーにて企業法務・コンプライアンスの領域で実務経験を積み上げてきました。契約審査や社内研修の設計・実施、コーポレートガバナンス対応、さらには株主総会の運営や訴訟代理といった業務を幅広く担当してきた実績を持ち、社内では信頼される存在として法的助言を行うなど、企業活動を支える中核的な役割を担っていました。
その後、Sさんは、「法務のプロフェッショナルとして、企業経営に貢献できる立場でキャリアを継続したい」との思いから、転職を検討するようになり転職活動を開始しました。
JACのコンサルタントは、Sさんのこれまでの実務経験とキャリア志向を丁寧にヒアリングし、英文契約やM&A対応を含む高度な領域まで対応可能な弁護士資格保有者を求めていたグローバル企業の法務部門のポジションを提案しました。
結果として、Sさんは、今回の転職で自身の専門性を深く追求できる環境へとキャリアチェンジを果たし、年収面でも前職より大幅な向上を実現することができました。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
弁護士の転職は何歳まで?年代別の転職事情
弁護士の転職には年齢による明確な制限はなく、各年代に応じた経験や志向に合致する転職先を選定できれば、年代を問わず転職の成功が十分に可能です。
転職市場では、年齢ではなく「どのような業務を担ってきたか」「その経験が転職先にどう活かせるか」が最も重視されます。若手であれば将来性や吸収力、中堅層では専門性やマネジメント力、シニア層では戦略的思考や安定感など、それぞれの年代が備えるべき強みを明確にすることが大切です。
ここでは、各年代における転職事情と、成功させるためのポイントについて解説します。
20代弁護士が転職を成功させるためのポイント
司法修習を終えて数年以内の20代の弁護士は、実務経験は浅いものの、その若さゆえの吸収力、柔軟性、将来性が高く評価されます。
20代での転職では、現時点における専門性の高さよりも、新しい知識を素直に吸収する意欲や困難な課題にも積極的に取り組む姿勢が重視されます。しかし、限られた実務経験のなかでどのような案件に携わったか、どのように周囲と連携して成果を出してきたかを言語化し、アピールできる材料として準備しておくことも欠かせません。
転職先としては、多様な案件を経験できる大手法律事務所や手厚いOJTを通じて企業法務の基礎を学べる事業会社などが考えられます。選考では、司法修習やこれまでの実務で何を学び、今後どのような弁護士になりたいかという明確なビジョンと成長意欲を語れるよう意識しましょう。
30代弁護士が転職を成功させるためのポイント
30代は、弁護士としての基礎が固まり、特定の専門分野も確立され始める年代です。
特に企業法務やM&A、知的財産などの分野でどの程度自立して業務を進められるかが評価対象となるため、自身の専門領域を明確にし、過去の具体的な成果や実務スキルを整理しておくことが重要です。また、プレイヤーとしての実務能力だけでなく、若手への指導経験やチームでの案件推進など、管理職としての素養も問われ始める年代です。そのため、単に経験年数を強調するのではなく、案件を主導した経験や後輩の指導など、組織への貢献度を訴求する視点も意識しましょう。
転職活動では、自身の市場価値を客観的に見極めることが重要です。加えて、専門性をより深められる環境、もしくはこれまでの経験を活かしてマネジメントに挑戦できる環境のどちらを重視するか、中長期的なキャリア計画を踏まえた選択が求められます。
40代弁護士が転職を成功させるためのポイント
40代の弁護士には、法的な専門性に加え、チームを率いるマネジメント能力や組織全体を俯瞰する経営的な視座が期待されます。
法律事務所であれば、パートナーとして事務所経営に貢献すること、あるいは部門のリーダーとして若手育成に尽力することが求められます。企業内弁護士であれば、法務部長として部門全体を統括する、経営会議に参加して法的な観点から助言を行うなど、より経営に近い役割を担うことになります。
年齢的に実績と再現性が重視されるため、過去の成果とともに入社後の貢献シナリオを論理的に語ることが求められます。転職のハードルが上がるとされがちな年代ですが、豊富な経験を必要とするポジションでは、むしろ40代ならではの安定感と戦略性が重宝されるでしょう。
50代弁護士が転職を成功させるためのポイント
50代になると、短期間で戦力となる即戦力性とリーダーシップの発揮が期待されるため、過去の職務実績を通じて、すぐに成果を出せる旨を示すことが重要です。また、若手や中堅との関係構築力、組織内での調整力など“周囲を支える視点”をもてるかどうかも問われます。
転職先候補としては、企業の法務部門の責任者や監査役といった経営幹部、これまでの経験を通じて培った豊富な知見を活かして、企業のガバナンス強化やコンプライアンス体制の高度化に貢献する役割が期待されます。また、特定の分野の第一人者として、法律事務所や企業に顧問として参画し、後進の指導・育成にあたるというキャリアパスも考えられます。
求人数は少なくなりますが、明確な強みをもつ50代弁護士の場合、大きな貢献が期待され好待遇で歓迎されるケースもあります。そのため転職活動では、自分の強みを最大限に発揮できる領域に絞り込むことが重要です。
弁護士からの転職なら、JAC Recruitment
弁護士の転職は、法律事務所から企業へ、あるいは専門分野を変えての挑戦など、その選択肢は多岐にわたります。そのため、転職活動では弁護士という職種に精通した転職エージェントの活用が不可欠であり、経験豊富なコンサルタントからの支援の有無が転職成否を左右します。
その点、JACでは、法務・コンプライアンス領域に精通した経験豊富なコンサルタントが特定の法分野に関する深い知見や複雑な案件を成功に導いた実績をもっています。彼らは、履歴書だけでは伝わりにくい価値を正確に理解し、長期的なキャリアビジョンに合致した最適なキャリアを提案します。
JACでは、一般的な転職サイトには掲載されていない、大手企業の法務部長や外資系企業のリーガルカウンセル、IPO準備企業のCLO(最高法務責任者)候補など、希少性の高い求人も取り扱っています。
弁護士資格や経験を活かし、自身のキャリアに新たな可能性を見出したいとお考えの方は、ぜひ一度、JACにご相談ください。



