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データがなければ生み出す――データ利活用の
「目的」を重視するAI領域のコンサルタントの目指すべき姿

アビームコンサルティング株式会社

※このインタビューは2023年6月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。
西岡千尋氏
  • 執行役員 プリンシパル 西岡 千尋氏

アビームコンサルティングのDigital-Tech Leapグループ AI Leapセクターでは、最新のデータサイエンス・AI技術をコアに、幅広い業界に対してソリューション提供をしています。

コンサルタントに求められるのは「価値の生み方を知ること」と話すAI Leapセクター長の西岡千尋氏に、データの利活用が当たり前となった時代に目指すべきAI領域のコンサルタント像を伺いました。

「実現力」のあるファームでお客様に最初から最後まで伴走したい

―はじめに西岡様のご経歴を簡単にお教えいただけますか。

西岡氏
執行役員 プリンシパル
エンタープライズトランスフォーメーション
ビジネスユニット
Digital-Tech Leapグループ
AI Leapセクター長
西岡 千尋氏

これまでずっとコンサルタントとしてキャリアを歩んできました。新卒時は外資系のコンサルティング会社へ入社し、その後日系総合コンサルティング会社に転職しました。16年近く在籍し、事業・業務のデジタル化実現に向けた改革支援をする部門のリードを務めました。2022年7月にアビームコンサルティングにジョインし、AI Leapセクター長を務めています。

関心を持っているのは、テクノロジーとイノベーションで社会貢献していくことです。テクノロジー関連の仕事をしていると、どうしても技術そのものに目が行ってしまいがちで、それが「誰のために」「何のために」役立つのかということを見失いがちです。

技術は学問的にいくらでも追究できますし、教育・研究機関ならそうあるべきかもしれません。しかしコンサルティング会社でテクノロジーに携わるということは、その技術がお客様、ひいては社会にどのような価値を生むのかを考えなければなりません。

テクノロジーの進歩はとても速いため、テクノロジーを知っていることで得られる「社会に貢献できる機会」は非常に多いと思っています。そういうところを個人としても興味を持っていますし、AI Leapセクターとしてもやっていきたいと考えています。

―2022年に転職された経緯とアビームを選んだ理由をお話しいただけますか。

アビームを選んだ理由の1つは、「実現力」です。
広い意味での構想策定や戦略コンサルティングの領域は、他のファームもやっていますが、考えたものをいかに実装していくか、いかに社会で動くものにするかを考えた時、アビームであればそれができそうだと感じました。

前職時代、私の領域は戦略側で、実装は別のグループ会社が担っていました。きれいに役割分担しているように見えますが、契約の単位も違えばプロジェクトに参画するメンバーも違うため、上流と下流の間で不整合が生じてしまうことがあります。

自分たちが企画したものを、実現していくところまでお客様に伴走してやっていくーー。そのためには、やはり上流から下流までワンストップでできる体力・スキルが必要です。アビームには、データサイエンス・データ分析のケイパビリティがあり、その先の実装をする能力も備わっていることが転職先として選んだ背景にあります。

データがないところからでも課題解決を目指す

―AI Leapセクターでは現在、どのような案件に取り組んでいますか。

西岡氏

ここ数年、「企業の中に蓄積しているデータが、何か新しいビジネスにならないか」という命題が一つの切り口になっています。これは、国内の既存サービスの売上が頭打ちになる中で、それとは別の新しい事業、数字を作っていくドライバーが欲しいということだと捉えています。

そうしたとき、これまでの多くは戦略系コンサルタントの出番でした。ただ、今は新しい何かを考える際にはデータを見ながら考える、データからインサイトを見いだして事業を立ち上げるやり方が主流です。そういう場面でこそ、AI Leapセクターの価値が発揮できると思っています。

一方で、AI Leapセクターは、良くも悪くも「AI」の印象が強くあります。データサイエンティストがいるのだろう、AIのテクノロジーに長けた人がいるのだろうと、お客様からもご期待いただきますし、社内からもそういう前提で相談や依頼が寄せられます。

そのため、「すでにデータはある、そこからインサイトが得られないか」「お客様が社内のデータを元に予測モデルをつくりたいと言っている」といった、データがある前提で分析をしてほしいという相談が多い傾向にあります。

我々AI Leapセクターは、データサイエンス・データ分析をコアスキルとする部署ですから、そこを期待されるのは当たり前かもしれませんし、それをやりたくないという話でもできないという話でもありません。ただ、そこで「データ分析できます」と素直に応じているだけでは、我々の価値が広がっていきません。

つまり「データがすでにあるからそれを使う」という考えではなく、まずは「解決したい課題」ありきで、それを解決するためにデータをどう使うのか、データがないのであればどのようにデータを生むかを考える、そういう仕事で価値を発揮したいと考えています。

例えば、MaaSのような新しい事業には既存のデータはありません。データのないところから事業を企画することによって人流とデータが生まれ、それが事業に還元されて、さらなるサービスが生まれて事業が回っていくというサイクルが生み出されます。 しかし、我々のデータ分析というコアスキルだけに着目してしまうと、そのサイクルの中の部分的な改善にとどまってしまいます。

そうならないためには、「価値の生み方」を知っていることが最も重要です。
アビームでは、例えば人的資本経営・ウェルビーイング・デジタルESGなどの社会課題をキーワードとした取り組みが多くあります。そのような課題・テーマに対して、何が必要で、どういう価値を生み出すべきかを考えるところから我々が入っていくことで、データを生むところから企画し、サイクルが回る中でインサイトを抽出できるようにしていきたいと考えています。

アナリティクスラボを通じて「課題起点」のコンサルを内外に意識付け

―セクター長になられて約1年、どのようなことに取り組んでこられましたか。

アビームは、業界・業種とサービスごとに組織が分かれていますが、そのどれをとってもデータが関係しない領域はありません。その中でAI Leapセクターは「クライアントのDX変革やデータドリブン経営を実現するCoE(Center of Excellence)になる」をビジョンに掲げています。

具体的な取り組みとして、アビーム内の社会課題起点でビジネス展開する組織とのコラボレーションを促進するため、「アナリティクスラボ」というデータ利活用のプラットフォームを作りました。そのプラットフォーム上に、社会課題やインダストリーアジェンダに対するソリューションを構築する流れを作っています。

アナリティクスラボは、クラウド基盤上にプロジェクトでデリバリーしたナレッジをモジュール化して置いてあります。もともとの発想は、整理して置いておくことによって、類似したプロジェクトがあった時に再利用して、お客様に迅速にソリューションを提供することが狙いでした。

ただ、「置いておく」だけではツールとして使いづらい、何のために使うものなのかが分かりにくいため、そのツールが解決した課題や目的ベースで探せるようにしています。

そうしていかないと、「データ分析をする部署」というAI Leapセクターに対する認識が固定化してしまいますし、我々自身も意識改革しなければないという意志を込めて、社内に向けて我々がやりたいことをアピールしていく意図でこの取り組みを進めています。

日本がヘッドオフィスだから自分たちでサービスを開発していける

―アビームのAI Leapセクターの特徴、強みはどういう点にあると思いますか。

私が外資系から日系のファームに移った時にも感じたことですが、外資系ではサービス品質を保つため、あるいはナレッジを共有するために、グローバルで足並みを揃えたサービスになります。

その点アビームでは、目の前のお客様が困っていることや担当しているマーケットのニーズに対して、我々のケイパビリティで何を提供できるかを全て自分たちで決められます。こういうと「それができるのは上層部だけなのでは?」と思われるかもしれませんが、アビームでは管理職だけでなく若手層にもそこに興味を持ち「やりたい」と手を挙げるコンサルタントが多くいます。

特に我々AI Leapセクターはテクノロジー系の組織でもありますから、新しい技術が出てきたら「このようなケースに使えるのではないか」「今のプロジェクトのこの問題を解決できそうだ」という思考を巡らせます。

「自分の頭で何かを生み出す」プロセスは非常に面白いですし、その力を磨く環境があることは、コンサルタントとしてのキャリアを考えた場合にこの組織で働く魅力といえると思います。

データ分析スキルがなくても「戦略」「実装」で活躍は可能

―西岡様はAI Leapセクターでどういう人と働きたいとお考えですか。

現在AI Leapセクターは150名ほどの組織ですが、「ストラテジー&デザイン」「AIアナリティクス」「データ&アーキテクチャ」という3つのチームがあります。

ストラテジー&デザインチームは、いわゆる上流の部分、経営課題や事業課題に対してどのような価値を創出すべきか戦略を考え、事業やサービスを設計するチームです。AIアナリティクスは、我々のコアスキルを担うチームで、データサイエンティストたちが集まっているチーム。データ&アーキテクチャは、企画・構想を実現するアーキテクチャやデータマネジメントの専門家チームです。

すべてのチームに共通することとして、課題を捉えるレイヤーがお客様視点あるいは社会課題視点の方にぜひ来ていただきたいですね。

AI Leapセクターのコアスキルはデータサイエンス・データ分析ですが、実のところ全員がデータ分析の実務に長けているわけではありません。

事業会社でデータを使って事業企画やサービス企画をしてきたような方で、テクノロジーで社会貢献すること興味がある方なら、自身ではデータ分析はできなくても、ストラテジー&デザインの領域で活躍の機会はあります。経営課題・業務課題視点でデータを利活用していきたい方は、ぜひ来ていただきたいと思います。

あるいは、事業会社やSIerで、例えばクラウドでものづくりをしてきた経験のある方、サービスづくりをしていた方、コンサルティングの経験はなくても何かしらの社会実装に関わっていた方なら、データ&アーキテクチャの領域で活躍できるでしょう。

今、チーム横断で取り組む案件を意識的に増やしています。そうすることによって、データサイエンスのケイパビリティを持つ人たちが課題起点で新しい事業やサービスを構想する力を付ける意味もありますし、逆にストラテジー&デザインに強みを持つ人たちがデータ分析や統計解析のスキルを獲得していく機会にもなると思います。

―アビームのAI Leapセクターに入社することで、どのようなキャリアパスが見込めるのでしょうか。

コンサルタントが扱うテーマは5〜10年のスパンで変わっていきます。アビームにジョインすることによって自分の得意領域をコンサルティングに生かしながら、組織と一緒に自分も成長していきたいという考えの方は長期的に活躍していただけると思いますし、いろいろな案件に携わって幅広い経験が積めるのではないかと思います。

私が社会人になった頃は、「脱ホスト」と言われていましたし、その後「オープン化」「ERPパッケージ」「ビッグデータ」と移り、その後に「AI」が来ています。データサイエンスも今は人気かもしれないですけど、将来的にどうなるかは分かりません。
データサイエンスを得意領域としているコンサルタントが、5年後・10年後に「何を」コンサルティングするのかということは、今この瞬間も問われていますし、5年後・10年後も変わらないでしょう。

その変化に適応していくためには、技術だけを追っているだけは足りません。社会のニーズの変化を捉える、自分たちが変わる力を持つ、サービスを生み出す力を身につけるといったことが、テーマの移り変わりに対応する上での肝になると思います。広くアンテナを張って、新しいものを吸収して、コンサルティング業務でアウトプットしていくことが重要です。

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