化学メーカーでは、営業職の求人が増えています。世界的に「デジタル」、「カーボンニュートラル」の動きが活発化するなか、各社は新規事業を強化。新たな取引先の開拓のため、営業体制の強化を図っているという背景です。
化学業界に専門特化したチームを設けているJAC Recruitment (以下、JAC)のコンサルタントが、化学メーカーの営業職の転職市場動向、および年収相場やキャリアプランについて解説します。
目次/Index
化学業界に特化した専任コンサルタントが、あなたの転職をサポートします。
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化学メーカー営業職の最新事情
化学メーカーの営業職の採用においては、リーダー・マネジャークラスの求人は少ない一方、スタッフクラスの求人が増えています。特に20代後半~30代前半の方々が転職に成功する事例が多く見られます。日系大手化学メーカーを中心に、中堅中小メーカーでも採用意欲が高まっています。
この採用活況の背景にあるのは、新たな事業への展開です。グローバルで「サステナビリティ」「SDGs」への意識が高まるなか、温室効果ガスの排出ゼロを目指す「カーボンニュートラル」「脱炭素」への取り組みが活発化しているためです。また、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が加速しており、半導体や電子材料の需要が高まっていることも、背景の一つです。
これらの潮流が化学業界に新たなチャンスをもたらしており、特に伸びている分野としては、「電池」「半導体」「ディスプレイ材料」などが挙げられます。
自動車業界との取引が拡大
化学メーカーでは自動車業界との取引が拡大しています。一例を挙げると、次のような製品を強化する動きが見られます。
●カーボンニュートラルの実現に向けて開発競争が激化している「EV(電気自動車)」向けの電池材料
●車内空間の快適性向上のため、振動を感じにくくするような樹脂・タイヤ素材など
●自動運転を実現するための超高速通信に関わる電子材料
海外営業の採用も回復
海外での売上比率が高い企業も多いのが化学業界の特徴。今後も積極的な海外展開が続きます。
2020年以降は渡航が制限されたため、海外事業の動きが一時停滞しましたが、現在、海外営業の求人は2020年以前の水準に戻っています。
エリアとしては、半導体ディスプレイの製造拠点が多い韓国・中国・台湾。自動車向けではアメリカ、ヨーロッパなども対象となります。カーボンニュートラル実現に向けた技術はヨーロッパが先行しているため、環境分野に関しては日本市場よりも先に海外市場の開拓を図る動きも見られます。
海外営業の採用ポジションでは、直接販売(海外の顧客に直接販売)と間接販売(現地の代理店・現地法人を通じて販売)の大きく分けて2パターンがあり、いずれも同等のニーズがあります。
今後も新領域の製品が生まれる
カーボンニュートラル実現へ、再生可能エネルギー分野向け製品の研究開発が進んでいます。たとえば、自動車の燃料電池の再利用に使用する触媒、新エネルギーとして期待が集まる「水素」の製造に必要な素材など。
新製品の市場投入に向け、現在、研究開発・事業企画・マーケティングなどの採用が進められていますが、販売戦略が固まるころには、拡販を担う営業の求人が出てくることが予想できます。興味がある方は、ぜひJACに登録し、コンサルタントからの情報共有を頻度高く受けることをお勧めします。
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転職時の採用選考において重視される要素
化学メーカーの営業職の採用選考では、どのようなポイントが重視されるのでしょうか。
現在ニーズが高いスタッフクラスの人材に求められる要素を、ご紹介します。
カーボンフリーと環境問題への理解
環境や持続発展可能な社会を実現するための取り組みの必要性が社会に浸透するようになり、SDGsやESGなどにどのように参画するのかといった課題は、企業にとっても欠かせないものとなりました。
化学メーカーもカーボンフリーや環境問題改善に向けた取り組みを行なっています。志望する化学メーカーがどのような取り組みを行なっているのか、自分が共感できる部分はどのような点なのかを明確にしておくと好印象を与えられるでしょう。
有形商材の法人営業経験
募集要項に明確に挙げられているわけではないですが、採用に至った方々の職務経歴を見ると、法人営業として有形商材を扱ってきた経験者が多くを占めています。化学製品の営業経験があればもちろん歓迎されますが、営業対象や営業スタイルなどが共通していれば受け入れられる可能性があります。
選考段階で化学の知識を求められることは少なく、それよりも業界の商流を理解しているかどうかが重視されるのです。たとえば、造船・電機・自動車部品などのメーカーから化学メーカーへ転職を果たした事例もあります。
スピード感と粘り強さ、社内外の人々との連携力
化学メーカーの営業職の採用において、実は、経験・スキル以上に、人物面を重視する傾向があります。
半導体業界やディスプレイ業界を対象とする営業の場合、環境の変化やビジネス展開のスピードが非常に速いため、そのスピード感が求められます。また、顧客の細かな要望が次々と来るのに対し、丁寧に、粘り強く応えていく力も重視されます。
また顧客や社内関連部署と適切なコミュニケーションや連携をとり、関係を築ける人物であるかどうかが注目されます。顧客から意見や要望を受けた際、社内関連部署に伝え、対応策を協議して課題解決に導ける方は高く評価されるでしょう。
スピード・粘り強さ
半導体業界やディスプレイ業界を対象とする営業の場合、環境の変化やビジネス展開のスピードが非常に速いため、それについていけるスピードが求められます。
顧客の細かな要望に対し、粘り強く応えていく力も重視されます。
海外営業の場合は、対象国のマーケット・商慣習の知識
海外営業の採用においては、「語学力」はプラス評価となりますが、必ずしも必須とはされません。
たとえば中国市場であれば、日本語が話せる中国人を介して交渉を進めるといったケースが多いためです。
語学力以上に、対象国・エリアのマーケットや商慣習についての知識が求められます。
化学メーカー営業職の年収相場
化学メーカーの営業職の年収の相場は次のとおりです。
20代/年収500万~600万円
30代/年収600万~900万円(役職による)
40代/年収900万円~
中途採用においては、前職年収をベースに給与額が決定されることが多く、大きく年収アップするケースはあまり見られません。
しかしながら、同業界であっても年収水準が低い企業から高い企業に移ることで年収アップとなることもあります。たとえば、大手化学メーカーから大手化学メーカーへ転職した30代前半の方が、年収200万円ほどアップしたケースもあります。
また、リーダーやマネジメントの経験を持つ33歳~34歳の方の場合は、スタッフクラスではなく管理職として採用され、年収アップにつながることもあります。
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化学メーカー営業へ転職後の主なキャリア
化学メーカーに営業職として転職した場合、経験を積んだ先にはどのようなキャリアの可能性が広がっているのでしょうか。社内でマネージャーポジションへ昇進するほか、営業企画・マーケティング・事業企画などへ異動する道があります。また、海外に駐在して現地法人のマネジメントを手がける方もいます。
さらにその先に、転職によるキャリアアップはあるのでしょうか。
同業界他社の営業職への転職
業界・商材の経験を生かし、より規模が大きい企業、幅広い事業・製品ラインナップが揃っている企業に移る選択肢もあります。即戦力として評価されれば、年収アップがかなうケースが多いといえます。
異業界の営業職への転職
営業対象・営業スタイルが共通している異業界へ転職する選択肢もあります。
たとえば、自動車メーカーへの営業を経験した場合、業種や商材が変わっても、自動車メーカーを顧客とする企業に受け入れられる可能性があります。
エージェントを利用して取締役に就任
事業部長などマネジメント経験を活かして、取締役として手腕を発揮する選択肢もあります。社内で昇進する以外にも、ハイクラスの転職をサポートしている転職エージェントを利用すれば、役員クラスの求人の紹介もあります。非公開求人を保有する転職エージェントからは、収入面でも大きなステップアップを見込める求人が紹介される可能性もあります。
化学メーカー営業職の転職活動は、JACのコンサルタントとの対策を
一口に化学メーカーといっても、企業によって社風は大きく異なり、採用選考で重視しているポイントも異なります。応募先を選ぶ際には、自身のタイプや志向にマッチする企業を選ぶこと、その企業が重視する要素を理解したうえで面接対策を行うことが大切です。そのためにも、転職エージェントが持つ情報を活用しましょう。
JACでは、化学業界に専門特化したチームを設けています。専門コンサルタントは、業界・職種について深い知識を持ち、マーケットのトレンドを常に把握しています。採用企業とも密にコミュニケーションをとっているため、各社の採用背景、求める人物像もつかんでおり、その情報をもとに適切なマッチングが可能です。「この企業の面接では、このような質問をされる」といった情報もご提供できます。
なお、化学業界のビジネスはBtoBであり、一般にはなじみがない製品を扱うため、「なぜこの業界・製品に興味を持ったのか」についても面接で問われます。納得を得られるような志望動機を語るためには、業界研究・企業研究が必要です。それらの情報の入手にも、ぜひ、JACを活用してください。
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