総務職の転職事情|年収相場や求められるスキル経験を解説

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公開日:2025/06/05 / 最終更新日: 2025/06/05

働き方の多様化や業務のデジタル化が進む中で、その役割がさらに重要性を増している職種の一つ、総務職。特に、総務職・庶務・ファシリティ関連の業務が増加しており、これにともない総務職の需要が急増。 求人市場においては、経験者・未経験者ともにニーズが高まっています。

ここでは、JAC Recruitment(以下、JAC)のコンサルタントが、総務職の年収相場や求められるスキル経験を解説します。

総務職の転職動向


特に、成長企業や業界のリーディングカンパニーにおいては、新規事業や海外展開にともないバックオフィスの体制強化が求められ、総務職・庶務・ファシリティ管理のニーズが高まっています。

2025年の求人動向では、2023年の新規求人数と比較して1.3倍以上に増加しており、採用意欲が強まっているのが特徴です。業種別では、自動車業界、人材派遣、教育、人材紹介、医療機器、土木など幅広い分野で求人が増加しています。仕事内容としては、従来の庶務業務に加え、リスク管理やガバナンス、ファシリティ管理など業務範囲の拡大が顕著です。

当社の実績では、転職を成功された方の年代は30代中盤~50代前半と幅広く、課長未満から部長クラスまで多様なポジションで採用されており、業界を問わずニーズが存在している状況です。総務職は「守り」と「攻め」のバランスを求められ、組織の基盤を支える重要な役割として今後も需要が続くといえるでしょう。


総務職の転職時には、以下のようなスキル・経験・マインドが求められます。

・プロジェクトマネジメント力
・高度なコミュニケーション・調整力
・サステナビリティ・ESG関連の知識
・英語力
・リスクマネジメント・コンプライアンス知識

ここから、それぞれの内容を解説します。

プロジェクトマネジメント力

総務職では、プロジェクトマネジメント力が重視される傾向です。総務職はオフィス移転、ファシリティ管理、社内イベント運営、コンプライアンス強化など、多岐にわたるプロジェクトを推進する役割を担います。

そのため、計画立案から進捗管理、社内外の関係者調整まで一貫して対応できる能力が欠かせません。特に、10名以上のチームや複数部署を横断するプロジェクトの経験は高く評価される傾向がみられます。

近年、総務職部門でもサステナビリティやESG(環境・社会・ガバナンス)推進の役割を担うケースが増えています。そのため求人においても「サステナビリティ・ESGに関する業務経験」や「関連施策の企画・運営経験」が求められる傾向です。

また、CSR報告書の作成や社内の意識啓発、外部開示対応などに関する知識・経験があると、企業の持続可能性強化に貢献が期待できるとして歓迎されます。

総務職では、社内外の幅広い関係者との調整業務が発生するため、コミュニケーション能力が必須です。多くの企業の求人において「対人折衝」「関係構築」が求められており、社内各部門や外部業者、役員層など多様な相手と円滑な関係を築ける力が重視されています。

特に、意見が異なる場面で合意形成を図る調整力や、柔軟な対応力が求められる傾向です。

近年、総務職部門でもサステナビリティやESG(環境・社会・ガバナンス)推進の役割を担うケースが増えています。そのため求人においても「サステナビリティ・ESGに関する業務経験」や「関連施策の企画・運営経験」が求められる傾向です。

また、CSR報告書の作成や社内の意識啓発、外部開示対応などに関する知識・経験があると、企業の持続可能性強化に貢献が期待できるとして歓迎されます。

グローバル企業や海外取引のある企業の総務職では、英語力も重要視されています。具体的には「TOEIC800点以上」もしくは「同等の英語力」が求められる記載があり、契約書の英訳や海外拠点とのやり取り、外資系ベンダーとの折衝などに対応できる語学力が求められる傾向です。

従って、日常会話に加え、ビジネス英語での読み書き能力があると、活躍の場が広がるでしょう。

総務職には企業全体のリスク管理や、コンプライアンス強化の推進役も期待されています。当社実績でも「リスク管理」「コンプライアンス推進」などが求められる求人が多く、労務管理や社内規程の整備、防災・危機管理計画の策定などに関わる経験・知識が求められる傾向です。

また、法令順守に基づくルール整備や社内教育の実施経験は、組織の信頼性向上に貢献できるスキルとして重視されます。

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総務職の想定平均年収は694.0万円


JACの実績※では、総務職の平均年収は約694.0万円です。年収のボリュームゾーンは550万円~800万円となっています。下記の表は年代別の平均年収ですが、企業規模や担当する領域、これまでのご経験によって、20代でも年収が700万円を超えるケースや30代・40代で年収1,300万円以上のケースもあります。

役職平均年収
メンバークラス614.4万円
管理職823.4万円
平均年収
日系企業679.3万円
外資系企業793.9万円

なお、一般的な市場における総務職の年収相場は、488万円~512万円前後です。20代前半では350万円前後、30代で430~450万円、40代で500万円台、50代では600万円を超えるケースが多いです。


本章では、総務職の最新転職・求人情報を紹介します。

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年5月最新)

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総務職への転職で有利となる資格


総務職への転職で必須となる資格は特にありません。しかし、以下の資格を取得していると有利になる可能性があります。

・プロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP)
・リスクマネジャー
・ファシリティマネジャー

ここから、各資格の内容を解説します。

PMPは、プロジェクトマネジメント分野で世界的に認知されている資格です。オフィス移転、設備導入、福利厚生改善など、総務職領域でも大小さまざまなプロジェクトが発生する中で、計画立案、進捗管理、関係者調整、リスク対応などを体系的に管理できる能力が評価されます。

当社の実績では、特に複数部署を横断するプロジェクトをリードした経験者が求められる傾向です。取得にはPMI指定の35時間公式研修と実務経験が必要で、試験は英語中心、合格率は60%程度と中難易度といえるでしょう。1年ほど計画的に学習するのが一般的です。

リスクマネジャーは、企業活動のあらゆるリスク(法令違反、災害、情報漏えいなど)に対して適切な管理体制を構築できる能力を証明します。総務職部門では防災訓練の企画、BCP策定、社内規程整備、契約リスク管理など、組織の基盤を支える役割で重要視される傾向です。

当社の実績では、内部統制やガバナンス対応を強化する企業でニーズがみられます。資格取得には協会指定の講習受講が必須で、試験は1~2カ月の短期準備で受験可能です。比較的取得しやすい資格といえます。

ファシリティマネジャーは、建物・設備・空間の管理を通じて施設の価値最大化と快適性向上を担う専門家に必要とされる資格です。オフィス移転やレイアウト変更、省エネ設備導入など、総務職領域で求められる設備管理スキルの証明となります。

当社の実績では、ファシリティ業務の内製化や、外部委託管理責任を担う総務職で求められる傾向です。試験は年1回、合格率約30%で難易度は中程度。講習受講に加え半年~1年の学習が求められます。

総務職のキャリアパス


総務職の業務は多岐にわたるため、そのキャリアパスも多彩です。ここでは、5つのキャリアパスをご紹介します。

1つの企業に長く勤め、総務職領域の幅広い業務経験とノウハウを蓄積し、社内の頼れる存在となることを目指すことは、総務職のキャリアパスとして一般的です。安定志向で、組織の一員として深く関わりたい方に向いています。

日々の業務を着実にこなし、社内の人間関係や業務フローを把握しながら、必要な知識やスキルを計画的に習得していくことが重要です。経験を重ねることで昇進のチャンスも広がり、年収アップや役職獲得につながります。

総務職としての経験を生かし、経理や人事など、ほかの管理部門も経験しながら、バックオフィス全体のマネジメントを担うポジションを目指すキャリアパスもあります。幅広い業務に関心があり、マルチタスクや調整役が得意な方に向いています。

ジョブローテーションや異動制度を活用し、複数部門の実務を経験しながら、マネジメントスキルや全社的な視点を身につけることがこのキャリアの一般的なステップです。

企業の課題解決や業務改善に積極的に取り組み、経営層をサポートする戦略総務職を目指すことも1つです。変化を楽しみ、課題発見・提案型の働き方をしたい方に向いています。

総務職業務の基礎を固めたうえで、経営知識やデータ分析力を磨き、資格取得や新しい施策の提案・実行などに積極的にチャレンジすることが必要です。経営陣との連携を深めることで、企業の中核を担う責任者として活躍できます。

総務職で培った経験を生かし、法務や人事など特定分野のスペシャリストとしてキャリアを築くキャリアパスもあります。専門知識を深めたい方や、特定分野でのプロフェッショナルを目指す方に適しているでしょう。

総務職業務の中で興味のある分野を見極め、関連する資格取得や実務経験を積み重ねていきます。長期的な視点でスキルアップを図ることで、専門職への転身や大企業へのキャリアアップも可能です。

総務職部門や他の管理部門での豊富な経験を生かし、最終的に最高管理責任者(CAO)や経営幹部として企業全体の戦略や組織運営に携わるキャリアです。高いリーダーシップや経営視点を持ち、組織全体を俯瞰できる方に向いています。

総務職部門でマネジメント経験を積み、他部門の知識や経験も広げながら、経営層との接点を増やしていくことが重要です。エグゼクティブ系の転職サービスの活用も現実的な選択肢となります。


総務職は、企業運営の根幹を支える「縁の下の力持ち」でありながら、近年ではガバナンス・コンプライアンス・リスクマネジメントといった経営に直結する領域への関与も求められています。特にハイクラス層においては、単なる業務遂行能力だけでなく、戦略的視点と変革推進力が問われるポジションです。

以下では、ハイクラス転職を目指す方が総務職で真に価値を発揮するために押さえるべき5つの戦略をご紹介します。

・経営視点での業務整理と成果の可視化
・「調整力」「折衝力」は経営貢献の証として語る
・英語力や資格で差別化する
・「変化対応力」はDX・ガバナンス改革の文脈で語る
・転職エージェントを活用し、企業とのミスマッチを防ぐ

ここから、各ポイントについて解説します

総務職は「何でも屋」ではなく、「経営インフラの設計者」としての役割が期待されています。職務経歴書では、単なる業務リストではなく、法務・労務・規程整備・株主総会運営などの実績を、数値や成果指標とともに明示しましょう。

例:

「社内規程の整備プロジェクトを推進し、内部統制監査の指摘件数をゼロに改善」
「株主総会運営において、議案準備から当日運営までを一貫して主導し、想定所要時間を20%短縮」

総務職は、社内外の多様な関係者と関わりながら物事を推進するポジションであるため、「調整力」や「折衝力」が重視されます。自己PRでは「誰と」「どのような利害を調整し」「どのような成果を出したか」を、経営インパクトとともに語ることが重要です。

単に「調整が得意」と表現するのではなく、難航したプロジェクトや利害の異なる部門間で合意形成した事例などを用意し、説得力を持たせましょう。

例:

  • 「新制度導入に際し、現場部門と経営層の意見を調整し、導入スケジュールを3カ月前倒しで実現」
  • 「複数部門の利害が対立する中、合意形成を図り、全社的な業務フロー改善を推進」

総務職でも、外資系企業やグローバルに展開する企業では語学力が求められることがあります。また、ESGやサステナビリティ関連の業務を担当する機会が増えており、これらに関する知識が評価される傾向です。

当社の実績では、TOEIC800点以上の英語力や、内部統制、コンプライアンス、ESG推進に関する知識を有する方が求められています。語学力や資格は履歴書の資格欄に記載するだけでなく、職務経歴書の業務内容に「英語を活用した業務経験」や「資格を生かした実務経験」を盛り込むと、書類での差別化を図ることが可能です。

近年、総務職部門でも業務改善やDX推進、組織再編といった変革の波が押し寄せており、総務職は、変革の最前線に立っているといえます。例えば、業務マニュアルの整備や新規制度の導入、社内の業務フロー改善プロジェクトをリードした経験のある方が求められる傾向です。

面接では「既存のやり方に疑問を持ち、改善提案を行った経験」や「異なる部署・立場の人と協力して変革を成し遂げたエピソード」を伝えることが重要です。日々変化する環境において、自ら課題を見つけ、主体的に行動できる人物像が求められており、「指示待ち型」ではなく「提案型」であることを示さなくてはなりません。

総務職は企業規模や業種、組織体制によって担当範囲や求められるスキルが大きく異なります。そのため、自力で求人情報を集めるだけでは、企業とのミスマッチを回避することは困難です。

JACなどの転職エージェントを活用することで、求人票では分からない「実際の業務内容」「職場の雰囲気」「求める人物像」といった情報を得られ、応募先企業に合わせた書類作成や面接対策を効率的に実施できます。さらに、非公開求人へのアクセスや、条件交渉の代行など、転職活動を効率化・高度化できる点も大きなメリットです。総務職特有の業務領域を理解してくれる担当者に相談することで、理想の職場に出会える確率が高まるでしょう。

総務職の職務経歴書の書き方はこちら

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総務職の転職事例


ここからは、JACを活用して総務職へ転職した事例をご紹介します。

豊富な実務経験を生かし、専門性を深める領域ポジションへの総務職転職に成功

Dさん(男性/30代後半)

業種職種年収
転職前日系中堅企業総務職・人事600万円
転職後日系中堅企業総務職・人事800万円

Dさんは、労務分野での専門性を高め、実務経験を積み重ねたいという強い意志から転職を決意されました。これまで営業職からキャリアをスタートし、現職では人事企画部長として人事・総務職業務を幅広く担当。特に労務領域では人件費予算策定、就業規則改定、勤怠管理、労務相談対応、社労士との連携などを実務で担い、加えて株式実務や報酬委員会、株主総会対応など総務職業務にも携わるなど、実務とマネジメント双方の役割を果たしてきました。

一方で、人事総務職業務全般を兼務しながらもプレイング中心の業務体制に課題を感じ、自身の専門性を深める環境を求めてJACに相談。コンサルタントはDさんの豊富な実務経験を評価し、今後労務領域を軸に成長が見込めるポジションを提案しました。結果として、年収は600万円から800万円へとアップし、人事労務の実務経験をさらに広げられる企業への転職を実現できました。新たな環境で専門性を磨くキャリアをスタートされています。


総務職の仕事は、社内外の多様な部門や経営層、従業員と密接に連携しながら、組織運営の根幹を支える役割を担います。業務範囲が広く、法務や人事、庶務、ファシリティ管理など責任も大きいため、専門性と調整力が欠かせません。

JACは、各業界や職種に特化した専任コンサルタントが多数在籍しています。企業の採用責任者と直接やり取りし、現場のリアルなニーズや選考ポイントまで把握しているため、転職希望者一人ひとりに合わせた具体的なアドバイスや選考対策が可能です。

また、書類作成や面接準備、条件交渉、入社後のフォローまで一貫したサポートを受けられる点も大きな特徴です。総務職でキャリアアップや新たな挑戦を目指す方は、ぜひJACへご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。