保険業界の転職動向。年収相場や必要な経験を解説

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公開日:2024/05/24 / 最終更新日: 2024/05/24

保険業界は変革期を迎えており、中途採用が拡大。これまでは見られなかったような採用事例が多数生まれています。特に、代理店営業、ミドルバック、事業開発・M&Aの経験をおもちの方々にチャンスが広がっています。保険業界の動向、増えている求人、求められる人物像、年収相場、キャリアパス、転職成功事例などについて、JAC Recruitment(以下、JAC)の保険業界専任のコンサルタントが解説します。

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保険業界の現状


今回は生命保険業界を中心に、近年の各社の動向、採用ニーズについてお伝えします。

保険業界全体の動向と、現在の採用トレンド

前提として、近年の金融業界の動向についてお話しします。2020年、メガバンクが「中途採用の拡大」を打ち出しました。メガバンク3行で計200人ほどの中途採用計画を発表。このころ、「2023年には3~4倍の800人強まで増やすのではないか」と言われていましたが、フタを開けてみるとその予想を上回っている状況です。

メガバンクの中途採用活発化にはさまざまな要因がありますが、一つに「組織の年齢構成の是正」があります。いわゆる就職氷河期時代、新卒採用を縮小したため40代の層が不足しており、外部から採用する必要に迫られているのです。

この波が、少し遅れて生保業界にも押し寄せています。従来、日系生命保険会社は中途採用をほとんど行わず、年間10人~30人程度でした。ところが最近では、中途採用ゼロだったポジションに関しても数十人単位で採用するようになっています。

この背景には、就職氷河期世代の不足だけでなく、「ジョブポスティング制度」の導入もあります。ある保険会社でこの制度を導入したところ、想定を超える数の異動希望者が手を挙げ、結果、いくつかの部門が人員不足となりました。その欠員補充を目的とする求人が出てきているのです。

なお、外資系保険会社にも同様の動きがあり、日系企業以上の数の採用が動いている状況です。

保険業界の将来性

日本では人口減少にともない、保険加入者の数も減少へ。若い世代に対する保険加入への導線を引くことに加え、新たな収益の柱をつくることが課題となっています。そこで2023年から生命保険各社による異業種参入の動きが活発化しました。異業種での新規事業に乗り出すにあたり、M&Aが増加。日本生命が介護最大手・ニチイ学館の親会社を買収、第一生命ホールディングスが企業向け福利厚生代行会社、ベネフィット・ワンをTOBで完全子会社化など、大型M&Aが話題となりました。住友生命も、医療データ解析や重症化予防支援を手がけるPREVENTを完全子会社化し、ヘルスケア事業の強化を図っています。

また、保険とテクノロジーを掛け合わせた「インシュアテック」のサービスも生まれており、ヘルステック企業の買収を経て、新たな事業がスタートしています。

生保会社では、投資銀行などで経験を積んだプロフェッショナルをターゲットとした採用の動きも見られ、今後もM&Aによる新規事業開拓を進めていくと考えられます。生保業界の事業領域の幅は広がっていき、ポジションも多様化。異業界から経験・スキルを生かして生保業界に転職する方は今後も増えることが予測されます。

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現在、生保業界で採用が活発な職種と、そのポジションで求められる経験・スキルなどをお伝えします。

代理店営業

人材流動が活発化するなかで営業職の不足感が強まり、各社、代理店営業の採用を強化しています。これまでの代理店営業職求人では、地銀・信金なども含む金融業界出身・30代前半までの若手未経験者層が採用に至る事例が多く見られましたが、ここ最近では「経験者」を求める声が増えています。30代後半~40代前半の代理店営業経験者が転職を果たしている事例もあります。生保・損保業界で代理店営業経験をもつ方々は、転職先の選択肢が広がっている状況です。

大手生命保険会社に総合職として転職すれば、営業からスタートし、その後の異動によってさまざまなキャリアの可能性が広がることが魅力です。

ミドルバック

営業採用の強化と連動し、ミドルバックの採用ニーズも堅調です。マーケティング部門のオペレーション、契約書保全、代理店サポート、営業サポートなどの求人が一定数出ています。いずれも経験者が求められています。

事業開発、M&A

前述のとおり、新規事業領域の開拓を進めるにあたり、事業開発・M&A人材のニーズも高まっています。求められているのは、金融機関のIBDやFASで経験を積んでいる専門職の方々、あるいは事業会社でM&Aを手がける方々です。

生保会社で事業開発、M&Aを手がける魅力としては、母体が大きく資金力もあるため、大規模なM&A、有名企業のM&Aに携われる点が挙げられます。

なお、保険会社で経営企画を務める40代以降の方の採用事例が出てきているのも、以前には見られなかった傾向です。幅広い方に採用門戸が広がっています。

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保険業界の採用で求められているマインド


保険業界の採用に対する考え方は、この数年で変化しています。2~3年前まで、企業に求める人物像をお聞きすると、「幅広く対応できる人」、いわばゼネラリストタイプが望まれる傾向がありました。しかし昨今は、ジョブ型への転換の波もあり、「専門分野を極めたい」という志向の方を評価する傾向が見られます。「自身が強みとするスキルを、この会社でどのように生かしていくか」を主体的に考えられる方であれば、長期就業につながると期待されているのです。

実際、従来型の「総合職採用」はやや崩れつつあります。人事制度を改修し、専門職を目指すコースを充実させる動きも見られます。これから転職を図る方々は、企業から「自身の強みを明確化し、キャリアビジョンを描けているか」に注目される可能性があることを意識しておくといいでしょう。

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保険業界の年収相場


保険業界の採用において、以下のバックグラウンドをもつ方々へのオファー年収額の相場をご紹介します。

代理店営業経験者(30代の場合)700万~1000万円
代理店営業経験者(40代の場合)900万~1200万円
ミドルバック経験者600万~900万円
事業開発経験者1000万~1500万円

保険業界でのキャリアパス


保険業界で経験を積むことにより、どのようなキャリアパスの可能性があるのでしょうか。

営業職の方々は、マネジメントコースに進むかスペシャリストコースに進むかの選択が可能です。保険業界では代理店営業経験者のニーズが高まっていますので、同業界内での転職チャンスも増加。代理店営業経験を生かしながら、業界内で年収・ポジションを上げていくことが可能な環境です。

ミドルバックの方々については、同業界内での転職を図るほか、業務の親和性が高い決済サービス会社・カード会社・ネット銀行などに受け入れられる可能性があります。

事業開発やM&Aを保険会社で手がければ、「金融機関での経験」「大規模な金額を動かした経験」が異業種でも評価されると考えられます。多様な業界への転職チャンスが広がります。

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保険業界への転職を検討する方からよくいただく質問についてお答えします。

Q. 営業経験を生かして保険業界に転職し、年収アップを狙うことは可能でしょうか?

A. 地銀の営業や保険のリテール営業の方々が、保険業界の代理店営業に転職し、年収100万~200万円アップを果たす事例が複数あります。「リテール営業としての売上には波があったが、外貨建て保険などを取り扱うようになったことで収入を高い水準で安定させられた」といった声も聞かれます。年収アップの可能性については、ご自身のキャリアと選ぶ企業によって変わりますので、コンサルタントにご相談ください。

Q. 生命保険の市場はシュリンクしていくと思いますが、新たな動きはあるのでしょうか?

A. 各社、保険以外のビジネスの創出に取り組んでいます。親和性が高いヘルスケア系の大手企業や有望ベンチャーなどを買収し、新領域の事業開発を進めています。収益の柱が増えるとともに、保険会社で働く人が新しい仕事にチャレンジできる可能性も広がっていくでしょう。


異業界から保険業界への転職に成功した方の事例をご紹介します。

ヘルスケア企業の新規事業開発部門でスタートアップへの投資などを手がけていたAさん(40代半ば/女性)。会社が旧態依然の体質であること、この先の成長が見通せないことから転職を決意しました。Aさんは保険業界がヘルスケア事業の開拓を進めていることに注目。資金力をもつ保険会社であれば、幅広い取り組みができる可能性に期待を寄せました。

JACのコンサルタントからは、生保・損保各社について、ヘルスケア領域の中でも注力している分野、社風、仕事の進め方の特徴などの情報を提供しました。Aさんは自身の志向に合う企業を選んで応募したところ、仕事に対する考え方が高く評価され、大手生命保険会社に新規事業開発のポジションで採用されました。

転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。

【保険業界の転職事例】新規事業開発職として、ヘルスケア企業から生保企業へ

保険業界の転職ならJAC


JACには保険業界を専門とするチームがあり、各社の人事担当者はもちろん、部門のトップの方々とも日々面談しています。そこから得た、採用背景、求める人物像、仕事の進め方などの情報を転職ご希望者にお伝えすることで、ご自身に合う企業を選ぶお手伝いをしています。新規事業開発ポジションに興味をおもちの方には、各社が特に力を入れている分野(介護、予防医療、ヘルステックなど)など、比較検討をするための情報をご提供します。

企業との信頼関係を築いていることから、「JACが推薦する方であればお会いします」と言っていただけることもあります。
まだ転職を決意していない段階でも、お気軽にご相談ください。

銀行・証券・アセットマネジメント・カード・PEファンド・Fintechなど金融業界の転職動向については下記をご覧ください。

金融業界転職情報

この記事を監修した転職コンサルタント

若林

若林

金融ディビジョン 部長

金融業界内転職及び金融業界からの異業界転職に強みを持ちます。
具体的には、金融機関・AM会社(AM+不動産ファンド)での専門職種(ミドル~エグゼ)及び、昨今話題となっている異業界→金融業界参入ポジションの開拓、金融業界→異業種参入におけるアンテナを高く張っています。するとともに、CXOクラスのエグゼクティブ人材の採用ご支援も並行して行っております。


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