30代前半から40代前半のビジネスパーソンの方で、さらなるスキルアップや自己実現のために、転職を検討してみたり、自己啓発として講座やセミナーに通ったりする方はいらっしゃるでしょう。しかし、いろいろな選択肢を考える中、「日々キャリアアップやスキルアップを気にしているけれど、果たしてこの方向性で合っているのかよく分からない」「自己流でやっているものの、体系的にどんな自己啓発をすればよいのか悩んでしまう」というケースは少なくありません。
今回は、転職か?自己啓発か?と悩む方に向けて、「キャリアプランを見つめ直したら拓ける道」と題して、まずは自己啓発の重要性について解説していきます。これから転職を考えている方にとっても、転職市場で求められる人材になるために、自己啓発は必ず必要となる要素のひとつです。キャリアプラン作成に悩んでいる方は最後までぜひ読み進めてみてください。
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自己啓発とは自身の思考や能力を高めること
ビジネスの現場でよく聞かれる「自己啓発」という言葉ですが、そもそもどのような意味を持つのでしょう。
一般的に自己啓発とは「自らの意思によって自身の能力や思考を高めること」と定義づけられています。自己啓発をする動機やきっかけ、目的などは人によって異なりますが、ビジネスパーソンの多くは「今よりも仕事で大きな結果を出すため」「キャリアアップを目指すため」「仕事の幅を広げるため」といった理由で取り組むことが多いようです。なかには、転職において希望する業種や職種に就くことを目標に資格取得をしたり、スキルを身に付けたりするケースもあります。
自己啓発によって身に付けることができるスキルは、以下の2種類に分類されます。
- ・ポータブルスキル
- ・テクニカルスキル
自己啓発のことはよく知っているつもりでも、こうした用語についてはあまり聞き慣れないといった方のために、それぞれについて詳しく説明していくことにしましょう。
ポータブルスキル
ポータブルスキルとは、「業種や職種が変わっても生かすことのできる汎用的なスキル」のことを指します。最近では、どこの会社・職種・部署に行っても持ち運びができるスキルという意味で「ポータブルスキル」という言い方をすることが多いようです。
たとえば、仕事では「P(計画)→D(実行)→C(検証/評価)→A(改善)」といったサイクルを回すことが一般的な流れとなりますが、こうした流れを把握してやるべきことを洗い出す作業などは、どの会社や職種でも必要なスキルとなっています。もちろん職種によって細かい手順や内容は異なりますが、一度身に付けることができれば、どのような仕事にも当てはめることが可能です。
また、「社内外の対応がスピーディかつ丁寧にできる」「チームのマネジメントができる」「円滑なコミュニケーションが取れる」「伝わりやすいプレゼンテーションができる」といった人と関わる能力(ヒューマンスキル)もポータブルスキルのひとつと言われています。
テクニカルスキル
一方でテクニカルスキルは、「業務を行う上で欠かせない専門的な技術・知識・能力のこと」を指します。ポータブルスキルとは違い、テクニカルスキルは職種や業種ごとに異なるのが特徴です。そのため、テクニカルスキルを上達させようと思ったら、まずは「自分の仕事に必要とされるテクニカルスキルにはどんなものがあるのか」「どんな力を身に付けたら今のスキルがより活きるのか」といった点を、正確に把握することが必要となります。
ポータブルスキルとテクニカルスキルの違い
このように見ると、ポータブルスキルとテクニカルスキルには、「全般的な仕事に活かせるスキルなのか」「より専門性の高いスキルなのか」という違いがあることが分かります。
たとえば、IT業界でエンジニアとしてアプリ開発に長年従事してきた方が、外資系企業の営業部門に転職しても、開発関連のテクニカルスキルが役に立つ可能性はかなり少ないでしょう。しかし、社内外と円滑にやりとりをするためのプロジェクトマネジメントスキルや、コミュニケーション能力、プレゼンスキルなどであれば、他の会社・業界でも十分に役に立つことができるポータブルスキルとなります。
自己啓発を始める際に定めておきたいこと
ここまで、自己啓発において「ポータブルスキル」と「テクニカルスキル」の2種類があることを解説してきました。スキルの違いが分かったところで、次は「自己啓発を始める際に定めておきたい点」について見ていきましょう。
自己啓発を始める際には、ついつい見切り発車でスタートしてしまうケースも少なくありません。しかし、自己啓発は金銭的・時間的コストがかかるものも多く、せっかくであれば効率的に結果を出したいところです。
そこで重要になってくるのが、
- ・目標やゴールを定めること
- ・必要なスキルを明確にすること
- ・費用対効果を考えること
- ・モチベーションを維持すること
- ・必要な時にアドバイスを貰える人を確保しておくこと
の5点です。それぞれ、詳しく解説します。
目的やゴールを定めること
目標を達成するためには、単にがむしゃらにやっていても結果は出ません。まずは何のために自己啓発をするのか、という目的を明確にし、そのためにはどのようなゴール設定をする必要があるのかを考えましょう。その上で、逆算してスケジュールを立て、各段階で何をすべきかを具体的に洗い出すことが大切です。
ハイクラスの方であればあるほど、目的やゴールが明確である傾向にあります。
必要なスキルを明確にすること
これはゴール設定に近い部分がありますが、そもそも必要なスキルが明確でなければ、「何のためにスキルアップをするのか」「なぜ自己啓発をしようと思ったのか」という目的がブレることにもなりかねません。「何となく必要そうだから」という理由で資格取得やセミナー受講などを始めてしまい、「モチベーションが続かなくなってしまった」「高額を投資したのに結局途中で挫折してしまった」ということにならないように、今後のキャリアに必要なスキルについては、あらかじめ明確にしておきましょう。
費用対効果を考えること
どんなに身に付けたいスキルであっても、「結果が出るまでに何十年も要する」「今の給与レベルからは手が出せないほどの金額である」といった場合には、費用対効果を考えることも大切です。自己啓発においては、「勢いで始めてしまったものの、資金繰りやモチベーションが続かなくて辞めてしまった」というケースは往々にしてあります。そのため、投資した分だけのリターンがきちんと得られるのか、という視点は常に持っておくようにしましょう。
モチベーションを維持すること
自己啓発は、その言葉の通り「自分自身」でやるものであり、誰かに強制されるものでもありません。それゆえに、途中で投げ出してしまったり、「今日は疲れたからいいや」と先送りにしてしまったりして、一向にスキルが身に付かない場合も多いようです。モチベーションを維持するためには、時にはご褒美を用意する、上手に息抜きをするなどして、学びの環境を整えてあげることが大切。重要な資格試験などを控えている場合には、受験勉強ルームを月額契約する、お気に入りのカフェで毎日2時間は勉強するといったマイルールを決めて取り組むのもおすすめです。
必要な時にアドバイスを貰える人を確保しておくこと
そうは言っても、時には心が折れてしまったり、本当にスキルアップに繋がるのだろうか、と不安になったりすることもあるでしょう。
そのような時には、アドバイスを貰えるメンターや師匠、励まし合える仲間を持っておくことも大切です。信頼できる人に、思い切って悩みを打ち明けることで、キャリアに関するモヤモヤが晴れ、また新たな気持ちで自己啓発に取り組むことができます。
自己啓発の効果とは
では、実際に自己啓発をすることによる効果にはどのようなものがあるのでしょうか。
項目ごとに、一つずつチェックしていきましょう。
自身のパフォーマンス力や生産性が向上する
自己啓発の最大の効果は、仕事に直結する知識やスキルを身に付けることによって、自身のパフォーマンス力や生産性が向上するという点にあります。身に付けてすぐの場合には、なかなか自分自身の成長を感じることができないかもしれませんが、少しずつ力を発揮していくことによって、会社や同僚からも信頼や評価を得られるでしょう。
給与や待遇が良くなる
会社や同僚から信頼や評価を得ることによって、給与や待遇が良くなるケースも多々あります。内閣府による「自己啓発を行った人とそうでない人が、1~3年後にどのような差が生じたか(※30歳以上の男女対象)」という調査では、1年後にはそれほど差はみられませんでしたが、3年後以降に、年収差があることが分かりました。
自己啓発をすることは、将来的に「待遇」や「金額面」で優位になる可能性が高いです。1年後からすぐに結果が出る、ということはなかなか難しいかもしれませんが、地道な努力が着実に実を結んでいくに違いありません。
転職の成功率が上がる
自己啓発は、年収や昇進にはすぐ繋がらない場合もありますが、転職においては1年後からすぐに結果が出る場合もあります。
先述の調査でも、「非就業者が自己啓発を実施すると、就職できる確率が10~14%程度増加することが示唆されている」「分析・対話型業務の職業への移動に関して、自己啓発は1年後から有意に就業確率を高める効果を持っていることが示唆される」といった結果が報告されており、自己啓発を行うことが、キャリアの選択肢を広げるきっかけとなっていることが分かります。
そのため、転職において希望する職種や業界がある場合には、自己啓発で必要な知識を身に付けたり、スキルアップをした上で採用試験へチャレンジするとよいでしょう。
実際に自己啓発に取り組む
ここまで自己啓発のやり方や効果について説明してきましたが、実際に自己啓発をやるためには何から始めればいいのでしょうか。
一般的な自己啓発の方法としては、
- ・関連書籍を読む
- ・イベントやセミナーに参加する
- ・通信講座や通学講座を受講する
- ・大学や大学院のプログラムで専門的に学ぶ
といったものが挙げられます。
一つずつ見ていきましょう。
関連書籍を読む
関連書籍を読むことは、自己啓発においてもっとも取り組みやすい方法のひとつです。
自己啓発で関連書籍を読むと言うと、よくある自己啓発本を読み漁るようなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、単なるマインドや行動法則、成功理論などを知るだけが「書籍を読む」ということではありません。
自己啓発本でも学べるところは多々あると思いますが、それだけではなく自身のキャリア形成や専門分野に関する知識本やIT・会計・法律・技術革新・時事ネタに関連する本などを読んで知識を深めること、そして知識の活用方法を知ることも自己啓発のひとつです。また、資格取得のための書籍を購入して勉強に取り組むことも、これに当てはまります。
通信講座や通学講座を受講する
自己啓発をするためには、専門家やスクールによる講座を受講するのも一つの方法です。特に、最近ではオンラインを活用した講座や、テキストや動画を見ながら進める通信講座も多数あります。特に、資格取得を目指す講座は種類が豊富にあり、「時間に融通が利く通信講座を選びたい」「遠方に住んでいるからオンライン講座を選びたい」といったように、自分に合ったスタイルを選んで受講することもできるようになりつつあります。
オンライン講座や通信講座は、通学するよりも安価の場合が多く、時間や場所の制約を受けないため、忙しい社会人には最適です。ただし、一人ではモチベーションが保てない、リアルな場所で受講生たちと切磋琢磨したい、先生から対面で学びたいといった場合には、通学講座のほうが高い学習効果を得られる場合もあります。そのため、講座で学ぶ場合には、まず自分の性格やライフスタイルに合った形態のものを選ぶことが、何より成功への近道となるでしょう。
イベントやセミナーに参加する
イベントやセミナーに参加することも、気軽にできる自己啓発の一種です。大規模な講義形式で学ぶイベントもあれば、少人数でディスカッションやワークができるセミナーまでさまざまなものが用意されています。こちらも講座と同様、最近ではオンラインが活用されており、遠方に住んでいる方や時間に制約がある方でも気軽に学べるのがメリットです。
大学や大学院のプログラムで専門的に学ぶ
近年では、大学・大学院に通って本格的に学ぶという選択肢を取る方も増えています。社会人が通いやすいように、大学側も通信制を設けたり、土日祝日にゼミを開講したりするなど、さまざまなプログラム・施策を実施していますので、興味がある方は一度調べてみることをおすすめします。
ただし本格的に通うことになった場合には、有休や休職が必要となるケースもありますので、「どの程度仕事を休めるのか」「本当に仕事との両立が可能なのか」といった点を現実的に考える必要があります。
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今回の記事では、転職か自己啓発かと悩む方に向けて、自己啓発の重要性やその効果について詳しく解説していきました。
「今のポジションからよりキャリアアップしたい」「年収をアップさせたい」「よりよいポストに就きたい」といった夢や目標がある場合には、すぐに転職を検討する方法もありますが、一度キャリアプランを見つめ直し、必要なスキルを身に付ける自己啓発を行うのも一つの手です。
JAC Recruitmentでは、採用企業の選考担当者が求めるスキルや人物像に関する情報を多数把握しているため、キャリアにお悩みのビジネスパーソンに対して、的確なアドバイスを行うことが可能です。
また、自己啓発を通してスキルを身に付けたうえで転職をしたいという方には、内定獲得をより確実なものにするために、履歴書や職務経歴書の書き方、面接の仕方などもお伝えしています。スキルアップや転職を本気で考える方には、納得がいくまで寄り添い、必ずや成功まで導きますので、ぜひこの機会に一度お問い合わせしてみてはいかがでしょうか。