アクチュアリー職の年収ガイド｜平均年収・年代別・役職別・成功事例を解説

アクチュアリーは、保険・金融業界において数理的な専門知識を活かし、リスク評価や商品設計などを担うプロフェッショナルです。近年ではERM（統合的リスク管理）やIFRS対応など、専門性の高い領域での活躍が求められ、年収水準も高まっています。

本記事では、JAC Recruitment（以下、JAC）の成約データをもとに、アクチュアリーの平均年収や年代別・役職別・領域別の年収傾向を詳しく解説します。

アクチュアリー職の平均年収は929.4万円、年代別年収も解説

JAC の成約データによると、アクチュアリーの平均年収は929.4万円。年収のボリュームゾーンは800万円〜1,000万円で、特に30代後半〜40代にかけて年収が大きく伸びる傾向があります。企業規模や担当領域、専門性によっては1,500万円以上のオファーが提示されるケースも珍しくありません。

アクチュアリー職には、保険数理やリスク管理、ERM（統合的リスク管理）など高度な専門性が求められるため、年齢や経験年数だけでなく、資格の取得状況や業務領域の広さが年収に直結します。特にアクチュアリー正会員資格をもち、ERMやIFRS17対応などの制度対応領域に携わる方は企業から高く評価される傾向があります。

また、アクチュアリーの活躍領域は近年急速に広がっており、従来の生命保険・損害保険に加え、銀行・証券・信託・再保険・年金コンサル・エネルギー・自動車保険・コモディティ価格評価など、金融全般にわたる専門職としてのニーズが高まっています。

これにともない、年収水準も上昇傾向にあり、特にERMやALM、商品数理などの領域では、30代でも年収1,000万円超え、40代で1,500万円以上の事例も複数見られます。

年代別に見ると40代で年収がピークを迎える傾向があり、専門性の深化やマネジメント経験が年収に大きく影響します。特に、ERMや商品開発、制度対応などの中核業務を担うポジションでは、企業の戦略に直結する役割を果たすため、報酬水準も高く設定される傾向があります。

役職別年収

役職	平均年収
メンバー	773.7万円
管理職（事業部長クラス含む）	1618.3万円

領域別年収（日系／外資）

企業区分	平均年収
外資	705.4万円
日系	946.7万円

業種別年収

業種	平均年収
EMC（電機・機械・化学など）	676.5万円
コンサル・信託・事務所	988.9万円
商社	1182.2万円
金融（銀行・証券・保険など）	948.8万円

アクチュアリー職の最新求人情報

JACでは多くのアクチュアリー職の求人情報を取り扱っています。ここでは、その一部をご紹介します。

●大手シンクタンク：アクチュアリー

●非公開：アクチュアリー（保険数理/年金）

●オリックス生命保険株式会社：アクチュアリー【ALM推進部：資産領域または負債領域、収益予測】

●非公開：保険会社向けアドバイザリー（アクチュアリー）

● RNA Analytics株式会社：Actuarial Consultant / 保険数理コンサルタント（リモートワーク可）

●非公開：①商品開発業務アクチュアリー②保険負債計測業務アクチュアリー

●非公開：ジュニア/シニア プライシング アクチュアリー/JUNIOR PRICING ACTUARY

●非公開：《大崎》【ジュニアアクチュアリー（商品企画）】未経験可

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。（2025年11月最新）

JACでは、上記以外にも多くの求人をお預かりしています。当社が取り扱う求人の約7割は、当社にご登録いただいている方だけにご紹介が可能な非公開求人です。

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アクチュアリー職で年収アップを目指すには？

アクチュアリーとして年収アップを実現するには、専門性に加え、企業選びやスキルの幅、マネジメント経験など、さまざまな要素が総合的に影響します。JACの成約データをもとに、ハイクラス層が年収アップを目指す際に意識すべき4つの視点を整理しました。

大手金融機関・コンサル・商社など「企業規模・業界選択」

年収水準を左右する最大の要素の一つが、企業の規模と業界です。特に銀行・証券・保険などの大手金融機関、総合商社、コンサルティングファームでは、アクチュアリー職に対して高い報酬が提示される傾向があります。

JACの実績では、管理職で年収1,000万円〜1,600万円超の事例も複数確認されており、企業の即戦力としての期待が年収に反映されています。また、近年では再保険・年金コンサル・エネルギー・コモディティ価格評価など、金融以外の分野にも活躍領域が広がっており、年収レンジの多様化が進んでいます。

「アクチュアリー正会員」＋専門性の高い実務経験

年収アップを狙う上で、日本アクチュアリー会の正会員資格はほぼ必須条件といえます。加えて、以下のような専門領域での実務経験があると、企業からの評価が一段と高まります：

これらの領域は、企業の制度対応や経営戦略に直結するため、複数分野での経験や制度対応力をもつ方は、年収交渉においても優位に立てます。

>>>参照：公益社団法人日本アクチュアリー会

「英語力・ITスキル」などグローバル＆デジタル対応力

グローバル化・デジタル化が進む中で、アクチュアリーにも語学力とITスキルが求められる場面が増えています。特に以下のスキルは、外資系企業やコンサルティングファームで高く評価されます：

英語で業務を遂行できる力は、海外案件やグローバル会議への対応力につながり、年収レンジを高める要因となります。また、データ分析スキルは、ERMや商品開発領域において即戦力として高く評価されます。

「マネジメント経験・プロジェクト推進力」

ハイクラス転職では、マネジメント経験やプロジェクト推進力も重要な評価軸です。特に以下のような経験がある場合、年収1,200万円以上のポジションでの採用につながる可能性が高まります：

これらの経験は、単なる専門職にとどまらず、企業の戦略を実行する中核としての価値を示すものであり、年収水準にも直結します。

アクチュアリーの年収アップ転職成功事例

アクチュアリー職の年収アップ転職事例を紹介します。

市場リスク管理の実績を評価され、グループ全体のERM高度化に貢献

Mさん（男性／40代前半）

	業種	職種	年収
転職前	生命保険業	クオンツ系アクチュアリー	1,000万円
転職後	保険持株会社（損害保険中心）	アクチュアリー（ERM定量評価）	1,350万円

Mさんは、大学院で経営システム工学を専攻後、証券会社や監査法人での経験を経て、生命保険会社にて市場リスク管理やプロジェクションツールの開発など、クオンツ領域での専門性を磨いてきました。数理ファイナンスと保険数理の融合をテーマに、アクチュアリー会のセミナーで講師を務めるなど、業界内でも先進的な取り組みを行ってきた実績があります。

転職にあたっては、ERM領域での専門性をさらに深めたいという志向性をもち、JACではその意向を丁寧にヒアリング。制度対応やリスクマネジメントの中核を担うポジションをご提案しました。結果として、専門性を活かせる環境への移行とともに、年収も大幅にアップ。今後は、グループ全体のERM高度化に貢献する中核人材としての活躍が期待されています。

商品数理のスペシャリストへ。キャリアの安定と新商品領域への挑戦を両立

Oさん（男性／40代後半）

	業種	職種	年収
転職前	生命保険業	アクチュアリー（商品開発・リスク管理）	1,200万円
転職後	生命保険業	アクチュアリー（商品数理）	1,250万円

Oさんは、生命保険会社にて15年以上にわたり商品開発業務に従事。定額保険・変額保険など幅広い商品領域で実績を積み、ALMやESRなどのリスク管理業務にも深く関わってきました。アクチュアリー正会員として、数理面からの経営貢献を重視する姿勢をもち、専門性と実務経験の両面で高い評価を得ている方です。

転職の背景には、「東京で働き続けたい」という希望と、将来的な大阪転勤の可能性への不安がありました。また、これまでの法人系保険商品の経験を活かしつつ、より新しい商品領域に挑戦したいという意欲もありました。JACでは、Oさんの志向性を丁寧に言語化し、商品数理領域でのポジションをご提案。英語力には不安があったものの、業務上必要な範囲で対応する姿勢が企業にも好印象を与えました。  

結果として、専門性を活かしながらも新たな領域に挑戦できる環境への転職が実現。年収はわずかに上昇したものの、キャリアの安定性と将来の展望を見据えた選択となっています。  

アクチュアリーの転職ならJAC

JAC Recruitmentでは、アクチュアリー領域に精通したコンサルタントが、専門性を活かした転職支援を行っています。制度対応やERMなど、高度な専門性が求められるポジションへの転職を成功させた実績も多数。年収アップやキャリアアップを目指す方は、ぜひJACにご相談ください。