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転職市場で高まり続ける「英語力」のニーズと需要の変化



 

時代の変化に伴って、英語力は全ての業種で求められるように

コロナ禍以前から英語力のある求職者は、「英語力を活かした仕事に就きたい」という転職に対する意欲は強く、企業側からも「英語ができる人を採用したい」という需要が常に高い傾向です。その背景には、日本の経済全体の規模が縮小傾向にあり、人口も減少していくなかで、国内を中心に事業を展開していた企業が、海外進出を視野に入れている事情があります。こうした状況の転職市場で求められる「英語力」には、どのような変化があるのでしょうか。

日系企業においては、国内向けの事業を展開する企業でも管理職登用の要件に英語力を求めるケースが増えています。 ダイバーシティの実現で多国籍からなる社員と働く機会や、グローバルな事業展開で海外との折衝が必須となるなど、英語力の強化を必要としている企業は多岐にわたっています。新卒採用時に求められるTOEICのスコア水準も上昇傾向があります。20代であれば社内研修で英語力をつけることもありますが、30歳以降の中途採用において、英語力は今後も確実にフックとなるスキルです。

また、これから海外でマーケットを拡大しようという日本企業の場合、代理店と連携して海外の支社を立ち上げるのではなく、自社で直接海外事業展開を行う例が増えています。 その場合、本社から派遣する駐在員には、事業をなるべく早くローカライズできるよう、広く目を配ってコミュニケーションをとれることと、現地事情をリアルタイムで追えるスピード感が求められます。当然英語力に関しても、それらを可能にするレベルが求められ、複雑な交渉や折衝に対応しなければなりません。

現場で求められる「英語力」とは、スピーキングとプレゼン能力

外資系企業の場合、レポートラインにいる外国人上司や取引相手方とのスムーズなやりとりに英語を使うのはもちろん、折衝する相手の中にはエグゼクティブも含まれるので、ビジネスレベルの会話をストレスなく行える必要があります。英語力不足が理由で社員が昇進できず、英語力に長けた人材を中途採用で補う例もよくあります。

転職希望者の面接に際して、外資系企業ではTOEICのスコアを問わないこともありますが、日系企業では多くの企業が、一定のスコアを要件に盛り込んでいます。求められる水準の参考として、日常の業務で頻繁に英語を使うわけではない企業なら650点程度、実務で使うものの相手方ストレス無くやりとりできるレベルであれば800点程度、相手方を問わず英語で常にダイレクトなコミュニケーションがあるポジションとなれば900点以上が目安となります。

ただし、このコロナ禍を経て大きく変わったポイントとして、同じ「英語力」でも、読み書きではなく、より高いレベルのスピーキング能力が求められるようになっています。 特にメインミッションが業務マネジメントになる管理職ポジションでは、事業を統括する上位役職者に、業務全体の進捗や課題解決について日々レポーティングやプレゼンテーションするため、正しい文法や美しい発音以上に「伝える力」が必要になります。 さらに近年は直接対面して話す機会が減り、オンラインでのやりとりが増えたため、ジェスチャーや表情が伝わりにくい状況になりました。今後は音声だけでも説得力のあるスピーキング能力を求める傾向は一層強まるでしょう。

転職成功のポイントは専門性×英語力

「英語力を活かせる環境へ転職したい」とご相談に来られる方に多いのが、海外配属などを期待して日系のグローバル企業へ入社したものの、海外どころか英語も全く使わないポジションに配属されて、語学力が鈍るのを恐れていらっしゃる例です。
ただ、採用側の企業としては、英語力だけを問う求人はほとんどありません。求人の多くは業務を遂行できる専門性があることが大前提で、英語力は専門性と併せて求められている要件であることを認識するべきでしょう。

終身雇用を前提としてきた日本企業では、さまざまな業務を経験し、社内人脈を構築してから管理職になるのが、社内交渉でも有利とされてきました。しかし今後の社会は、外資系企業と同様に個人個人が専門家として企業と契約する「ジョブ型雇用」にシフトしていく傾向にあります。
こうした将来像を踏まえても、20代はさまざまな経験から興味や能力の幅を広げ、自分の専門は何を選ぶべきかを見極めるのが良いでしょう。30代で専門性を高めることを主軸にしながらも、より良い環境と待遇を求めて転職を考える際、語学力がより良い選択肢を増やす手伝いをしてくれます。

実際に、英語を必要とする実務が未経験の方でも、スキルセットが合致し、更に個人で磨かれてきた英語力が評価されて、転職が成功した事例を紹介します。
日系企業で勤めてきた40代後半の方で、本業の専門性を高めるかたわら、20年ほどコツコツと英語を勉強し続け、読み書きもスピーキングも業務で使用できるレベルを保っておられました。結果、職域の専門性がリンクした外資系企業への採用がスムーズに決まり、年収は300万ほどアップ。いつか環境を変えるときのための武器作りが実を結び、理想的な転職が叶った結果となりました。

語学力は毎日少しの時間でも研鑽し続けることが大切

現在外資系企業で日常的に英語を使っている方でも、多くの方が何らかの形で英語の勉強を続けておられます。外資系でも企業によって英語を使う頻度はまちまちなので、更に英語力を高めたり、現状よりスキルが落ちないよう英語力を維持する努力をされているのです。
日常的にトレーニングをしている方は、通勤時や週末に時間を作ったり、一日一時間早く起きて自己学習するなど、スケジュールを組んでコツコツと努力されています。自己投資して英会話スクールやオンライン英会話を使ったり、無料のラジオ英会話を聞いても勉強できます。

前述した通り、「英語力」で問われるのは、説得力のあるスピーキング能力になりつつあります。 TOEICの点数はあくまで読み書きの基準値です。転職の選考過程でスコアをチェックするのも、面接側にスピーキング能力を適切に評価できる環境がないため、スコアを判断材料としていることが多くあります。
転職時に必要とされるTOEICスコアの目安は既に示した通りですが、スピーキングレベルの参考基準を示すとすれば、「英語面接に際して事前練習が必要なレベルでは難しい」と考えると良いでしょう。業務レベルのスピーキング能力があれば、業界用語などの下調べの他は事前の準備など必要なく、レジュメに基づいた普段通りの内容を英語で話せば良いだけなのです。

たとえTOEICで一度ハイスコアを取得したとしても、そこで勉強を終えてしまうと英語力は途端に鈍っていきます。ましてスピーキング能力は実際に話す機会が無ければ、瞬く間に錆びつきます。 いざ面接に際して「話す練習がしたい」と考えてもタイミングが遅いので、常に準備しておくことをおすすめします。

お互いにとって望ましい形で英語力を活かせる環境を探す

英語面接で不採用になったケースにおいて、採用企業側からのフィードバックで最も多く聞かれるのは「言いたいことがよく分からなった」というものです。

ビジネス英語では要件を絞り、根拠を数字で示し、結論から話すことが求められます。 また、それ以上に敬遠されるのは「英語力を付けたい、伸ばしたい」という転職動機です。企業側はビジョンに共感し、長く一緒に働いてくれる人を求めています。あくまでビジネスツールである英語だけを魅力と捉えられては採用に至りません。

一方、転職する側の視点では、一口に「英語を使う」といっても、どんな相手とどれだけの頻度でやりとりするのか。求められるレベルや専門的なボキャブラリーはどの程度必要なのか。更には海外出張の頻度や、駐在するキャリアパスはあるのかどうか……。こうしたことが知りたくても、求人票にそこまで詳細な情報がなく、せっかくの語学力を活かせるのか不安になる状況もあるでしょう。面接の場ではリアルな現場感が伝わらず、入社してから希望とのズレが分かり、すぐに次の転職先を探すといった事態にもつながりかねません。

応募の前に転職後の具体的な働き方や、能力の生かし方が正しくイメージできるということも、人材紹介会社を利用するメリットのひとつだと言えるでしょう。自分の英語力と専門性が十分に活かせる企業を探す際には、企業とのネットワークやノウハウを豊富に持つ人材紹介会社の活用も視野に入れることをお勧めします。



※本稿は執筆者の個人的見解であり、ジェイエイシーリクルートメントの公式見解を示すものではありません。
(2021年6月)

この記事の著者

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アカウンティング&ファイナンス第1Div マネージャー

海外留学、日本での勤務経験を経て海外でのキャリアを選択しマレーシアにて日系ノンバンクに勤務。
現地に進出する日系企業向け新規開拓営業として、大手工業系メーカーから海外進出直後の中小企業まで幅広いマーケットに対するファイナンスリース、オペレーティングリースの提案営業を経験。
帰国後JAC Recruitment へ転職、10年以上に渡り主に経営幹部、営業マーケティング、バックオフィス領域の海外駐在員、海外大MBA留学生、外国籍など国際性豊かな語学力の高い求職者のキャリアアップ転職支援に従事。
2016年よりAccounting/Finance/HR/GA/Legal/PR/IR/Business Planning/Audit/EA などの御経験を持つグローバル人材の外資系/日系大手クライアント向け転職支援・採用支援や部下数名のチームマネージメントに従事。


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