人事戦略の新潮流「日本版ジョブ型雇用」で求められる人材とは? | 転職エージェントのJAC Recruitment(ジェイ エイ シー リクルートメント)

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人事戦略の新潮流「日本版ジョブ型雇用」で求められる人材とは?

 

雇用制度の変化を受け、コロナ禍にあってもR&D領域などの人材は需要が高まり続けている 

9月の決算を終え、コロナ禍における国内大企業の動向が明らかになってきました。企業によっては減収や業績悪化などの痛手を受けながらも、事業効率を見直したり、研究開発に新たな投資を試みたりと、それぞれの課題に取り組もうとしています。
人材ビジネス市場でも投資は加熱しつつあり、特にR&D領域などに対する求人はコロナ禍以前に比べても増加傾向です。求人の全体総数はピーク時の7割程度に減少しているにも関わらず、なぜR&D領域求人の需要が高まっているのでしょうか。

この背景には、雇用の流動性が低い日本型雇用制度――つまり、新卒一括採用・年功序列型賃金・終身雇用の3本柱による「メンバーシップ型雇用」を見直し、職務を明確にして専門的なスキルを持つ人材を通年採用する「ジョブ型雇用制度」を取り入れようという動きがあります。 ジョブ型雇用の導入については、経団連が2020年春季交渉指針の重点に置くなど、コロナ禍以前からデジタル化、グローバル化による企業の競争環境の変化に鑑みて提唱されてきました。 とはいえ、ジョブ型雇用は社員の解雇を容易にするため、日本全体に浸透させるには法的にも心理的にもハードルが高く、まだ一部の企業が動いているにすぎません。 少し大げさな表現ですが、こうした課題をクリアし、かつ旧来のメンバーシップ型雇用における長所を取り入れた「日本版ジョブ型雇用」を制度化できた企業が、2020年以降の人材戦略勝者になると考えられます。

自分のやるべきことやキャリアの方向性を見失うと「かくれ失業」に陥る

一方で、被雇用者側にはどのような変化が起こるのでしょうか。
業界再編や国際連携が進むとともに、企業は社会からコア・コンピタンス(core competence:企業の中核となる能力)やパーパス(Purpose:存在意義)が求められ、個人は企業から何の能力を売りとしてどの役割を担うのか、自らミッションを発見する力が求められます。
また、定年が70歳や75歳まで延長されていくと見られるなか、現在ベテラン・シニア層である50代は定年退職までの「逃げ切り期間」ではなく、キャリアの折り返し地点になります。こうした社員向けにキャリア支援施策を行なう企業もありますが、そのような例はまれです。会社から与えられるのではなく、自分で生涯のキャリアパスを考え、アクションを起こす時代になりつつあるのです。
加えてコロナ禍による働き方の変化や業務削減によって、自分のやるべきことや方向性がわからなくなる「かくれ失業」状態になる人も現れています。
こうした問題意識があってか、とあるMBAスクールでは今年度の入学者が倍増したといいます。オンライン授業の導入やテレワーク化で受講が容易になったこともあり、学び直しの機会を求める人が増えているようです。


高度IT技術やライフサイエンス領域でのグローバル人材採用にも新たな潮流が

外国人を対象とした求人数についても、コロナ禍による大きな影響は見られません。しかし、これまでインド、ベトナム、シンガポール、アメリカなどの有名大学に日本の老舗企業や大手メーカーが赴いて現地の新卒学生を採用してきた枠を、ミッドキャリア層の採用にあてる動きが出てきています。
その際、既に海外で働いている優秀な人材を日本へ招くため、給与体系から年収の上限を取り払うなど、これまでの慣例を取り払った募集も現れています。
会社全体の制度を切り替えることは難しくても、一部の研究開発職などで人事制度そのものを別に設定し、ジョブ型雇用を推進しているのです。
そうした動きはIT、AIのデータサイエンティスト職などに顕著です。日系企業であっても、転職市場のライバルがグローバル化する以上、自分自身もアップデートが必要です。
海外の人材だからといって生まれつき他の人に比べて優秀なわけではなく、目的意識とアイデンティティの確立、大量かつ質の高いインプットとアウトプット、国際的なコミュニケーション能力の高さによってハイクラス人材と評価されるのです。
この三点は自分自身のアップデートを促し、生涯のキャリアパスを発見するために重要になるので、詳しく解説します。

グローバルに活躍するため、強みを知り、強みを表現する

日本のビジネスパーソンに対する海外からの評価としてよく聞かれるのが「アイデンティティが確立されていない」という指摘です。個人の考えや教養面が鍛えられておらず、仕事に関する話以外は全くできないとなると、個性を重視し人として尊敬される要素を求めるグローバル・コミュニケーションの場では存在感を示せません。
また、コミュニケーションの基礎となる英語力は必須。世界中で研究・発表される最先端の情報や論文のほとんどは英文で、日本語話者も世界的に見ればほんの少数ですから、日本語のみのインプットでは、ごくわずかしか新しい情報を得られず、わずかな人間としか交流ができません。スキルがあってもインプット量に差があれば、当然アウトプットでも差が開きます。
日本が世界の最先端であるという感覚は捨てるべきですが、それでも日本企業特有の丁寧な仕事や、クオリティへのこだわりなどは、世界に誇れる長所です。こうした点を堂々と主張でき、競争で優位になるマネジメントを行える人材が必要とされているのです。
個人のアイデンティティという強みを持ち、自身が所属してきた企業の強みを客観的に知り、活用すること、その強みを表現できるだけの英語力を持つこと。この三点が重要なポイントです。

新たな雇用制度で活躍するには、時間とお金の自己投資が不可欠

ひとつの会社で終身雇用を頼りに生きるのは難しくなりますが、代わりにひとつの会社へ生涯を捧げる必要もなくなります。世の中が変化するならアクションを起こす。アクションとは自己投資であると考え、筆者自身も大学院で「日本企業の海外展開と人材確保」をテーマに研究を進めています。
転職のハードルはこれまでより高くなるかもしれませんが、同時に学べるチャンスが劇的に増えています。自己投資の結果、自分のビジョンが明確になれば、新たなジョブ型雇用に挑むのも良し、元の企業でより活躍するのも良いでしょう。キャリアの作り方を考えながら、自分の価値観や時間の中心を会社の外に置いてみることがアクションの第一歩です。

「日本版ジョブ型雇用」においても、日本企業が培ってきた長期的視点の人材育成力や、評価制度、上下スクリプションといった長所を練り込み、上司や人事が「良き相談者」になるのが理想的だと考えています。私たち人材エージェントのキャリアコンサルタントも、そうした社会的役割の一端を担うべく、多方面の企業人事と直接情報交換をしています。社外メンターとして、気軽に頼っていただければ幸いです。



※本稿は執筆者の個人的見解であり、ジェイエイシーリクルートメントの公式見解を示すものではありません。
(2020年10月)

この記事の著者

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佐原 賢治

海外進出支援室 室長

2000年1月入社。大阪、東京、福岡でコンサルタント(および管理職)として人材紹介に携わった後、2011年11月より現職

日経産業新聞コラム「HRマネジメントを考える」連載中



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