32歳は、30代前半の中でも「キャリアの軌道修正」が現実味を帯びるタイミングです。JACの実績によると、30〜34歳の転職者は全年代の約半数近くを占め、その中で32歳は約10.7%と、30歳・31歳と並ぶ「30代転職の主戦場」です。
本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)が保有する独自データをもとに、32歳での転職の実態や成功事例を詳しく解説します。
32歳で転職は厳しい?
本章では、32歳の転職について、JACのデータをもとに次の2つの観点から解説します
- 32歳でも転職する方は十分存在する
- 約44%が32歳で初転職
32歳でも転職する方は十分存在する
厚生労働省が公表している「令和6年雇用動向調査結果の概況」によると、30〜34歳における転職入職率は女性14.0%、男性9.5%でした。本調査より、31歳で転職する方は一定数存在していることがわかります。

結論として、32歳は転職市場で主要な年齢層といえます。JACのデータでは、30代転職者の中で32歳は約10.7%を占め、31歳(10.8%)とほぼ同水準。30代前半は転職活動が活発ですが、32歳は経験を積んだ即戦力としての評価がより鮮明になる年齢です。
男女比では男性が75.8%と優勢であり、女性も24.0%を占めています。性別を問わず、キャリアの方向性を積極的に見直す層が多いことが分かります。JACの実績データでも企業は、専門性に加えて将来のリーダー候補としての資質を重視し、現場で成果を出しながらマネジメントへの橋渡しができる方を求めています。
31歳ではポテンシャルと実績の両面が評価されますが、32歳は専門性を軸にキャリアを戦略的に選択するフェーズです。
【JAC実績における年代別割合】
| 年代 | 割合 |
| 20代 | 13.6% |
| 30代 | 38.7% |
| 40代 | 29.4% |
| 50代 | 15.7% |
| 不明 | 0.1% |
※1
【JACを利用して転職された30代の割合】
| 年齢 | 割合 |
|---|---|
| 30歳 | 10.6% |
| 31歳 | 10.8% |
| 32歳 | 10.7% |
| 33歳 | 10.9% |
| 34歳 | 10.3% |
| 35歳 | 9.9% |
| 36歳 | 9.6% |
| 37歳 | 9.5% |
| 38歳 | 8.7% |
| 39歳 | 9.0% |
※2
【JACを利用して転職された32歳の男女比率】
| 性別 | 割合 |
| 男性 | 75.8% |
| 女性 | 24.0% |
※3
約44%が32歳で初転職
JACのデータによると、32歳で転職を検討する方のうち、初めての転職は44.9%、2回目が30.9%、3回目が14.0%、4回以上は約7%という結果です。31歳では初めての転職をする人の割合が46.0%だったのに対し、32歳ではこの割合がさらに低下し、複数回転職を経験している人の割合が増加しています。
32歳は、転職経験者の割合が増えることで、キャリア方針を明確にしながら動く方が多くなる年齢です。
なお、転職先の傾向を見ると、業種ではエネルギー・プラントなどの製造業(EMC)が最多で、次いでメディカル・バイオ、金融、IT・通信、消費財が上位に並びます。職種では営業が突出する一方、技術系やIT、メディカル・バイオ、経営・事業企画、マーケティング、商品開発、コンサルティングなど専門性を活かした選択が進んでいることも特徴です。
【JAC実績における32歳の転職回数歴割合】
| 転職回数 | 割合 |
|---|---|
| 0 | 44.9% |
| 1 | 30.9% |
| 2 | 14.0% |
| 3 | 5.1% |
| 4 | 1.4% |
| 5 | 0.1% |
| 6 | 0.1% |
| 7 | 0.1% |
| 不明 | 3.3% |
※4
※1~4はすべて当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
32歳における転職活動の実態
本章では、32歳における次の3つの転職活動実態を、JACの独自データ(※)を用いて紹介します。
- 32歳の転職後平均年収
- 32歳の転職で年収アップした方の割合
- 32歳で管理職以上へ転職した方の割合
※当社実績:2019年1月~2024年12月分データ
32歳の転職後の平均想定年収は720.9万円
JACの転職支援を活用し、32歳で転職した方の平均想定年収は720.9万円です。
最も多い年収帯は600〜699万円(26.0%)で、これは厚労省の賃金構造基本統計調査による30〜34歳の平均賃金(約550〜600万円)を大きく上回り、専門性が市場で評価される時期であることを示しています。
また、注目すべきは700万円以上の割合が約45%に達している点です。31歳では約42%でしたが、32歳ではさらに増加し、企業が「即戦力+リーダー候補」として期待する層が厚くなっています。
さらに特徴的なのは、1,000万円超の層が約9%と、ハイクラス転職の現実味が増していることです。1,000万円超のゾーンは、語学・IT・事業経験など複数領域の強みを持つ専門性の高い層が中心です。単なる昇給ではなく、事業成長に直結する役割を担えるかどうかが評価の分かれ目となっています。
【32歳での転職後の年収帯別割合】
| 年収帯 | 割合 |
| 400万円未満 | 1.0% |
| 400〜499万円 | 6.5% |
| 500〜599万円 | 17.7% |
| 600〜699万円 | 26.0% |
| 700~799万円 | 21.4% |
| 800~899万円 | 12.7% |
| 900~999万円 | 5.8% |
| 1,000~1099万円 | 3.4% |
| 1,100~1,199万円 | 1.9% |
| 1200~1299万円 | 1.7% |
| 1300~1399万円 | 1.0% |
| 1400~1500万円 | 0.8% |
| 1500万円以上 | 0.2% |
32歳の転職で年収アップした方の割合は65.9%、平均で130万円前後アップ
32歳の転職で年収アップを果たした方は約66%で、平均アップ額は約130万円前後です。50〜99万円のアップが最も多い一方で、150万円以上の大幅アップも約12%、200万円超も7%に達しています。
管理職は5.3%と少数ですが、専門性の高さを評価され高収入を得るケースが多い点が特徴です。これは、企業が高度な専門スキルやプロジェクト遂行力を評価し、報酬に反映しているためです。
昇給の背景には、デジタルスキルや語学力、業界横断の経験を活かした即戦力性があり、こうした要素が報酬レンジを押し上げています。
【32歳転職後の年収アップ帯別割合】
| 年収アップ幅 | 割合 |
|---|---|
| ~49万円 | 23.9% |
| 50~99万円 | 28.0% |
| 100~149万円 | 17.4% |
| 150~199万円 | 11.7% |
| 200~249万円 | 7.3% |
| 250~299万円 | 4.7% |
| 300~349万円 | 3.0% |
| 350~399万円 | 1.2% |
| 400~449万円 | 0.3% |
| 450~499万円 | 0.5% |
| 500~550万円 | 0.3% |
| 550~599万円 | 0.5% |
| 600~650万円 | 0.5% |
| 650~699万円 | 0.1% |
| 700~749万円 | 0.3% |
| 750万円以上 | 0.5% |
32歳で管理職以上へ転職した方の割合は約6%
| ポジション | 割合 |
| 課長以上 | 5.6% |
| 課長未満 | 94.4% |
32歳の転職で意識すべきポイント
ここでは、32歳の転職で意識すべき、5つのポイントについて解説します。
- リスクとリターンの振れ幅を理解する
- 即戦力+管理職手前の立ち位置を活かす
- 大幅アップを狙うなら専門性+スキル強化
- キャリアの軸を再定義するタイミング
- 異業種転職は“強み+学習意欲”を示す
リスクとリターンの振れ幅を理解する
32歳で転職した人のうち、約66%は年収アップを実現している一方で、約3割は年収ダウンという結果が出ています。特に業種転換やポジションチェンジを伴う場合、報酬や役割の変動幅が大きくなるため、条件面のリスクを事前に把握することが重要です。年収変動の幅が大きい年代のため、短期の条件だけでなく「5年後の役割」を基準に判断することが重要です。
即戦力+管理職手前の立ち位置を活かす
32歳は管理職登用前の重要な時期です。企業は専門性に加え、リーダー候補としての資質を評価します。プロジェクト推進や育成経験など、“実質的なリーダー経験”を成果とセットで示すと評価が高まります。
大幅アップを狙うなら専門性+スキル強化
150万円以上の年収アップを果たした層は約12%、200万円超も7%存在します。共通するのは、専門性に加えて、語学力やITスキルなどの付加価値を持っていることです。語学・IT・業界知識の掛け算が、年収上昇やグローバル案件への参画につながります。
キャリアの軸を再定義するタイミング
32歳は「即戦力採用」が本格化する年齢ですが、管理職経験はまだ浅く、キャリアの方向性を再定義するうえで重要なフェーズです。「年収アップ」だけでなく、「どの専門性を高めたいか」「将来どんなポジションを目指すか」を明確にすることで、キャリア軸を言語化することで、企業側の想定する“役割期待”との整合性を取りやすくなります。
異業種転職は“強み+学習意欲”を示す
異業種転職では、現職で培ったスキルをどう転用できるかが鍵です。プロジェクト管理力や顧客折衝力など、業界を超えて活かせる要素を言語化し、さらに新しい分野への学習意欲を具体的に示すことで、採用側は適応力と成長性を評価します。強みの転用先を具体化し、「選んだ業界でどう価値を出すか」を示すことが重要です。
32歳での未経験・異業種への転職成功事例
32歳で商社の経営企画へ。制度設計×再エネ知識の掛け算で年収2倍
Yさん(32歳/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | エネルギー(ガス・電力) | 事業企画 | 900万円 |
| 転職後 | 総合商社 | 経営・事業企画 | 1,800万円 |
Yさんは、大手エネルギー企業で電力事業に従事し、市場制度設計や再エネ戦略など専門性の高い業務を経験していました。より事業投資・海外案件に関わるキャリアを築きたいと考え、総合商社への転身を希望されました。
JACは、Yさんが持つ「電力政策の制度理解」「トレーディング知識」「ビジネス英語力」を商社の事業企画に直結する強みとして整理。特に制度構築で培った交渉力や分析力を“事業戦略スキル”として再定義し、面接対策では海外プロジェクトでの活かし方を具体化しました。
結果、900万円 → 1,800万円と年収は約2倍に。次世代エネルギー・LNGなど事業中核領域で成長が期待されています。
金融×英語力で事業企画へ。32歳女性の異業種転身
Aさん(32歳/女性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 銀行業 | ストラクチャードファイナンス | 700万円 |
| 転職後 | 海運業 | 総合職(経営・事業企画) | 1,350万円 |
Aさんは銀行で法人営業から船舶ファイナンスまで幅広く担当し、数百億円規模の案件にも携わってきました。出向経験をきっかけに「事業会社で意思決定に近い立場で働きたい」と考え、海運業界への転身を希望。
JACは、「船舶ファイナンスの深い知識」「コーポレートファイナンスの実務」「英語力」を経営企画・事業企画ポジションの即戦力として評価。海運業特有の投資評価やグローバル案件で活かせる形に強みを再整理しました。
結果、700万円 → 1,350万円へ年収アップし、脱炭素・次世代燃料など変革領域でキャリアを拡大しています。
32歳で経営PMOへ。IT企画経験をアパレル変革に転用
Pさん(32歳/女性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | IT・ソフトウェア | 事業企画・マーケティング企画(SaaS領域) | 1,200万円 |
| 転職後 | 小売・アパレル | PMO(経営・事業企画) | 1,250万円 |
Pさんは、IT企業で事業企画・マーケティング・SaaS製品のプロジェクト推進を担当し、グローバル案件でも成果を上げてきました。新たな商材で戦略企画やPMOに挑戦したいという思いから、異業種のアパレル業界へ。
JACは「プロジェクト推進力」「マーケ・デジタル知識」「英語力」を全社改革を担うPMOに適したスキルとして整理。サプライチェーンやグローバル業務への展開方法を面接で語れるように支援しました。
結果、年収は1,200万円→1,250万円を維持しつつ、経営変革の中核ポジションに参画しキャリア幅を大きく広げました。
財務の専門家へシフト。32歳女性が実現した年収2倍転職
Hさん(32歳/女性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 小売業 | 経理・財務 | 650万円 |
| 転職後 | 銀行業 | 財務・会計 | 1,250万円 |
Hさんは、大手小売企業で財務・会計を担当し、IFRS対応・減損評価・資金繰りまで一通り経験。専門性をさらに高めたいと考え、財務専門職として銀行業界への転職を希望されました。
JACは「国際会計基準の実務経験」「財務分析力」「USCPA資格」を財務企画・グローバル財務領域に直結する強みとして言語化。銀行で重視されるリスク視点や財務戦略への展開方法を面接で深掘りできるよう支援しました。
結果、650万円 → 1,250万円へ大幅アップ。現在は国際会計や財務戦略の中心として活躍されています。
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