クライアント企業の業務を分析し、課題解決に適したシステムの設計や開発、運用、保守を一貫して担う企業をSIerといいます。最近では、クラウドサービスの普及にともない、プラットフォームによるインフラ構築サービスの提供が開始されたことから、スクラッチ開発の需要が減少しています。また、エンジニア不足や高コストといった問題が懸念され、SIerの将来性を心配する声が上がるようになってきました。
SIerへの転職を目指す方の中には、このような噂に不安を感じている方もいるかもしれません。果たして、本当にSIer業界は衰退しているのでしょうか。
今回は、SIerの転職市場の動向や最新の求人情報など、SIerへの転職を希望する人に役立つ情報をご紹介します。
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SIerの転職動向

SIerの将来性を不安視する声もありますが、SIerの求人は減少しているのでしょうか。実は、2024年にJACで取り扱ったSIerの求人数は、前年の1.41倍となっています。クラウドが普及している現在でも、SIerの業績は順調に推移しており、多くの求人募集がなされているのです。
求人の内容を見るとプロジェクトマネージャーやITコンサルタント、IT営業、事業企画、事業開発の求人が多くなっています。また、ビジネス拡大のための増員を目的とした求人が多くなっており、具体的には販路拡大のための増員や顧客の増加に伴う増員、より顧客ニーズを満たすサービスの提供を目的とした増員が多くなっています。
事業拡大を理由とした求人件数が増加していることからも、SIer業界が現在も安定した成長を続けていることがお分かりになるでしょう。
SIerで求められるスキル・経験・マインド
SIerで求められるスキルや経験は企業や職種によって異なりますが、主に以下のようなスキルや経験が求められます。
ITに関する知識
SIerはクライアント企業のニーズをヒアリングし、課題を解決するためのシステム開発を受託する企業です。そのため、システム開発に携わるエンジニアはもちろん、営業担当者にもITに関する知識が求められます。ITに関する知識がなければ、クライアントの課題解決につながるシステムの提案はできません。
提案営業の経験
SIerの営業は、クライアントの課題やニーズを的確に把握し、課題解決に向けたシステムの提案を行わなければなりません。単に自社の製品を提案する営業スタイルとは異なり、クライアントの状況を分析し、その悩みを解決することに主眼を置いた提案が必要になります。
SIerでの営業を希望する場合、IT関連の知識はもちろん、提案営業のスキルも必要になるでしょう。
システム開発の経験
SIerでエンジニアとして働きたい方は、システム開発の経験が求められます。企業によって必要となるスキルは異なり、担当する工程によっても求められる経験が異なります。転職を検討する際には求人情報をしっかりと確認し、自身のスキルや経験が生かせる求人を見極めることが大切です。
コミュニケーション能力
SIerは、クライアントからシステム開発の業務を受託して、ニーズを満たすシステムを納品し、その後の運用や保守も担当します。どの工程においても、クライアントの意向を確認する必要があり、また、チームメンバーとの連携も欠かせません。円滑に業務を進めるうえで綿密なコミュニケーションは必要不可欠であるため、SIerでは高いコミュニケーション能力が求められる傾向にあります。
SIerの平均年収は832.9万円
JACが転職をサポートした事例では、SIerに転職された方の平均年収は832.9万円です。また、ボリュームゾーンは600~700万円となっています。
ただし年収2,000万円以上で決定された方も複数人いらっしゃるため、スキルや経験によっては高額な年収を期待できる業界だといえます。また、高年収の方のほとんどはマネジメントのポジションに就いていますが、中にはメンバークラスでありながら2,000万円の年収提示を受けた事例もあります。さらに、20代で1,000万円を超えている方もいるため、SIerはスキルが非常に重視される業界であるといえるでしょう。
SIerの年代別の平均年収は次のとおりです。

| 役職 | 平均年収 |
|---|---|
| メンバークラス | 782.7万円 |
| 管理職 | 1099.6万円 |
| 平均年収 | |
|---|---|
| 日系企業 | 877.0万円 |
| 外資系企業 | 952.5万円 |
SIerの最新求人情報
JACでは多数のSIer求人を取り扱っており、その中から一部の求人をご紹介します。
● 大手SIerグループ企業:インフラエンジニア/構築/製品保守
● 大手SIer:サイバーセキュリティ監視システム開発エンジニア
● 日系大手SIer:テックリードまたはテックリード候補(新規プロダクト/サービス開発)
● 大手SIerグループIT企業:インターネットバンキングシステムプロジェクトのリーダーポジション
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年5月最新)
ご紹介した求人以外にもJACでは多数のSIer求人を取り扱っています。しかしながら、JACが扱う求人の7割程度は、業務内容や企業名を公開することができない非公開求人です。非公開求人は、JACにご登録いただいた方のみにご紹介ができます。
JACにはIT業界やSIerに詳しいコンサルタントが在籍しており、ご登録時には詳しいご希望を伺ったうえで最適な求人をご紹介します。SIerへの転職をお考えの際には、ぜひ、SIerの転職サポート実績を豊富にもつJACにご相談ください。
SIerへの転職で有利となる資格
SIerへ転職するにあたって必須となる資格はありません。しかし、次のような資格があるとスキルの証明になるため、転職時に有利になる可能性があります。
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
ITエンジニアの登竜門と呼ばれる基本情報技術者試験は、ITエンジニアとして保有すべき基礎的な知識や技能を身に付けていることの証明となる国家資格です。また、応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験のワンランク上のエンジニアを目指す場合に適した試験です。基本情報IT戦略の立案やシステムの企画・要件定義、サービスの安定運用などに必要な知識や技能を保有することの証明となります。
>>独立行政法人情報処理推進機構:基本情報技術者試験
>>独立行政法人情報処理推進機構:応用情報技術者試験
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験も基本情報技術者試験や応用情報技術者試験と同じく、独立行政法人情報処理推進機構が実施する国家資格です。資格を取得している場合、プロジェクトマネージャーに必要な知識やノウハウを幅広く体得していることの証明になります。SIerでのプロジェクトマネージャー業務を希望する場合には、取得しておくと転職時の評価につながる可能性があります、
>>独立行政法人情報処理推進機構:プロジェクトマネージャ試験
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークシステムの企画・要件定義・設計・構築・運用・保守に関する中心的な役割を果たす、ITスペシャリストを認定する独立行政法人情報処理推進機構主催の国家資格です。ネットワークエンジニアやインフラエンジニアを目指す場合、取得しているとネットワークについて、高い知識を保有していることの証明となります。
>> 独立行政法人情報処理推進機構:ネットワークスペシャリスト試験
TOEIC
SIerの中には、英語力を重視する求人もあります。海外で発表された新技術を活用する場合、英語の情報を理解する必要があります。そのため、最新の技術を活用し、他社と差別化が図れる方は、SIerへの転職時に選択肢を広げることができるでしょう。
英語の能力を証明する際には、合否ではなくスコアで英語力の証明ができるTOEICを目安にするケースが多くなっています。英語の能力を示したい場合は、TOEICを受験してみるとよいでしょう。
>> 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会:TOEIC
SIerにおけるキャリアパス
SIerではさまざまなキャリアパスが考えられます。
マネジメント職を目指す

プロジェクトの計画や遂行の責任を担うプロジェクトマネージャーや営業部、人事部など各部門でのマネジメントポジションを目指す選択肢があります。チームビルディングに関心の強い方やスタッフ育成に興味のある方、将来的に経営に関わるポジションに進みたい方などは、マネジメント職を目指すとよいでしょう。

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エンジニアとしての成長を目指す
幅広い分野に必要な知識やノウハウを保有し、あらゆる分野でのシステム構築を担うことができるエンジニアをフルスタックエンジニアといいます。インフラからアプリケーションまで、さまざまな分野の幅広い知識が必要になるため、あらゆる業務に携わることができます。エンジニアとして対応できる幅が広がるため、自身の市場価値も高められ、社内でもスペシャリストとしての地位を確立できるでしょう。
また、フルスタックエンジニアとは反対に、自身の専門分野を突き詰め、その分野のスペシャリストを目指す方法もあります。探求心が強く、粘り強く業務に取り組める方は、専門性を高め、特定分野のスペシャリストを目指すことも可能です。
ITコンサルタントを目指す
クライアントの課題解決のために、ITを活用した解決策を提案するコンサルティングを行う業務です。ITコンサルタントには、ITに関する幅広い知識が必要になるともに顧客のニーズを把握する、高いコミュニケーション能力が求められます。営業担当者がITに関するス知識を深め、ITコンサルタントになるケースもありますが、プロジェクトマネージャーなどの経験をしたエンジニアが知識を生かし、ITコンサルタントになるケースもあります。

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SIerの転職を成功させる3つのポイント
前述のように、近年はクラウドコンピューティングサービスが急速に普及しています。時代の流れにともない、SIer業界ではより顧客が満足できるサービスの提供に注力をするケースとクラウド環境との融合を目指すケースの2つの流れが見られます。応募先企業の考えに合わせ、転職時には次のいずれかの経験や知識をアピールすると、転職を成功に導く可能性を高められるでしょう。
顧客の視点に立ったシステム開発や提案営業の経験
クラウドサービスの普及により、SaaSやIaaS、PaaSなどのプラットフォームからクラウド上に手軽にインフラを構築できるサービスが登場しています。しかしながら日本企業の多くはまだ、基幹システムをオンプレミスで運用しています。オンプレミスのメリットは、自社に合わせたカスタマイズがしやすい点と高いセキュリティレベルを維持できる点です。そのため、SIer業界ではより顧客ニーズを満たすサービスの提供を目指す企業が増えています。
従来、SIerでは顧客ニーズに忠実なシステム構築を提供してきたものの、期待を上回るような提案については、積極的に行われていなかったという状況にありました。しかしながら、昨今では、顧客のニーズを上回る新たな価値の創出を目指す企業が増えています。そのため、これまでに顧客の視点に立ったシステム開発や提案営業の経験がある場合、SIerへの転職にあたって大きなアピールポイントとなるでしょう。
クラウドに関連する知識や実務経験
クラウドコンピューティングサービスの普及にともない、SIer業界においてもクラウドサービス基盤を対象とするシステム開発やクラウドDWH基盤の構築、クラウドサービスのアドオン開発などを手掛ける企業が増えています。そのため、これまでクラウド環境でのシステム開発やアプリケーション開発に携わった経験がある方やクラウドサービスへのシステム移行経験がある方、SaaSなどの営業経験をもつ方などはSIer業界においても優遇される傾向にあります。
ただし、経験があるといったアピールだけでは能力を測ることはできません。面接時には、開発経験のあるクラウドサービスや具体的な開発内容、営業として取り扱ったサービスの内容や実績などについて具体的にアピールすることが大切です。
SIerの転職事例
JACではSIerへの転職を多数サポートしてきた実績があります。ここではサポート事例の中から、50代男性の例をご紹介します。
Hさん(男性/50代前半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | SES企業 | 情報管理責任者 | 600万円 |
| 転職後 | 外資系SIer | IT系プロジェクトマネージャー | 1,100万円 |
Hさんは、SES企業の技術統括責任者として、技術部門長年に渡って統括して来た実績をもつ方です。執行役員として経営にも携わった経験もおもちです。50代となり、自身のキャリアを振り返ったときに、これまでの経験を生かせる新たな環境で再びチャレンジをしてみたいという気持ちが強くなり、JACにご相談をいただきました。
システム開発に関する十分な実績やノウハウに加え、マネジメントの経験も豊富におもちであったことから、JACからは外資系SIerのプロジェクトマネージャー職をご紹介しました。
これまでの経験はもちろん、クライアントとの折衝経験で培った高いコミュニケーション能力が大きく評価され、見事、応募企業から採用したいとのお返事をいただきました。Hさんも初めての外資系企業での勤務であり、グローバル環境でのチャレンジに高い意欲を示され、無事に入社が決定しました。Hさんからも、年収が大幅にアップし、大きなやりがいをもって業務に携わっているとのご報告をいただいています。
SIerの転職なら、JAC Recruitmentへ
SIerの将来性を不安視する声もありますが、現状SIerの求人は増加しています。多くのSIer企業が好調な業績を背景に、ビジネス拡大のため、求人を募集しているのです。クライアントの課題を解決するSIerでの業務は、クライアントの悩みを解消するという大きなやりがいを得られる仕事です。
JACにはSIer業界を熟知するコンサルタントが在籍しています。キャリアビジョンをお伺いしながら、理想のキャリアの実現に近づく最適な求人をご紹介します。SIerへの転職をお考えの際には、ぜひJACにご相談ください。

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IT業界の転職ならJAC Recruitment
JAC Recruitmentはロンドン発祥の転職エージェントでイギリスとドイツ、アメリカ、アジアなど11カ国、33拠点に広がる独自のグローバルネットワークを背景として、IT系企業への転職支援でも豊富な実績を重ねてきまし… 続きを読む IT業界の転職ならJAC Recruitment



