CSOの転職事情|年収相場や求められるスキル・経験を解説 

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公開日:2025/06/27 / 最終更新日: 2025/06/27

CSO(Contract Sales Organization)は、製薬会社にMRを派遣したり、医薬品や医療機器の営業、マーケティングなどを支援するサービスを提供しています。かつて、MRといえば製薬会社に所属し、自社の製品のみを取り扱うケースが主流でした。しかし、近年では製薬会社のMRは減少傾向にあり、CSOに所属し、プロジェクトに応じてさまざまな製薬企業の製品を取り扱うコントラクトMRとして働く人の割合が増加しています。

また、CSO業界はサービスを拡張しており、コントラクトMR以外にもさまざまな職種の募集が増えており、CSOへの転職を検討する方も増加中です。そのため、CSOへの転職にあたってはどのようなスキルが求められるのか、どの程度の年収を期待できるのか不安になる方もいらっしゃるでしょう。

そこで本記事では、CSOの転職動向や最新の求人情報、求められるスキルの傾向などについて解説します。

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CSOの転職動向


JACが2024年に取り扱ったCSOの求人数は、前年の横ばいとなっています。職種を見るとコントラクトMRが最も多く、次いでメディカルサイエンスリエゾンや医療機器営業の求人が多くなっています。そのほか、薬事コンサルタントやメディカルライティング、DI・学術業務、データマネジメントに関連する求人も見られます。募集の背景を見ると、国内企業の増員による募集や外資系企業の日本進出に伴う募集、顧客ニーズに対応するための募集などが多いようです。

製薬会社では、MRの採用を見送るケースが増えており、CSOやコントラクトMRを活用するケースが増加傾向にあります。そのため、製薬会社のMRからCSOのコントラクトMRに転職するケースも増加中です。

CROで求められるスキル・経験、マインドについて


CSOでは、以下のようなスキルや経験、マインドを求められる傾向にあります。

医薬品や医療機器に関連する知識

CSOは日本語に訳すと医薬品販売業務受託機関と呼ばれます。製薬会社や医療機器メーカーなどと受託契約を結び、営業や販売に関わる業務を請け負う機関です。そのため、CSOでは、コントラクトMRに限らず、ほとんどの業務において医薬品や医療機器に関連する知識が求められます。

  • 医療機器業界の転職市場動向

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薬学や科学関連の知識

JACが取り扱うCSOの求人を見ると、ほとんどの求人において薬剤師の資格や薬学、生命科学、看護学などの学士号または修士号を求めています。MRは、医師や薬剤師などの医療従事者に医薬品の情報を正確に伝えられる能力が必要です。また、医療機器営業に関しても、取り扱う医療機器の操作方法だけでなく、対象となる疾病や治療法などに関する知識も求められます。そのほかの職種に関しても、医療や医薬品に知識は必要不可欠です。そのため、CSOの多くの職種では、薬品や治療法を理解するうえでベースとなる科学的な知識が求められる傾向にあります。

営業の経験

コントラクトMRや医療機器の営業職の場合、営業経験が求められます。営業にあたっては、ビジネスマナーはもちろん、相手のニーズを汲み取るとともに自社の製品の魅力を最大限に伝えるスキルが必要です。また、顧客と良好な関係を構築するには、コミュニケーションを重ね、顧客の課題を正確に捉えたうえで、自社の医薬品や医療機器がどのように課題解決に貢献できるかをアピールする力も求められます。

コミュニケーション能力

コントラクトMRや医療機器の営業のほか、医療従事者に最新の医学情報を提供するメディカルリエゾン、医薬品情報を管理するDIなどの業務においても、医療従事者との良好な関係性の構築が不可欠です。そのため、相手が求めている情報を敏感に察知し、伝えなければならない情報を分かりやすく説明できるコミュニケーション能力が求められる傾向にあります。

CSOの想定平均年収は616.9万円


JACが転職をサポートした事例を見ると、CSOの想定平均年収は616.9万円です。20代や30代で850万円を超える年収を得ている人もおり、年代別の平均年収にもそれほど大きな差は見られません。そのため、実績や能力が重視される業界であり、高いスキルをもっていれば、年齢にかかわらず高年収を得られる業界だと考えられます。

日本国内でCSO事業が初めて展開されたのは、1998年です。また、CSOに所属するコントラクトMRは2009年ごろから増加傾向にあります。そのため、CSOは比較的歴史が浅い業界だともいえるでしょう。今後、さらに製薬業界や医療機器業界のCSO活用割合が増加し、CSOが果たす役割が大きくなると、CSOの平均年収も上がると考えられます。

役職平均年収
メンバークラス610.0万円
管理職783.3万円

役職平均年収
日系企業602.5万円
外資系企業635.2万円

職種によって異なるものの、一般的なCSOの平均年収は500万円前後だといわれていますが、経験の有無によっても年収額は変わります。また、コントラクトMRの場合の年収は比較的高く、500万円~700万円台の求人が多くなっています。しかしながら、MRや医療機器営業は営業職のため、成果次第で年収が変わってくる点にも注意が必要です。

CSOの最新求人情報


JACでは、CSOの求人も多数取り扱っています。ここではCSOの求人の中から一部をご紹介します。

アポプラスステーション株式会社:MR(経験者)

医療系人材ビジネス会社:MR教育/研修トレーナー(CNS領域)

日系医療機器企業:医療機器営業

日系医療機器企業:医療機器営業

エムスリーマーケティング株式会社:メディカルマーケター

エムスリーマーケティング株式会社:MR(経験者)

外資医療機器企業:医療機器営業職

外資系CRO:MSL(メディカルサイエンスリエゾン)

サイネオス・ヘルス・ジャパン株式会社:MR(経験者)

外資医療機器企業:医療機器営業職

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年5月最新)

JACでは、このほかにも多数のCSOの求人を取り扱っています。しかし、JACが取り扱う求人の7割近くは、社名や詳細情報を公開できない非公開求人です。非公開求人はJACにご登録いただいた方のみにご紹介が可能です。

JACにはCSOや医療業界に詳しいコンサルタントが在籍しています。一人ひとりの経験や適性などを踏まえ、理想のキャリアに近づける最適な求人をご紹介します。非公開求人も含め、豊富な求人の中から希望に合った求人をご紹介しますので、CSOへの転職をご検討の際にはぜひJACにご登録ください。

>>非公開求人について詳しく知りたい方はこちら

CSOへの転職で有利となる資格


次のような資格を保有している場合、CROへの転職に有利に働く可能性があります。

MR認定証

MR認定証は、公益財団法人MR認定センターが実施する資格試験です。かつては、CSOや製薬企業に所属していなければMR認定試験を受験することはできませんでしたが2021年に認定制度改革が行われ、現在では製薬企業やCSOに所属しなくてもMR認定試験を受験できます。

しかし、受験にあたっては、導入教育実施期間やCSO、製薬企業などでの基礎教育の導入教育を受講しなければなりません。その後、MR認定試験に合格し、CSOや製薬企業で実務教育を受けた修了認定と6カ月のMR経験をもって、認定証を受け取れるようになります。尚、2026年4月にMR認定制度は改定される予定です。

参考:公益財団法人MR認定センター:MR認定試験

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普通自動車運転免許

MRや医療機器の営業職では、医療機関を訪問し、医薬品や医療機器の営業活動を行います。医薬品、医療機器の納品やサンプルの提供のため、荷物を運ぶ車が必要になるケースが多く、営業職の場合は、普通自動車運転免許を保有していることが条件になっている求人が少なくありません。CSOで営業職を目指すのであれば、普通自動車運転免許があった方がよいでしょう。

学士号や修士号

資格ではないものの、JACで取り扱うCSOの求人の多くが、学士号や修士号を保有する方を対象としたものとなっています。特に、薬学や科学、経営などに関わる学士号、または理系分野の修士号を所有している人のニーズが高まっています。

学士号は4年制大学を卒業した場合、修士号は大学院の修士課程を修了したときに授与される学位です。

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CSOのキャリアパス


CSOのキャリアパスは職種によって変わります。CSOの主な職種であるコントラクトMRや医療機器営業のキャリアパスとしては、次のような方向性が考えられます。

プロジェクトマネージャーを目指す

コントラクトMRや医療機器営業職の場合、プロジェクトごとに配属先が変わるため、幅広い領域を担当することができます。また、多くの場合、1つの配属先で勤務する期間が決められているため、決まった期間の間に一定の成果を出さなければなりません。

コントラクトMRや医薬品営業として経験を積んだ後は、チームの成果を上げるために必要な計画を立てたり、メンバー育成に携わるプロジェクトマネージャーのポジションを目指すことができます。リーダーシップがあり、チームをまとめることに関心が強い方に向いているキャリアパスです。

エキスパートを目指す

マネジメント業務を含むプロジェクトマネージャーのポジションではなく、コントラクトMRや医療機器営業としてのスキルを追求する方法もあります。例えば、さまざまな領域に携わり、知見や経験を広げた場合は、ジェネラリストとしてあらゆる領域の医薬品や医療機器に対応できる営業職として活躍することができます。反対に、オンコロジー領域など、1つの領域に関わる製品の担当を続けると、専門性を高めることができるでしょう。

コントラクトMRや医療機器営業としてのスキルを磨き、成果を追求することにやりがいを感じる方に向いているでしょう。

製薬企業や医療機器メーカーに転籍する

クライアントMRや医療機器営業として、クライアント企業で業務を遂行する中で、クライアント企業の扱う製品に強い関心を抱いたり、クライアント企業の姿勢に共鳴するケースもあるでしょう。そのような場合は、派遣先の企業に転籍するというキャリアパスも選択できるケースがあります。

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CSOへの転職を成功させる3つのポイント


CSOへの転職を成功させるために押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

薬学や医療に関する知識をアピールする

CSOでは、医療従事者を対象に営業活動やマーケティングの支援を行います。そのため、業務を遂行するうえでは、薬学や医療に関する正しい知識が必要です。MRや医療機器営業、メディカルサイエンスリエゾンなどの経験がない場合でも、薬学や医療に関する知識があれば、応募可能な求人もあります。学生時代の専攻なども含め、薬学や医療に関する知識を保有している場合には、面接時に積極的にアピールするとよいでしょう。

医療業界での実務経験をアピールする

CSOの中には未経験者を募集し、自社でMRを育成するシステムを整えているところも少なくありません。しかしながら、MR認定証を保有する実務経験者の場合、即戦力としての役割が期待できます。また、MR以外の職であっても、製薬企業や医療機器メーカーなどでの就業経験、臨床の場での経験などを役立てることができるでしょう。医療業界での就業経験がある場合には具体的にどのような業務に携わってきたのか、その経験をどのように生かせるのかをアピールすることが大切です。

コミュニケーションスキルの高さをアピールする

コントラクトMRや医療機器の営業職の場合、プロジェクトが変わるごとに新たな製薬企業や医療機器メーカーに配属され、営業活動に従事します。プロジェクトごとに勤務場所が変わるため、クライアント企業の社員と良好な関係性を築けるコミュニケーションスキルが必要となります。また、DIやメディカルサイエンスリエゾンの仕事などにおいても、医療従事者と接する機会が多く、円滑に業務を進めるためには高いコミュニケーション能力が不可欠です。
これまで、業務の中で関係各所との調整を行ってきた経験や他部署などとの連携を深めた経験などがあれば、面接時にコミュニケーション能力の高さを示すエピソードなどを紹介するとよいでしょう。

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CSOの転職事例


JACでは、CSOへの転職を希望される方を数多くサポートしてきた実績があります。その中から外資系のCSOへ転職された20代男性の事例をご紹介します。

Kさん(男性/20代後半)

業種職種年収
転職前営業代行会社営業300万円
転職後外資系CSOMR680万円

Kさんは、大学卒業後、製薬企業でMRの仕事に従事された経験をもつ方です。顧客となる医療機関の担当者と良好な関係を構築し、社内の関連部署との連携を強めることで、入社数年目には全国1位の売り上げを獲得した経歴もおもちでした。その後、営業としての力を高めたい、自分の力を試したいとの思いから営業代行事業を営むベンチャー企業に転職をされました。しかし、医薬品を提案することによって患者さんや医療業界に貢献できるMRのようなやりがいを得ることはできず、再び医療業界での営業職に転職したいと決意されたとのことです。

JACでは、世界トップクラスの規模を誇る外資系CSOのコントラクトMRの求人をご紹介しました。応募企業からは、KさんのMRとしての実務経験と高いコミュニケーション能力が評価され、ぜひ一緒に働きたいとの回答がありました。また、Kさんも希望したMRの職であり、前職とは異なり、さまざまなプロジェクトに関われる点に強い魅力を感じ、無事に入社が決定しています。

CSOの転職なら、JAC Recruitmentへ


コントラクトMRの数は年々増加しており、今後も製薬企業や医療機器メーカーのアウトソーシング化の傾向は強まると推測されています。そのため、今後、CSOではより多彩なプロジェクトに関与していくことが期待できます。

医療従事者と信頼関係を築くためには、医薬品や医療に関する知識は不可欠であり、常に学びが必要な大変な業界でもあります。しかしながら、医療を支える重要な役割を果たす機関でもあり、CSOでの業務では大きなやりがいを得られるのも事実です。

JACには、CSOに詳しいコンサルタントが在籍しています。CSOの転職を希望される際には、ぜひお気軽にJACにご相談ください。1人ひとりの希望や悩みに寄り添いながら、適性を生かせる求人をご紹介します。

  • 医療業界転職情報

    医療業界転職市場においても、JAC Recruitmentは多くの方々の転職を成功させてきました。JACは業界専任制のコンサルティングを行っているため、高い専門性や業界の知識を豊富に蓄積しており、市場動向についても常に把… 続きを読む 医療業界転職情報


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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。