銀行員からの転職は難しい?その理由や転職を検討する理由を解説

「銀行員からの転職は難しいのではないか…」と考える方もいるのではないでしょうか。
本記事では、銀行員からの転職は難しいといわれる理由や転職を検討する理由をJAC Recruitmentが解説いたします。

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銀行員からの転職が難しいといわれる理由


本章では、銀行員からの転職が難しいといわれる理由について、次の3つの観点から解説します。

● 銀行員特有の専門知識が多く、転職時に生かしにくい
● 面接時に保有しているスキルが見えにくい・見抜きにくい
● ただ、他業職種と比較して特段転職が難しいというわけではない

銀行員特有の専門知識が多く、転職時に生かしにくい

銀行員からの転職が難しいといわれる理由に、銀行員時代に培ったスキルが転職時に生かしにくい点が挙げられます。

その理由として、銀行員時代に習得するスキルや知識は業界特有のものが多く、特に他業界に転職する場合、一から新たな知識習得に励まなければなりません。銀行員時代に習得する知識の多くは、銀行特有の文化やルールに根差しており、金融業界で高く評価されたとしても、他業種や他職種によっては汎用性の低い知識とみなされることがあります。

このような理由から、「銀行員からの転職が難しい」といわれることもありますが、銀行員時代に身につけたコンプライアンス意識の高さや倫理感、法律や経済に関する知識は業界問わず求められる能力です。転職活動では、金融知識だけにこだわらず、自身の能力を広く生かせる領域や分野を検討することが大切です。

面接時に保有しているスキルが見えにくい・見抜きにくい

銀行員時代に養われるスキルや能力が採用担当者に強みとして伝わりにくい点も、銀行員からの転職が難しいといわれる理由の一つです。

銀行での業務は、多くの場合、チームや組織で進められるため、チームや支店全体の成果に個人の成果が埋もれてしまい、個々の貢献度を具体的に示すことが難しい場合があります。また、銀行員は、銀行という強固なブランド力や信用力のもとで事業活動を行っています。そのため、自己PRの内容や伝え方によっては、採用担当者から「その成果は、個人の実力によるものではなく、銀行の看板があったからではないか」と、疑問を持たれる恐れがあります。加えて、採用選考で業界用語を多用する、丁寧な説明をおろそかにするなどしてしまうと、「言語化が下手」「スキル不足」とみなされ、採用を見送られる懸念もあります。

転職活動では業界知見がない採用担当者に対しても、銀行で培ったスキルや能力が強みとして伝わるよう、応募先企業が求める人物像を意識しながら丁寧に解説する必要があります。また、ゼロから顧客と信頼関係を構築する力や複雑な課題を解決する提案力など、個人の能力を示せるエピソードを交えて伝えることも意識しましょう。

ただ、他業職種と比較して特段転職が難しいというわけではない

銀行員からの転職が他業種と比較して特段難しいというわけではありません。実績とスキルを適切に言語化し、採用担当者の興味を喚起する文脈で自身の強みを訴求できれば、銀行員時代に培った専門知識や能力は、高く評価されます。
例えば、法人営業担当者であれば、多様な企業の財務諸表を読み解き事業性を評価する財務分析能力や、経営者と対等にわたり合う高度な折衝経験は、コンサルティングファームや事業会社の経営企画部門などで高く評価されます。また、厳しいノルマを達成するなかで培われた目標達成意欲やストレス耐性、そして厳格なコンプライアンス環境で培われた高い倫理観や正確な事務処理能力も、あらゆる業界で評価される資質です。

転職活動では、銀行時代の経験をどのような価値に置き換えられるのか、という視点をもつことが大切です。
銀行での実務経験と転職先企業で担う業務との接点を洗い出し、洗い出した接点を軸に数字を交えたり功績までの過程を盛り込んだりして強みを訴求することを意識しましょう。採用担当者に入社後の活躍をイメージさせることができれば、銀行員からの転職は十分に可能です。

銀行員からの転職を検討する理由


銀行員からの転職を検討する背景には、主に次のような理由があります。

● ジョブローテーション制度による自身の専門性への不安
● 長時間労働・厳しいノルマ
● プライベート時間の圧迫
● DX化やAI導入による銀行員の仕事の将来性への不安
● 全国転勤の可能性がある・頻度が高い
● 年収やキャリアアップへの不安

ここでは、上記6つの理由が銀行員からの転職要因となる理由を解説します。

ジョブローテーション制度による自身の専門性への不安

銀行員が転職を検討する背景として、ジョブローテーション制度に起因する専門性への不安が挙げられます。多くの場合、銀行では数年ごとに異なる部署を経験するため、自らが得意とする領域を深める機会が限られ、将来的に何を強みとしてキャリアを築くべきか曖昧になりがちです。そのため、専門職として評価されにくいと感じたり、自身の専門性に不安を抱くようになったりする行員も少なくありません。
特定の分野における専門性を深めたいという思いが強まり、より専門性を深められる職種やジョブローテーションのない企業に転職する行員もいます。

長時間労働・厳しいノルマ

長時間労働・厳しいノルマも銀行員が転職を検討する一因です。
銀行員の業務には、預金残高、融資実行額、投資信託や保険の販売件数など、多岐にわたる厳しいノルマが課せられます。これらの目標を達成するため、日中は顧客訪問や窓口業務に追われ、営業時間外に事務処理や翌日の準備を行うといった働き方が常態化し、結果として長時間労働になってしまいます。
特に、月末や期末などの繁忙期には、大きなプレッシャーがかかり、心身ともに疲弊することも少なくありません。このような厳しい労働環境から、よりワークライフバランスの取れた働き方やノルマを課せられない環境を求め、転職を決意するケースもあります。

プライベート時間の圧迫

プライベート時間の確保が難しいことにより、転職を検討し始める行員もいます。

例えば、法人顧客との関係構築のための会食や地域の有力者との付き合い、あるいは自己啓発として推奨される数多くの資格試験の勉強に、プライベート時間が割かれることは珍しくありません。また、突発的なクレームが発生した際は、たとえ休日であっても対応にあたらなければならないこともあります。

このように、家族や趣味、自律的な学びの時間が削られ、ワークライフバランスを保ちにくいと感じられてしまうことが続くと、自分の時間を大切にしたいと考え、プライベート時間を十分に確保できる企業に転職することもあります。

DX化やAI導入による銀行員の仕事の将来性への不安

近年、金融業界ではFinTechの台頭やAI技術の導入など、DX化が加速しています。その結果、AIによる融資審査の自動化、オンラインバンキングの普及にともなう店舗の統廃合、定型的な事務作業のRPA化など、従来銀行員が担ってきた業務がテクノロジーによって代替されつつあります。このような、業界の構造的な変化を目の当たりにし、銀行員の仕事に対する将来性に危機感を抱き、転職を検討し始める例も散見されます。

自身のスキルセットを陳腐化させないため、より成長性の高い業界やAIには代替されない専門性を求めて、新たなキャリアを模索した結果、別業界への転職に至ることもあります。

全国転勤の可能性がある・頻度が高い

銀行員が転職を検討し始める要因として、全国転勤の可能性がある・転勤の頻度が高い点も挙げられます。

特に全国に支店を構える銀行では、転勤先となる候補が全国に及び、かつ数年ごとに異動が発生するのが通例です。

若いうちは多様な地域での経験が成長につながると前向きに捉えられても、年齢を重ね、結婚や子どもの進学、親の介護など、ライフステージの変化に直面すると、転居をともなう異動が大きな負担に感じられてしまうこともあります。家族と離れての単身赴任を選択せざるをえない状況や配偶者のキャリアを中断させてしまうことへの懸念から、勤務地を固定できる企業、転勤のない働き方を求めて転職を決意する行員も少なくありません。

年収やキャリアアップへの不安

年収やキャリアアップへの不安を抱き、転職を検討するケースもあります。

銀行業界は、ほかの職種と比較して高い給与水準にありますが、年功序列が残っている銀行も多く、若手のうちは個人の成果が給与に反映されにくい実態があります。どれだけ成果を残しても、一定の年齢や役職に達してからでないと給与が大きく上がらない昔ながらの制度に対して不満を感じるケースは少なくありません。

また、バブル期入行組の世代が上層部に多く在籍していることから、ポストが詰まっており、昇進見込みが立ちにくいという銀行ならではの実情も、優秀な行員が外部に活躍の場を求める一因となっています。

銀行員の経験を生かせる主な転職先


銀行員時代に培った金融に関する専門知識、高度なコミュニケーション能力、コンプライアンスに対する意識の高さは、金融業界内はもちろん、異業種の多様な分野で高く評価される価値ある資産といえます。

例えば、保険会社や資産運用会社は、銀行で培った融資審査、金融知識、顧客対応の経験を直接生かすことができ、商品設計や法人営業、投資信託・債券販売などのポジションで即戦力になり得る存在として高い評価を受けると考えられます。

また、コンサルティングファームの金融セクターでは、銀行独自の業務構造に精通している銀行員は、業務改革やDX推進、新規事業戦略などで重宝されます。M&Aアドバイザリー業務も、法人融資や財務分析の経験は事業性評価や交渉に直結するため、銀行出身者に高い期待が寄せられます。

異業界への転職でも事業会社の経理・財務部門や経営企画部門では、銀行員がもつ財務諸表を読み解く力や多様な業界を分析してきた経験を直接生かせます。また、近年では、IPO(新規株式公開)を目指すスタートアップ企業やベンチャー企業などにおいて、管理部門の強化を目的に銀行出身者をCFO候補として迎え入れるケースが増えています。そのほかにも、安定性を求めて公務員に転身したり、住宅ローン業務の経験を生かして不動産仲介会社に転職したりと、その選択肢は多岐にわたります。

このように銀行員出身者は、金融業界にとどまらず異業界も含め多様なフィールドへの転職が可能です。一方で選択できるキャリアパスが多岐にわたる点には、留意が必要です。目先の条件に流されず、納得感のある転職を実現するには、転職目的やこれまでの職歴を丁寧に整理したうえで、転職目的に沿い、自身の強みを生かせるポジションに絞り込むことが大切です。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

編集部

当サイトを運営する、JACの編集部です。日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。

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