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三菱UFJ銀行で切り拓く、金融犯罪対策のグローバルキャリア 
多様な経験が力になる、Financial Crimes対策の最前線

株式会社三菱UFJ銀行

※このインタビューは2026年6月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。 大島 知子氏
株式会社三菱UFJ銀行
執行役員 FATF対日相互審査担当
グローバル金融犯罪対策部 部長
グローバル金融犯罪対策室(日本)室長 大島 知子 氏

1998年入行。リレーションシップマネージャー、信託銀行出向、証券業務、市場部門でのヘッジファンドマネージャー、システム開発など、多様な業務を経験。2012年よりシカゴ支店に勤務し、2014年からニューヨークで金融犯罪対策業務に従事、GFCD設立にも携わる。前例のないテーマにも、周囲と協働しながら一歩ずつ形にしてきた。


金融業界では、金融システムの安全性維持や金融犯罪の防止が課題となっています。三菱UFJ銀行では、2017年、米国ニューヨークに本部を置くグローバル金融犯罪対策部(以下、GFCD)を設置。3つのGlobal Financial Crimesリスク領域(マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与防止、経済制裁、贈収賄・汚職防止)に関する対策を実施しています。

現在、Financial Crimes対策分野の経験者はもちろん、未経験者や金融業界以外の出身者も対象に採用を強化中です。グローバルに挑戦したい方、社会的意義の大きい仕事を通じて専門性を高めたい方を歓迎しています。

グローバル金融犯罪対策部部長の大島知子氏に、同部のミッションや取り組み、仕事の魅力、キャリア採用の状況、求める人物像などについて伺いました。

重要性が高まる金融犯罪対策。ニューヨークを本拠に取り組む

大島 知子氏

―― Financial Crimes対策をめぐる現在の状況と、GFCDのミッションについてお聞かせください。

現在、金融を取り巻く環境は非常に速いスピードで変化しています。規制の高度化に加え、イラン情勢に代表されるように地政学リスクも高まっています。こうした背景から、法制度の整備もこれまで以上のスピードで進められています。さらに、AIやデジタルアセット、ステーブルコイン、トークナイズド・デポジットといった新たな技術や仕組みが登場し、従来の商業銀行のビジネスにはなかった領域にも規制が導入され始めています。

一方で、AIを悪用した金融犯罪への対応も大きな課題です。犯罪者もAIを活用しており、AI同士のやりとりによって犯罪がさらに高度化していくともいわれています。こうした脅威が国境を越えて広がっている状況に対処するため、新たなテクノロジーの活用によって対応力を高めていくことは、重要な経営アジェンダの一つだと考えています。

GFCDのミッションは、こうした課題に対し、実効性あるプログラムを構築・運用し、ガバナンスを効かせながら、先を見据えて対応していくことです。トップバンクとして何をすべきかを自ら問い続け、国内外の知見を持ち寄りながら日々議論を重ねています。

Financial Crimes対策は一般的に「守り」と捉えられがちですが、ビジネスを理解していなければ、何をどう守るべきかを判断できません。事業を深く理解した上で守りを固め、経営判断に寄与する。私は、この仕事を「攻めている守り」だと考えています。リスクを正しく見極めることで、お客さまや社会からの信頼を支え、安心して新たな事業やサービスに挑戦できる環境をつくる。それによって、ビジネスの成長や社会の発展にも貢献できるところが、この仕事の大きな魅力だと思います。

―― GFCDはどのような組織体制で、どのような機能をもって運営されているのでしょうか。

GFCDは、ニューヨークと東京にまたがるグローバル本部機能を担っています。事業部門・間接部門・子会社など、海外を含むグローバル事業全域でFinancial Crimesリスクを管理するため、地域横断的な規則を制定しています。GFCDの下には、世界各地域をカバーする「地域室(Office)」が置かれており、日本室(FCOJ:Financial Crimes Office for Japan)では約300人が働いています。

東京における組織体制としては、当局対応や会議体運営を担う企画グループやMUFGの各業態へのプログラム導入を推進するプログラム管理グループ、テクノロジー専門部隊であるオペレーショングループのほか、システム設計の有効性評価を行うテスティンググループがあります。そして地域室(FCOJ)としてAML(Anti-Money Laundering:アンチ・マネー・ローンダリング=資金洗浄防止策)・経済制裁・贈収賄・汚職防止を専門とする部隊を配置しています。FCOJの室内室として、疑わしい取引の検知や取引スクリーニングなどのオペレーションを担う組織(FIO:FCOJインテリジェンスオフィス)があります。

部内にテクノロジー専門部隊を有していることは当部の大きな強みの一つです。現在はグローバルなAMLシステムの構築を進めています。加えて、AIや業務革新を専門に手がけるチームも設けており、当部内でのAI推進を担っています。

これらの組織は単独では機能しません。だからこそ、専門性を尊重し合い、部門を越えて横連携することを大切にしています。

AIを活用して自動化・高度化。効率化を進め、次の革新へ

―― 現在、特に重視しているテーマ、取り組みにはどのようなものがあるのでしょうか。

重要なミッションの一つが、FATFへの対応です。FATFとは「Financial Action Task Force(金融活動作業部会)」の略で、マネー・ローンダリングやテロ資金供与対策に関する国際基準を策定する国際的な枠組みです。2028年6月、第5次相互審査が日本で予定されており、トップバンクである当行はインタビューを受ける可能性が高いため、当局とも連携して体制強化を図っています。

これに関連し、構築したプログラムがいかに実効性を保ち、持続的な体制として定着するかが非常に重要です。プロセスやガバナンスは整備したものの、それらが実際に機能しているかを継続的に検証していくことが欠かせません。FATFでも「有効性の検証」が大きなテーマとなっているため、それに沿って推進していく必要があります。
Financial Crimesリスクに対応するこれまでの取り組みと現在のミッション
もう一つの重点分野がAIです。AIは単なる効率化の手段ではなく、人がより付加価値の高い判断や新しい取り組みに向き合うための力になると考えています。最先端の取り組みの一例として、スクリーニングやモニタリング業務におけるAIを活用した効率化を検討しています。

また、コンプライアンスの高度化においては、データが極めて重要な役割を担います。データガバナンスが適切に機能していなければ、それを基盤とするシステムやAIの精度にも影響を及ぼします。そのため、データガバナンスの強化にも注力しています。

トップバンクだからこそ感じられるダイナミズムがある

―― このお仕事の魅力、面白みをどのように感じていらっしゃいますか。

Financial Crimes対策の領域は、非常に幅広く、奥深いです。AML、経済制裁、ABC(贈収賄防止)は、それぞれ独立しているわけではなく、密接に関係しています。AMLを起点とした事象が経済制裁につながることもあれば、ABCと重なるケースもあります。だからこそ、各領域の専門性を生かしながら協働し、組織として対応力を高めていくことに大きなやりがいを感じています。

私自身も、12年前はこの分野についてほとんど知りませんでした。12年間携わってきて部長という立場にいますが、今でも学び続ける毎日です。昨日までの常識が今日変わることも珍しくありません。だからこそ、知的好奇心をもって学び続けられる方にとって、とても面白いフィールドだと思います。

海外の第一線の方々と議論や情報交換ができるところも魅力の一つです。例えば、世界の大手銀行13行で構成される金融犯罪対策の国際的な民間団体「ウォルフスバーグ・グループ」に、当行は日本から唯一参加しています。5月にスイスに出張して議論を交わしましたが、当行にも私自身にもない視点や情報を取り入れ、生かせることには大きな醍醐味があります。

また、本部機能をニューヨークに置いているため、日本国内にとどまらず、海外拠点や各国当局と直接コミュニケーションを取っています。グローバルな課題と日本固有の課題、その双方をバランスよく捉えながら取り組む仕事はスケールが大きく、自分の仕事が世界の金融システムの健全性につながっている実感があります。

―― 日本のトップバンクとして、この領域に携われる魅力についてはいかがですか。

トップバンクとしての大きな役割の一つが、金融庁や財務省をはじめとする当局との対話です。
課題が生じた際には、官民双方の問題意識や実務上の課題認識を共有しつつ、建設的な対話を通じて対応の方向性を検討していくことが重要です。こうした対話の積み重ねが、当局の理解促進や制度運用の見直しにつながり、実際に法令改正に至ったこともあります。
詐欺の対策では警察とも連携しています。他業界や他金融機関も巻き込みながら、新たな仕組みや制度が実現したときには、社会的な役割を果たしていることを強く実感します。

さらに、本部や海外の地域室を通じて海外当局の考えや動向を把握できるので、今後の日本への影響もつかめます。将来予測を立てて金融庁に情報提供することもあり、非常に刺激的でやりがいがあります。

多様なバックグラウンドと銀行・金融知識を組み合わせ、キャリアを開拓

大島 知子氏

―― GFCDのキャリア採用についてお聞かせください。

GFCDには、さまざまなバックグラウンドをもつキャリア入社者が数多く在籍しています。金融機関出身者だけでなく、コンサルティングファーム、SIer、当局などで培った知見を生かして活躍しているメンバーもいます。異なる経験があるからこそ、新しい視点が生まれると感じています。

転職先としてGFCDを選んでくださる方の動機としては、「グローバル」が大きなキーワードだと捉えています。最初から金融犯罪対策に詳しい必要はありません。システムやテクノロジーの分野で「グローバルに活躍したい」と考えて応募され、その先で金融犯罪対策というテーマに出合い、専門性を深めていくケースもあります。
また、「変化・現場の最前線」もキーワードの1つかもしれません。当局でこの分野に携わっていた方が、「民間で知識を深めたい」と入行されるケースも多くあります。

私たちとしては、どのようなきっかけであっても、まず興味をもっていただければ十分だと考えています。入行後にこの分野の奥深さを知り、ご自身の強みと掛け合わせながらキャリアを広げていただければと思います。

当行の中でも、ニューヨークに本部機能を置く部署は当部だけです。そのため、「海外と日常的に連携しながらグローバルな仕事に携わりたい」という希望を実現できる環境があります。かつ、世界でも最も厳格かつ先進的な米国の基準に準拠した体制を整備しているため、日本国内においてもトップレベルの基準のもと最先端の知見・技術を活用しながら成長することができます。GFCDのメンバーは一人ひとりが専門領域のスペシャリストとして、その知見は国内のみならず海外からも求められており、業界のパイオニアとして成長・活躍できる環境が整っています。

異業界から来た方には、銀行や金融のことを学んでいただく必要がありますが、研修や育成体制を整えています。銀行には幅広いビジネスがあり、それを学ぶこと自体も非常に面白いと思います。私も当行で28年働いていますが、すべてを理解できているわけではありません。最初から完璧である必要はなく、焦らず一つずつ身に付けていただければ大丈夫です。これまでのキャリアに銀行・金融の知識を加えることで、当行内でご自身の可能性を大きく広げていただけると思います。

―― 一メンバーとしても、海外と関わる機会は多いのでしょうか。

当部では、一部の国内業務を除き、ほぼ全員が英語を使用しています。ニューヨーク本部への報告や専門家への相談、各地域との連携などは全て英語で行われるため、他部署と比べても英語を使う機会は非常に多いといえます。英語を学びたい方に対しては、外部プログラムを活用した学習機会も提供しています。

特にテクノロジー領域の方は海外出張も頻繁にあります。当行のシステムの本部は日本にあり、日本のシステム開発を海外で行うにあたり、現地に赴いてシステム担当者と対話する必要があるためです。

部の方針としては、グローバルで活躍できる方をさらに増やしたいと考えています。そのため、2週間から1カ月半程度の短期派遣制度を設け、海外拠点でローカルスタッフと議論して成果をもち帰ってもらう取り組みを年に3~4回実施しています。Face to Faceでのコミュニケーションは非常に重要と考えており、その機会をなるべく提供し、若手社員が「海外で働くということ」をイメージできるようにしたいと思います。

また、海外からグローバルヘッドの方が来日する機会も多いので、タウンホールミーティングやトークセッションを通じて顔や人となりを知ってもらう機会も設けています。

―― どのような人と一緒に働きたいと思われますか。

常に興味をもち、学び続けられる方と一緒に働けると嬉しいです。この世界では、犯罪者の行動を先読みしながら、「どうあるべきか」に向き合い続けることが重要です。自ら問いを立て、仮説を考え、周囲を巻き込みながら実行に移せる方を歓迎します。もちろん、一人で抱え込む必要はありません。マネジメントとしても、安心して挑戦できるよう全力でサポートします。

異業界からの挑戦には、不安を感じる方もいるかもしれません。でも、大丈夫です。難易度の高い領域だからこそ、研修制度や周囲のサポート体制を整えています。物事を探究したい、深く学びたい、グローバルに活躍したい。その意欲があれば、これまでの経験は必ず強みになります。心から歓迎します。

―― 応募・入社を検討している方々へメッセージをお願いします。

この領域は、ビジネス、規制、テクノロジー、データなど多様な要素を踏まえて判断することが求められ、決して簡単ではありません。その分、広い視野と高度な専門性を身に付けられる領域です。金融機関にとって最も大切な「信用」と「信頼」を支え、グローバルな事業展開を可能にするという意味でも、社会的意義の大きい仕事です。

GFCDで働くメンバーは、バックグラウンドもキャリアも非常に多様です。女性社員が約6割を占め、50歳以上のシニアも約3割在籍しており、マネジメント層における女性比率も約半数です。さまざまな経験をもつ方が、それぞれの強みを生かして活躍できる環境があります。私自身が大切にしているのは、「Respect for All」の考え方です。部門を越えて協働し、それぞれの専門性を持ち寄りながら、より良い解決策を一緒につくっていく。変化の最前線で、グローバルな視点を身に付けながら成長したい方にとって、非常に魅力的なフィールドだと思います。ぜひ一緒に挑戦しましょう。

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