50代の営業転職事情|平均年収や求められるスキル経験を解説

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公開日:2025/10/31 / 最終更新日: 2025/10/31

営業職における50代の転職市場は、かつて「年齢の壁」が指摘されていた領域です。しかし近年は、企業の労働力不足や高度な営業力をもつベテランへのニーズ拡大により、その価値がいっそう高まっています。長年の経験や人脈を武器に、新たな市場開拓やマネジメントポジションなど、キャリアアップのチャンスが広がっているのが特徴です。

本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)が保有する転職支援データをもとに、50代営業職の最新市場動向、年収水準、求められるスキルや経験、そしてさらなる成長につながる転職のポイントを解説します。

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50代の営業転職現状

近年、50代営業職の転職市場は、従来の枠を超えて広がりを見せています。採用は単なるスタッフの補充ではなく、事業成長や組織変革を担えるスペシャリストの確保に直結しており、特に以下のような傾向が顕著です。

・業界の広がりと専門性活用

自動車、不動産、医療、製造業など、多岐にわたる業界で営業職の採用が活発化しています。当社で支援した転職事例においても、医療機器メーカーからIT業界への転職など、業種を越えたキャリアチェンジが見られ、専門知識や顧客対応力を新たな分野で活かす動きが広がっています。  

職種の多様化と戦略性の重視

営業スタイルは従来のルート営業にとどまらず、ソリューション営業や新規事業開発、海外エリア担当など、より戦略的な役割へとシフトしています。50代には「営業管理職」「IT営業」「リテール営業」といったポジションで、個別の売り上げ貢献だけでなく、組織や事業全体をリードする役割が期待されています。

企業の採用姿勢の変化

50代営業職の募集背景には「定年退職予定者の後任確保」や「体制強化」「グローバル展開」などが多く見られます。特徴的なのは、短期的な即戦力だけでなく、中長期的な事業展開を見据えたキャリア形成支援を重視している点です。50代の経験者に対しても、次世代リーダー育成や持続的成長の一翼を担わせたいという姿勢が表れています。

成長戦略に直結する求人背景

新規事業立ち上げ、営業体制の再構築、事業拡大や海外展開など、企業の成長戦略と直結した採用が目立ちます。こうした背景を踏まえると、50代の営業職には「過去の経験を基盤に、新しい環境に柔軟に対応できる力」が不可欠です。

50代営業職の転職市場では、業界の拡大や職種の多様化が進み、企業は営業スキルだけでなく、変革を推進する力をより重視しています。そのため、50代は豊富な経験と高い柔軟性を活かし、今なお高い市場価値を持つ世代といえるでしょう。  

50代の営業転職で求められるスキル・経験・マインド

50代営業職の転職市場では、若手や中堅と同じ「営業力」だけでは差別化できません。企業が採用で重視するのは、長年のキャリアで培った専門性、組織を動かすリーダーシップ、そして変革を推進する力です。ここでは、50代営業職が転職時に求められる経験・能力を3つの観点から整理します。

1.専門性の深化×高度な技術理解

50代営業職の転職市場では、BtoB商材に関する専門知識や業界特有の技術理解が強く求められます。製造業や自動車部品、医療機器といった分野では、素材や部品に関する知識を踏まえた提案力が必須です。また、デジタル化やDXの進展に対応できる柔軟性も欠かせません。
以下のような「専門性の深さ」と「技術変化への適応力」の両立が、50代の営業職としての強みをさらに高めます。  

・自動車部品や医療機器など製造業系での深い製品・材料知識
・DX推進や新技術導入に関わる営業プロセス改善経験
・IoTやAI、データ分析を活用したソリューション営業経験

2.グローバル対応力×語学力

外資系や海外展開企業の増加により、グローバル市場で活躍できる営業職が強く求められています。特に、10年以上の営業経験と英語力を掛け合わせ、海外拠点の強化や輸出入業務を担える方は即戦力として評価されます。
単なる語学力だけでなく、以下のような「グローバル市場で成果を出せる力」が求められるのが特徴です。  

・英語を用いた商談・交渉経験(ビジネスレベルが歓迎要件)
・欧州やアジアでの駐在・赴任などグローバルビジネス経験
・海外パートナーや顧客との折衝をリードした実績

3.リーダーシップ×組織変革力

50代の営業職は、「プレイヤー」としてだけでなく、「組織を動かす存在」としての役割が期待されています。採用の背景としても、営業部門の再編や新規事業展開を推進できるマネジメント層のニーズが高まっています。  
以下のような、「既存営業の維持」ではなく「営業体制の再構築や変革をリードできるスペシャリスト」を企業は求めています。

・10年以上の営業経験を活かしたチームマネジメント・育成力
・営業戦略立案やP/L責任をともなう事業運営経験
・組織横断的なプロジェクトを推進したリーダーシップ

このように、50代営業職の転職では「専門性の深化」「グローバル対応力」「組織変革を担うリーダーシップ」の3点が重視されます。単なる経験年数にとどまらず、企業の変革を推進する存在としての役割が期待されています。  

50代営業の平均年収は902.5万円

■50代全体の平均年収

902.5万円

JACの実績データによると、営業職における50代の平均年収は902.5万円です。この水準は、一般的な営業職の40代平均(約650万円)と比べて約250万円高く、マネジメント経験や専門性の向上が報酬に反映されていることがわかります。

■役職別平均年収

役職区分平均年収
課長未満765.4万円
課長以上907.2万円
部長以上1,084.7万円
本部長以上1,594.4万円

50代の営業職は、役職が上がるごとに年収が大きく伸びるのが特徴です。特に本部長級になると、平均年収は1,600万円近くに達します。これは、経営層に近いポジションで、会社全体の戦略の策定や意思決定に携わり、事業推進の重責を担うため、その責任の大きさが高い報酬に反映されていることが理由です。

■企業属性別平均年収

企業タイプ平均年収
外資系1,129.0万円
日系828.2万円

外資系企業の50代営業職では、成果主義が根付いた報酬体系が一般的です。短期間での業績や、プロジェクト単位の貢献が年収へダイレクトに反映されるため、個人の成果によって高収入を実現しやすい傾向があります。

一方、日系企業では昇進や職責の拡大に応じて年収が安定的に上昇し、長期的な視点でキャリアを積み重ねる働き方が特徴です。どちらの企業タイプも特性が異なるため、志向や働き方に合わせて選択する必要があります。

■転職者が多い職種別平均年収(抜粋)

職種名平均年収
IT営業1,427.8万円
MR744.7万円
アカウントエグゼクティブAE(営業)・アカウントプランナー1,264.4万円
エリアマネージャー・スーパーバイザー1,238.2万円
ストアマネージャー・店舗責任者789.8万円
営業管理職1,085.1万円
リテール営業653.8万円
医療機器営業854.9万円

職種別の平均年収を見ると、高度な専門知識やマネジメント力が求められるIT営業やアカウントプランナー、エグゼクティブなどが高年収帯に集中しているのが特徴です。特に、IT営業では約1,400万円、アカウントエグゼクティブ(営業)やプランナーも1,200万円を超えており、専門性や実績が収入に直結する傾向がみられます。  

一方、MR(医薬品営業)、医療機器営業、エリアマネージャーなども専門領域の知識が年収に直結し、高い市場価値を持っています。営業管理職や店舗責任者などマネジメント層も年収水準は高く、職種によって転職市場での評価額が大きく異なります。

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50代営業の転職を成功させる5つのポイント

50代の営業職が転職を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

・業界特化型専門性と技術変化対応力の両立

・グローバル案件対応力と語学力による市場価値の最大化

・プレイングマネージャーとしてのリーダーシップと組織変革推進力

・柔軟な条件設定と自分らしいキャリア選択

・転職エージェントの活用

ここから、各ポイントについて解説します。

1.業界特化型専門性と技術変化対応力の両立

50代営業職の転職では、単なる営業力を超えて長年培った特定業界の深い専門知識や、素材・部品・医療機器といった技術分野の課題を理解したうえで提案できる力が重要視されます。また、DXやIoT、AI活用など新技術の導入に関わる業務改善経験やソリューション営業実績も即戦力として評価されるため、これまでの経験を転職先の業界課題にどう還元できるか、具体的に語ることが不可欠です。

2.グローバル案件対応力と語学力による市場価値の最大化

外資系企業や海外展開が進む日系企業では、これまでの営業経験と語学力を活かし、海外拠点の立ち上げ・現地商談・多国籍パートナーとの関係構築など国際ビジネスの実績が評価されます。「英語を使う商談ができる」「異文化の商習慣に対応できる」「グローバル組織で成果を出した」など、市場価値を高める経験を積極的にアピールすることが大切です。

3.プレイングマネージャーとしてのリーダーシップと組織変革推進力

50代営業職には、単なるプレイヤーとしての強みだけでなく、部門横断プロジェクトや営業部門の再編、新規事業推進など組織変革を主導したマネジメント経験が求められます。自社や取引先を巻き込み事業成長を牽引したリーダーシップ・育成・戦略立案の経験を定量的な実績で示し、「営業体制変革を担う存在」として明確に差別化しましょう。

4.柔軟な条件設定と自分らしいキャリア選択

50代営業職の転職では、従来の得意先や既存業界へのこだわりだけでなく、新規分野への挑戦や、これまでにない営業スタイルへの柔軟なシフトが求められます。ルート営業や法人営業経験だけでなく、インサイドセールスやデジタル営業、コンサル型提案営業など新しい商材や営業手法にも積極的に挑戦し、培った経験を異業種や異業態にも応用する意識が大切です。

また、ポジションや収入の維持に過度にこだわるのではなく、自身の営業力を新しい市場や分野でどのように発揮できるかを考え、現場ニーズと自分の強みを柔軟に結びつける姿勢が、50代営業職の転職成功を後押しします。  

5.転職エージェントの活用

50代営業職が転職市場で最大限に価値を発揮するには、転職エージェントを活用し、高度専門系の非公開求人を狙うことが有効です。履歴書添削や面接対策、企業との条件交渉サポートなどのプロの知見を取り入れることで、年齢や役職に見合った新たな選択肢と出会うチャンスを確実に広げましょう。

50代営業の転職成功事例

ここからは、JACを活用した50代営業職の転職事例をご紹介します。

Cさん(男性/50代後半)

業種職種年収
転職前医療機器メーカー営業部長1,500万円
転職後IT・ソフトウェア営業統括部長2,100万円

Cさんは長年にわたり営業分野で豊富な経験を積み、国内外の市場開拓や事業拡大に取り組んできました。直近では複数の事業部と大規模な組織を管轄し、海外企業との協業による収益向上や社内体制強化をリード。BtoB営業を通じて培った提案力や交渉力に加え、海外赴任経験もあります。

前職では、海外本社と国内組織との方針の違いから意思決定が進みにくく、よりスピード感ある事業展開を志向。提案型営業やコンサルティング営業で自身の強みを発揮できる環境を求め、転職活動を開始しました。

JACのコンサルタントは、Cさんの「幅広い営業マネジメント経験」と「グローバル案件を推進できる力」を高く評価。その強みを活かせる舞台として、外資系IT・ソフトウェア企業の営業部長ポジションを提案しました。結果として、豊富な営業経験をさらに発展させ、グローバル市場で成果を上げられる新たなキャリアを実現しています。

50代営業の転職ならJAC

 JACは、50代営業職の転職支援において、管理職・エグゼクティブ・専門職領域のサポート実績が豊富です。各業界に精通したコンサルタントが、長年にわたり企業の採用課題を把握し、採用責任者と信頼関係を築いているため、部長・事業部長・執行役員などの上級ポジションへの紹介も多数行っています。  

特に、海外拠点やインターナショナルな領域にも強みをもち、国内外のハイクラス・ミドルクラス求人に幅広くアクセス可能です。営業経験を活かして新たな管理職や専門職への挑戦を目指す50代の方には、質の高い転職支援と豊富な求人提案が大きな魅力となります。

50代営業職での転職をお考えの方は、ぜひJACにご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

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当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。