投資信託は、個人や機関投資家が資産をプールして運用する投資商品を提供する分野です。同市場は、デジタル化やESG投資の増加、若年層の参加などにより、着実に成長しています。2025年には、外国株式型投資信託への資金流入が特に増加し、過去最高の水準を記録している状況です。このような市場環境において、投資信託への転職は魅力的な選択肢となりつつあります。
ここでは、金融業界に詳しいJAC Recruitment(以下、JAC)が、投資信託とはどのような業界なのか、年収相場、最新の転職・求人情報、求められるスキル・経験などをご紹介します。
目次/Index
投資信託の転職動向
投資信託は2023年と比較すると、2024年の新規求人数が1.2倍に増加しました。特にファンドマネージャー・アナリストの求人数が増加しています。
投資信託では、運用ノウハウの強化や業容拡大を目的とした求人が増加傾向です。特に、ファンドマネージャーやリスク管理のポジションで採用が活発化しています。マーケティング担当や新規ビジネスの立ち上げに関する求人も目立ち、企業は市場競争力の向上を図っています。
また、アセットマネジメント会社では、運用ETFの本数増加やリサーチスタッフの育成を目的とした採用が進んでいる点が特徴です。リモートワークの可否は求人ごとに異なりますが、比較的高年収の求人が多く、専門スキルをもつ方に有利な市場といえます。
投資信託で求められるスキル・経験、マインドについて
投資信託への転職を目指す場合、以下のようなスキル・経験が求められます。
・市場分析・投資判断のスキル
・プロジェクトマネジメント能力
・バックオフィス業務の知識・経験
・リスク管理のスキル
・ストレス耐性と冷静な判断力
ここから、それぞれの内容を確認しておきましょう。
市場分析・投資判断のスキル
投資信託では、金融市場の動向を的確に分析し、投資判断を下すスキルが求められます。具体的には、マクロ経済の理解や財務分析、企業価値評価などが含まれます。
機関投資家向けのファンド運用やポートフォリオマネジメントでは、市場動向を正確に捉え、リスクとリターンを最適化する能力が不可欠です。データ分析を活用し、定量・定性の両面から投資戦略を策定できる方は、即戦力としての需要が高まっています。
プロジェクトマネジメント能力
投資信託では、新規ファンドの立ち上げや投資商品の開発など、複数のプロジェクトが同時進行することが一般的です。そのため、チームを統率し、スケジュール管理やタスクの優先順位付けを行うプロジェクトマネジメント能力が求められます。
特に、海外投資や新規市場参入に関わる業務では、多様な関係者と調整する場面が多く、リーダーシップや交渉力が重要です。プロジェクトの進行を管理し、成果を出せる方は、キャリアアップの機会が広がります。
バックオフィス業務の知識・経験
投資信託の基準価額算出、リスク管理、コンプライアンス対応などのバックオフィス業務は、正確性とスピードが求められます。オペレーションの効率化や業務システム(例:T-STAR)の活用経験があると、企業からの評価が高くなるでしょう。
また、法規制の理解や会計・税務に関する知識をもつことで、適切なファンド管理や投資家対応が可能となります。運用資産の管理やリスク対応のスキルをもつ方は、転職市場で優遇される傾向です。
リスク管理のスキル
投資信託では、投資リスクを適切に評価し、管理するスキルが重視されます。例えば信用リスクや流動性リスク、市場リスクの分析、リスクヘッジの戦略立案が求められます。
ボラティリティの高い市場環境では、リスクを迅速に把握し、対応策を講じる能力が必要です。ファンドマネージャーやリスク管理部門の経験者はもちろん、データ分析ツールを活用したリスクモデリングのスキルをもつ方も高く評価されます。
ストレス耐性と冷静な判断力
投資信託は、市場の変動が激しく、短期間での意思決定が求められるため、高いストレス耐性が必要です。特に、ファンドマネージャーやトレーダーといったポジションでは、相場の急変に対応しながら、冷静な判断を下す能力が求められます。
リスク管理能力と併せて、プレッシャーのかかる環境下でも論理的に思考し、最適な戦略を実行できる方は、長期的に活躍できる可能性が高いでしょう。
投資信託の平均年収は948.5万円
JACがご支援した投資信託の平均年収は948.5万円で、ボリュームゾーンは年収750万円~1,150万円です。各年代の平均年収は、下記となりますが、スキル・経験によっては2,000万円以上で転職されるケースも見られます。

また、スキルや経験によって大きく変動する点が特徴です。特に、ファンドマネージャーやリスク管理の専門職は、高年収となるケースが多いです。
なお、一般的な市場における投資信託の平均年収は、800万円前後といわれています。
投資信託の最新転職・求人情報
ここからは、投資信託の最新転職・求人情報をご紹介します。
大手金融グループの中核アセットマネジメント会社:海外営業担当
国内大手金融グループの中核アセットマネジメント会社:グローバルエクイティ・外部委託運用担当
国内大手金融グループの中核アセットマネジメント会社:国内株式アナリスト
国内大手金融グループの中核アセットマネジメント会社:円建て債券 クレジット運用ファンドマネージャー
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年4月最新)
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投資信託への転職に生かせる資格
投資信託の転職を目指す場合、以下のような資格を取得していると有利でしょう。
・証券アナリスト(CMA)
・CFA(Chartered Financial Analyst)
・ファイナンシャル・プランナー(AFP・CFP)
・日本FP協会認定の「金融業務能力検定(資産運用アドバイザー)」
・内部管理責任者(証券外務員一種+内部管理責任者試験)
ここから、各資格の内容を解説します。
証券アナリスト(CMA)
証券アナリストとは、証券アナリスト協会が認定する資格で、投資分析や資産運用の知識を証明できます。株式・債券・デリバティブなどの金融商品の分析能力が求められるファンドマネージャーやアナリスト職に有利であり、転職市場では最も評価が高い資格の1つです。
取得には一般的に1.5~2年程度が必要で、一次・二次試験の合格に加え、実務経験2年以上が必要とされます。
CFA(Chartered Financial Analyst)
CFAは、米国CFA協会が認定する国際的な金融資格で、投資分析やポートフォリオ管理に関する高度な知識を証明します。外資系のアセットマネジメント会社やグローバルな金融機関で高く評価され、特に海外投資に関わる業務では有利です。
取得には3つの試験(Level I~III)をクリアする必要があり、通常3~4年かかるうえ、実務経験も4年以上が求められます。
参考:CFA Institute「CFA Program exam information」
ファイナンシャル・プランナー(AFP・CFP)
ファイナンシャル・プランナーは、個人資産の管理や投資計画の立案に必要な知識を証明する資格で、AFP(国内向け)とCFP(国際資格)があります。リテール向け投資信託の営業や投資アドバイザー職に有利で、投資信託の仕組みや運用計画を顧客に説明する際に役立つでしょう。
取得にはAFPが数カ月~1年、CFPはAFP取得後に6科目の試験を受験するため1~2年程度は必要です。
日本FP協会認定の「金融業務能力検定(資産運用アドバイザー)」
金融業務能力検定(資産運用アドバイザー)は、資産運用に関する基礎知識や実務スキルを問う試験で、特に投資信託や金融商品の知識を網羅しています。投資信託の販売や資産運用アドバイスを行う職種で有利であり、営業職やファイナンシャルアドバイザーに特に役立ちます。取得にかかる学習期間は3~6カ月程度です。
内部管理責任者(証券外務員一種+内部管理責任者試験)
内部管理責任者は、証券会社や投資信託会社におけるコンプライアンスや内部管理の責任者としての資格で、金融商品取引法などの法規制に対応できるスタッフとして評価されます。投資信託会社のバックオフィス業務やコンプライアンス部門への転職に有利であり、証券外務員一種の取得後、試験対策に2~3カ月の学習期間が必要です。
投資信託のキャリアパス
投資信託のキャリアパスには、どのような選択肢が考えられるのでしょうか。ここでは、一般的なキャリアパスを解説します。
ファンドマネージャーへのキャリアパス
ファンドマネージャーは、投資先の選定やポートフォリオの運用戦略を立て、投資成果を上げる責任を担う職種です。このキャリアパスを目指すためには、まずはアナリストとして市場調査やリサーチを行い、資産運用の基礎を学びます。その後、実績を積むことでファンドマネージャーへ昇格します。
ファンドマネージャーに向いているのは、市場分析や投資戦略に強い関心をもつ方です。特に、金融市場の深い理解と、変化する環境に適応する能力が求められます。
投信ディスクロージャーグループでのキャリア
投信ディスクロージャーグループのキャリアパスでは、月次レポート作成業務を通じて投資信託の仕組みを理解し、ファンド監査業務で法令・規則の知識を身につけます。その後、チームを率いてドキュメント作成業務を行うことが一般的です。
このキャリアパスは、法規制や文書作成スキルに興味をもつ方が適しています。法令や規制に関する知識を深め、コミュニケーション能力を高めることが重要です。
アナリスト業務を通じたキャリア
アナリストとしては、市場調査や企業分析を行い、ファンドマネージャーの意思決定をサポートするキャリアパスもあります。運用リスク管理業務や特定の業種の分析を行うことで、専門性を高めていきます。
このキャリアパスに向いているのは、データ分析や企業分析に強い関心をもつ方です。特に、論理的思考や問題解決能力が求められます。
商品企画業務を通じたキャリア
商品企画業務も投資信託のキャリアパスの1つです。新商品の組成や開発を行い、チームを率いてプロジェクトを進めます。
創造性やリーダーシップを発揮したい方に適したキャリアパスといえるでしょう。市場ニーズを把握し、新しい商品アイデアを提案する能力が不可欠です。
経営企画部でのキャリア
投資信託の経験を生かし、経営企画部で活躍するキャリアパスも考えられます。経営計画の策定や規程の整備を行い、会社全体の動きを把握します。
経営企画のキャリアパスに向いているのは、企業全体の戦略に興味をもつ方です。特に、経営管理や戦略立案のスキルが求められます。
投資信託の転職を成功させる3つのポイント
投資信託の転職時には、注意すべきポイントがあります。ここでは、投資信託の転職を成功させる3つのポイントをご紹介します。
1.業界の知識を深める
投資信託業界では、募集背景や仕事内容に頻出する業界特有の用語やトレンドを理解し、面接で具体的な知識をアピールすることが重要です。例えば、運用ノウハウやリスク管理に関する知識は高く評価されます
2.実務経験の言語化
仕事内容に関連する実務経験を具体的に説明し、どのように貢献できるかを明確に伝えることがポイントです。例えば、ファンドのデューデリジェンスやマーケティング支援のための資料作成などの経験を持っていることが役立つ場合があります。これらの経験を通じて、企業が求めるスキルや知識を示すことができます。
3.中長期キャリアを意識した自己PRの準備
転職時には、自己分析と業界理解が重要です。「Will・Can・Must」のフレームワークを用いて、自身の強みやキャリアの方向性を明確にし、投資信託の特徴や市場動向を深く理解することが求められます。また、長期的な視点で転職を考えることで、キャリアプランを整理しやすくなるでしょう。
投資信託の転職事例
ここからは、JAC経由で投資信託へ転職した事例をご紹介します。
Kさん(男性/40代前半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 大手生命保険会社 | 金融ミドルバックオフィス | 1,250万円 |
| 転職後 | 大手資産運用会社 | ファンドマネージャー | 1,500万円 |
Kさんは「資産運用の専門性をより高め、優秀なスタッフと切磋琢磨しながらスキルアップしたい」という強い意欲をおもちでした。JACのコンサルタントとの面談を通じて、ゼネラリスト的な業務から運用特化の環境へとシフトし、専門性を高められるポジションを目指す方針を固めました。
Kさんの強みは、年金資産運用に関する幅広い経験と、ポートフォリオマネジメントの実務に精通している点です。特に、プロダクト開発やマーケット分析の実績をもち、戦略的な運用方針の策定にも関与してきたことが企業側から高く評価されました。
最終的に、外部委託ファンドの運用を担当するファンドマネージャー職への転職が決定。年収も1,250万円から1,500万円へとアップし、専門性を生かしながら運用業務に特化したキャリアを歩み始めています。
投資信託の転職なら、JAC Recruitmentへ
投資信託は、投資家や資産管理者、金融機関など、さまざまな立場の人と関わるケースが多い業界です。また、投資戦略の立案や資産運用、リスク管理など、任される業務の責任も甚大といえます。
JACは、アセットマネジメント業界に特化したコンサルタントが、投資信託を含む金融業界への転職希望者を数多くサポートしてきた実績があります。投資信託への転職をお考えの際には、JACの専門コンサルタントが、レジュメの効果的な書き方や面接対策、企業傾向の情報収集などをサポートします。
投資信託への転職を検討している方は、ぜひJACにご相談ください。
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