50歳での転職では、「年齢による制約」や「選択肢の狭まり」を理由に、不安を感じる方も多いかもしれません。
本記事では独自データをもとに、50歳での転職の実情についてJAC Recruitment(以下、JAC)が解説します。
50歳で転職は厳しい?
本章では、50歳の転職について、JACのデータを中心に次の2つの観点から解説します。
• 50歳でも転職する方は一定数存在する
• 13.9%が50歳で初転職
50歳でも転職する方は一定数存在する
厚生労働省が公表している「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、50〜54歳における転職入職率は女性8.2%、男性5.1%でした。本調査より、50歳で転職する方は一定数存在していることがわかります。

またJACのデータによると、50代の転職者は全体の15.7%を占め、その中でも50歳は約13.9%と、51歳(14.5%)、52歳(13.2%)と並び、50代前半が転職市場の中心層となっています。
男女比は男性84%・女性16%で、性別を問わずキャリアアップへの意欲が強いことがうかがえます。
さらに、異業種や未経験職種への転職も増えていますが、その多くは積み上げた専門性を活かし、関連分野へ戦略的にシフトするケースです。
以上のことから50歳は、これまでの経験を基盤に、経営に近いポジションや新しい役割に挑戦する動きが活発になる時期といえます。
【JAC実績における50代の割合】
| 年齢 | 割合 |
|---|---|
| 50歳 | 13.9% |
| 51歳 | 14.5% |
| 52歳 | 13.2% |
| 53歳 | 12.7% |
| 54歳 | 10.5% |
| 55歳 | 9.3% |
| 56歳 | 8.2% |
| 57歳 | 5.6% |
| 58歳 | 6.1% |
| 59歳 | 5.9% |
※1
。
【JAC実績における50歳の男女比率】
| 性別 | 割合 |
|---|---|
| 男性 | 83.8% |
| 女性 | 16.2% |
※2
13.4%が50歳で初転職
JACのデータによると、50歳で転職を検討する方のうち、初めての転職は13.4%ですが、全体の約86%が複数回の転職を経験済みであり、「ジョブホップ」ではなく「戦略的な選択」として転職することが主流になっています。
特に3回目・4回目の転職にあたる層が多い背景には、専門領域でのリーダー経験を、次のステージ(例えば事業責任者や顧問)へとつなげたいという意図がうかがえます。
日本では、定年延長や「人生100年時代」の影響もあり、50代は企業にとって即戦力の中核と見なされるポジションです。企業側も、こうした50代に対し「マネジメント経験と業界知見を活かして、次世代を育て、組織を牽引する方」を求める傾向が強くなっています。
【JAC実績における50歳の転職回数別割合】
| 転職回数 | 割合 |
|---|---|
| 0 | 13.4% |
| 1 | 16.0% |
| 2 | 16.8% |
| 3 | 18.6% |
| 4 | 12.3% |
| 5 | 10.3% |
| 6 | 5.0% |
| 7 | 3.0% |
| 8 | 1.4% |
| 9 | 0.9% |
| 10 | 0.1% |
| 11 | 0.4% |
| 12 | 0.0% |
| 13 | 0.3% |
| 14 | 0.0% |
| 15 | 0.0% |
| 不明 | 1.4% |
※3
※1~3はすべて当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
50歳における転職活動の実態
本章では、50歳における次の3つの転職活動実態を、JACの独自データ(※1)を用いて紹介します。
• 50歳の転職後平均年収
• 50歳の転職で年収アップした方の割合
• 50歳で管理職以上に転職した方の割合
(※1)当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
50歳の転職後平均年収は1,000万円前後
JACのデータによると、50歳で転職した方の年収帯は800万~899万円(13.0%)が最多で、次いで700万~799万円(12.5%)、600万~699万円(12.4%)が続きます。
一方で、900万円以上の層が全体の約52%を占め、そのうち1,000万円超が約41%に達しています。さらに、1,500万円以上の層が9.0%を占めており、エグゼクティブクラスへの転職が現実的な選択肢であることも特徴的です。
この年収分布の広がりは、50歳が単なるプレイヤーではなく、事業責任・組織運営・次世代育成といったスケールの大きな役割を担うポジションに移行していることを裏付けています。
企業側の評価軸も、給与の上積みより「事業成長に直結するリーダーシップ」や「グローバル案件・経営課題への対応力」へとシフトしています。
50歳は、専門性をさらに磨くフェーズではなく、積み上げた経験を経営層や事業責任者としてレバレッジを効かせるフェーズです。求められるのは、安定感だけでなく、変革を推進し、組織に持続的な価値をもたらす力が求められる傾向にあります。
【50歳転職後の年収帯別割合】
| 年収帯 | 割合 |
| 600万未満 | 9.5% |
| 600〜699万円 | 12.4% |
| 700~799万円 | 12.5% |
| 800~899万円 | 13.0% |
| 900~999万円 | 11.1% |
| 1,000~1099万円 | 10.8% |
| 1,100~1,199万円 | 7.2% |
| 1200~1299万円 | 8.1% |
| 1300~1399万円 | 3.8% |
| 1400~1500万円 | 2.6% |
| 1500万円以上 | 9.0% |
※当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
50歳の転職で年収アップした方の割合は51.1%、平均で150万円前後アップ
JACのデータによると、50歳で転職した方のうち、年収アップを果たした割合は約51.5%です。アップ幅別では50万円未満が35.5%で最多ですが、100万円以上の大幅アップも約39%あります。
また、200万円超が約12%、300万円以上も約6%あり、500万円以上のアップを実現したケースも確認されています。50歳でも企業が求めるスキルや経験を備えた方に対しては、報酬水準が大きく跳ね上がる傾向があります。
【50歳転職後の年収アップ帯別割合】
| 年収アップ幅 | 割合 |
|---|---|
| 50万円未満 | 35.5% |
| 50~99万円 | 23.2% |
| 100~149万円 | 17.1% |
| 150~199万円 | 9.4% |
| 200~249万円 | 4.8% |
| 250~299万円 | 2.3% |
| 300~349万円 | 2.8% |
| 350~399万円 | 1.0% |
| 400~449万円 | 1.8% |
| 450~499万円 | 0.5% |
| 500万円以上 | 1.5% |
※当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
50歳で管理職以上へ転職した方の割合は約65%
JACの実績を見ると、53歳で転職した方のうち、管理職以上のポジションに就任した方の割合は67.6%でした。内訳は、次のとおりです。
【53歳転職後の役職別割合】
| 役職 | 割合 |
|---|---|
| 本部長以上 | 5.1% |
| 部長以上 | 19.0% |
| 課長以上 | 39.6% |
| 課長未満 | 36.2% |
※当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
50歳で転職する方の多くは管理職クラスであり、課長以上が全体の63.7%を占めています。
一方で、課長未満も36.2%存在しており、専門性を活かしたポジションへの転職も一定数見られます。さらに、本部長以上の経営層も5.1%存在しており、よりハイレベルなポジションへのキャリアシフトが可能であることを示しています。
50歳の転職で意識すべきポイント
ここでは、50歳の転職で意識すべき、5つのポイントについて解説します。
- 管理職としての経験・リーダーシップを磨く
- グローバル対応力・語学力を身につける
- 専門スキル・業界経験を活かす
- プロジェクト推進力・資格で差をつける
- ビジネス戦略・実行力を鍛える
管理職としての経験・リーダーシップを磨く
50歳転職成功者の約65%が課長以上の役職に就いており、部長・本部長クラスへの登用も複数確認されています。特に製造業・医薬品・ITでは、工場長、品質保証部門長、営業統括責任者など、組織運営に直結するポジションへの転職が目立ちます。
企業は、単なる業務遂行力ではなく、部門横断の改革推進力、次世代育成、経営課題の抽出と解決に向けた視座を備えたリーダーシップを高く評価します。IPO準備、経営層との合意形成、複数部門の統括経験などで裏打ちされた総合力が、転職成功の鍵となります。
例
- 製造業で設備ライン構成を見直し、歩留まり改善を実現するケース
- 医療機器メーカーで100名規模のチーム運営経験を活かし、カスタマーサポート拠点の立ち上げを主導するケース
グローバル対応力・語学力を身につける
外資系やグローバル展開中の企業では、英語の中級以上の運用力に加え、異文化理解や海外拠点での実務経験が強みになります。
語学力は単なるスキルではなく、国際的なビジネス環境で信頼を築き、成果を出すための基盤であり、広く活躍できるリーダー像に直結する要素です。
例
- 医薬品業界の品質保証マネージャーとして、米国当局による査察対応や海外委託製造先監査を担い、国際規制対応力が評価されるケース
- 中国市場向け営業責任者として、高度な中国語力(HSK上位レベル相当)と駐在経験を活かし、現地幹部職に着任するケース
専門スキル・業界経験を活かす
50歳転職者の出身業界は、IT・通信、医療・バイオ、建設・不動産、製造業(機械・電気・半導体)など多岐にわたり、職種では、技術系(品質保証、設備保全、設計)、経営企画、営業管理が目立ちます。
応募先企業の課題に対して、自身の専門スキルがどう貢献できるかを、定量的な成果や業界特有の知識とともに具体化できることが、年齢に関係なく即戦力として評価される鍵です。
例
- 医薬品業界でGMP・GQP対応の専門知識をもつ方が、外資系企業の品質保証責任者として採用されるケース
- 半導体業界でCAE解析や熱設計に精通した技術者が、次世代製品開発のプロジェクトリーダーとして転職するケース
プロジェクト推進力・資格で差をつける
職務経歴書では「プロジェクト」「マネジメント」関連キーワードの重要度が高く、PMP、MBA、情報処理技術者、建築施工管理技士、薬剤師などの資格を活用するケースも見られます。
資格は肩書きではなく、学び続ける姿勢と実務への応用力の証明であり、自律的に成果を出せるプロフェッショナルとしての信頼獲得につながります。
例
- ERP導入プロジェクトを主導し、M&Aに伴うシステム統合を成功させるITマネージャー
- 製造業でスマートファクトリー構築を推進し、立ち上げから本稼働までを完遂する生産技術部門責任者
ビジネス戦略・実行力を鍛える
経営企画・事業企画職の採用動向からも、戦略立案だけでなく実行力が求められています。現場で課題を見つけ解決する行動力、数字に強い分析力、マーケティングや財務の知見を武器に、企業成長に直結する提案を示しましょう。
50歳での転職では、「戦略を描くだけでなく、現場で成果を出す力」が評価されます。
例
- 新規事業立ち上げで、市場分析〜事業計画〜営業戦略までを一貫して推進するケース
- 財務分析に基づくM&A戦略を提案し、企業価値の向上に貢献するケース
50歳での転職成功事例
50代での転職は「難しい」と思われがちですが、実際には豊富な経験と専門性を活かし、キャリアアップを果たしている方が多数います。
ここでは、JACが提供する転職支援サービスを利用し、50歳で転職を成功させた事例を紹介します。
【異職種転職】PMIプロジェクトディレクターからDX戦略コンサルタントへ、経営視点を活かしキャリアを飛躍
Uさん(50歳/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | 経営コンサルティング | PMIプロジェクトディレクター | 2,400万円 |
| 転職後 | 経営コンサルティング(DX・戦略領域) | 戦略コンサルタント | 2,800万円 |
Uさんは、長年PMI(企業統合)領域でディレクターとして活躍し、IT統合やプロジェクト推進に強みをもっていました。しかし、現職の体制に疑問を感じ、より自由度の高い環境で新規事業やDX戦略に携わりたいと考え、転職を決意されました。
JACとの面談では、Uさんのキャリアを丁寧にヒアリングし、グローバルPM経験・ISMS対応・プリセールスからデリバリーまで一貫してリードできるスキルを強みとして言語化。
さらに、パートナー候補としてのポジションを提案し、選考対策では経営層へのビジネスプラン提案力やThought Leadership活動への適性をアピールしました。
結果、DX領域の戦略コンサルタントとして採用され、年収は約400万円アップ。今後は経営層とのネットワークを活かし、新規事業創出に挑戦する予定です。
【異業種転職】製紙業から外食産業へ、PMIリードとしてグローバル事業拡大に貢献
Pさん(50歳/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | 製紙業(紙・パルプ製造) | 海外営業管理職 | 1,500万円 |
| 転職後 | 外食産業(飲食チェーン運営) | PMIマネージャー/PMIリード | 2,500万円 |
Pさんは、総合商社や食品メーカーなど複数社で海外事業を統括し、アジアを中心に新規事業立ち上げや経営再建をリードしてきたグローバルな方です。語学力に加え、財閥系企業との交渉や合弁事業の経験をなど幅広いスキルをお持ちです。
現職では海外営業部長として活躍していましたが、より経営に近いポジションで事業成長に携わりたいという思いから転職を決意しました。
JACとの面談では、Pさんの「PMI経験」「海外事業の立ち上げ力」「多言語対応力」を強みとして整理し、外食産業のグローバル展開を担うPMIリードポジションを提案。選考では、オーストラリア駐在を前提とした事業統合計画やサプライチェーン強化に関する知見をアピールできるよう支援しました。
結果、年収は約1,000万円アップし、海外事業拡大の中核を担うポジションで採用。JACの支援により、異業種でも「経営視点+グローバル経験」を武器にハイクラス転職を実現した好例です。
【異業種転職】ビジュアルコミュニケーション事業から書籍・雑貨小売業へ、代表取締役社長として企業再生を牽引
Jさん(50歳/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | サービス業(ビジュアルコミュニケーション事業) | CEO | 2,000万円 |
| 転職後 | 小売業(書籍・雑貨販売) | 代表取締役社長 | 2,100万円 |
Jさんは、複数業界で経営ポジションを歴任し、事業戦略策定や企業再生に強みのある方です。
現職ではビジュアルコミュニケーション事業のCEOとしてIPOを目指していましたが、長期的に事業をやりきれる環境を求めて転職を決意しました。
JACとの面談では、Jさんの「複数業界での経営経験」「事業再生力」「ファンド案件対応力」を整理し、書籍・雑貨小売業の代表取締役社長ポジションを提案。選考では、過去のターンアラウンド事例や中期経営計画の策定力を具体的にアピールできるよう支援しました。
結果、企業再生をミッションとするトップポジションで採用され、年収も維持。今後は、デジタル戦略を含む新しい収益モデルの構築に挑戦しています。
【異職種転職】銀行業から証券業へ、シニアビジネスアナリストとして規制対応の専門性を発揮
Lさん(50歳/女性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | 金融業(銀行) | リスク管理・コンプライアンス | 約1,900万円 |
| 転職後 | 金融業(証券) | シニアビジネスアナリスト | 約2,100万円 |
Lさんは、金融機関の規制対応や態勢整備、システム構築に長年従事し、AML/CFTや経済制裁対応のグローバル統制をリードしてきた専門家です。現職では銀行のグローバル金融犯罪対策部で約30ヵ国・100名規模の統制を担っていましたが、役職定年制度によりキャリアの継続性に不安を感じ、転職を決意しました。
JACとの面談では、Lさんの「金融犯罪対策の専門性」「グローバルPM経験」「多国籍チームマネジメント力」を強みとして整理し、証券業界のシニアビジネスアナリストポジションを提案。選考では、規制対応の知見を活かしたシステム企画力や、法務・コンプライアンス領域でのリーダーシップを具体的にアピールできるよう支援しました。
結果、年収は約200万円アップし、今後はグローバルIT戦略の中核を担うポジションで活躍予定です。
50歳でハイクラス転職を成功させたい方はぜひJACへご相談を
50代は、長年培ってきた専門性や豊富なマネジメント経験を強みとして発揮できる一方で、企業からはスペシャリストとして高い成果が求められる年代です。役職定年やキャリアの先を見据え、次のステージをどう築くかが重要な分岐点となります。
その点、JACには、各業界の求人動向や企業の採用ニーズを深く理解したコンサルタントが在籍しており、「目先の転職」だけでなく「その先のキャリア形成」までを見据えたアドバイスを提供しております。さらに、専門性とマネジメントスキルのバランス、企業文化との適合性、ワークライフバランスと成長機会の両立など、50歳の転職で直面する課題に対しても、個々の状況に合わせた最適解を提案し、満足度の高い転職へと導くことができます。
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