社内SEから転職したい方へ|主な転職先や評価されやすい経験を解説

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公開日:2025/10/09 / 最終更新日: 2025/10/09

社内SEとして勤務している方の中には、新たな環境への転職を検討している方もいらっしゃるでしょう。では、社内SE経験者の場合、転職時にどのような業界や職種に転職するケースが多いのでしょうか。

本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)が社内SEから転職をしたい方向けに、主な転職先や評価されやすい経験などについて解説します。

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社内SEからの転職を検討する理由


社内SE経験者が転職を目指す主な理由をご紹介します。

  • ・スキルアップできる環境に転職したい
  • ・問い合わせが多く業務の負担が大きい
  • ・適正な評価を受けられる環境で働きたい

スキルアップできる環境に転職したい

社内SEが主に担当するのは、既存システムの運用や保守に関わる業務です。開発に携わる機会はほとんどなく、開発に携わる機会があっても対応するのは不具合の修正などであり、技術面でのスキルアップは難しいケースが多くなります。そのため、スキルアップを目指し転職を検討する方が多くいらっしゃいます。

問い合わせや雑務が多く、業務の負担が大きい

企業によっては、ネットワークやパソコンの設定など、社内のIT関連の問い合わせ窓口が社内SEになっているケースも見られます。社員によってもITの知識レベルは異なり、初歩的な問い合わせなどにも対応せざるを得ず、他の業務に支障が出るケースも少なくありません。また、ソフトウェアライセンスの管理や備品の発注など、庶務的な業務への対応も求められるなど、専門性を生かせる業務以外の仕事が負担となり、転職を検討する方もいます。

適正な評価を受けられる環境で働きたい

社内SEは、社内システムがトラブルなく稼働するよう、システムの保守業務を担当します。しかし、正常に稼働していることが通常の状態と判断されるため、保守管理についての評価は得にくく、システムトラブルが発生した場合の責任を問われるケースも少なくありません。評価を得にくい環境であることから社内SEから別の職種への転職を希望される方もいらっしゃいます。

社内SE経験者の主な転職先


社内SE経験者の主な転職先には次のようなものがあります。

  • ・EMC業界
  • ・IT業界
  • ・社内SE
  • ・ITプロジェクトマネージャー
  • ・ITコンサルタント

EMC業界

JACのサポート事例を見ると、社内SE経験者が最も多く転職された業界は、EMC業界です。EMC業界は求人募集を活発に行っている業界であり、社内SEの募集も多くなっています。また、EMC業界はIoTなどの先端技術の導入事例も増えており、組み込みエンジニアとして就業される事例なども見られます。

IT業界

IT業界も社内SEから転職しやすい業界です。IT業界では、社内SEとしての転職に加え、ITコンサルタントやプロジェクトマネージャー、オープン系SE、インフラエンジニアなど、幅広い職種への転職事例が見られます。IT関連の知識やスキルを高めたい方が、IT業界への転職を志望するケースが多いようです。

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社内SE

職種でみると経験を生かしやすい社内SEとして転職する事例が最も多くなっています。社内SEはさまざまな業界で必要な職種であり、社内SEとして転職された方の業種は多岐にわたっています。業界や企業によって導入している基幹システムは異なるため、転職によって新たなスキルを身に付けられるケースも多いでしょう。

ITプロジェクトマネージャー

社内SEから別の職種へ転職を希望する場合、ITプロジェクトマネージャー職に転職するケースが多くなっています。ITプロジェクトマネージャーは、IT技術に関する知識だけでなく、社内外との調整や交渉、メンバーのマネジメントも必要になることから、高いコミュニケーション能力が求められます。

ITコンサルタント

企業の抱える課題をITの活用によって解決するITコンサルタント職も社内SEから目指しやすい職種です。ITコンサルタントには、経営戦略に応じたIT戦略の立案が求められるため、ITに関する幅広い知識のほか、経営の視点や論理的思考力などが求められます。DX化が推進される現在において、ITコンサルタントのニーズは高まりを見せています。

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社内SEからの転職で強みとなる経験・スキル


社内SE経験者が転職をする場合、次のような経験やスキルが評価される傾向にあります。

  • ・基幹システムの導入や運用に携わった経験
  • ・プロジェクトマネジメントの経験
  • ・情報セキュリティに関する知識と実務経験

基幹システムの導入や運用に携わった経験

JACが取り扱う求人を見ると、社内SEとして基幹システムの導入に携わった経験をもつ方を募集する求人が多くなっています。現在、多くの企業でITの活用やDX化が推進されており、より業務効率を高め、生産性の向上に貢献する基幹システムの導入や刷新を検討している企業が増加中です。そのため、社内SEとして基幹システムの導入や運用に携わった経験は、転職時の強みとなります。

ベンダーコントロールの経験

社内の関係部署から要望をヒアリングし、ベンダーにシステム設計や構築についての的確な指示を行う経験は、転職時に高く評価される傾向にあります。規模の大きな企業では、システム開発は外注することが多いものの、発注側としては、ベンダーを適切にコントロールしなければなりません。そのためベンダーコントロール経験は、あらゆる業界において役立てられるでしょう。

情報セキュリティに関する知識と実務経験

社内SEの経験者は、ネットワークやサーバーの運用、管理、社内システムのアカウント管理などを担当しています。また、セキュリティ製品の運用経験もあるために、情報セキュリティに関する知識を保有しているケースがほとんどです。

現在、多くの企業では情報セキュリティの強化に取り組んでおり、情報セキュリティに関する知識や実務の経験は、転職時に有利に働くと考えられます。

【年代別】社内SEからの転職事情         


社内SE経験者の転職事情を年代別に分けてご説明します。

20代:キャリアの可能性が広がる時期

20代の社内SE経験者は、ITの基礎知識と実務経験を武器に、さまざまな職種への挑戦が可能です。JACの支援事例では、ITコンサルタントやプロジェクトマネージャー、オープン系SE、データサイエンティストなどへの転職が見られます。

ただし、これらの職種はITスキルが前提となるため、社内SEとして培った知識を生かせるIT関連職を目指すことで、転職成功率が高まります。ITスペシャリスト不足が続く中、20代は柔軟性と吸収力を生かしたキャリア形成が可能です。

30代:専門性と即戦力が求められる

30代になると、企業は即戦力としてのスキルと経験を重視する傾向が強まります。そのため、社内SEとして転職するケースが最も多く見られます。

一方で、ITコンサルタント、プロジェクトマネージャー、セキュリティエンジニア、Web系SEなど、より専門性の高い職種への転職事例も増加しています。30代は、これまでの経験を生かしつつ、専門性を深めたいと考える層が多いのが特徴です。

40代:マネジメント力と専門性が鍵

40代の社内SE経験者は、30代と比べて転職先の職種に大きな変化はないものの、マネジメントポジションでの採用が増加しています。
企業側も、40代には高い専門性とマネジメント経験を求める傾向が強く、転職成功にはこれらのスキルのアピールが不可欠です。

社内SEとしての経験に加え、チーム運営やプロジェクト管理の実績をもつことで、より好条件での転職が期待できます。

50代:役職付きポジションへの転職も

一般的に50代の転職は難しいとされますが、ITスペシャリスト不足の影響で社内SE経験者は比較的有利な状況です。
JACの事例では、CDO(Chief Digital Officer)やCIO(Chief Information Officer)など、IT部門の役員として採用されたケースも複数存在します。

ただし、こうしたポジションでは豊富なマネジメント経験が必須となるため、前職での実績をもつことが転職成功に直結します。

社内SEからの転職を成功させるためのポイント


社内SE経験者が転職を成功させるために重要となる3つのポイントをご紹介します。

  • ・クラウドの構築や運用に携わった経験のアピール
  • ・社内やベンダーとの調整・折衝経験のアピール
  • ・社内SE経験者のサポート実績が豊富な転職エージェントの活用

クラウドの構築や運用に携わった経験のアピール

多くの企業がオンプレミスからクラウドへの移行や併用を進めており、クラウド環境でのシステム構築の経験や運用経験をもつ方を求める求人が増加中です。

社内SEとして、クラウドへの切り替え時に業務に携わった経験がある場合やクラウド構築・運用の経験がある場合、具体的にどのような業務を担当したのかを積極的にアピールするとよいでしょう。

社内やベンダーとの調整・折衝経験のアピール

社内SEは、社内の各部門の従業員や社外ベンダーと調整、折衝などに関わる機会が多くあります。さまざまな立場の人と良好な関係を構築しながら、互いの納得できるポイントで交渉を成立させる能力は、あらゆる職種で求められる能力です。

社内SEとしての調整・折衝を進めることで習得したスキルや成功事例などを具体的なエピソードを添えてアピールすると、折衝力の高さが評価されやすくなります。

社内SE経験者のサポート実績が豊富な転職エージェントの活用

転職エージェントの活用も転職を成功させるうえでは重要なポイントとなります。社内SEとして培ったスキルは、さまざまな業界で活用が可能であり、また、ITコンサルタントやITプロジェクトマネージャーなどの職種への転職も可能です。しかし、転職の目的や目標とするビジョンが明確でない場合、転職後にミスマッチが生じる可能性も少なくありません。

社内SE経験者の転職サポート実績を豊富にもつ転職エージェントであれば、将来についての相談もしやすく、理想のキャリアを実現できる求人の案内を受けることができます。社内SEからの転職を検討している場合は、社内SE経験者の転職支援実績が豊富な転職エージェントを活用することが、成功への近道です。

社内SEからの転職事例


実際にJACが転職をサポートし、社内SEからの転職を成功された方の事例を3つご紹介します。

社内SEからセキュリティエンジニアへの転職事例

Yさん(男性/40代前半)

 業種職種年収
転職前官公庁社内SE1,000万円
転職後メガバンクセキュリティエンジニア1,350万円

Yさんは、国家公務員として主にサイバーセキュリティに関する業務に携わってきた方です。サイバーセキュリティに関する知識と経験をより活用できる職への転職を希望され、当社にご相談をいただきました。

当社からご紹介したのは、メガバンクのセキュリティエンジニアです。金融機関は、堅牢なセキュリティ対策が必要であり、Yさんの豊富な経験とスキルが高く評価され、見事、採用が決定しています。

社内SEから社内SEへの転職事例

Fさん(男性/40代後半)

 業種職種年収
転職前アパレル社内SE700万円
転職後SIer社内SE1,000万円

Fさんは、アパレル会社において、店舗販売や営業、ITインフラの企画・開発・導入・保守すべてに関わるなど、幅広い業務に携わった経験をもつ方です。より深くITに携われる環境に挑戦したいとの意向から転職を決意。

当社からは、SIerの社内SEのマネージャー候補としての求人をご紹介しました。グループ全体の次世代ネットワーク構想の実現を目標とする業務であり、Fさんからはぜひ応募したいとのご希望をいただきました。面接時には、営業も経験されたFさんの高いコミュニケーション能力、社内SEとしての十分な経験が評価され、無事、採用の運びとなっています。

社内SEからITコンサルタントへの転職事例

Nさん(男性/30代後半)

 業種職種年収
転職前物流会社社内SE1,000万円
転職後エネルギー関連会社ITコンサルタント1,250万円

Nさんは、物流業界においてグループ全体のERP更新プロジェクトに携わった経験をおもちの方です。DXプロジェクトの企画・実行にも携わるなど、積極的に業務に邁進してきたものの、よりスキルを生かせる環境へ挑戦したいと考え、転職を決意されたとのことです。

当社からは、エネルギー関連会社のDX推進に関わるITコンサルタントの業務をご紹介しました。NさんのDX推進プロジェクトの実績は応募先企業が求める要件とぴったり符合し、面接後、すぐに採用が決定しています。

実際、社内SE出身者はどのような業種/職種に転職している?


JACが転職をサポートした社内SE出身者は、どのような業種や職種に転職しているのでしょうか。社内SE出身者の転職先の業種と職種のトップ10を以下の表にまとめました。

【社内SE出身者が転職先として選んだ業種トップ10】

社内SE経験者の転職先を見ると、最も多いのはEMC業界です。EMC業界は求人数も多いため、社内SE経験者の転職先としても選ばれる確率が高かったと考えられます。また、技術面でのスキルアップを目指す方は、IT・通信業界へ転職されるケースが多いようです。

順位業種割合(%)
1EMC39.7
2IT・通信16.4
3コンサルティング・シンクタンク・事務所8.5
4金融7.2
5メディカル・バイオ5.1
6消費財4.8
7サービス4.3
8建設・不動産3.9
9商社3.7
10流通3.4

【社内SE出身者が転職先として選んだ職種トップ10】

社内SE出身者が転職した職種を見ると、8割超の方がIT関連の職に就いており、スキルや経験を生かした転職をされるケースが圧倒的に多いことが分かります。

順位職種割合(%)
1IT81.7
2コンサルティング・アドバイザリー10.2
3技術系2.6
4経営・事業企画1.9
5内部統制・監査0.6
6マーケティング・商品開発0.5
6人事・労務0.5
8WEB・アプリ・ゲーム0.4
8購買・物流・生産管理0.4
10メディカル・バイオ0.3

社内SEからの転職なら、JAC Recruitmentへ


JACは、社内SE経験者を数多くサポートをしてきた実績をもつ転職エージェントです。当社には、あらゆる業界や職種に精通したコンサルタントが1,000名以上所属しています。社内SEは、どの業種においても必要な職種であり、また、社内SEで培った経験を生かし、キャリアアップを目指すことも可能です。

当社の転職コンサルタントは、求人企業と転職希望者の双方を担当します。求人企業の採用サポートを請け負うことにより、企業と良好な関係を構築しているため、企業風土はもちろん、求人の背景まで、詳細な情報の提供が可能です。そのため、転職後のミスマッチを防げるだけでなく、応募書類の作成や面接対応についてのアドバイスも行うことができ、転職活動の確度を高めることができます。

社内SEの経験とスキルを生かし、新たな環境へのステップアップをご検討の際には、ぜひJACにご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。