国家公務員からの転職は難しい?主な転職先候補や転職体験談を紹介

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公開日:2025/09/01 / 最終更新日: 2025/09/01

国家公務員として培った政策立案力や調整力は、民間企業でも高く評価されるスキルです。近年では、安定した職務環境から一歩踏み出し、より柔軟で成果志向の環境に挑戦したいと考える方が増えています。JAC Recruitment(以下、JAC)では、国家公務員経験者の転職支援に豊富な実績をもち、官民のキャリアをつなぐサポートを行っています。

本記事では、国家公務員から民間企業への転職市場動向、主な転職先、評価されやすいスキル、そして実際の転職事例までをわかりやすく解説します。

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国家公務員から転職を検討する理由・転職への不安

ここでは、国家公務員から転職を検討する理由や転職するうえでの不安について解説します。

国家公務員から転職を検討する理由

国家公務員が民間企業への転職を検討し始める背景には、特有の組織文化やキャリアパスに起因する、いくつかの理由があります。

要因の一つとして、配属や異動が本人の希望ではなく組織の方針によって決まることが多いため、計画的にキャリアを積み上げにくい点が挙げられます。国家公務員は数年単位で異動を命じられることが一般的であり、配属も本人の希望が必ずしも通るとは限りません。そのため、特定の分野で専門性を深めたいと考えても、意図せず異動となりキャリアが中断することがあります。

また、年功序列の風土が根強く、自身の成果が給与や昇進に直結しにくいと感じることも、転職を考えるきっかけの一つです。
さらに、行政組織ならではの意思決定プロセスの複雑さや制約の多さから、スピード感をもって施策を進めたいと考える方が民間での挑戦を望むこともあります。

加えて、国際的なビジネスや最先端の技術分野など、公務員制度の枠外でしか得られない経験やスキルを求める声も少なくありません。

国家公務員からの転職への不安

国家公務員という安定した職を離れ、民間企業に挑戦することには、大きな期待と同時に不安がつきまといます。

多くの方が抱える不安の一つに、スキル面での懸念があります。
特に民間企業では、売上や利益などの成果に基づく評価が重視される傾向があります。
また、これまでの職務が、政策や法令に基づく公的業務であったため、民間特有のスピード感や成果志向に適応できるか不安を抱える方も少なくありません。

こうした不安を乗り越えるには、自分の経験を民間の評価軸に沿って言語化し直すことが不可欠です。
例えば、限られた予算や期限内で成果を出した事例、複雑な利害調整を経てプロジェクトを完遂した経験などは、民間企業でも高く評価され得る実績です。
また、異動や制度変更を乗り越えて成果を出し続けた柔軟性や適応力は、変化の激しい環境でも通用します。

こうした強みを整理し、自信をもって伝えられる準備ができれば、民間企業への転職の不安を軽減できるでしょう。

国家公務員から民間企業に転職する場合の主な転職先

下記は、国家公務員から民間企業に転職する場合の主な転職先です。

  • ●コンサルティングファーム(戦略・総合・事業再生など)
  • ●シンクタンク・パブリックセクターなど
  • ●金融機関(メガバンク・投資銀行など)
  • ●総合商社
  • ●ベンチャーキャピタル
  • ●ベンチャー・スタートアップ

ここでは、上記6つの転職先ごとに国家公務員のどのような能力や素養に採用ニーズがあるのか解説します。

コンサルティングファーム(戦略・総合・事業再生など)

コンサルティングファームは、国家公務員からの転職先として人気の高いキャリアパスの一つです。
特に、官公庁を顧客とし、政策立案や実行支援を行うパブリックセクター部門では、省庁の組織文化や意思決定プロセスを熟知していることが大きな強みとなり、即戦力としての活躍が期待されます。

20代や30代前半の若手の場合、実務経験よりも地頭の良さや情報処理能力、知的好奇心の高さといったポテンシャルが重視されることもあります。そのため、民間企業での実務経験がなくても採用に至る場合もあります。

民間企業特有の成果を求める働き方への適応は必要です。
一方で、戦略系、総合系、事業再生系など、いずれのファームにおいても国家公務員として培った論理的思考力や社会課題に対する高い視座は、企業の経営課題を解決する際の強みとなるでしょう。

  • コンサルティングファームの転職情報

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シンクタンク・パブリックセクターなど

シンクタンクやパブリックセクターの調査・政策支援分野も、国家公務員のキャリアを生かしやすい領域です。
特に政府系シンクタンクでは、国内外の政治・経済・社会情勢に関する調査研究や、政府・自治体に対する政策提言が業務の中心になります。よって、国家公務員時代の経験をダイレクトに生かせます。
一方で、民間系シンクタンクでは、競争的な文化やビジネス志向の組織風土に適応する必要があります。国家公務員としての業務を通じて培ったさまざまな立場の人々と交渉し合意形成してきた調整力や、膨大な情報の中から必要なデータを見つけ出し正確に整理・分析する情報収集力は、そこで実務を遂行する際に役立ちます。

自身の専門性を軸に、引き続き国や社会に貢献したいという思いと、民間企業ならではのダイナミズムを両立させたいと考える方にとって、親和性の高いキャリアといえます。

  • シンクタンクとは?コンサルとの違いや企業一覧を紹介

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金融機関(メガバンク・投資銀行など)

メガバンクや投資銀行、政府系金融機関なども、国家公務員の専門性を生かせる転職先です。金融市場は、国の金融政策や国際情勢と密接に連動しています。マクロ経済の動向や各国の規制・法制度を深く理解する元国家公務員は、リサーチ部門やエコノミストなどのポジションで優遇されることがあります。
特に、金融庁や経済産業省などでの勤務経験がある場合は、金融商品や資本市場、国際取引の仕組みに関する高度な知識や実務経験があるとみなされ、民間企業から高く評価される可能性が非常に高いといえます。
また、官公庁や地方自治体を顧客とするパブリックセクター向けの部署でも、内部の意思決定プロセスや文化を理解していることは、円滑な関係を構築する際にアドバンテージとなると考えられます。

経済や財政に関する高度な専門知識を生かし、国の経済活動を根幹から支えるダイナミックなフィールドで活躍したいと考える方にとって、金融機関は非常に魅力的な選択肢です。
一方で、金融機関では数値管理や収益目標へのコミットが必須であり、国家公務員時代のプロセス重視型の業務スタイルから成果重視型へのマインドチェンジが必要となります。

総合商社

グローバルに事業を展開する総合商社も、多くの国家公務員経験者が活躍する分野です。

総合商社のビジネスは、資源エネルギー、インフラ、食料など、国の政策や国際関係と深く関わる領域が数多く存在します。そのため、地政学リスクの分析や各国の法規制・政治動向の把握、そして政府機関との折衝といった場面で、国家公務員として培ったマクロな視点や渉外能力が、非常に価値あるスキルとして評価されます。
特に外務省や経済産業省などで海外機関とやり取りした経験や国際協定交渉を担った経験は、海外事業開発や輸出入取引、資源開発プロジェクトに携わるポジションに応募する際に高く評価されるでしょう。
また、海外駐在や長期出張が多いポジションでは、語学力も生かせます。
国家という枠組みで培った経験を、民間企業の立場で活かしたい方にとって、総合商社は魅力的な選択肢の一つです。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルでは、国家公務員の産業政策や規制の知見が、投資判断や成長支援などに活用されます。
特に経済産業省や総務省などで新産業分野の政策策定や補助金制度運用に携わった経験は、スタートアップのビジネスモデル評価や市場分析に役立つでしょう。

一方で、公務員経験者はリスク回避志向が強いケースがあるため、ハイリスク・ハイリターンの投資判断に慣れる必要もあるでしょう。
数多くの最先端ビジネスに触れながら、次世代の産業を育成したいという情熱がある方にとって、ベンチャーキャピタルは魅力的な領域です。

ベンチャー・スタートアップ

ベンチャーやスタートアップ企業では、スピード感と柔軟性が求められる環境の中で、国家公務員として培った課題発見力や調整力が、経営基盤の構築に大きく貢献します。
さらに、FinTech、HealthTech、GovTech(ガブテック)といった新しい領域で事業展開する新興企業にとって、関連する法制度や政策の方向性を熟知した専門家は、相場よりも高い年収レンジを提示してでも迎え入れたい対象です。

スタートアップでは、成果への即応性やリスクを取る意思決定が日常的に求められるため、公務員としての安定志向からの意識転換が不可欠です。
しかしその一方で、社会課題の解決に取り組みたいという公務員時代からの思いを、よりスピーディーかつダイレクトに実現できる環境が整っているともいえます。
自らの意思で挑戦し、変化を起こすことができるスタートアップは、公共セクターで培った課題解決力を活かす絶好のフィールドとなるでしょう。

国家公務員からの転職で評価されやすい経験・スキル

ここでは、国家公務員で培われた下記5つの経験やスキルがなぜ転職において評価されやすいのか、解説します。

  • ●地頭力・論理的思考力
  • ●渉外力(ロビイング・アドボカシー活動に関するネットワーク)
  • ●大規模プロジェクトの推進力
  • ●法令や経験省庁の知識や経験
  • ●精神的・体力的な耐性

地頭力・論理的思考力

国家公務員は、限られた情報や制約条件のなかで迅速かつ的確な判断を求められる場面が多く、そこで鍛えられた地頭力や論理的思考力は、民間企業でも高く評価されます。
例えば、政策立案や法案作成の過程では、事実関係の整理、課題の特定、解決策の立案といったプロセスを体系的に行う必要があり、複雑な事象を論理的に構造化する力が養われます。この能力は、コンサルティングや経営企画、事業戦略など、課題解決型のアプローチを必要とする領域で直接生かせると考えられます。

さらに、複数の利害関係者を踏まえて意思決定を行った経験は、企業の経営判断や新規事業開発など、多面的な視点を求められるポジションで生かせる資質です。
特に民間企業ではスピード感と収益性の双方が求められるため、公務員として培った論理的思考力に加え、実行フェーズまで落とし込む力があると採用ニーズが高まるでしょう。

渉外力(ロビイング・アドボカシー活動に関するネットワーク)

国家公務員は、国会議員、自治体、業界団体、国際機関など、多岐にわたるステークホルダーと接点をもち、調整や交渉を推進した経験を有します。それぞれの立場や思惑が複雑に絡み合うなかで、一つの法案や政策をまとめ上げた経験や渉外能力は、民間企業でも極めて価値の高いスキルです。

特に規制産業や公共インフラ、エネルギー、金融などの業界では、政策動向を正確に把握し、適切な対応策を講じるためのネットワーク構築が不可欠であり、官公庁との橋渡し役を担えるビジネスパーソンは重宝されます。

大規模プロジェクトの推進力

国家公務員が担う職務には、数年から十数年単位の期間と数十億から数千億円規模の予算をともなう国家プロジェクト級の案件もあります。

特に、民間企業では、限られたリソースと厳しい期限のなかで高い成果を創出することが求められます。国家という大きな枠組みのなかで大規模なプロジェクトを動かした実績は、推進力や計画性、マネジメント能力を備えているとみなされ、特にグローバルに事業を展開する総合商社やメーカー、金融機関などから高く評価されます。

法令や経験省庁の知識や経験

各省庁で業務を推進する際は、専門分野に関連する法令や制度を深く理解していなければなりません。
例えば、金融庁出身であれば金融規制や監督の知識、経産省出身であれば産業政策やエネルギー政策、国交省出身であれば都市計画や交通インフラの制度に精通している場合が多く、関連する業界の民間企業にとっても事業戦略を立てるうえで非常に価値のある情報となります。 こうした専門性は、コンサルティングファームやシンクタンク、法律事務所はもちろんのこと、事業会社の経営企画や法務、新規事業開発部門などでも重宝されると考えられます。

精神的・体力的な耐性

国家公務員は、突発的な政策課題への対応や国会答弁準備など、日常的に予測不能かつ高負荷な業務環境に身を置きます。このような環境で鍛えられた精神的・体力的な耐性は、変化の激しい民間企業でも強みになり、特に成長企業やグローバル展開を進める企業で高く評価されるでしょう。
また、緊急時にも迅速な意思決定と行動ができる柔軟性は、経営層やプロジェクト責任者としての適性を高めます。

逆境に直面しても冷静さを失わず、粘り強く業務を完遂できる精神的・体力的な耐性は、どのような業界・職種においても通用する普遍的な強みといえるでしょう。

国家公務員が求められる最新転職・求人情報

本章では、国家公務員が求められる最新求人・転職情報を紹介します。

なお、本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。JACが取り扱う求人は、大半が非公開となっています。そのため、非公開求人も含め国家公務員が求められる求人の紹介を希望する方は、ぜひJACにご登録ください。
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【年代別】国家公務員から転職する場合のポイント

本章では、国家公務員から転職する場合のポイントを年代別に解説します。

20代で国家公務員から転職する場合のポイント

20代での国家公務員からの転職は、比較的ポテンシャル採用の余地が大きく、異業種への挑戦がしやすい年代といえます。
特に企業は20代に対し、基礎的な行政知識や資料作成力に加え、柔軟な吸収力と成長意欲を期待します。

20代は社会人経験の浅さから、業務理解や商習慣の学習が前提となるため、年収水準はやや抑えられます。
その一方で、将来のキャリア幅を広げられる転職が可能です。
転職先候補としては、コンサルティングやシンクタンク、総合商社の企画部門などが挙げられます。

転職活動では、なぜ民間企業で働きたいのか、入社後に何を成し遂げたいのかという強い意志と、新しい環境へ迅速に適応できる柔軟性を示すことが重要です。国家公務員という安定したキャリアを早期に手放してでも挑戦したいという熱意が伝われば、採用担当者にポジティブな印象を与えるでしょう。

30代で国家公務員から転職する場合のポイント

30代での転職では、何らかの専門性が求められるようになります。異業種への転職も不可能ではありませんが、基本的には自身が所属していた省庁の所管分野と親和性の高い業種・職種への応募が現実的です。
例えば、金融庁出身であれば金融機関、国土交通省出身であれば不動産やインフラ関連企業などが考えられます。

また、30代後半に差し掛かると、即戦力としての貢献がより強く期待されるため、マネジメント経験の有無も重視されるようになります。チームリーダーや部下育成の経験があれば、応募先企業が求める人物像に合わせてアピールしましょう。

転職活動では、過去の経験を棚卸しし、自身の専門性や強みが民間企業のどのような分野・領域で通用するのかを客観的に見極めることが大切です。

40代で国家公務員から転職する場合のポイント

40代の国家公務員が転職市場に出る場合、組織の課題を解決できる高度な専門性と一定規模のチームを率いるマネジメント能力が求められます。
40代になると、ポテンシャル採用の余地はほぼなくなり、即戦力として短期間で具体的な成果を出すことが厳しく求められます。そのため、過去の経験と親和性が高い領域に軸足を置き、応募先企業やポジションを選定することが現実的です。

転職先としては、これまでの専門性を直接生かせる事業会社の部長クラスや、企業の顧問、あるいはコンサルティングファームのシニアポジションなどが主な候補になるでしょう。
例えば、特定分野の政策立案に深く関わってきた経験を生かし、企業のパブリックアフェアーズ責任者として規制対応やロビイング戦略を統括するといったキャリアが考えられます。

転職活動では、自身の市場価値を正確に把握し、これまでの行政経験を企業の利益や成長にどう結びつけられるかを、具体的に示すことを意識しましょう。

50代で国家公務員から転職する場合のポイント

50代で国家公務員からの転職を目指す場合、求人の数は限られ、転職活動は極めて厳しいものになる覚悟が必要です。時には、正社員以外の雇用条件を受け入れる柔軟性が求められることもあります。

50代の国家公務員経験者に対して企業が求める能力は、圧倒的な専門性とマネジメント力です。
特に政府系プロジェクトの統括、国際交渉、規制策定の中心的役割など、ほかの組織では得られない経験をしている場合、顧問やアドバイザー、非常勤取締役といった形態での受け入れが現実的です。常勤ポジションでも、業界団体の理事、企業の渉外統括、公共政策部門の責任者などの求人が中心になります。

公募されている求人に応募するよりは、これまでの人脈や転職エージェントなどを通じて、自身の経験を求める企業と直接つながる事例が多くなります。
そのため、転職活動では待ちの姿勢ではなく、人脈や転職エージェントを活用し、自身の経験を求める企業と積極的に接点を築く能動的なアプローチが必須になるでしょう。

国家公務員から転職して後悔しないためのポイント

ここでは、国家公務員からの転職で後悔しないために留意したい次の3つのポイントについて解説します。

  • ●転職先を絞り込み過ぎず、転職エージェントを有効活用する
  • ●短期・中長期など複数の時間軸でキャリアプランを想像しておく
  • ●ビジネス観点で自身の経験やスキルを棚卸しする

転職先を絞り込み過ぎず、転職エージェントを有効活用する

国家公務員から民間企業への転職では、視野を広げ幅広い選択肢の中から多様なキャリアを検討することが重要です。
国家公務員時代の経験は、民間企業の総務、法務、経営企画、渉外、コンサルティングなど、さまざまな職種に応用できます。
しかし、最初から応募先の業界や職種を限定してしまうと、転職後に「ほかにも選択肢があったのでは」と後悔につながりやすくなります。

後悔を防ぐには、国家公務員からの転職支援実績が豊富な転職エージェントの活用を検討しましょう。
転職エージェントは、国家公務員時代の職務経歴や個々の強みを分析し、本人では気づきにくい異業種や新たなキャリア領域を提示してくれます。
また、非公開求人へのアクセスや書類・面接対策の支援によって、選考通過率を高められることもあります。

短期・中長期など複数の時間軸でキャリアプランを想像しておく

国家公務員からの転職では、その経験をさらに生かして数年後にどのポジションに就くのか、どの業界で専門性を磨くのかという中長期的視点も不可欠です。

なぜ今の職を離れてまで転職したいのかという根本的な動機を深く掘り下げ、転職によって何を実現したいのかを明確に言語化しておく必要があります。
そのうえで、「転職後1年でどのようなスキルを身につけたいか」「3年後、5年後にはどのようなポジションで活躍していたいか」「最終的に何を成し遂げたいか」といったように、短期・中期・長期の複数の時間軸でキャリアプランを構想してみましょう。
転職エージェントや信頼できる第三者と対話しながら計画をブラッシュアップすることで、より現実的かつ実行可能なキャリアを設計できます。

ビジネス観点で自身の経験やスキルを棚卸しする

国家公務員の業務は、社会的意義が高く、制度や法律に基づく運営が中心となりますが、民間企業では収益性や市場競争を基盤とした意思決定が求められます。この違いを理解したうえで、自身の経験やスキルをビジネスの視点で再定義することが重要です。

例えば、政策立案経験は「事業戦略を策定する力」、関係省庁や自治体との折衝経験は「ステークホルダーと円滑に調整を進める能力」、法令遵守の徹底は「コンプライアンス意識の高さ」といった形で置き換えられます。このように自身の経験やスキルを民間企業の文脈で伝えられるよう言語化し直すことにより、採用担当者は国家公務員で培ったスキルを具体的にイメージできるようになります。

棚卸し作業を怠ると、適切な評価を得られず、希望するポジションに就けなかったり、市場価値に見合った年収提示を受けられなかったりする恐れがあります。
経験やスキルの棚卸しをする際は、転職エージェントなど、転職支援のプロにアドバイスを求めるのもよいでしょう。

国家公務員から民間企業への転職事例・体験談

本章では、JACが提供する転職支援サービスを利用して、国家公務員から民間企業への転職を成功させた事例を紹介します。

国家公務員から大手電機メーカーの事業企画へ転職した事例

Uさん(40代後半/男性)

業種職種年収
転職前中央官庁官公庁職員1,200万円
転職後大手電機メーカー事業企画・事業開発1,650万円

Uさんは、長年にわたり国家公務員として中央官庁に勤務し、渉外や経済安全保障、政策提言といった幅広い分野で実績を積み上げてきました。国内外の関係機関と連携しながら政策立案や国際交渉に携わるなかで、社会の枠組みを動かすことにやりがいを感じつつも、培った知見をよりダイレクトに社会実装へつなげたいという思いが芽生え、民間企業でのキャリアに挑戦することを決意しました。

JACのコンサルタントは、Uさんの政府内で培われた幅広い知見と人脈、そして高度な政策立案能力を高く評価し、大手電機メーカーの事業企画・事業開発のポジションを提案しました。

結果として、行政機関との連携を軸に新規事業開発やデジタルガバメント推進を担うポジションでの入社が決定。社会的意義の高いテーマに取り組みつつ、政策立案で培った戦略的思考や渉外力を発揮する機会を得ることができました。

Uさんは官と民の橋渡し役として、事業開発を通じて社会的課題の解決に貢献する新たなキャリアを歩み始めています。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

国家公務員から自動車メーカーの渉外へ転職した事例

Mさん(30代後半/男性)

業種職種年収
転職前中央官庁官公庁職員1,000万円
転職後自動車メーカー渉外(ロビイング)1,100万円

Mさんは、中央官庁に入省後、ICT技術政策や5Gの推進、電波利用料制度など、通信・情報分野の政策立案に携わってきました。
また、外交官として海外に駐在し、経済動向の把握や日系企業の事業開発支援にも従事するなど、幅広い知見を培ってきた経験のある方です。
これまでの経験を経て、Mさんは、より主体的に事業にかかわりたいという思いを抱くようになり、民間企業への転職を志すようになりました。

JACのコンサルタントは、Mさんの政策立案・渉外に関する豊富な経験と、海外での交渉力、利害関係者との調整力を高く評価。政府との折衝や政策提言を担う海外渉外のポジションを提案しました。

転職後のMさんは、渉外活動を担うほか、経営幹部への情報提供や各国の政策動向を分析し政策提言を行うなど、経営に直接貢献する重要な役割を果たしています。

今回の転職は、国家公務員として培った高度な政策立案や渉外スキルが民間企業の事業成長をけん引するポジションで高く評価されました。キャリアアップと年収アップ、そしてワークライフバランスの改善を実現した好例といえます。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

国家公務員から電気機器メーカーの法人営業へ転職した事例

Bさん(30代後半/男性)

業種職種年収
転職前防衛機関パイロット900万円
転職後EMC(電気機器)法人営業900万円

Bさんは、大学卒業後、国の防衛機関に入隊し、技術職として国内外での物資輸送や任務遂行に携わり、高度な専門技術と課題解決能力を培ってきました。
また、所属部署の課題解決にも積極的に取り組み、周囲からも厚い信頼を得てきた方。
転職を検討し始めた背景は、より直接的に社会貢献できる民間企業でのキャリアに興味をもったことにありました。

JACのコンサルタントは、Bさんの防衛分野で培った専門知識と課題解決に粘り強く取り組む姿勢、さらにBさんの「グローバル環境で働きたい」という熱意に着目し、外資系電気機器メーカーの法人営業職を提案しました。

転職後のBさんは、防衛・航空宇宙業界の顧客企業に対して、ソリューション提案を行っています。
また、仕入れ先である海外本社とのやり取りも多く、ビジネスレベルの英語力を生かしてグローバルに活躍しています。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

実際、国家公務員はどのような業種/職種に転職している?

JACが転職を支援し、国家公務員から別業種に転職した方の転職先例は、次のとおりです。

  1. EMC
  2. コンサルティング・シンクタンク・事務所
  3. 建設・不動産
  4. IT・通信
  5. 金融
  6. メディカル・バイオ
  7. 消費財
  8. 商社
  9. サービス
  10. WEB

※割合の多い業種順に記載

※当社実績(2023年1月~2025年7月分データ)より

国家公務員から民間企業への転職は「規制・政策に関連する産業」や「社会課題解決型のコンサル」「デジタル・金融成長領域」などに集中しており、国家公務員時代に培った知識や経験が産業構造の変化や社会課題解決を推進する領域で強く求められていることが推察できます。

国家公務員から民間企業に転職するなら、JAC Recruitmentへ

国家公務員から民間企業への転職では、業務環境や評価制度、求められるスキルセットが大きく異なるため、的確な情報収集と戦略的な準備が不可欠です。
特に、国家公務員時代に培った政策立案や調整能力、法令解釈力、関係機関との折衝経験は、民間企業でも経営企画、法務、渉外、コンサルティングなど幅広い領域で高く評価されます。
しかし、その価値を適切にアピールし、企業側が求める形に変換して提示するには、採用市場と各企業の特性を熟知した転職エージェントの存在が不可欠です。

その点、JACは、国家公務員経験者の転職支援にも多くの実績をもち、各業界・企業の採用背景や組織課題を把握したコンサルタントが、一人ひとりの経歴や志向に基づき最適なキャリアを提案します。
また、一般的な求人媒体には掲載されない経営幹部候補や新規事業責任者、海外拠点の求人など、長期的な成長を見据えた希少な求人も豊富に取り扱っているため、新たなキャリアの選択肢を見つけられる可能性も期待できます。
また、書類作成や面接対策においても、国家公務員時代の経験を民間企業目線で再定義し、効果的に伝えるためのアドバイスを提供します。

民間企業での活躍を見据え、国家公務員時代の経験を最大限に生かしたいと考える方は、ぜひJACにご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

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当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。