証券アナリストは転職で有利に働く?証券アナリストが生かせる最新求人も紹介

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公開日:2025/08/04 / 最終更新日: 2025/10/29

金融・投資のプロフェッショナルとして、証券分析や投資価値評価の知識・スキルを証明する資格である証券アナリスト。CMA(Certified Market Analyst)とも呼ばれます。

本記事では、証券アナリストが生かせる転職先候補や証券アナリストが生かせる最新求人・転職情報をJAC Recruitmentが解説いたします。

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証券アナリストは転職で有利に働くのか


証券アナリストは、公益社団法人日本証券アナリスト協会(SAAJ)が認定する日本の金融資格です。
証券アナリストは証券分析や財務分析、経済分析などの分野における高度な専門知識と分析技術を用いる能力に加え、高い職業倫理観を兼ね備えた専門家と位置づけられており、資格を取得するためには、CMA第1次レベル講座と第2次レベル講座を受講し、それぞれの試験に合格する必要があります。さらに、3年以上の実務経験を経て、日本証券アナリスト協会検定会員として入会した後、資格の取得に至ります。
試験では、証券分析とポートフォリオ・マネジメント、コーポレート・ファイナンスと企業分析、市場と経済の分析など、広範な知識が問われます。そのため本資格を有していると、金融業界を中心に高く評価されると考えられます。

2025年CMA第1次春試験合格者は、銀行、証券会社、生命保険の順となっており、大半が金融業界に在籍する受験者で占められています。転職市場においては、1次・2次試験のみの合格でも、試験勉強の過程で得た知識と学習努力が評価され、特に20代〜30代の若手層に関しては、ポテンシャルの裏付けとして加点要素になることがあります。ただし、正会員が得られる評価とは大きな差があるため、転職市場での優位性を高めたい場合は、実務経験を積むとともに早期の会員登録が望まれます。

出典:公益社団法人日本証券アナリスト協会

証券アナリストが生かせる転職先候補


本章では、証券アナリストが生かせる、次の4つの転職先候補について解説します。

● 金融機関(証券会社・銀行中心)
● コンサルティングファーム
● 一般事業会社の財務・経営企画職
● 商社

金融機関(証券会社・銀行中心)

証券会社や銀行などの金融機関は、証券アナリストの知識を直接生かせる転職先です。
証券会社では、リサーチ部門における個別企業や産業の分析・評価、投資銀行部門におけるM&Aアドバイザリーや資金調達支援、資産運用部門のファンドマネージャーやポートフォリオマネージャーとしての運用戦略立案などが主な活躍の場となります。銀行でも、法人営業部門での融資判断にともなう企業分析、市場部門での金融商品開発やディーリング、プライベートバンキング部門での富裕層向け資産運用コンサルティングなどで、証券アナリストの専門性が求められることがあります。

これらの業務では、財務諸表分析やバリュエーション、マクロ経済分析、金融市場の動向予測など、証券アナリストの取得過程で習得するスキルや能力が必須となるため、証券アナリスト保有者は即戦力として高く評価されます。

>>証券会社への転職は未経験で可能か?仕事内容や年収相場を解説
>>変革期の銀行業界、異業界・異職種からの転職は可能か?

コンサルティングファーム

証券アナリストは、戦略系や財務アドバイザリー系のコンサルティングファームでも高く評価される傾向があります。特に、事業戦略策定やM&A支援、バリュエーション業務などのプロジェクトでは、財務モデリングや産業分析といった高度なリサーチ力が求められますが、証券アナリストを取得する過程で養われる論理的思考力やデータに基づいた分析能力、財務モデリングスキル、企業や市場を多角的に評価する視点は、コンサルタントとしてクライアントの経営課題を解決に導く際に重宝するでしょう。
特に若手のキャリアチェンジや金融業界からのコンサルタント転身を検討する場合は、同資格の保有がほかの転職希望者と差別化を図る要素になることもあります。

>>コンサルティングファームの転職情報

一般事業会社の財務・経営企画職

一般事業会社の財務部門や経営企画部門も、証券アナリストの知識が生かせる領域です。各部門では、自社の財務戦略の策定・実行、M&Aや新規事業投資案件の評価・実行、予算策定と予実管理、詳細な経営分析や競合他社分析などの業務を担います。
業務の遂行では、資本市場の視点から自社の価値を客観的に評価し、最適な戦略を立案・提言する能力が求められますが、証券アナリストは資格取得の過程で必須となる能力を培っていると考えられます。また、投資家がどのような情報を求めているかを理解しているため、効果的なIR戦略を展開する際にも確かな貢献が期待できます。

>>財務の転職|年収相場・求められるスキルや経験を解説
>>経営企画の転職は難しい?年収相場、成功のポイントなどを解説

商社

総合商社や専門商社の投資部門、事業開発部門、財務部門なども、証券アナリストの専門性が生きる転職先です。商社の投資案件は規模が大きく、特に海外事業や資源関連などの業務においては、リスク分析にもとづいた意思決定が求められます。このため、企業評価やファイナンススキームの設計に強い証券アナリストは、プロジェクト評価や財務モデルの構築において即戦力となりえます。
加えて、商社の業務は金融のみならず実業にもまたがるため、財務分析と事業性の両面をバランスよく評価できる素養が必須となります。証券アナリストを保有していれば、単なる数字の分析にとどまらず、事業環境やマクロトレンドを考慮した多角的な判断が可能になるため、商社のように複雑な意思決定が求められる組織においては高い適性を示すことが期待できます。

>>商社の転職事情|年収相場や求められるスキル経験を解説

証券アナリストが生かせる最新求人・転職情報


証券アナリストの保有は、転職市場における優位性の確立にもつながります。近年の金融市場の複雑化やグローバル化、そして企業価値向上への意識の高まりを背景に、証券アナリストの専門性を求める企業は金融業界を中心に増加傾向にあります。

具体的には、証券会社のリサーチ部門における企業アナリストやストラテジスト、アセットマネジメント会社におけるファンドマネージャーやポートフォリオマネージャー、投資銀行部門におけるM&Aアドバイザーやエクイティ・キャピタリストといったポジションで、証券アナリストを歓迎する求人が多く見られます。また、銀行の市場部門や法人融資部門、生命保険会社や損害保険会社の資産運用部門、さらには監査法人系のFASやコンサルティングファームでも、企業分析、事業評価、投資戦略の立案などの業務において、証券アナリストをもつビジネスパーソンが歓迎されています。

なお、証券アナリスト資格は、歓迎要件の一つとして記載されていることも少なくありません。企業は、資格の保有そのものよりも、資格取得で得た知識を実務でどのように活用し、具体的な成果につなげられるのかという点を重視しています。そのため、転職活動では、期待される役割を見極め、自身のスキルと資格の関連性を具体的に示すことを意識しましょう。

ここからは、証券アナリストが生かせる最新求人・転職情報を紹介します。
なお、本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。JACが取り扱う求人は、大半が非公開となっています。そのため、非公開求人も含め証券アナリストが生かせる求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。
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※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年7月最新)

証券アナリストを生かした転職後の年収目安


厚生労働省が提供する職業情報提供サイト「job tag」によると、証券アナリストの平均年収は約903.2万円であり、専門性の高さが報酬に反映されている様子がうかがえます。ただし、本数値はあくまでも平均値であり、実際の給与水準は、勤務先の企業規模や業態、本人の経験年数や実績、そして担当する業務内容によって大きく異なります。

例えば、国内の大手証券会社や銀行、資産運用会社などの若手の証券アナリストは、年収500万円〜800万円程度が相場であり、経験年数を重ねることで着実な年収の増加が期待できます。また、外資系の金融機関や海外拠点で勤務する場合は、年収800万〜1,500万円を超える報酬水準も現実的であり、高度な語学力や海外市場に関する知見、国際的な会計基準への理解など、プラスアルファの能力があれば、さらに高額な報酬が提示されるケースもあります。
また、一部の証券会社や資産運用会社では、証券アナリスト保有者に対して報奨金制度や資格手当を設けており、企業が資格の価値を認識し、社員のスキルアップを奨励していることがわかります。

総じて、高い報酬を得られる可能性のある職種であり、継続的な自己研鑽と実績の積み重ねを通じて、さらなる年収アップを目指すことができます。

出典:「証券アナリスト」job tag(厚生労働省職業情報提供サイト)

【年代別】証券アナリストを生かして転職を成功させるポイント


ここでは、証券アナリストを生かして転職を成功させるポイントを、年代別に解説します。

20代で証券アナリストを生かして転職を成功させるポイント

20代は、高い学習意欲とポテンシャルが評価され、実務経験がなくても採用に至る場合があります。採用選考では、熱意と成長意欲が評価の対象になります。そのため、今後の成長を見込まれる段階で、資格に裏打ちされた分析力をどのように企業利益に還元できるかを、語れるようにしておくことがポイントです。

転職先を選定する際は、研修制度が充実しており、若手にも積極的に分析業務やリサーチの機会を与えてくれる企業を選ぶことを推奨します。例えば、大手金融機関のリサーチ部門アシスタントやアセットマネジメント会社のアナリスト候補などが、選択肢となるでしょう。

30代で証券アナリストを生かして転職を成功させるポイント

30代は、証券アナリストとしての専門性と実務経験が一定レベルに達し、即戦力としての活躍が期待される年代です。転職先候補としては、バイサイド・セルサイド問わずアナリストやファンドマネージャー、さらにはコンサルティングファームでの金融セクター分析職など、より専門性の高いポジションへの転職が視野に入ります。さらに金融以外にも、事業会社のIR部門や経営企画部門からのニーズもあります。
選択肢が多岐にわたるため、転職活動では、これまでのキャリアに対する自己理解と、転職先でどのような価値を提供できるのか具体的に示すことを意識しましょう。

なお、転職先の選定では、自身の専門分野をさらに深掘りできるポジション、あるいはチームリーダーとして後進の指導にもかかわれるようなステップアップが可能な環境など、自身の思い描くキャリアに合致する求人に絞り込むことが大切です。

40代で証券アナリストを生かして転職を成功させるポイント

40代になると証券アナリスト資格の保有だけではなく、高度な専門性や実務経験が求められるようになります。
特にエクイティリサーチや業界別分析、ポートフォリオ構築などに関する深い知見をもち、過去に企業への投資判断を的確に下してきた経験がある場合、金融機関や資産運用会社における上級職やシニアアナリストなどが転職先の候補になりえます。さらに40代は経営視点での提案が求められる立場でもあるため、分析力だけでなく、戦略的思考や部門の収益性改善への貢献度を示す実績が不可欠です。

証券アナリストを取得していることは、専門性と倫理観をもち合わせたプロフェッショナルであることの証となり、信頼性の高い転職希望者として評価されるでしょう。ただし、転職活動では、その信頼性に加え、過去の成果を応募先企業でも再現できる旨を訴求できるよう、過去の事例を交えながら強みをアピールすることが大切です。

50代で証券アナリストを生かして転職を成功させるポイント

50代の証券アナリストは、長年のキャリアで培われた深い洞察力、広範な人脈、そして組織運営に関する豊富な知見が強みとなります。証券アナリストは、その専門性の裏付けとして機能しますが、企業は50代の証券アナリストに対して、これまでの経験を生かして企業や組織にどのような貢献ができるかという点を重視します。そのため、採用選考では、これまでのキャリアでどのような価値を創造してきたのか、そして新しい環境でその経験をどのように生かせるのかを具体的に示せるよう準備しておきましょう。また、自身の知識やスキルをアップデートし続ける意欲や、次世代に自身の知見を継承していく姿勢を示すことも不可欠です。

転職先としては、企業の顧問やアドバイザー、社外取締役などの立場で経営に参画する道、これまでの知見を生かして若手アナリストの育成・指導にあたるメンター的な役割が考えられます。さらに、特定の専門分野におけるコンサルタントとして独立する選択肢もあり、証券アナリストの知見と経験を生かせる転職先は多様化しています。

証券アナリスト保有者の転職事例


本章では、JACが提供する転職支援サービスを利用し、転職を成功させた証券アナリスト保有者の事例を紹介します。

プレイヤーとしての専門性を追求するため、証券アナリストを生かし損害保険業界に転職した事例

Tさん(40代前半/男性)

 業種職種年収
転職前生命保険クオンツ・アクチュアリー1,000万円
転職後損害保険クオンツ・アクチュアリー1,350万円

Tさんは、これまで金融業界にて、市場リスクの定量分析や数理モデルの開発といった高度なクオンツ業務に従事してきた実績を持ちます。現職ではマネージャーとしてチームマネジメントにも携わっていたものの、プレイングポジションとして自身の専門性を発揮したいという思いが強くなり、自らの専門性をより一層深められる環境を求めて転職を決断しました。

転職先を選定する際に重視したポイントは、自身の専門性を追求できる環境であること、そして自身が培ってきた知識を発信できる場があることでした。当初はコンサルティングファームや監査法人を中心に検討していましたが、自身の「できること」を生かせる金融機関にも目を向け、幅広い領域から応募先企業を絞り込んでいきました。

JACのコンサルタントは、Tさんの「プレイヤーとして専門性を追求し、自身のアイデアを発信したい」という希望を踏まえつつ、プレイヤーとして専門性を磨きながらも経営に近い立場で定量評価を担えるクオンツ・アクチュアリー職の求人を提案しました。

Tさんは、自らの専門性を社会に還元するキャリアを実現できる環境や、柔軟な働き方も可能な風土に惹かれ、同ポジションへの転職を決意し、新たなキャリアを歩み始めています。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

証券アナリストなどの知見が評価され、コンプライアンス統括に転職した事例

Yさん(50代後半/女性)

 業種職種年収
転職前金融リスク管理750万円
転職後商社内部統制・監査1,200万円

長年にわたり金融機関でキャリアを築いてきたYさんは、市場フロント業務からリスク管理など、幅広い業務に従事してきました。役職定年を迎え業務の負荷が軽減される一方で、自身のこれまでの経験をより能動的に生かせる環境で再チャレンジしたいという意向が芽生え、転職活動を開始しました。

転職にあたっては、これまでの業務経験との親和性を重視しつつも、金融業界に限定せず、製造業やエネルギー関連など異業種への関心ももち合わせており、幅広く転職先を検討したとのことです。
JACのコンサルタントは、Yさんの市場業務に対する深い理解と証券アナリストに裏付けられた専門性、コンプライアンス領域での実務経験を高く評価し、制度設計や監視体制の整備を主導するポジションを提案しました。業界特有の取引慣行や規制要件への理解が求められる難易度の高いポジションではありましたが、Yさんのバックグラウンドと課題解決能力が評価され、見事に内定を獲得できました。

本転職事例は、豊富な経験と専門性を生かし、業界をまたいで活躍の場を広げ、大幅な年収アップも実現した好例といえます。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

リテール営業から証券アナリスト取得などの向上心が見込まれ、金融事業法人営業に転職した事例

Aさん(20代後半/男性)

 業種職種年収
転職前証券リテール営業500万円
転職後証券法人営業750万円

証券会社でリテール営業に従事していたAさんは、今後のキャリアを見据え、法人営業への転身を決意しました。
現職では、投資信託や仕組債などの有価証券販売を中心に実績を積み、着実な成果を上げていましたが、営業活動を通じて企業経営そのものに携わる業務への関心が高まったといいます。より高度な提案力と分析力を追求できる業務に挑戦したいという思いが後押しとなり、転職活動を開始しました。

転職活動では、現職で培った営業力と証券アナリスト試験の1次合格という専門性を生かせる領域を中心に、企業の資本政策や財務戦略に関与できる業務を希望したとのことです。JACのコンサルタントは、Aさんの金融機関でのリテール営業経験や証券アナリスト試験で培われた金融商品の知識を評価し、証券会社の法人営業求人を提案しました。
成長意欲とリテール営業で培った知見が評価され、総合RMとしての転職を実現したAさんは、法人顧客との長期的な関係構築を通じて、より本質的な経営支援に携わることを目指します。
今回の転職は、キャリアビジョンを明確にもち、積極的に新たな挑戦をすることで、希望するキャリアパスを実現できた好例です。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。